リスク管理

 今日は「鷲神社」の「酉の市」の日です。「三の酉」で、しかも土曜ですから混み合いますよ。早めにお出かけを。さて、

 読売新聞に、文化功労者で元・産業技術総合研究所・化学物質リスク管理研究センター・センター長、元東大教授の、中西準子先生が連載をしておられます。まだ始まったばかりですが、納得度が高いので、毎日読んでいます。

 中西先生のご専門は「環境リスク学」。環境リスクについては、リスクの程度を可能な限り定量的に評価・比較し、いたずらに危険性を騒ぎ立てるのではなく、それをもとに合理的な対策をとるべきであると主張されています。

 そのためのリスク評価手法の確立に尽力され、文化功労者にまで成られました。

 原発もそうでしたが、世間には「絶対安全」の神話が流布されることがあり、そうした「安全標榜はうそが多い」、と先生は断言しておられます。「ウソ」と言い放つところが痛快です。

 「私には安全なんて証明できないという感じがあった。リスクというのはある程度許容しないと、結局、全体としてリスクが大きくなりますよ、ということが私の研究の出発点なんですよね。(中略)安全を標榜するとリスクがゼロと言っているようで、嘘みたいで嫌だと。結局みんな隠すことになるじゃないですか。」

 それで、原案では「化学物質安全研究センター」という名前だったセンターを「化学物質リスク管理研究センター」に変えさせて、それからセンター長に就任したそうです。

 先生は、このように「安全の標榜には嘘」をお感じになる一方、危険を強調しすぎるのも問題、と指摘しておられます。

 昨今の放射線の記事でも、

 「こんなに危険、日本の食材」

 「食べてはいけない危険な食材」

とかいう見出しの記事の中に、基準値を超えた産地と一緒に、大きく下回る産地がリストUPされていたりします。その見出しの枠で採り上げられてしまったら、もう全て食えなくなってしまいます。

 ゼロ以外は全て危険という発想は、困りますね。

 記事を読んでいて「大変だなあ」と思いますのは、こういうお考えの方には、味方が少ないそうです。

 「絶対安全」派からも「ゼロ以外は全て危険」派からも疎まれます。

 若い頃、物議を醸す研究を発表した時は、東大の中で阻害され、長期間助手の地位にとどめられたこともあったそうな。

 私などは、つくづく日本人は怖がり方が下手だと思ったりしますが、先生は、そういうことではなく、リスク評価をキチンと提示すれば、日本人も正しく怖がるようになるハズだと書いておられます。

 是非、そう願いたいものです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて633日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

産地見学ツアー

 11/23に第10回「すきや連」を、群馬県前橋市のすき焼き店「牛や清」さんで開催しました。今回も定員オーバーの、多数の皆様のご参加があり、大盛況。上州和牛を堪能しました。

 さて今回の「すきや連」の特徴は、宴会の前に「産地見学ツアー」が付いていたことでした。

 ネギ栽培の「小金沢下仁田ファーム」さん

 蒟蒻・白滝メーカーの、「小金澤下仁田蒟蒻」さん

 原木しいたけ栽培の「松浦しいたけ園」さん

の3箇所を訪問しました。いずれも、真面目に昔ながらの製法で生産している方々です。

 「百viewは一見に如かず」とは良く言ったもので、勉強になることがたくさんありました。

 でも画期的な新知識があったかと言えば、実はそうではありません。トリビア的な新知識はたくさん得ましたが、根本的な部分では旧知の範囲内でした。

 それは何故か?

⇒皆さん、真面目に昔ながらの製法で生産しているので、おおよそ食材辞典や調理用語百科に載っている通りに作っておいでだからです。当たり前ですね。

 「こういう製法で作っている生産者は、だいぶ減りました」

と聞かされましたが、

 「へえ、そうなんだ。なんでだろう?この製法じゃあ、儲かんないの?」

という疑問がモヤモヤとして残ります。

 その疑問の答えですが⇒勿論、儲かんないのです。ご本人に聞いたわけじゃないですけどね。

 「他の製法」と言うより、ホンモノに似たようなマガイものを、安いコストで作る方法が出来てきているので、利益を出したい人は、そっちの製法へシフトしているのだと思います。

 マガイものでなくても、日保ちを長くするために保存料を投入することで、製品廃棄コストを少なくする業者もでてきました。そういうことをせず、昔ながらの製法で生産していると、割高になってしまい、味のわかる少数の人にしか買ってもらえないのです。

 で、今回思ったことなのですが、

 むしろ、マガいもの工場を見学するのが勉強になるかも!

ということです。

 へえー、こんなやり方で作ってたんだ!信じられない!そんなもの、ゼッタイ食べるもんか!

という展開の見学も勉強になりそうだなあ、と思った次第です。逆説的ですが。

 皆さん、いかが。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて632日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

PR、試食、消費拡大

 新聞記者というのは難しい稼業です。自分が良く承知していないことについて、限られた資料を基に記事を書かないといけないからです。気の毒な稼業と言っても良いかもしれません。

 11/23に群馬県で開催しました第10回「すきや連」について、地元紙に書かれた記事も、気の毒なものでした。

<記事の引用>

上州牛や下仁田ネギを使った県産すき焼きを広めるため「すきや連群馬事務局」は23日、全国の老舗すき焼き店や野菜農家ら約30人を県内に招き、食材生産地の視察やすき焼きの試食をしてもらう「すきや連例会」を開く。下仁田町でネギやコンニャク、シイタケなどの生産現場を見学するほか、前橋市内の飲食店で県産すき焼きを提供する。事務局は「有名店で県産の肉や野菜が使われれば、食材としての信頼が高まり出荷拡大につながる」と期待する。(中略)

試食会には本県の生産者も参加する。「全国に群馬のすき焼きをPRする絶好の機会」と意気込む。(後略)
<引用終わり>

 この、PR、試食、消費拡大という一方通行の、ステレオタイプから抜け出すことは難しいんでしょうか。

 だいたい、ですよ。「試食」という書き方だと、御招待=我々が、ただ食いするみたいですが、勿論、違います。

 今回は食材をPRされる側=買う側の、すき焼き屋たちが、わざわざ好き好んで、交通費を支払って群馬まで行き、15.000円という安からぬ会費を支払って、群馬のすき焼きを食べるのです。

 それって「試食」ですかね。

 産地見学にも行きますが、バスのチャーター代をワリカンします。「PR」なら、そういう費用は現地業者がもちますよね、普通。

 ここで群馬県の生産者の皆さんの名誉のために書きますが、群馬の皆さんは、日本のすき焼き文化の発展に貢献したい、という有り難い御志を持っておいでの方ばかりです。「すきや連」活動にもご協力いただいています。

 そうでなければ、すき焼き屋がわざわざ群馬から食材を買う意味がわかりません。

 いくら群馬にすき焼きの食材が豊富と言っても、他の県が同じ食材を生産していないわけではありません。品物が同様で、群馬も他県も、どちららにも御志がないのなら、どこから買っても同じですよね。群馬から買う必然性は無いです。

 そうではなく、群馬の方々が、有り難い御志を持っておいでで、品物の仕様を合わせて下さったり、「すきや連」活動にご協力下さるから、そちらから具材を買うのだし、わざわざ交通費を払って、会費を支払って、群馬のすき焼きを食べに行くのです。

 地元の「およばれ」に応じて「試食」しに行くのではないのです。どうです?かなり記事のニュアンスと違いますね。PRする側=PRされる側、という対決構図ではなく、全体が「すきや連」活動なのです。

 今時、TPPも襲って来るというのに、PR、試食、消費拡大という一方通行で良いのでしょうか、今後も。ステレオタイプ過ぎませんか。

 単なる、PR⇒売りさばくという以上の発想、この国の食文化の中で、農産物をどう位置づけるとか、という発想が在っても良いのではないか、と思います。

 それでも、まあ、記事にならない方が良かったか、と言いますと、そうではなく、まったく採り上げられないよりはマシです。まずは関心を持っていただいた上で、誤解されている点はお話し申し上げて認識を変えていただければ良いのです。

 「好きの反対は無関心」とか言いますからね。だからFBでも「いいね」しておきました。

 それにしても、新聞記者というのは気の毒な稼業です。この記者さんは、限られた資料を基に、我々が会費や見学費用を支払うことをご存じなく、最初から「県産品のPR事業」と決めつけてしまったのかもしれません。

 ブログを書く方が、楽しいですね、全く。

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて631日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

ブータンの王様②

 昨日から、ブータン国王陛下の来日にあわせて、「国民総生産」の成長を目指すことの問題点について、書いています。

 「国民総生産」を成長させる方法の、其の一、其の二は昨日書きましたが・・・

 其三=今まで、人が自分自身で済ませていた用事を、代わりに請け負うサービス業を興す。

 例えば食事を作る、という用事は、以前は主婦の家内労働でしたが、これを外食産業が代わって請け負うことにすれば、それは産業に成ります。

 この方法は、一見簡単に経済成長を興せるように見えます。

 しかし、良く考えてみましょう。この産業には画期的な新技術がありません。せいぜい、各チェーン店で行っていた調理を一箇所に集める、とか程度のノウハウしかありません。

それも、ノウハウがあったとしても、たいていは料理をマズくするノウハウです。品質が期待できません。

 ですので、どうしても「利便性こそ第一」(「その他はテキトー」)という産業に成ってしまいます。そして利便性競争に走った挙句、人の自然の生活から乖離することがあると思います。

 例えば、ですが、夜中の2時に24時間営業の寿司屋で寿司が食えることは、たしかに便利ではありますが、幸せなことでしょうか、ブータンの皆さん。

 夜中の3時に、コンビニでおにぎりが買えることは、たしかに便利ではありますが、幸せなことでしょうか、ブータンの皆さん。

 どうも利便性というのは、

 「いつでも買える」

 「待たずに、すぐ買える」

ということに行き着いてしまうように思います。

 このところ私たちは、そうやって=つまり利便性を実現することで、「成長」してきました。私たちの近年の成長の歴史というのは、そっくり「いつでも買える」「待たずに、すぐ買える」以外の価値を捨ててきた歴史と言えるかもしれません。

 特に食べ物には、利便性以外の価値=例えば「家族の絆を作る」という価値もあるわけですが、そういう価値は、どんどん彼方へ押しやられつつあるように感じます。

 私たちは、この問題を考え直す時期に居るのかもしれません。

 夜中におにぎりを売るには電気が要りますしね。私は、其の三の方法による成長は、国民を幸せにしない、と断言したいと思います。

 あっそうそう、この一から三のどれにも該当しない成長方法として、国際観光業(=インバウンド誘致)があることは、あります。そこに力を入れるのは、悪くはありません。しかし、王道に成れるほどの市場規模ではないのが辛いところです。

 まあ、私は、王道でなくても、国際観光業をやろう、と思っています。御国の役にたちそうですのでね。

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて630日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

ブータンの王様

 ブータンの国王陛下が来日されました。

 王様はイケ面、王妃様はアジアン・ビューテイーということで、テレビにツーショット画像が何度も流れされていましたね。

 一方で、王様を迎えた、日本の政治家の不敬ぶりも話題になりました。ある閣僚は王様との宮中晩餐会を欠席して政治資金集めのパーテイーに出席したそうです。しかも、そのパーテイーで挨拶に立ち「こちらのパーテイーの方が大事」と高言したそうな。いやはや。

 王様は元々親日的な方で、しかも震災後初の国賓です。福島県相馬市を訪問して、被災した皆さんを激励して下さったというのに、この態度です。トホホですね。

 でも、まあ、この話しはネットでだいぶ話題になったので、さらにこのブログで書くこともないでしょう。さて置くことにします。

 それで、ですが、ここで書きますのは「国民総生産」のことです。ブータンが目指していない「国民総生産」のことです。

 ブータンが目指しているのは「国民総生産」ではなく「国民総幸福」だそうですから、その「総幸福」なるものが、本当にブータン人を幸せにしているのかーそのことについて、ここに書ければ、それは上等ですが、私風情には無理というものです。 

 書けるとしたら、耳になじんだ「総生産」の方で、それを目指すことの問題点については、この機会に議論しても良いのでは、と思います。

 さて、その「国民総生産」を増やす、つまり経済を成長させるには、どうしたら良いのでしょう。まあ、単純に言って3通りの方法がありますね。

其一=人口を増やし、それに合わせて生産力を増やす。

 その昔は、マルサスの『人口論』のように、人口の増加に生産力が追いつかない状況でした。それで、人口増加⇒貧困化とみなされたこともありましたが、今は違いますね。

 日本の生産力は余っていて、それを消費してくれる人口が居ないので困っているわけです。モノを作っても売れない⇒それで不景気⇒デフレというのが現状でしょう。

 じゃあ、人口を増やせば良いのか⇒でも日本人の人口は増えないんだから、移民を受け入れるしかないぞ、という過激な議論もあるようです。

 移民受け入れが政治的不幸せを産む危険性は、どうしてもありますよね。簡単に手は出せないでしょうね。

 其二=他国にない、新しい技術で新しい産業を興し、製品を海外に売りさばく。

 これが当然王道です。ものづくりジャパンの王道でしょう。

 でも、今時技術はグローバルに進化しますから、国をあげてよほど力を入れないと、他国をリードするのは厳しいでしょうね。優秀な学者さんや技術者さんが海外に行ってしまうのを、今は止めさせられないですからね。

 王道でしょうが、きびしい道です。でも、まともな日本人なら、この道を行っていただきたいですね。

 では続きまして、其三に行かないといけませんが、どうも、この話しは大分長くなってきているので、「続きは明日の、このブログで」ということにします、悪しからず。

追伸①

 本日11/22は火曜日ですが、11/23の祝前日ですので臨時営業いたします。どうぞご利用くださいませ。

追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて629日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

予行演習

 桜鍋の「中江」さんを訪問しました。

 訪問と言っても、桜鍋を食べに行ったわけではなく、企業訪問(=見学)をしました。

 実は、来年4月20日の「ニッポン全国彪友会―台東万博!」では、「台彪会」の8社の会社が企業訪問を受け入れるのですが、「中江」さんも、その内の1軒です。

 それで、全国から見える皆さんに対して恥ずかしくないように、今から受け入れの予行演習をしています。残りの7社の社長と私を訪問客に見立てて、「中江」の四代目にプレゼンをしていただいたのです。

 「中江」さんは、今年が創業106年目なのですが、これまでの歴史の説明があった後、さらに四代目が跡目を継いだ後に、どのような改革をなさったかの説明がありました。

 四代目は、素材や御酒を産地まで求めに行ったり熱心に研究されていて、大したものです。

 また、その経緯がメニュー上に面白く書かれていて、そのストーリーに惹かれて注文する人もいるでしょう。良く出来ています。

 さらに今後は、吉原の文化に注目を集めるための仕事をして行きたい、とか。なるほど、大変結構かと思います。

 あっと言う間の90分でした。

 ここにあまり細かく書くと「ネタバレ」になってしまうので、この位にしておきますが、期待できますよ、「中江さん」。全国の皆さんも、喜んで下さるでしょう。

 どうぞ、ご応募を!

 この予行演習シリーズは、まだ続きます。

追伸①

 明日11/22は火曜日ですが、11/23の祝前日ですので臨時営業いたします。どうぞご利用くださいませ。

追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて628日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

 

Filed under: 台彪会,憧れの明治時代,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

愛嬌・能書き・ベネフィット

 商売をしていくには、愛嬌と能書きとベネフィットが大事と思います。

 まず「能書き」ですが、これは言うまでもなく、どういう食材をどう味付けていくか、あるいは料理以外の面で違いを出すか、とにかく他の御店との間に「差異性」があるようにしていくこと、それを言っています。

 これが無ければ商売が成立しませんので、大事です。

 「ベネフィット」とは、とっつきにくい言葉ですが、お客様にとっての良い事、を言っています。

 例えば、御家族三世代のお食事であれば、お孫さんの笑顔をお爺ちゃん・お婆ちゃんが見て喜ぶことがベネフィットです。

 あるいは、外国からゲストが見えて、食事をご馳走する場合であれば、その外人さんに日本贔屓になっていただくことがベネフィットです。このベネフィットこそが商売することの目的であります。当然大事です。

 で、最後になりますが、愛嬌も大事です。

 愛嬌がないと、能書きやベネフィットを、私たちが主張しても聞いていただけません。

 どうも、いろいろな不祥事や事件のせいで、我が国の人々は疑り深くなってしまいました。ですので、普通に語っていても、信用していただきにくくなっているように思います。

 そこで! あることを思いつきました。

 組織ぐるみで愛嬌を出す方法を思いつきました。

 それは、「個人情報名札」。

⇒これを皆が付けて接客します。

 個人情報と申しましても、まあ、どうでも良い情報ばかりです。

「実は高校のテストで0点をとったことがある」とかそういう事は載せてありません。載せているのは・・・

 ペットの犬の種類とか、

 好きなテレビ番組とか、

 肉以外の好きな食べ物とか、

そういうことばかりです。

 そういう情報を氏名よりデカく載せてあります。たまに内容を更新します。

 どうです、下らないでしょう。

 でも、これで組織ぐるみで強制的に、御客様に親しんでいただけるものと確信しています。「愛嬌出し」を個々人の個性に依存するのでなく、こういう仕組みで創り出すわけです。

 もちろん親しんでいただいた上で、語らせていただきますよ、能書きを。

 「この前ね、浅草の「ちんや」の人にね、肉のことを色々教えてもらったわけよ。たしかね、ダックスフント飼ってる人だったよ。でもね、そのワン子になつかれてないんだって、おかしいよね。え?その人の名前?覚えてないなあ。」

と御客様に言っていただけたら、大成功です。

 え?私ですか?そりゃ、私も付けてますよ。

 <住吉史彦の個人情報>

 好きな食べ物:鰻、天麩羅、焼き鳥

 誕生日:1965年12月3日生まれ、巳年、ペガサス

 血液型:B

 役職:六代目店主

 最近の仕事:すきや連、すき焼き通検定試験、すき焼き川柳オンTwitter

 趣味:ブログ(23年3月1日より毎日更新中!)

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて627日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

天麩羅の幸せ

 私の好きな食べ物は=鰻、天麩羅、焼き鳥です。勿論「すき焼き以外では」という前提ですが。

 最近ミシュランで評判の寿司が入っていませんね。寿司も勿論大好きですが、温度のないものなので、寒い季節には、やはり揚げたての天麩羅、目の前で焼いた焼き鳥に吸い寄せられてしまいます。

 食べ物の温度は、その食事の「幸せ感」に直結する、と私は思っています。

 でも電子レンジや電化調理器具による熱はNGです。電子レンジは、食べ物の分子だけを熱くするので、まわりの空気にあまり変化がおきません。それが「幸せ感」につながらない理由だと考えています。

 料理の作り手の「おいしいものを作りたい」という気持ちが、温度というカタチで、食べ手へと、空気を経由して伝わるのが、「幸せ感」の重要な要素だと思っています。

 東電さんがPRするところによりますと、オール電化厨房にすれば、器具からの放熱がとても小さいので、「涼しい厨房」を実現できると言います。厨房と言えば、灼熱の汗みどろの職場というのが相場ですから、「涼しい厨房」に心惹かれる気持ちは、まあわかります。

 でも、なんか幸せっぽくない感じがします、私には。

 そんなことを考えていたら、おいしい天麩羅を、その御店の御主人と一緒に食べる機会に恵まれました。新宿「つな八」の御主人C村さんの「揚げ揚げ会」が、それです。

 それはそれは美味しく揚げられた天麩羅が次々に出て来て、最高でした。

 でもこういう場合に心配なのが、自分の消化力。調子に乗って食べ過ぎて、後でイタい目にあったことが何度もあります。

という話しをしましたら、御主人が用意して下さったのが・・・

 大根ジュース。

と申しますか、要するに、大根おろしをおろした時にできる汁のことです。ここには消化酵素のジアスターゼが含まれています。ジアスターゼと言えば、有名な胃腸薬の『タカヂアスターゼ』でおなじみですね。

 しかも聞けば、大根ジアスターゼは1905年(明治38年)に、日本人が発見したのだそうな。素晴らしいです。

 それが「つな八」さんの裏メニューなのだそうです。御蔭様で、心ゆくまで堪能できました、天麩羅を。

 温度とともに、下着まで油くさくなりましたが、それが「幸せ感」の重大要素と言うものです。

 Banzai 天麩羅。

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて626日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

 

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (2)

敷居

 11/17(木)放送の、NHKの番組「ブラタモリ」で「ちんや」が紹介されました。皆様ご視聴ありがとうございました。さて、

 「ちんや」さんは敷居が高い、と若い人から良く言われます。

 敷居ってなんですかね。良く使う言葉ですが、明確な意味を聞いたことがないです、そう言えば。

 単純に@単価のことかと言うと、そうでもないようです。

 「ちんや」は安くはないですが、馬鹿高くもないです。「ちんや」より単価の高いイタリアンが、若い女の子でいっぱいだったりすることがありますから、単純に単価@のことではないですね。

 では、「何か特別のチャージがあるに違いない」と心配なさっているのでしょうか。

 たしかに、ご奉仕料はいただいていますが、500円ポッキリです。昼なら400円です。

 料理代、飲み物代とご奉仕料以外は何も請求しません。

 御酒を持ち込めば、持ち込み料がかかりますが、10ml=10円という、とても安い持ち込み料です。フルボトルで@10.000円のワインを持ち込んでも、750円しかチャージされません。

 別に怖がることはないですよね。

 次に考えられるのは、「店のルール」でしょうか。「暗黙のルールがあって、それを知らない客は叱られる」とでも心配なさっているのでしょうか。

 そういう御店もあるにはあるようですが、「ちんや」は、そういうことは考えておらず、守ってもらいたいのは、常識的なことばかりです。

 「予約をしたら、その時間に来て欲しい」とは勿論思っていますが、それは「店のルール」じゃあなくて、世間のルールですよね。

 個室を使える時間は2時間30分、というような「ちんや」独自の決め事もありますが、口頭やサイトやチラシに記載して、事前におわかりいただくようにしています。怖がるような話しじゃあないですよね。

 では「すき焼きや肉の知識が浅いと店内で馬鹿にされる」とでも心配なさっているのでしょうか。

 あり得ませんよ。少なくても、店の側からそうすることはないです。

 勿論、知識をつけていただきたいのは当然で、そのために「すき焼き通検定」とかやっていますが、馬鹿にすることはありません。

 知識が浅い人でも、おいしく食べていただければ、店の人間は喜びます。そんな単純なもんです。

 知識が浅い人を馬鹿にするのは、むしろ、その人と同席した、年配のお客さんでしょう。

 それだから、キミは、ひよっ子って言うんだよ! 

と先輩のオヤジから言われて、ウザっと思った若い女性は多いかもしれません。若くて女でも、良い大学を出ていて⇒やる気に燃えていて⇒こんなオヤジに負けるもんか!と思っているのに、小娘扱いされたら嫌でしょうね、それは。

 そういう女性に申し上げます。

 若い男とつきあいなさい!

 若いカレシは、食べ物の薀蓄なんて知らないでしょう。キャリアを重ねて、修羅場をくぐり、その間に薀蓄もつけたオヤジに比べたら、ガキに見えて物足りないでしょう、カレシは。

 でも貴女と一緒に食事をする間に、カレシに薀蓄をつけさせれば良いんじゃありませんか。

 オヤジに見下されて、嫌な気分になり⇒「敷居が高い店!」なんてことはつまらない話です。

 カレシと来れば、低いですよ、「ちんや」の敷居。

追伸

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて625日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

菓祖神

 福島県郡山市の蔵元・笹の川酒造さんが東京に御用事があったとかで、そのついでにお立ち寄り下さいました。

 で、いただいた手土産が「薄皮饅頭」。

 土産が饅頭というのは、珍しくはありませんが、包装紙に書かれている記事を読んで、

 へえ、知らなかった!!

 郡山には「菓祖神 萬寿神社」というのがあって、その例大祭のことは「まんじゅう祭り」と言うそうです。

 この御社がお祀りする三柱は、と申しますと、

・林浄因命=中国から日本へ初めてお饅頭を伝えた祖神。

・田道間守命=日本のお菓子の原点、橘(=みかんの原種)を伝えた果実とお菓子の祖神。

 それから、

・初代本名善兵衛命

 ?! なんか3番目の神様だけ、人間っぽいですね。

 それも、そのはず。

 この人は、薄皮饅頭をこの世に送り出した人で、この、いただいた饅頭メーカーの初代なのです(!) しかも年代は幕末と言いますから、最近です。

 人間が神に昇格したのは、菅原右大臣、神君家康公、明治天皇、それに浅草神社の三柱くらいかと思ってました。

 うーむ。

 じゃあ、オレ様もなれるわけだ。

 六代寿喜焼貴命・・・

追伸①

 本日11/17(木)放送の、NHKの番組「ブラタモリ」で「ちんや」が紹介されます。

 と言っても、すき焼きの話ではなくて狆の話し。今回のテーマは「江戸の動物」なのです。私も撮影されましたが、果たしてオンエアされるのか・・・

 放送時間は、午後10時からです。

追伸②

 11/27に第五回「ちんや」すき焼き通検定試験を実施します。

 年内最後の検定です。今年の内に、「自称すき焼き通を、公認すき焼き通に!」

詳しくは、こちらです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて623日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 Facebookも始めました。プロフィールはこちらです。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)