削る・叩く・騙す

「削る」「叩く」「騙す」は経営の三本の柱と申せましょう。

某ホテルズさんの経営の、ですけどね。

因みに、動詞の目的語を補いますと、

従業員を削る

仕入れ先を叩く

客を騙す、です。

ここで、どうして「削る」「叩く」だけでストップできなかったのか、と疑問に思う方は、この20年の、日本のホテル業界のデフレな事情を思いおこして下さい。

思いまするに、ホテル業界は典型的なデフレの被害業界です。

価格破壊的な宿や予約サイトを礼賛してきたメデイアや世論が、今回の問題を発生させたと思います。

ところが、その状態に気づかなかった人がこれまで多く、業界は良いイメージを保っていたので、今回とりあえずは大イメージダウンに成ってしまいました。

ショックはありましょうが、日本がまともに成る為には、通らねばならない道と思います。

ある、私の知人はホテル業界に奉職しホスピタリテイーの実現を志しておられましたが、やがて業界の在り方に疑問を感じて退職。食にお詳しいことから、今は地方の再生・活性化を、食を通じて手伝っておられます。

土地土地の産物や人物を活かすことを大切にして、再生・活性化を目指す手法なのですが、今回の事件を経て、むしろ、これからがそういう方の出番と思います。頑張っていただきたいです。

一方、ホテル業界の中の、阪急阪神さん・近鉄さん・小田急さんといった比較的大き目の会社は、はなはだ残念なことに、「削る」「叩く」路線を突っ走っていまいました。上場企業は赤字を出せないですからね。

社員が多いだけに削る所はありましたし、仕入れ先は叩いても言う事を聞きました。

経営者がサラリーマン経営者で、食にこだわりや使命感を持っておられなかったことも、おそらく一因でありましょう。

地震とかの事情で赤字の年もありましょうが、そういう時には、経営者がクビを差し出して、赤字決算を公表して欲しかった、私はそう思います。

従業員と仕入れ先と信用を残せば、やがて回復することも出来るわけで、その為にクビを申し出た経営者がいれば、それは尊敬されてしかるべきと思います。「辞める」も立派な経営の行為です。

「削る」「叩く」はやり尽くしてしまい、「辞める」も出来ないとなると、後は何が出来ましょう。

ホテルの規模はそのままに従業員数だけ削るんですから、現場は忙しくてジュースなんか搾っていられません。でもイメージは今まで通りにしたいんですから、自然の流れとして既製品を使い、メニューだけは今まで通りと合いなりました。ごくごく自然の成り行きとして、偽装が成立した次第です。

あ~あ、やっちゃいましたねえ、「騙す」を。

どうせ「騙す」がバレたら辞めないといけないんですから、早めに辞めておけば・・・と思うんですけどねえ。

最近、カッコ良い経営者がいませんね、日本に。

追伸①

NHK総合テレビ『月刊やさい通信』に出演します。

※なぜ、すき焼きにシュンギクを入れるのか?

※すき焼におけるシュンギクの役割

という内容です。是非ご覧ください。

11月24日(日)朝6:15~6:45

11月28日(木)昼12:20~12:43(短縮版)

http://www4.nhk.or.jp/P554/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.342日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

牛脂のハレ舞台

阪急阪神ホテルズさんが牛脂にスポットライトを当てて下さり、私は内心喜んでいます。

おっと、ブログに書いたら「内心」に成らないかもしれませんが、ともあれ、牛脂なんて物にこれだけ視線が集まったことが、あったでしょうか、今までに。これがハレ舞台とは皮肉な話しです。

今回分かりましたことは、

ステーキ肉本体が残念でも牛脂を注射することで取り繕うことが出来る=牛脂とはそういうことが出来る物だ、ということです。

良い牛の脂であれば、ですけどね。

「ちんや」の牛脂にも勿論そうした能力があり、この脂でネギなどの野菜を炒めた時は、実に旨いものです。チャーハンなどの焼き飯にも良いと思います。

それで牛脂を注射するのです。

では、皆さん、スーパーで無料で配られている、あの牛脂に同じような能力がありますでしょうか。

あれは無料なんだから、貰えるだけ貰って、調味料として使い倒してやろう!

と思った方がおいでかもしれません。

まあ、どうぞ、やってみて下さい。しかし、

ちぇ!ちっとも旨くならないぞ!

と怒ってはいけません。

あれは無料のものですから、食品を販売する時に課せられる表示義務の対象外です。何が入っているか、分かりませんよ。

だから本当に100%牛脂なのか、客に知らせる義理なんてないんです。旨くならなくても文句は言えないのです、そう、タダなんですから。

さて、ここで牛脂と言っても2パターンがあることに、皆さんは気づきましたね。

・残念な肉を旨くするための、よい牛の牛脂

・とにかく炒め脂としての用を足すために、無料で配布されている、自称「牛脂」

ややこしいですねえ。まあ、両方とも旨い・マズいの違いはあるものの「優良誤認」行為ですがね。

一方ややこしくないのは、「ちんや」の牛脂です。

・「ちんや」の牛脂は、全量、「ちんや」が販売している牛から取っています。

・それを配布用の形に成形するプロセスは、すべて「ちんや」スタッフが行っています。

つまり他所から牛脂用の脂を仕入れたりしていないのです。明快です。

そういう次第で、いくらでも無制限に差し上げてしまう、ということが出来ないのが残念ですが料理を旨くすることだけは保証致します。

肉をお買い上げの節に、差し上げます。

 

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.341日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

大鰐温泉もやし

「変わりザク」のメニューとして、1年ぶりに「大鰐温泉もやし」が帰って来ます。

このもやしは、もやしを栽培する土の周囲に温泉を循環させ、その熱を利用して育てるもやしです。だから「温泉もやし」なんです。

その歴史は大変古く津軽藩三代藩主・津軽信義侯の頃から、少なくとも300年以上、大鰐(おおわに)の特産品として、町民はもちろん青森県人なら皆知っている特産品であり続けて来た、と聞いています。

しかし、実は近年生産者が5軒まで減ってしまいました。そこで地元では協議会を設立し、これまで栽培技術を一子相伝で伝えてきたのを改めて生産の復活を目指しておられます。

その他にも、まだまだ特徴がありまして、

・非常に珍しい土耕栽培(他のもやしは水耕栽培)

・無農薬、無化学肥料栽培

・豆の種類は、門外不出の「小八豆」 

そういう次第で、値段も結構な良いお値段なのですが、「ちんや」では昨年の冬からメニューに取り入れています。

お客様の反響も悪くなく、高いお値段にも御理解を示して下さる方が多かったように思います。

で、1年ぶりに「大鰐温泉もやし」が帰って来ます。

これを、すき焼きに入れていただきます。売店で小売りもします。   

とにかく、びっくりするほど立派です!

とにかく、一度お試しいただいたいと思います。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.340日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

60年に一度

出雲大社に行って参りました。

が、とにかく混んでいました。

観光客が多くて神聖な気分に浸るのが難しいです。悪いのは「60年に一度」の年にノコノコ出かけて行った、こちら側なのですが、とにかく予想以上の混み方でした。

往復の飛行機は早朝の便なのに満員。宿が島根県内ではとれず、隣県の皆生温泉にとったのですが、なんと、7人部屋。普通は3人か、せいぜい4人位しか入れない部屋だと思うのですけど、7人も入って部活の合宿みたいでした。

そうした混み方が今年いっぱい続く、というのですから、恐れいってしまいます。

島根県と隣の鳥取県は、「この千載一遇の機会を逃すな!」と観光誘致に血眼で、どこへ行っても観光スポットは大盛況でした。

いろいろな商品開発も進められて来たようで、土産物屋の店先には、カラフルな商品が山積み。その商品に団体さんが群がっています。

景気良いですねえ。

しかし、大丈夫なんでしょうか。

来年以降も、この人達は出雲に関心を持ち続けるでしょうか。

どうも、土産の商品のラインナップに「話題性先行」のものが多いような気がするのです。

典型的にはキャラクター商品。

「ゆるキャラ」を創って、中身の味よりパッケージの面白さで買わせようとする品物が実に多く並べられていました。まあ、でも、そうした土産物を自分で食ったわけでないので、それで批判するのは良くないですね。この位にしておきます。

土産として貰った人が、気にいって⇒次は自分で注文するようになればベストですけどねえ・・・

だいたいですね、土産と申しますものは、元々地元の名産品でしたよね。

名産だから、その土地を訪ねた人が、留守を守ってくれている身内のために買って来たものなのですが、今時はなんだか、そういう前提は崩れてしまい、とにかく話題性のあるもの=手渡した時に面白がって貰えるもの、にシフトしているように見えます。

だって名産なんて、いつでもネットで買えたり、東京駅で買えたりしますからねえ、現地に行って買う意味が希薄なのです。

あーあ

大丈夫なんでしょうか。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.339日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

媒酌人

その御方が御媒酌人だと知って、本当にびっくりしました。

浅草の、神輿・太鼓製造の老舗・宮本卯之助商店の若旦那の結婚披露宴に出席しましたら、以前弊ブログの2012年10月22号で書かせていただいた、春日大社の権宮司様が見えていました。

で、その権宮司様が、その日の御媒酌人だと言うのです。

へええ、です。

ちょうど一年前「国際観光日本レストラン協会」の研修会で権宮司様から神様への供物の説明を聞いていまして、その中に「浅草海苔」が入っていると知って驚いた私は、講演が終わった後の懇親会の時間に権宮司様に、この件を質問してみました。

その回答は・・・

奈良の酒を関東に送った後、その帰りの船に積んで来たんだと思いますよ。

という御返事でした。

実は17世紀の中頃まで、日本の酒造りの中心は奈良で「奈良酒」と言っていました。醸造技術は先進技術なので関東では発達しておらず、それで奈良から関東へ酒を送っていたのです。 

その頃には既に江戸湾で海苔が生産されるようになっていたので、奈良へ戻る船に積まれたのだろう、という権宮司様の説明でした。

その、一年前のやりとりを御記憶いただいているだろうか・・・

と少し心細く思いながらも、高砂に御挨拶にうかがいまして、

ちょうど一年前に浅草海苔のことをお尋ねした者ですが・・・

と名乗りますと、

ああ、「ちんや」さんでしょう、覚えてますよ。だって私は以前にオタクさんに行ったことがありますもん!

と在り難いことに覚えていて下さり、宮本さんの御縁で再会できまして、実に在り難いことでした。

「ちんや」の精肉売店ではアサクサノリの「浅草海苔」を売っていますが、これだけ有り難い御縁があるなら、ますます頑張らないといけませんね。

さらに申しますと、新婦の父上は「すきや連」メンバーで帯広の「六花亭」さんの御主人。これも奇遇でした。

末筆ながら、宮本家・小田家御両家の、ますますの繁栄を祈念申し上げます。

おめでとうございました。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.338日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: 色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

阿蘇の褐牛

今時ほとんどの画像はデジタルなデータとして処理されています。と、いうことはどうなるかと申しますと、画像の修正が可能です。

「ちんや」に撮影が入った場合も、壁の汚れを撮られてしまったら、

スミマセン!後で汚れは消してくださいね!とお願いしますが、これまでカメラマンさんから断られたことがありません。

ではさて、そうした行為はどこまで許されるのでしょうか?

今、私は先日目にした、新聞広告が気になっています。牛が修正されていたからです。

その広告は、阿蘇の農業がFAO(=国連食糧農業機関)の「世界農業遺産」に指定されたことを告知するために熊本県庁が発注して造らせた広告で、だから観光に来てね!という趣旨の広告です。新聞の全面を使った豪華なものでした。

おそらくは、どこぞの大手の広告代理店が関わって、デザイナーさんも一流なのでしょう。しかし、その広告に出て来る牛が修正されていました。

その牛は阿蘇の草原で草を食んでいまして、草原の中央に居る、有名な「クマモン」をとり囲むように、4頭が点在しています。

で、その4頭が綺麗に全く同じ方向を向いているのです。怪しいです。

毛並は少しずつ違うのですが、骨格が同じです。

ですので、同じ牛を、デザイン上美しい位置にコピペーして、表面だけ修正をかけた、と考えるのが自然です。

まあ、この位の修正は「在りだよね!」と言えなくはないです。これが×ならウチの壁の修正も×かもしれません。

しかしですよ、その広告は、阿蘇の自然が素晴らしい!ということを報せるための広告ですよね。デザイン的な面白さを賞玩するための広告ではないです。

ですから、デザインも出来るだけ自然な方が良かったんではないでしょうか。

だいたいですよ、こういうものを目にするたび、

広告制作の過程に、阿蘇の地元の人は関わっていたのだろうか?!

という疑問を抱いてしまいます。

関わっていたら、牛はこれとは違う形に成ったのではないか?

そういう疑問を抱いてしまいます、私は。

阿蘇の褐牛は、貴重で美味しいものなんですけどね。

牛は、美味しく食べるものなのであって、コピペーするものじゃあ、ありません。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.337日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

曳山まつり

街に歴史あり。学びに行けば面白いのですが、日々忙しく、なかなかそういう時間がありません。

そんな中、二条彪先生の「ニッポン全国彪友会」が長浜で開催されたので、長浜を訪問しました所、地元の「湖彪会」の皆さんが、とても熱心に観光案内をして下さいました。

さて長浜は元々城下町だったのに、城が無くなり、城が在った時代に城下に発展した都市だけが残っている、という非常にユニークな成り立ちの街です。

長浜城を築いたのは、若き日の豊臣秀吉です。

浅井長政を倒した秀吉は、浅井の旧領・北近江三郡の主となり、浅井の本拠だった小谷城の近く、琵琶湖畔に長浜城を築きました。

秀吉は長浜城下に計画都市を建設しようとし、近在の商人や職人を誘致しました。自由な商取引きを認めたため、長浜の街は発展していきます。

やがて秀吉は天下統一を進めるため長浜を去り、江戸時代に入りますと、この辺りの中心地は彦根に移ります。

徳川幕府が近江国統治の中心として彦根城を築き、徳川譜代の井伊家が入城、天下の要衝である、この地を治めることになったからです。一方長浜城は廃城、今在る城は再現です。

城を再現した、その中が歴史博物館になっていて、今ここに書いていることは、全てそこに展示してあることの請け売りです。そういう次第で、まだ続けますが・・・

こうして長浜は政治の中心ではなくなりましたが、元々街道・水運の拠点でもあったため、商人達が居残りました。

武家の世である徳川時代にあって、長浜は商人の街であり、しかも秀吉派の商人の街であり続けました。そうした存在は、この街だけでしょう。

有名な「長浜曳山まつり」の始まりも、秀吉が男子誕生の祝いに町人へ砂金を贈ったことに由来するそうです。その砂金を原資に町人たちは曳山を造営し、長浜八幡宮の祭礼に曳いた、と伝えられているそうな。

聞けば、今も街の人々は曳山の出番がまわって来ると、2月あたりから4月15日の祭の日まで、本業が手につかない有り様なのだとか。

街に歴史あり、ですねえ。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.336日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 
Filed under: 台彪会 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

差異性の源泉

滋賀県長浜市の少し北に木之本町という所があり、そこに富田酒造さんという蔵元さんがあります。そこを訪ねて参りました。

富田酒造の富田さんは、二条彪先生の「湖彪会」のメンバーで、今回、長浜で「ニッポン全国彪友会」が開催されたのに合わせて富田さんの蔵も訪問した次第です。

18世紀の建造だという蔵は流石の風情。北大路魯山人が逗留したこともあるとかで、その額が掛けられています。

蔵は老舗の風格ですが、現当主は革新的です。

日本酒の絶対消費量が減少していることに危機感を持たれて色々な事業をなさっています。

地元の農家さんとの関係強化、地元産米による醸造、農業高校との関係強化。

オリジナル・グッズの開発、地元の職人さんとの連携。

蔵の売店化=とても素敵な御店です。

石高の小さい蔵ならではの独自性の追求がスゴいです。二条先生が教えるところの「差異性」ですね。

都会人が羨ましいのは「差異性」の源泉になるものが地元にしっかり在ることです。まず地元の米、蔵に棲む酵母、そして水。

木之本町は滋賀県に在りますが、この土地には冬になると北国街道に沿って雪雲が入って来て、気候は「ほとんど日本海型」なのだそうです。

雪は当然山々に降り積り、地面に浸透し、伏流水として下の土地へ流れて来ます。

雪と雨が決定的に違うのは、ここですね。雨はザーと降ってすぐに流れてしまいますが、雪はいったん止まって、少しずつ降りて来ます。

この雪融け水こそ、すべての農産物・農産品の根源なのであって、独自のブランドを創ろうとする時には、その根拠にするべきものだと思います。

牛関係の人達も、もう少しここに着目して欲しいんですよね。

ともあれ、独自性を追求する会社はカッコ良いですね。私もマネしてまいります。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.335日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: 色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

新事業

向笠千恵子先生の本『すき焼き通』(平凡社新書)が出版されましたのは、2008年10月15日のことでした。

その本の企画に私が関わり始めましたのは、たしか2004年だったと思います。

最初は雑誌に連載され、それが単行本の形にまとまったのが2008年10月15日でした。この日は今「すき焼き通の日」に認定されています。

で、出版披露宴が「ちんや」であり、集まったすき焼き店主で「すきや連」というグループを創りました。

以来5年、年に3回の会合を重ねて来ました。

その「すきや連」のすき焼き店約30社が第二の事業に突入することになりました。そして、その為の準備会合が過日開かれました。

普段の「すきや連」には、すき焼き屋以外の食材関係の方などもいますが、その日の会合は全員すき焼き屋ばかり。

神田明神様の近くの「いし橋」さんに、北は米沢・南は松阪から集結しました。

会議の後の懇親会も、「いし橋」さんのすき焼きをいただきながら盛り上がりました。

この新事業の完成は来年10月の予定なので、今詳細は公表できないのですけど、「すき焼き屋が何か始めているらしい!」とだけ御記憶下さい。

興奮しています。

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.334日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

牛脂を注入した加工肉

「あ~あ」という事件がまたありました。

「阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)が運営する8カ所のホテルのレストランや宴会場で提供した料理のメニューで、表示と異なる食材を使っていた問題で、同社が発表した料理は47品に上った」そうな。

「問題の料理を食べた客に対しては、料理の価格に関係なく最低千円を返金。同社は「アラカルトや定食メニューについては代金全額に加え一定の額を、コース料理やバイキング料理の一品に誤表示があった場合は、相当額を返金する」としている」とか。

私が注目しました部分は、

「大正15年創業の老舗、宝塚ホテル(兵庫県宝塚市)でも、「手捏ね(てごね)煮込みハンバーグ定食」に既製品を使用。宴会場でパーティー料理の一品として提供した「やわらかビーフソテー赤ワインソース」には、牛脂を注入した加工肉を使っていたという」

「手捏ね」にどうしても惹かれる人って多いらしく、このフレーズが良く使われますが、捏ねていなかったとはねえ。あさはか。

ちなみに「ちんや」のハンバーグは人力で捏ねていますから、「手捏ね」です、本当に。

その次の「牛脂を注入した加工肉」については説明が要りましょう。私も10年ほど前まで知りませんでしたから。

さて、この肉は一見、ステーキです。赤身のステーキ肉に、注射器みたいな装置で牛脂を注入した肉です。赤身は脂肪分が少なくて「旨味に欠ける」ので、そうするのです。

赤身でも熟成させれば、脂肪の旨みではなくて、アミノ酸の旨みを増すことが出来るのですが、全ての肉が上手く熟成させられるわけではないので、安易に注射に走ってしまうのでしょう。

注射針が汚染された状態で肉に刺しますと、食中毒菌が肉の中に潜り込んでしまい、加熱しても殺菌できず、それで食中毒事件が起きることがあります。

私が「牛脂を注入した加工肉」の存在を知ったのは、そうした食中毒事例を保健所さんから知らされたからです。

食中毒さえ気をつければ有害とまでは言えないのですが、表示法で消費者を騙したとなると、やはり「偽物」っちゃ「偽物」ですね。

しかもホテルで長期間使っていたとなると、「あ~あ」ですね。

 

追伸①

単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。

21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。

時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。

くわしくはこちら↓です。

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.333日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)