阿蘇の褐牛
今時ほとんどの画像はデジタルなデータとして処理されています。と、いうことはどうなるかと申しますと、画像の修正が可能です。
「ちんや」に撮影が入った場合も、壁の汚れを撮られてしまったら、
スミマセン!後で汚れは消してくださいね!とお願いしますが、これまでカメラマンさんから断られたことがありません。
ではさて、そうした行為はどこまで許されるのでしょうか?
今、私は先日目にした、新聞広告が気になっています。牛が修正されていたからです。
その広告は、阿蘇の農業がFAO(=国連食糧農業機関)の「世界農業遺産」に指定されたことを告知するために熊本県庁が発注して造らせた広告で、だから観光に来てね!という趣旨の広告です。新聞の全面を使った豪華なものでした。
おそらくは、どこぞの大手の広告代理店が関わって、デザイナーさんも一流なのでしょう。しかし、その広告に出て来る牛が修正されていました。
その牛は阿蘇の草原で草を食んでいまして、草原の中央に居る、有名な「クマモン」をとり囲むように、4頭が点在しています。
で、その4頭が綺麗に全く同じ方向を向いているのです。怪しいです。
毛並は少しずつ違うのですが、骨格が同じです。
ですので、同じ牛を、デザイン上美しい位置にコピペーして、表面だけ修正をかけた、と考えるのが自然です。
まあ、この位の修正は「在りだよね!」と言えなくはないです。これが×ならウチの壁の修正も×かもしれません。
しかしですよ、その広告は、阿蘇の自然が素晴らしい!ということを報せるための広告ですよね。デザイン的な面白さを賞玩するための広告ではないです。
ですから、デザインも出来るだけ自然な方が良かったんではないでしょうか。
だいたいですよ、こういうものを目にするたび、
広告制作の過程に、阿蘇の地元の人は関わっていたのだろうか?!
という疑問を抱いてしまいます。
関わっていたら、牛はこれとは違う形に成ったのではないか?
そういう疑問を抱いてしまいます、私は。
阿蘇の褐牛は、貴重で美味しいものなんですけどね。
牛は、美味しく食べるものなのであって、コピペーするものじゃあ、ありません。
追伸①
単行本『東京百年老舗』に載せていただきました。
21人のフォトグラファーたちが、歴史と伝統を現在に伝える「老舗」の魅力を余すことなく写しだした写真集です。
時代が変わっても、変わることのない老舗の魅力が、ここにあります。
くわしくはこちら↓です。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は370人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.337日連続更新を達成しました。
毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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