デフレ・マインド

さて改元の10連休も終わりました。
これから令和の平日がスタートするわけですが、皆さんにとって平成はどういう時代でしたか?平成を回顧しないと令和は始められませんが、今日は平成の経済の件です。私も一応経済学部の卒業ですんでね。さて、私は平成とは、
デフレ・マインドが解消しなかった時代
だと捉えています。
日銀の黒田総裁は「企業にとっては、売上の増加が期待できないことから、人件費や原材料費の引き下げといったコスト・カットを行い、あるいは設備投資をできるだけ圧縮して、利益を確保し、財務状況を安定化することが最大の経営課題となりました」と分析し、その状況を変えるために、大規模金融緩和を実施してきました。
以来5年超。
デフレ・マインドが解消したのは、建設・不動産など、金利低下の恩恵を直接享ける一部の業界に限定されているように見えます。
企業のデフレ・マインドは当然消費者に伝染します。
ちょっと高くても、本物を買いたい
という消費行動をする人が減ったのが、平成という時代だったと思います。
で、そういう時代に企業側がどう対応するかですが、上に引用した黒田総裁の話しのように、人件費や原材料費の引き下げを行う企業があった一方、私の観るところでは、「一発逆転主義」に走った企業もあったように思います。平成時代に、
ブランドを立ち上げる
ということに狂奔した人達がいました。農産物の世界でもブランド志向が拡がりました。
デフレと同時進行で、ネットが普及し、やがてSNSも普及しましたので、無名だったものが、ある日突然有名になるということが起こり、多くの人達が儚い夢=ブランド化を見るようになってしまったのです。
牛の世界が、その典型でしょう。
過剰な霜降り志向も、ブランドにしたいが為でした。残念なことでした。
私は平成29年の「適サシ肉宣言」で、この傾向から離脱することを公表しましたが、業界全体としては、デフレ・マインドが解消しない以上、そう簡単に方向性を変えられないかもしれません。
さて、そんな中での改元です。
祝賀ムードの中、
ちょっと高くても、本物を買いたい
という消費行動をする人が増えることを祈ります。

追伸  令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)