君の十銭で浅草が建つ

 「君よ、散財にためらうなかれ。君の十銭で浅草が建つ」

 1923年の関東大震災の後、浅草ではそう書かれた立て看板が随所で見られたと言います。

 浅草は、実は関東大震災の最大の被災地の一つなのです。「ちんや」の店舗も、この時の火災で全焼しました。大震災の経験者でお元気な方は、もう少ないと思いますが、この時の記憶は今も浅草の街に生きていて、私が通っていた浅草小学校でも、防災教育・防災訓練が盛んだったことを思い出します。

 冒頭の「君の十銭で」の意味については、この話しを伝え聞いたという、競馬評論家の井崎脩五郎さんが「サンデー毎日」(4月3日増大号)の中で説明されていましたが・・・

 当時トンカツ定食が二十銭したと言いますので、十銭というのは大したお金ではありません。それでも浅草の商売人にとって、十銭の料理を注文する、客の声はただただ有り難く、元気が出てきて、本当にこういうことの積み重ねで浅草は立ち直っていくのだ、そう実感できたと、経験者は語っていたそうです。

 このように訪れた人が五銭、十銭と浅草にお金を落としてくれたおかげで、浅草は立ち直ったのだと思います。「自粛」をすることが、結果として被災者の為にならないことは、昔も今も変わりません。

 今回の震災で巨額の寄付をされた方もおいでだそうで、それは勿論素晴らしいですが、小額の金であっても多数の方が毎日毎日お金を使うことが、やはり大事だと分かります。

 それともう一つ、関東大震災について調べていて気付いたことの中で、残念なことも指摘しておきたいと思います。

 当事被災した直後は、デマの嵐が吹き荒れて人心がすさみました。デマのせいで復興に向かうべきマンパワーが「自警」のために投入されたのも事実です。災害の時は情報が大事だということがわかりますね。

 今回ITメデイアの発達でデマをある程度まで抑えこめていますが、まだまだ人心を不安にさせるデマが発生しないよう、皆が気をつけた方が良いと思っています。

 そのためにも、たくさんの人に「自分の十銭で」という感覚を持っていただきたいと思います。

 消費するぞ、ニッポン!

追伸①

 雑誌「ノジュール」2011年4月号に載せていただきました。「50代からの自分ライフを格好よく!」というコンセプトの雑誌です。

 その「ザ・東京めし これぞ江戸の味!」というコーナーに載せていただきました。

 JTBパブリッシング社より発行。定価750円だとか。

追伸②

 仙台牛メニューの提供を開始しました。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて404連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 震災不景気でヒマなのでTwitterのリストを作りました。リアルに面識のある方々だけが載っているリストです。覗いてやって下さい。

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戦略会議

 3/29に「台東区新観光ビジョン戦略会議専門部会」に出席しました。区役所から委員に任命されているからです。今回が、この会議の最初の会合でした。

 この会議は、既に策定された「台東区新観光ビジョン」の実施状況を戦略的にフォローする、という性格の会議で、以前にこの「ビジョン」の「策定委員会専門部会」の委員だった私は継続して任命されています。

 メンバーは、と申しますと私のような地元委員が6人。対するに学識委員の先生方が4人です。そのメンバーで「台東区新観光ビジョン」の実施状況を戦略的に検討していくハズでしたが、そこへ、あの大震災です。

 「初回ですから、自己紹介を兼ねて、まずはフリーに話しますか。」という一言をかわ切りに、地元委員からは、区内観光業の惨状について、怒涛のボヤキ・嘆きが噴出しました。 

 困ったことです、でも実態ですので、私も勿論、ボヤキに参戦しました。海外の観光業の事例で、天災や戦災の後に再建した事例があったら、お教え願いたい、と発言してみました。

 学識委員の先生方は、予定とあまりに異なる展開に焦ったことと思いますが、そこはさすがに高名な方々です、気をとり直して、海外の事例について話して下さいました。

9.11テロの後の、ニューヨーク

インドネシア大津波の後の、プーケット島

が、いかに観光業を再建したか、説明して下さいました。

 しかしですよ、住吉さん、原発までが関係した、今回のような事例は、世界史上かつてない事態ですよ。ここからどう立ち上がるか、という完璧な処方箋は、それはありませんね。無いです。日本人が、いかにそれを成し遂げるか、そこが世界から注目されているところと思います。

 そうお答えをいただいて、ハッとしました。

 偉い先生にわざわざ説明していただくまでもなく、今回と同じような事例は、あるはずもありません。

 日本人一人一人が、自分の頭で考え、自分の体で行動するよりない。それは言われてみれば、当然のことです。

 今、私たちの言動が世界から注目されています。

 被災者の方々のお気持ちに配慮しつつ、しかし観光業・飲食業・エンターテイメント産業も再建しないといけません。

 復興するぞ、ニッポン!

 でも、かけ声だけじゃダメだぞ、ニッポン!

 智恵を結集しましょう。

追伸①

 雑誌「ノジュール」2011年4月号に載せていただきました。「50代からの自分ライフを格好よく!」というコンセプトの雑誌です。

 その「ザ・東京めし これぞ江戸の味!」というコーナーに載せていただきました。

 JTBパブリッシング社より発行。定価750円だとか。

追伸②

 仙台牛メニューの提供を開始しました。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

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開花宣言

  東京の桜も開花宣言が出ました。

 その桜の下で宴会をして良いかどうか、それが今週の議論の焦点になりそうです。節電はわかるが、公園管理当局が自粛を指導するのは、けしからんとか、いやいや、仮設トイレが被災地に行ってしまっていて、それじゃあ、生理的に宴会ができない、とか既にやかましいことになっています。

  上野公園を抱える上野観光連盟の方々も、そして隅田公園のある浅草の面々も、対応に苦慮しています。困ったことです。

  この問題は、賛否両論がある話しで、宴会敢行派・断念派の両派に理がありますので、私風情がここで意見をするのは、やめにしたいと思います。

 でも、一つだけ意見を言わせて下さい。

 宴会をやめにする方も、花見だけはなさってはいかがでしょう。

 桜は、日本人にとって特別の花です。決して宴会場の装飾フラワーではありません。年に一度だけごく短期間咲く、その花を見ながら、私達は、この1年無事に生きられたことを感謝します。

 その一年の間に愛する人を失った方は、その人と一緒に見た、去年の桜を懐かしむと思います。桜とは、そうしたものです。正月の初詣や、お彼岸の墓参りのようなものだと思います。

 それまでやめてしまうのは悲し過ぎます。

 むしろ震災の年だからこそ花見をして、無事な方は、今年の花に無事を知らせてはいかがでしょう。

 経済的に辛い状態の方も大勢おいでと思いますが、そういう方も桜を見たら、なんとか今の事態をしのいで、また来年も隅田公園の桜を見よう、と元気が湧いてくるかもしれません。

 桜の咲く、この美しい国は必ず復興します。

 花見するぞ、ニッポン!

追伸①

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追伸②

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 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

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とりあえず出来ること

 先日、美容院に行ったところ、結構な賑わいでした。

 「地震は関係ないんですか」

 「最初はね、それは影響ありましたけど、髪の毛は伸びますからね、地震があっても」

 そうだったのか! 負けた、美容院に・・・さて、

 一方今、飲食店の状況はサイアクです。既にサイアクで当たり前の状態ですね。

 そんな中「ちんや」のスタッフに話しました。

 暗い顔してる人は、誰も助けてくれませんよ。みんながサイアクな中で、助けてもらえる人がいるとしたら、それは、こんな中でも前向きな人だけです。

 生きてるだけで丸儲け!人生の修行をさせていただいて嬉しいです!

〜この位の発想がないと、今はいけません。今までの暮らしと比べたら暗くなりますから、比べてはダメですね。

 それから、自分のことだけを考えてる人も、助けてもらえません。生活は厳しくなるでしょうが、こういう時こそ、むしろ人様のことを考えないといけません。みんなが厳しい中ですから、そんな中で助けてもらえる人は、こういう中でも「人様の御役に立とう」という気持ちのある人だけですよね。

 でも、みんながボランテイアに出かけるべきだ、という意味ではありません。

 今、自分が出きること=身のまわりのことで良いんです。まず店の前後の道路を綺麗にしよう。今までより綺麗にしよう、ということに取り組みます。綺麗にして、こんな時でも浅草へ来て下さる方々を感心させたい、と思います。

 勿論、スタッフの人数を減らしている中で、そういうことはキツいですね。掃除より休憩したいのはわかります。でも、休憩が好きな人なんか、誰も助けてはくれません。自分のことだけを考えてる人に見えるからです。それに、店の中でドンヨリしていているとロクなことになりませんしね。

 もちろん、今までもやって来たことですが、一層頑張らないといけません。

「ちんや」の衛生・社会貢献委員会で、毎日の掃除スケジュール作ることにしました。

 今、とりあえず出来ること

 掃除するぞ、ニッポン!

 今までより綺麗なニッポン!

と、いうことでショボい顔をして客待ちをしていても暗くなる一方なので、スタッフとともに道に出て路面の清掃をしています。でもゴミが少ないです。

  ゴミが少ないことが悲しいなんて・・・

追伸①

 雑誌「ノジュール」2011年4月号に載せていただきました。「50代からの自分ライフを格好よく!」というコンセプトの雑誌です。

 その「ザ・東京めし これぞ江戸の味!」というコーナーに載せていただきました。

 JTBパブリッシング社より発行。定価750円だとか。

追伸②

 仙台牛メニューの提供を開始しました。普段より高い値段で、お買い求めいただき、利益を被災地の畜産関連団体に贈ります。弊社も利益の一部を供出いたします。

 宮城県登米市・千葉正憲牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号は03686-13232。

 美味しく食べて被災地支援を!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて395日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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 震災不景気でヒマなのでTwitterのリストを作りました。リアルに面識のある方々だけが載っているリストです。覗いてやって下さい。

リツイート

 今年の三社祭の中止については残念と申す他ありません。しかし祭の実施には警察・消防当局の多大なご協力が不可欠で、今年については、それが叶わないのが現実です。Shikata-naiとはこのことです。

 神輿は無しでも「例大祭式典」(神社境内でのセレモニー)だけは斉行されます。5/21(土)午前10時から斉行されます。

 式典は、震災早期復興祈願の趣旨も加えて行われますので、皆様も是非同時刻に、場所はご自宅で結構ですので、御手を休めて、祈願にご参加下さい。さて、

 ツイッターのリツイート機能が有り難いです。

 私のような小心者は、あれこれ自己主張をするのが不得意ですが、他人の主張をリツイートすることが、自己主張の代わりになります。この時節で、人心が殺気だっている中で、自分の考えを、そっと皆さんに伝える方法の一つとして有効と思います。

 今、外食産業は直接被災していなくても、営業上の甚大なダメージを受けていて、このまま放置すると、景気後退の引き金に成ります。いや、もう成っていると言って良いでしょう。

 特に農業・漁業にダメージがまわって行きます。築地に売れない在庫が積みあがっていることを見れば、すぐおわかりと思います。

 でも、直接被災した方のことを思えば、自分の商売のことを嘆くなど憚られます。だから、私のような小心者は、あれこれ自己主張できません。

 だからと言って、このまま放置すれば日本経済が縮み、被災地を支援したくても経済的にできなくなってしまいます。それに節電のことを考えた場合、人間が営業している店にかたまっている方が、分散しているより節電になります。

 だから、そうしたことをツイートしておられる方を発見したら、リツイートさせていただいています。

 それにしても、この非常時に、弊ブログをお読みになる方がさほど減らないのは、どういうことでしょう。皆様の参考になるようなことは、とても書けません。ぼやいているだけなんですけどね。

 まあ、私は有り難いですけどね、ぼやく場があることが。

 皆さんも、ブログをお始めになるのが良いかもしれませんね。

 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて388日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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地場産業

 先日、小学校のPTAの方が「ちんやメンバーズカード」に入会されました。記念日は「子供の入学式の日」。ほお、そういう記念日がありましたか。

 記念日割引を使って、PTAと先生方の歓送迎会を「ちんや」でして下さるとか。有り難いですね。さて、

 2/17に東京商工会議所台東支部の評議員会に出席しました。

 商議所ですから、いろいろな業種の社長さん達が一同に会しておられましたが、歴然としていたことがあります。それは、

・観光関係の社長さん達の、鼻息の荒さ

⇒スカイツリーとパンダで、イヤでも客が来るぞ、どうしよう!!

・一方、地場産業関係の社長さん達の、景気の悪さ

⇒市場規模がピーク時の3分の1になった・・・

 廃業が多く、企業数がピーク時の6割になった・・・

 生産現場が丸ごと中国に移転して、国内は空洞化したが、そうしたら今度はインドやベトナムに追い上げられはじめた・・・とか。3番目は景気と言うよりは、経済構造の変化ですが、いやはや、大変なことです。

 弊社は観光業界に身を置いていますので、当然、鼻息の荒い方に入るのが普通かもしれませんが、私個人の気分は、どうも違います。

 そもそも私は、地域の方々にすき焼きを召し上がっていただきたいと思っています。それも、できれば親子・孫・曾孫と代々、ご家族お揃いで、お越しいただきたいと思っています。

 正月・お彼岸・花見・祭り・花火・お盆・そしてまた秋のお彼岸。お孫さんの誕生日。お爺ちゃんの還暦。そういうご家族の思い出の中で商売をさせていただくのが、私の理想形です。

 そういう風に使って下さる方々と言えば、地域の地場産業の方々ですよね。

 だから、どうも私の気分は、景気の悪い皆さんの気分に添ってしまいます。

 ご観光の方も、勿論大事ですが、そういう方は今時たいていネット経由です。浅草へ行った経験のない中で店を探すわけですから、ネットのランキングなどを調べて見えているのだと思います。

 味を表現できない、ネット情報に基づいて行動しておいでの方には、ご満足いただけない場合が当然あります。その点が、お爺ちゃんが「ちんや」が好きで、自分も2才の時から来ている、という方とは、どうしても違います。

 だから、私は地場産業の再興を心より祈念しております。

 あ、でも、ネットはネットでも、このブログを読んで見えた方は別ですよ。

 ブログ読んで来ました!とか、できれば、

 毎日読んでます!とかいう方に来ていただくのは、それはそれで、私の理想形の商売です、ハイ。

 そういう方、是非是非お声かけ下さい。

追伸

 3/13(日)実施予定の、「ちんや すき焼き通検定」の、受験申込みの受付を、2/16より開始しました。詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も、最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて357日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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浅草の、ここが好き

 先日、雑誌の取材で、「下町の(浅草の)、ここが好き、嫌い」などのコメントを募る欄があり、是非そこにコメントを頂きたい、というご依頼がありました。字数は96文字以内です。

 そこで、以下のように書いてみました。

「浅草で実家の商売を継いで15年。ここでは商いの継承は親⇒子という、単線ではありません。肉親だと反発があって伝えにくいことも、地域の先輩方が教えてくれます。(浅草在住歴45年、カリスマ受け売り師)」

 教えてくれます、と言っても学校があるわけではありません。在るのは飲み会学校です。

 そうした場で、世代の違う、浅草の経営者の皆さんと御一緒しますが、そういう場での話しが、大変勉強になるのです。

 親子だと、どこの家でも反発心があったりしますし、またそれがなくても、親子は25歳〜30歳年齢が離れていますので、それがコミュニケーションの妨げになることがあります。

 その点、私の場合、5歳くらい年上〜15歳くらい年上の先輩が、一番ものごとを教えてもらいやすいように思います。

 そうした方々と話していると、お互いの先代や先々代の話しになったりします。

 いやあ、オタクの先々代は、こういうところがスゴかった、というような話しを聞かされ、

 へえ、ウチの爺さんって、そういう人だったんだ、と知ることがあります。

 実は、このブログを書いている2月上旬は、浅草人の新年会ラッシュの季節です。1月は忙しくて、新年会がやりにくいので、2月にするのです。

 新年会に出れば、自分の店を留守にするわけで、それは勿論申し訳ないことなのですが、単に遊んでいるわけではありません。

 浅草の飲み会学校に出席しているわけですので、ご高配を賜りたく、お願い申し上げます。うーい、ひっく。

 追伸

 御蔭様にて弊ブログは、本日で350日連続更新を達成しました。365日に向けて、いよいよカウント・ダウンという感じがしてきました。

 1周年で何かイベントがあるんですか、という御質問をいただいたりして、プレッシャーに感じています。

 まあ、やれたら、何かやる・・・かもしれないです。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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地域ブランドクイズ

 2/10に「浅草うまいもの会」の新年会が「浅草むぎとろ」さんでありまして、その余興で、

「超ハイスピード・地域ブランドクイズ!!」をやりました。

 「うまいもの会」のKM子会長は、新年会では「勉強になって、なおかつ楽しい余興をしたい」というお考えで、こうした余興は3回目=3年目です。

 一昨年、そういう余興を企画するように命じられた私が、考え出しましたのが、「すき焼きクイズ」でした。続いて昨年が「どぜうクイズ」。

 そして、1年間のご無沙汰で、第3弾が「地域ブランドクイズ」です。

 このクイズは○×形式の勝ち抜きクイズです。○×クイズを、どんどん、超スピードで出していきます。

 勝ち抜きクイズですから、間違えたら脱落です。しかし1回の間違いは許します。2回間違えたところで、脱落です。

 問題の内容ですが、有名な食べ物の地域ブランドが、どの県にあるのか考えていただく、それだけです。簡単でしょう?簡単ですので、超スピードで出していきます。

 去年の「どぜうクイズ」の時は「○か×か、お答え下さい。3、2、1、ドン!」でお答えいただきましたが、ことしは「3、2、1」がなく「せーのドン!」だけです。特に簡単な問題の時は「せーの」すらなく、「お答え下さい。ドン!」だけの場合もあります。

 では、ブログ読者の皆さんも、頑張ってやってみて下さいね。

<以下に問題>

・松阪牛と言えば、肉牛の有名なブランドですが、その松阪市は滋賀県にある。○か×か、お答え下さい。せーのドン! <×、正解:三重県> 間違えた人いませんよね。

・前沢牛と言えば、肉牛の有名なブランドですが、その前沢地区は山形県にある。お答え下さい。ドン! <×、正解:岩手県>

・天草黒牛(あまくさくろうし)と言えば、牛の有名なブランドですが、その天草市は長崎県にある。<×、正解:熊本県>

・大間まぐろ(おおままぐろ)と言えば、マグロの有名なブランドですが、その大間町は青森県にある。 <正解:○>

・関さば(せきさば)と言えば、さばの有名なブランドですが、その関さばが水揚げされる佐賀関(さがのせき)漁港は大分県にある。<正解:○>

・笠間焼と言えば、陶器の有名なブランドですが、その笠間市は群馬県にある。<×、正解:茨城県>

・輪島塗と言えば、漆器の有名なブランドですが、その輪島市は新潟県にある。<×、正解:石川県>

・比内地鶏(ひないじどり)と言えば、地鶏の有名なブランドですが、その比内地区は岩手県にある。<×、正解:秋田県>

・置賜デラウエア(おきたまでらうえあ)と言えば、葡萄の有名なブランドですが、その、おきたま地方は福島県にある。<×、正解:山形県>

・下仁田ねぎと言えば、ねぎの有名なブランドですが、その下仁田町は栃木県にある。<×、正解:群馬県です>

・川越イモと言えば、さつまイモの有名なブランドですが、その川越市は埼玉県にある。<正解:○>

・南郷トマトと言えば、トマトの有名なブランドですが、その南郷地区は栃木県にある。<×、正解:福島県南会津町の一地区です> 

・能登牛(のとぎゅう)と言えば、肉牛の有名なブランドですが、その能登牛が飼われている能登半島は富山県にある。<×、正解:石川県>

・九谷焼と言えば、陶器の有名なブランドですが、その九谷焼が生産されているのは京都府である。<×、正解:石川県の金沢市、小松市、加賀市、能美市です。>

・郡上鮎(ぐじょうあゆ)と言えば、鮎の有名なブランドですが、その郡上市は静岡県にある。<×、正解:岐阜県>

・関の刃物(せきのはもの) と言えば、刃物の有名なブランドですが、その関市は岐阜県にある。<正解:○>

・由比桜えび(ゆいさくらえび)言えば、海老の有名なブランドですが、その由比地区は神奈川県にある。<×、正解:静岡県>

・灘の酒(なだのさけ)言えば、日本酒の有名なブランドですが、その灘の酒を生産する灘五郷は大阪府にある。<×、正解:兵庫県>

・吉野葛(よしのくず)と言えば、葛の有名なブランドですが、その吉野町は京都府にある。<×、正解:奈良県>

・宇和島じゃこ天(うわじまじゃこてん)と言えば、蒲鉾の有名なブランドですが、その宇和島市は高知県にある。<×、正解:愛媛県>

・常滑焼(とこなめやき)と言えば、陶器の有名なブランドですが、その常滑市は愛知県にある。<正解:○>

・鳴門金時(なるときんとき)と言えば、さつまいもの有名なブランドですが、その鳴門市は香川県にある。<×、正解:徳島県>

・壱岐焼酎と言えば、焼酎の有名なブランドですが、その壱岐島は佐賀県にある。<×、正解:長崎県>

・八女茶と言えば、茶の有名なブランドですが、その八女市は福岡県にある。<正解:○>

・小城羊羹(おぎようかん)と言えば、羊羹の有名なブランドですが、その小城市は福岡県にある。<×、正解:佐賀県>

・小石原焼(こいしわらやき)と言えば、陶器の有名なブランドですが、その小石原地区は長崎県にある。<×、正解:福岡県>

・知覧茶(ちらんちゃ)と言えば、茶の有名なブランドですが、その知覧地区は静岡県にある。<×、正解:鹿児島県>

・川根茶(かわねちゃ)と言えば、茶の有名なブランドですが、その川根地区は静岡県にある。<正解:○、島田市と編入合併しました>

・矢切ねぎ(やぎりねぎ)と言えば、葱の有名なブランドですが、その矢切地区は千葉県にある。<正解:○、千葉県松戸市です>

・滝野川牛蒡(たきのがわごぼう)と言えば、牛蒡の有名なブランドですが、その滝野川町は東京都文京区にある。<正解:×、北区>

・千住ねぎ(せんじゅねぎ)と言えば、葱の有名なブランドですが、その千住町は東京都荒川区にある。<正解:×、足立区>

・横手のゲンコツ芋と言えば、とろろ芋の有名なブランドですが、その横手市は青森県にある。<×、正解:秋田県>

追伸

 雑誌「東京ウオーカー」のムック版「墨田区台東区ウオーカー」に弊店をお採り上げいただくことになり、先日取材の方が見えました。ご取材はお引き受けしましたが、

「墨田区⇒台東区ウオーカー」とはねえ。スカイツリー大明神の御威光がこんなところに・・・

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*どぜうクイズについては、こちらです。

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組合長の渡御

 2/3に浅草料理飲食業組合の新年会があり、幹事役と当日の司会進行を命じられましたので、もちろん喜んで(?)お務めしました。

 基本的に段取りは例年通りなのですが、1点だけ私のアイデイアを入れていただきました。それは、

 組合長の渡御!!

 例年、浅料組合の新年会は着席制で和食のフルコースを食べます。着席の仕方は、結婚式のように、9〜10人で大きい丸テーブルを囲みます。会場は浅草ビューホテルさんです。

 ビューさんも毎年頑張って下さって、おいしい御料理を出して下さるのですが、それだけに、なんだか「お食事会」のような様相になってしまい、どうも盛り上がりが今一つです。

 また役員になっていない組合員さんと、組合長や幹部が意見交換をはかる、せっかくの機会であるにもかかわらず、その辺りが、あまり活発な感じがしません。組合長がゲストの皆さんとテーブルを囲み、そのご接待に忙しいからです。

 ゲストのご接待も、たしかに大事ではあるのですが、やはり組合員さんと、組合長の意見交換が大事です。

 そこで!

 ご接待はベテランの副組合長にご担当いただき、組合長には各テーブルを渡御していただくことにしました。

 つまり、II田組合長は、

1卓では、先付け・前菜・御椀を、

2卓では、お造り・焼き物を、

3卓では、煮物・揚げ物を、

4卓では、お食事・水菓子を、という風に、御神輿のように渡りながら食事をしていただきました。

 組合長が渡ってくると、そのテーブルでは拍手がわき起こり、「乾杯!」「乾杯!」と乾杯のやり直しも行われて、大変良いムードになしました。

 この方式を実行するため、各テーブルには、席を1つずつ余分にセットしてもらいました。

 この余分な席は、組合長がいない時は、空いているわけですが、これもまた重宝です。自分の隣の席以外の人と会話したい時に、この席を、組合長が来るまで自由に使えるからです。

 実は私は、宴会には日本の和室がベストの環境と思っています。どこでも座れて、すぐに誰とでも話しをできるからです。

 でもベターの策で、ホテルを利用する時は、この余分な椅子に「畳の代わり」をさせるのが良いと思っています。組合長と組合員、組合員同士のコミュニケーションを良く取れることが、組合としては何より大事ですよね。

 ビューホテルのOK崎さんにはご面倒おかけしましたが、御蔭様で楽しくできました。その後の二次会・三次会・四次会でも飲みまくりでした。

 げろ、げろ、ムカ、ムカ、ああ、気分悪いなあ。

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どぜう検定

  浅草うまいもの会の新年会が2月にありますので、会長のKM子女史と余興の相談をしました。

 KM子会長は、新年会では「勉強になって、なおかつ楽しい余興をしたい」というお考えで、この相談は3回目=3年目です。一昨年、そういう余興を企画するように命じられた私が、考え出しましたのが、「すき焼きクイズ」でした。

 この「すき焼きクイズ」こそ、今日1/30に実施する「ちんや すき焼き通検定」の原型です。

 その「すき焼きクイズ」が好評だったので、続いて昨年の新年会でやったのが、

 「どぜうクイズ」でした。

 昨年の新年会の会場が「駒形どぜう」さんだったので、 「どぜうクイズ」なわけです。

 出題と司会進行を、私と「駒形どぜう」のW社長、「どぜう飯田屋」のII田社長、若旦那のTD之君の4人で務めました。

 「駒形」さんの法被を、なんと「飯田」のお二人に着せ、私も勿論着させていただいて、4人で記念写真に納まったのが、とても良い思い出です。

 ここで、その問題を公開!します。

・練習問題はいきなり、英語の問題です。ウナギを英語で言うと、eelですが、どぜうを英語で言うと、アウチである。○か×か? 正解:×→どぜうは、loachです。

①生物学の問題です。どぜうと言えば、「ドジョウひげ」というくらい、ひげが有名ですが、その、どぜうの口ひげは、ずばり6本である。○か×か? 正解:×→10本です。

②次も、生物学の問題です。ウナギが海で産卵することは、良く知られていますが、ドジョウも海で産卵する。○か×か? 正解:×→淡水魚ですので、海では産卵しません。

③もうひとつ行きます。ドジョウもナマズもひげが生えていますが、ドジョウを生物学的に分類すると、ナマズと同じナマズ目に属している。○か×か? 正解:×→どぜうはコイ目に属しています。コイの仲間なんですね。勉強になりますねえ、「どぜうクイズ」は!

④どぜうは、エラだけでなく、腸でも呼吸をしますが、その、腸呼吸をしている時のどぜうは、おならをしているように見える。○か×か? 正解:○                       

⑤食習慣の問題です。ヨーロッパでは、どぜうは「悪魔の魚」として恐れられ、決して食べない。○か×か? 正解:×→悪魔の魚は「蛸」です。ヨーロッパにもフランスなど、どぜうを食べる地方があります。

⑥もうひとつ食習慣の問題行きます。韓国人は、どぜうをすり身にして、そのすり身をスープに溶かして飲んでしまう。○か×か? 正解:○「テュオタン」という料理だそうです。

⑦どぜうのマル鍋が苦手な人でも食べられる料理と言えば「柳川鍋」ですが、その、「柳川鍋」という言葉の語源は、江戸時代に日本橋の料理屋「柳川屋」が考案したからである。○か×か? 正解:○です。九州の柳川ではじまったわけではないようですね。

⑧次は、芸能の問題です。宴会芸の王道「どぜうすくい」と言えば、安来(やすぎ)節にあわせて、どぜうをすくう姿を滑稽に踊るものですが、その安来市は鳥取県にある。○か×か? 正解:×→島根県です。

⑨俳句の問題です。まず一句読みます。いいですか?「ひぐらしや煮物がはりのどぜう鍋」この句を作った文豪と言えば、久保田万太郎ですが、その久保田万太郎は浅草生まれである。○か×か? 正解:○

⑩「どんぐりころころ」と言えば「日本三大童謡」の一つですが、その中でどんぐりは、どぜうと一緒によろこんで遊びます。しかし、やがてどんぐりは泣いてしまい、どじょうを困らせてしまいます。その、泣いてどぜうを困らせた理由は「やっぱり、リスが恋しいから」である。○か×か? 正解:×→どんぐりが泣いたのは「やっぱり、お山が恋しいから」でした。

⑪今度は落語の問題です。さんまが出てくる古典落語と言えば「明石家さんま」、では勿論ありませんが、どぜうが出てくる落語と言えば「素人鰻」である。○か×か? 正解:×→「居酒屋」に出てきます。

⑫栄養の問題です。カルシウムと言えば、神経を安定させ、イライラを鎮めたりする作用がありますが、魚類の中で、最も多くのカルシウムを摂ることができる魚はどぜうである。○か×か? 正解:○です。どぜうから摂れるカルシウムはウナギの約9倍だそうです。どぜうは素晴らしいですねえ。

  結構難しいですよね。

 クイズ参加者は、皆さん食のプロでしたが、

 えー?! わかんないよ! 難しいぞ!

との声が飛んで、メッポウ盛り上がりました。

 この「どぜうクイズ」をやってから1年、「すき焼きクイズ」をやってからは2年、今日「すき焼き通検定」を実施しますが、問題文を読んでいただいて、なんとなく楽しい感じを受けたとしたら、それは、そもそもが余興だったからです。

 受験生の皆さん、楽しんで下さいね。

 それは難しいぞ! ですって?

 合格者名は、明日のこのブログにUPします。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて336日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)