食べ残し

〇〇人は××だ!

という式のジョークは、単純に面白いので古来たくさん作られてきました。

イギリス人、フランス人、イタリア人、ドイツ人などの気質をネタにしたものがたくさん在りますね。私もそういうジョークが好きです。

最近こういうジョークを好むのは中国人のようで、ネット上でたくさん飛びかっているようです。それが日本語にも訳されていて読むことができます。

でも、日中両国の間には残念なことに政治問題や反日教育の問題が在りますから、気楽に笑い飛ばすことが難しいようです。ネット上で感情的な応酬になってしまったりしています。

リアルな会話ならジョークなのか真剣な議論なのか、雰囲気で分かりますが、ネットでは分かりません。だから、このブログでは私は、〇〇人は××だ!は書かないことにしています。

最近見つけたものとしては、

「縦に並んで歩く団体は日本人。横に並んで歩く団体は中国人。列を作らずにバラバラに歩く団体は韓国人」

次は、

「日本人は小さいころから、ご飯の時は米粒もおかずも残してはいけません、と教えられる。だからもし、残っているのを見ると、ものすごく嫌がる。」

中国のネットに自虐的に紹介されたようですが、これは熱い応酬を呼んだようです。

「激しく同意!一部の国ではご飯を残すことが“富の象徴”みたいになっているけど、それって実際には“民度が低い”証のようなもの」

と肯定する中国人もいる一方で、

日本でバイトした経験のある中国人は、

「デタラメ言うな!日本人は食べ物をものすごい残すぞ。自分、居酒屋でバイトしているからよく知ってる。」

うーん、笑い飛ばせません。

最近の日本人は、「食べ放題」「飲み放題」に慣れてしまっていて、残すのが平気になってしまっています。

見識の無い「食べホー」料理屋の営業方法が日本人の気質を変えてしまっているのが現状だと言えます。

洒落に成らないというのは、本当に味気ないことですね。

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.737日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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浅草を半額で愉しむための本

ついに「ランパス」が浅草に上陸しました。

本屋の店先の一番目立つ場所に、およそ百冊、山積みに成っています。それも一般の書棚とは独立したワゴンに載せられ、幟まで掲げています。

けっ!

けっ!

けけけけ、けーっ!

この嘆かわしい本「ランパス」については、以前にもこのブログの8/10号で貶させていただいたので、詳しくはその号をご覧いただきたいのですが、今回売り出された浅草版では、「ランチ」が外れて『浅草を半額で愉しむための本 プレミアムパスポート』に変わっていました。

って、いうことはランチ以外にも適用されるんですかねえ。さらに嘆かわしいです。

相変わらず・・・

7.180円が→3.590円に!!!

17.700円が→8.850円に!!!

という具合で、

「この一冊で総額35万円以上お得!!!!」

だ、そうです。

けっ!

けっ!

けけけけ、けーっ!

もちろん私も出版業界の苦境について知らないわけではありません。

たいていの情報がネットで獲れる時代ですから、これからは本当に本にしたい情報だけが本に成るわけで、業界規模は相当程度縮小するのが当然の成り行きと思います。

しかしですねえ、飲食業界を巻き込まないで欲しいです。

だいたい、この本を「本」と言うこと自体、私は府会です、イヤ不快です。

クーポンを本の体裁にしただけじゃないですか。

こんなに嘆かわしい中身を、こんな立派な体裁にする必要があるんでしょうか。それを書店の流通ルートを使って流しているだけです。

製紙・製本に携わっている皆さん、サプライヤーが中身を選んでも良いんですよ。もう。

もっと有意義な仕事をなさって下さい。お願いします。

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

タイトルは『日本のごちそう すき焼き』。11月19日平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.732日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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キャッシュ

いやいや、慌ててしまいました。

先日メニュー価格の変更を行いまして、当然ホームページの変更も行ったのですが、パソコンの「キャッシュ」機能のことを知らなかった為に、大慌てしてしまいました。

過去に弊店のホームページを開けた履歴があるお客様に限った話しなのですが、新価格に直っている筈が「直っていないよ!」とおっしゃるのです。これには慌てました。

以下↓その理由を、未だご存知ない方の為にお教えしますね。

ブラウザには、低速通信環境への配慮などの理由から「キャッシュ」という機能が備わっています。

このキャッシュと申しますのは、現金のことかと思いましたら、さにあらず。

過去にアクセスしたデータをパソコン内に保存し、再びアクセスがあった時は優先的に そのデータを表示するというものです。要するに、無精をしてサーバーまで開けにいかないのです。

いつも閲覧する所であれば、毎回データのやりとりをしなくて済みますので「効率的」と言えるのだそうな。まあ、回線保有者の発想ですな。

この機能が付いているパソコンが結構在るらしく、先方のパソコンが新しいデータを未だ開けてくれていなかったのです。

何度も何度もアクセス(=更新)しているうちにキャッシュが新しいデータと差し替わるので、更新をかけて貰えば良いのですが、色んなパターンがあって、一回更新をかけると全体が直る場合と、そのページしか直らない場合があります。

それはOSやブラウザのバージョンにより異なると言うのですが、なんとも迷惑な話しです。

皆さん、お気をつけを!

やれやれ、慌てましたが、ブログネタが1本拾えたわ。うしし。

 

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

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いかっぺな!

茨城県民の気質を表した言葉として、

いかっぺな!

というのがあるそうです。「まあ、いいじゃないか!」という意味だそうです。

この所弊ブログには群馬のことばかり書いていますが、私は茨城のことを忘れたわけではなく、先日も茨城県畜産試験場をお訪ねしたのですが、その際も、

「いかっぺな気質」が良くないのだ!という話しが出ました。

県民は、茨城がそれなりに住みやすいことや、産物も東京に近いことでまずまず売れて行く現状に満足しているようです。いかっぺな。

で、それ以上にさらにブランド力を上げて行く、という方向に向かいにくいと言うのです。

「ブランド総合研究所」が発表している「地域ブランド調査2014」でも、茨城県の魅力度は47都道府県中47位でした。

調査は9回目ですが、最下位となったのは2年連続5度目で、どうも「指定席」の様相です。いかっぺな。

実際、茨城の農業生産額は北海道に次いで2位で、旨い産物も少なくないのです。レンコン・白菜・メロンといったところですが、一般的に有名なものは多くありません。いかっぺな。

牛についても、旨い牛を結構産出しており、「ちんや」でもたまに仕入れていますが、「すき焼き県」のポジションは、このたび群馬に横取りされてしまいました。いかっぺな。

そこで県庁では、笑いコンビ「ピース」の綾部祐二さんや渡辺直美さんら県出身のお笑い芸人を動員してPR作戦を展開しているようです。

何か他に作戦は、なかっぺな?

 

追伸、

一冊丸ごと「すき焼き大全」とも申すべき本が出ました。

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関西と関東の違いといえば?

「あなたが思う関西と関東の違いといえば?」

というアンケートをネットでやっていました。

そりゃあ、すき焼きの関東風と関西風でしょう!決まってますがな。

と思って見て行きますと・・・

1位 エスカレーターの立ち位置 8750票

2位 「マック」と「マクド」 6685票

3位 どん兵衛のダシの味 4033票

4位 醤油の味 3931票

5位 人気のお笑い芸人 2977票

6位 「肉まん」と「豚まん」 944票

7位 「切り餅」と「丸餅」 830票

8位 食パンの厚さ 318票

9位 ポリタンクの色 210票

10位 その他 985票

うーん、すき焼きは「肉まん」だの「豚まん」だの「切り餅」だのの下とは。かなり失望しました。

すき焼きが眼中に無い人が多いのですねえ。

と、いうことは、ひょっとして、このブログの読者の方の中にも、すき焼きの関東風と関西風の違いをご存知ない方がおいでなのかも・・・

うーん、自明のこととしてブログを書いて来ましたが、まずかったのかもしれません。今日は、そこを反省して、念のため両者の違いを書いておきましょう。

はい、関東風では醤油・砂糖・みりん・酒などの調味料を混ぜた割下(わりした)をあらかじめ用意し、その割下の中で牛肉を煮ます。

関西風では、「割下」をあらかじめ用意せず、鍋の上で肉や具材に醤油・砂糖をかけて味を付けて行きます。名古屋・松阪の中京圏は関西風です。

もっとも近年、関西の御店のすき焼きでも、割下を用意するところが増えましたし、最初は醤油・砂糖で始めて、途中から割下を使う御店もあったりします。営業ですき焼きをするとなると、味が年中平均していなければならず、焼き手のお姐さんによって味が変わってしまいがちな関西風は、管理が面倒です。

まったく違う発想もあります。担当の焼き手さんの個性が出る方が、エンターテイメントとして面白いと考えることも可能なので、関東・関西とか、そういう発想ではなくて、面白いかどうかで方式を考えることあるようです。

このように、たしかにすき焼きの関東・関西はかつてほどハッキリしていないので、アンケートでポイントが低かったのかもしれませんけど、それにしても、「マック」と「マクド」 の下とはねえ。

今後は、よほどPRしないといけません。トホホです。

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競争入札・単年度主義

先日、とある県の畜産試験場の、種牛改良の現場をお訪ねした時のことです。

係の方が、

飼料の決め方が、単年度主義の競争入札だから、良いと思った業者でも、同じ業者から毎年継続して買いにくいんですよね、とボヤいておいででした。

ああー、それは県営だからですかあ。トホホですねえ・・・

ここで言う「種牛改良」とは、良い血統のオス牛を選抜して、その精子を採取することを指します。

優良と思われるオス牛の精子をとり

⇒それを県下の生産者が飼っているメスに合わせ

⇒子が出来たら、

⇒その子を譲り請けて育て、

⇒やがて屠殺して、肉を調べます。これを「後代検定」と申します。

肉を調べるためには、子は食べてしまうのですが、その間も父親は生かしておきます。

子の肉が優良と認められて、そこで初めて父親が優良だと確信することが出来、その後は、その父親から採れる精子に値段を付けて配布することが出来るのです。

だから、当然そこまで5年程度の歳月がかかります。とっても計画的な事業なんです。

種牛改良の現場では、年々、そうした取り組みがなされています。

さて、話しは最初に戻りますが、競争入札の飼料が与えられていますのは、種牛と「後代検定」中の牛です。

その血統が果たして優良なのか・そうでもないのか、は県内の畜産業の浮沈に大きく影響するというのに、与えられる飼料は、選りすぐったベストのものではなく、毎年競争入札で決定されるのです。トホホですねえ。

民間であれば、上手く行っている業者は、基本的に変えませんよね。

コスト意識を持ち込むべき場面と、そうでない場面を嗅ぎ分けられなければ、社長なんて、務まらないですよ、ねえ。

官業に於けるコンプラの行きすぎ~それをこれからは問題にするべきだと私は思っています。

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読書感想文

コピペー全盛の社会に成ってしまいました。

最先端の研究をなさっている方ですらコピペーなさるのだから、学生がマネするのは当然のことです。

私は、このブログへのアクセス状況を毎日懐石していますが、イヤ、解析していますが、そこでコピペーの気配を感じました。

そのアクセス解析では「検索文字列の解析」ということも出来ます。どんなキーワードを検索して、私のブログに入って来たのか分かるのです。

それを私は毎日観ていますが、ある日、

「肥前の妖怪 読書感想文」

と検索して入って来た人が何人もいることに気づきました。

???

どうやら、どこかの学校が司馬遼太郎の小説『肥前の妖怪』の読書感想文を書くよう、宿題を出したようなのです。

私が、幕末の佐賀藩主・鍋島閑叟を題材にした、この短編の感想文を弊ブログの1/23号に書いていたので、学生さん達が見つけたようで、試しに「肥前の妖怪 読書感想文」とグーグルに入れてみると、その号が一位に表示されます。それで入った来たのです。

でも、そのまんまコピペーするとマズい箇所もありますよ。

私は、その文の中で、肥前佐賀藩と彰義隊の戦いについて、こう書いています・・・

「この戦いについて、私たちのような江戸の人間は彰義隊側から視ることがほとんどです。例えば上野近辺の老舗さん、例えば「羽二重団子」さんには彰義隊ゆかりの遺品があります。上野から敗走する隊士が店に乱入、刀や槍を縁の下に隠し、百姓の野良着に変装して北へ落ちのびた、と聞きます。」

「浅草は上野にごく近く、私個人も「羽二重」の御主人SW田さんと面識があったりしますから、どうしても、この戦いのことは彰義隊側から視ますが、今回『肥前の妖怪』を読んで、新政府方の視点を持つことが出来ました。」

宿題を出した学校が、ウチの近辺なら良いんですけどね、佐賀県だとすると全く逆の立場です。

マズいですよね。

ああ、先生、本来そのレポートにはDをつけるところでしょうが、そこを曲げて、Cくらいにしておきませんか。

すき焼きおごりますから。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.718日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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同じ味②

(この話しは昨日から続いています)

さて、すき焼きが一番旨いのが現代である理由は、遺伝子レベルで牛を把握しているからです。

なんの遺伝子かと申しますと、例えば、脂肪に関わる遺伝子です。

牛の脂には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があるというのは、昨日話しましたが、牛肉の風味や食感は、この内の不飽和脂肪酸の含有量が多いほど良いことが知られています。

オレイン酸に代表される不飽和脂肪酸は融点が低くて良く融(と)ける為、胃モタレすることがなく、またその融けた脂に味や旨み成分が溶(と)け込むので、食べた時に全体の味がマイルドになります。

「ちんや」さんの脂は甘いねえ、と良く言われるのは、これです。

その不飽和脂肪酸を、牛は体内で、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に造り換えることで合成していますが、実際その合成にかかわるのは酵素の一種です。その名を「ステアロイル-CoAデサチュラーゼ(SCD)」と申しますが、まあ、そういう名前は忘れましょう。

さてさて、ここからがスゴい所ですが、牛の遺伝子がどういう型であったら、SCDの働きが強いのか、現代の日本人は既に特定しているのです。

なんでも遺伝子の、878番目の塩基の違いによって、酵素の働き具合が違うんだそうですが、まあ、ここも忘れましょう。

とにかく、牛に旨い脂が付くのか・不味い脂が付くのか、遺伝子型で分かるのです。

これでも明治時代と同じ味ですか?

あまり言いたくない話しですが、現代に史上かつてなくマズいすき焼きも実は存在する理由についても、まったく同じ理由で説明がつきます。

味を良くする遺伝子ではなく、

・早く牛が増体する遺伝子

・早く霜降りが付く遺伝子

も特定されていますから、味を度外視して、そういう価値を追い求めれば、味はどんどんマズくなりますね。

これは、技術の使い方の違いの話しで、いずれにせよ、明治時代と同じ味ではありません。

だいだいですね、話しは多少飛躍しますが、伝統産業が、

・昔の仕事のコピーをしてしまってる。

・原点をすっかり忘れて時代に迎合し切っている。

の、どちらのケースでも伝統産業は滅びて、その国の個性は失われると思います。

報道関係者があの調子では、日本もやがて、世界にいくつも在る停滞した先進国の内の、単なる一個と成り下がりましょう。トホホですな。

まあ、彼らのことは忘れて、

当家歴代のすき焼きの中で、自分の代のすき焼きが一番旨いのだ!

と威張れるよう、頑張って行く他ないな・・・

・・・そんなことを思いながら、ある邦楽の演者の方と飲んでいたら、

私は、邦楽を現代の音楽として演りたいの!

と聞かされました。

おお、その意気や良し。

邦楽も、昔の仕事のコピーであっては面白くもなんともない筈です。

お互い頑張りましょう。それっ、

♪Let it go, let it go

Can’t hold it back anymore

Let it go, let it go

Turn away and slam the door♪

ん? これは毛唐の歌だったか、間違えた。

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同じ味①

雑誌やテレビの取材を受けてウンザリすることあります。

彼らは笑顔で、こう↓言って来ます。

御店の味は明治時代と変わらないんですよね?!

戦争中に、ご先祖様がタレの甕を持って逃げたとか、そういう面白いエピソードはありませんか?!

彼らは「老舗」と言われる店に行く時は、どの店に行っても、この問答で全て済ませているのです。楽なもんです。

いやいや、いやいや、あのですね、

すき焼きは現代が一番旨いんですよ!

何故ならですね、少し長くなりますが、丁寧に説明しますとですね、

牛の脂には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類がありまして、一方は美味くてもう一方は旨くないんですが、

その違いは分子の結合の仕方の違いでして・・・

と、こちらの話しは未だ序の口なのですが、ADさんの顔から一気に生気が消え失せて、どんよりした顔に成っています。

味は明治時代と変わらない、そう言って欲しいのは知っています。それなら編集が簡単ですからね。私も協力したくないわけではないんです。

実際、私も自分に自信のない時代は、味は変わらないんですよね?!

と聞かれて「は・・い・・」と答えていました。

結果、「ガンコに変えない若旦那」などというコピーの横に、私のひきつった笑顔が掲載されたりしました。

しかしですね、技術も世相も違うのに、味が同じなわけはなく、すき焼きが一番旨いのは現代です。本当です。

その理由を、ADちゃんは聞くのをメンド臭がりますし、私も彼らと話すのがウンザリなのですが、弊ブログの読者さんは多少長い説明でも読んでいただけると存じますので、今日は、この際、説明してみようかと思います。

さて、すき焼きが一番旨いのが現代である理由は、遺伝子レベルで牛を把握しているからです。

なんの遺伝子かと申しますと、例えば、脂肪に関わる遺伝子です。

牛の脂には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があるというのは、さっき話しましたが、牛肉の風味や食感は、この内の不飽和脂肪酸の含有量が多いほど良いことが知られています。

オレイン酸に代表される不飽和脂肪酸は融点が低くて良く融(と)ける為、胃モタレすることがなく、またその融けた脂に味や旨み成分が溶(と)け込むので、食べた時に全体の味がマイルドになります。

「ちんや」さんの脂は甘いねえ、と良く言われるのは、これです。

ここまでダイジョーブですか?

次行きますよ・・・

・・・どうも、この話しはやはり長いので、二日に分けますね。続きは明日の弊ブログにて。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.713日連続更新を達成しました。

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校正は辛いよ

校正は辛いですね。特に数字の校正は。

最近はメールでPDFの画像を送って、それを校正とかいうことが多く、パソコンを見つめる時間が永くなっています。

まったく、嫁の顔の何倍パソコンを凝視していることでしょう。目が疲れます。

PDFを刷り出せば、相手は紙ですから少し楽ですが、紙とインクがもったいないですからね、結局そうせずにパソコンを凝視していると、頭の芯から疲れます。

しかも営業中の校正ですからね、色んな邪魔が入ります。

ここは作家先生の校正と大きく違うところです。

集中したいのなら、早く出て来るか、閉店後居残るか、定休日に出て来るか、その三つに一つです。

早く出て来て校正をしていると、スタッフが出て来て私に気づき、挨拶してきます。

きー!

いま校正してのに。

と言いたいですが、彼女に悪気はないので言えません。

結局薬局定休日にやるしかなくなります。

トホホです。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.712日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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