一の酉

 11/7は、「一の酉」の日です。

「一の酉」とは、浅草の北方・千束(せんぞく)に鎮座しておいでの鷲神社(おおとりじんじゃ)の例祭のことです。

 毎年11月の酉の日に、2〜3回開催される例祭の内の、1回目の例祭なので、「一の酉」と言っています。

 例祭が、2〜3回開催されるというのは、その年の宮司さんの気分で、2回だったり3回だったり適当に変わる、わけではもちろんありません。

 干支は十二支ですから、酉の日は、一二日に1回まわってきますが、それが11月の30日間のうちに、2回まわってくる年と3回まわってくる年があります。それで、2〜3回開催されるのです。

 今年は、11/7が酉の日なので、その次の酉の日すなわち「二の酉」は11/19、そして、「三の酉」は、11/31・・・

 あ、そうか、11月に31日はないんだっけ!

 そうです、だから今年は、酉の市がもっとも早く、11/19に、「二の酉」で終わってしまうカレンダーの年なのです。

 うーん、11/19で終わりかあ。酉の市は寒くないと感じが出ないし、それに寒くないと、すき焼きが売れないんだけどなあ。でも、曜日的には日曜と金曜だから、人出は悪くはないかもなあ・・・

 このように、祭の日が「11月の酉の日」と決められているので、いろいろなパターンがあって、人出の予想がつきにくいのが、悩ましいところです。

 でも、「11月の酉の日」は動かせません。

 なんでも、日本武尊が東夷征討の際、鷲神社に立ち寄られて戦勝を祈願し、志を遂げての帰途、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをされました。その日が11月の酉の日であったので、この日を例祭日と定めたのが酉の祭=「酉の市」なのです。

 そうだ、日本武尊様には、お手数でも、もう1回東夷征討をしてもらって、11月の毎週日曜日に戦勝祈願をしていただこう。

 今時はキリスト式に曜日が優先ですんでね、よろしくお願い申し上げます、尊様。

 浅草ちんや六代目の、罰当たりな日々は続く。

 なお「酉の市」の開催時間は0:00〜24:00です。つまり今夜の夜中までです。「今日は予定あるんだよなあ、行けないなあ」という方は、夜お出かけ下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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若手経営者サポートセミナー④

 書く順番が前後してスミマセン。

 10/26に、「台東区若手経営者サポートセミナー」の第4講を受講しました。

 このセミナーは全10回シリーズで、来年の2月まで連続して、いろいろなテーマの講義があります。テーマはいろいろでも、講師は10回同じで、人気の二条彪(にじょう・たけし)先生が務めます。

 今回のテーマは、経営者のためのマーケテイング入門パート3。

 で、まずやりましたことは、SWOT分析でした。SWOT分析は有名ですので、

「なんだ、そんなの大学1年の時にやったよ!」

という方も大勢おいでと思いますが、念のためにおさらいしましょう。

 ご高承の通り、

Sは自分の会社の中の「強み」

Wは自分の会社の中の「弱み」

Oは自分の会社の周囲の「機会」

Tは自分の会社の周囲の「脅威」

のことで、それぞれを紙に書き出していくのが、お約束です。そこまでは普通です。

 で、二条彪先生のセミナーは、そこから先が少し違います。

 分析の次に続くのは、「強みを活かす①」「強みを活かす②」で、その後に続くのは、強みを活かすためのアイデイアをどうやって出すか、という話しです。

 現在の自社の強みを、伸ばすとか、組み合わせるとか、展開させるとか、そうするための、アイデイアを出そう!という話しに入っていきます。

 つまり、弱みを直す話しに向かわないのです。

 弱みを直すのは、強みを活かすのの3倍大変で、あまり上手くいきませんよ!それに上手くいったところで、売上は増えませんね。

 いやあ、おっしゃる通り。特に中小企業では、そうです。

 私は大企業に8年居ましたので、中小企業の経営資源の乏しさは身にしみています。そういうところで、乏しい資源を、弱みを直すことに投入するのは、とてもワリにあわない話しです。

 それに、弱みを直す作業にかかると、どうしても社内のムードが暗くなります。

 世の生真面目な経営者の皆さん、あるいはファイテイング・スピリットに溢れた経営者の皆さんは、キッチリと弱みを直すこと取り組んでおいでと思います。

 でも、それ、キツいですよね、特に不景気の時は。リキんでファイトしても売上げは増えるどころか、減っちゃったりしますから。

 強みをさらに活かすためのアイデイアをどうやって出すか、考える方がよっぽど良いですよね。

 ただ、アイデイアが楽に出てくるか、というと、それはそれで簡単ではありません。そここそが勝負どころ、というのが、今回の講義のポイントでした。

 うーん、強みをさらに活かすためのアイデイアねえ・・・

 ブログ読者の皆さんを笑わせるためのアイデイアなら、すぐ出るんですけどね。

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追伸

 明日11/7は、鷲神社の「酉の市」です。熊手が売れた時の、手締めの声は聞いているだけで気分が高揚します。是非お出かけを。 

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受入環境整備事業②、意見交換会

 10/29、国土交通省関東運輸局企画観光部国際観光課が主催する、「訪日外国人旅行者の受入環境整備事業に係わる重点地域調査 意見交換会」に出席しました。

 何のこっちゃ、という方は、このブログの10/10号をご覧いただきたいのですが、ここであらためて、平たく説明しておきますと、要するに、国が経費を負担して外国人に台東区へ旅行に来ていただき、不便に感じた点を指摘していただく、という企画です。

 「意見交換会」というのは、その外国人モニターさんと、調査された「受け入れ施設」つまり我々のような飲食店や、交通機関、旅館などの代表者が一同に会する場のことです。

 会場に入ると、外国人モニターさんがズラリと居並んでいて、結構圧迫感がありました。この方々は既に、10/26〜10/28の間に、客を装って我々の所に見えた方々でして、現場で見覚えのある方が座っています。

 対するこちら側には、天麩羅「大黒家」のご主人Mさん、やはり天麩羅「三定」の女将N美女史、合羽橋「佐藤サンプル」のS社長、谷中の「澤の屋旅館」のご主人Sさんと、旧知の顔ぶれが並びました。

 なんだか、原告側と被告側みたいです。

 さて、開会。緊張してモニターさんの御意見を拝聴しておりますと、おおむね好意的はコメントが多く、ひと安心しました。

 ただ交通機関には結構キビシいご指摘がありました。東京の地下鉄は複雑に発達していますので、案内の表記を相当親切に表記しないと、外国人には利用しずらいようです。

 でも、地下鉄などは全線が統一デザインですから、現場の判断で表記を工夫する余地があまりないかもしれません。その辺りのことを現場の課長さんなどに指摘するのは、やや気の毒で、やはり経営トップが国際観光に貢献する意欲を持っていただかないと困りますよね。

 具体的に勉強になることもありました。肉がイスラム教徒の食べられる肉かどうか表示した方が良い、とか、営業時間を店の外に英語で表示した方が良い、とかご指摘がありましたので、そこは改善したいと思います。

 今回嬉しかったのは、「東京滞在中に食べた8食の中で、どの料理が一番美味しかったですか」という質問に対し、2人の方が「スキヤキ!」と答えて下さったことです。

 スキヤキ店で調査対象になっていたのは「ちんや」だけですので、美味しかったというのは「ちんや」のことでして、訪問して下さった、4人の内の2人ですから、結構な確率です。

 しかも、お二人とも、「スキヤキもスシもカバヤキも、どれも美味しかった」というような言い方でなくて、「スキヤキが美味しかった!」と断定調で話して下さったので、出席していた私はヒジョーに面目を施しました。

 関東運輸局のH局次長にも、「いやあ、ちんやさん評判良かったですね」と声をかけていただき、かなり良い気分でした。

 ひひひひ、と思っていると、不吉なメールが。

 店の排水管が破裂して浸水している、だと!

 うーん、神は褒美と試練を同時に与えるものだそうですが・・・

 人をからかうなら賽銭ケチってやるぞ、覚えとけ。

 浅草ちんや六代目の、罰当たりな日々は続く。

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councilor

 11/1付けで、東京商工会議所台東支部の「評議員」に就任しました。任期は3年間だそうです。

 「評議員」って何じゃらほい、と思って、和英辞典を引いてみたら、

 a councilor だって。

 評議員会のことは、a council。

 うーん、ジジくさいですねえ。

 このところ、会議所の設置した委員会の委員などをしていたので、その内に、そういうものに成るのかなあ、と思ってはいましたが、現に成ってみると、どうも言葉の語感が我が身に副わず、違和感がありますね。

 実際、小心者なので、大先輩の評議員方と対等に「評議」などできないですよ。枯れ木以上の仕事ができるかは不明です。

 え?このブログに書いているようなことを言えば良いって?

 マズいっす。それが、最も。

 なお、明日11月2日は火曜日ですが、祝日(「文化の日」)の前日ですので臨時営業いたします。どうぞ、ご利用下さい。

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またまた、肉の王者

 このブログの10/25号と10/26号に、応援歌「若き血」の変え歌=♪肉の王者♪のことを書きましたら、

 「他大学出身の者には、どこが変え歌なのか分からないぞ。分かるように書いてくれよ!」という文句が来ました。

 他大学と言っても、東京六大学のご出身の方なら、「若き血」は神宮球場でイヤというほどお聞きになっているでしょうから、ご存じないハズはありません。

 そういうことを言ってくるのは、さてはC大かN大あたりの出だろうな、イヤ待てよ、東大は六大学だけど、東大の連中は神宮なんて、ほとんど来ないから、ひょっとして東大出かあ、と思いましたが、そういう詮索は野暮なので止めにして、一応「若き血」の説明をしておきましょう。

 「若き血」は、慶應義塾のカレッジソングの十八番とも言うべき応援歌で、昭和2年から歌い続けられてきています。「塾歌」より以前から歌われている歌です。さて、その歌詞ですが、

 若き血に燃ゆる者 光輝みてる我等
 希望の明星仰ぎて此処に
 勝利に進む我が力 常に新し
 見よ精鋭の集う処 烈日の意気高らかに
 遮る雲なきを
 慶應 慶應 陸の王者 慶應

 作詞・作曲は堀内敬三。個人的には「勝利に進む我が力 常に新し」という部分が一番好きです。この歌詞こそ「新し」と思います。

 今回、この歌詞を最後の部分を「肉の王者 慶應」と変えて歌ったわけです。ちなみに隅田川での早慶レガッタ(=ボートレース)の時は「水の王者 慶應」と歌います。

 以上が変え歌の説明ですが、ついでですので楽譜の説明もしておきましょう。

 「若き血」の特徴は最後の音、つまり「慶應!」の「オー!」の所が、曲の主音でなくて属音で終わることです。イ長調(Adur)で書かれているのに、イ(A)音でなくてホ(E)音で終わるのです。

 しかもA〜C♯〜Eと上行して終わるので、曲が完全に終止した感じがしません。

 しかし、そのためこの曲は何回も繰り返して歌うのに丁度良いのです。 

 神宮では、ゲームが重要な局面の時、つまり慶應側がチャンスかピンチの時に「若き血」を歌います。何回も繰り返して歌います。

 ワセダの「紺碧の空」も結構な歌ですが、「若き血」の方が、歌詞が一番までしかなく、属音で終わるので、何回も繰り返して歌うのには向いていると断言できましょう。

 特にピンチの時に歌っていると、気合が入るものです。

 「肉の王者」も不景気で苦戦していて、ピンチと言えますが、繰り返して歌っていると勝てそうな気がしてきます。

 ♪肉の王者〜慶應〜♪

追伸

 昨日放送の、私が出ました、TV番組「土曜スペシャルーなるほど!発見!なつかし写真でめぐる東京今昔散歩」(テレビ東京)を、多数の方にご覧いただき、ありがとうございました。ちょうど台風が来て、皆さんご自宅にいらしたようですね。

 恥ずかしいので、「なるべく見ないで」と言ってたのに!

 じゃあ、ブログに書くなって? へえ、そうでした。

 なお、その他?の出演者は、荒俣宏様、錦野旦様、藤田朋子様、半田健人様、伊藤聡子様でした。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。本日で弊ブログは八ヶ月連続更新を達成いたしました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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陰影礼賛

 10/26の午後、日本橋小伝馬町の老舗すき焼き店「伊勢重」さんを訪ねました。

 実は11月に第7回「すきや連」を開催予定で、「伊勢重」さんに会場をお引き受けいただきましたので、事務局の私は、現場で段取りの打ち合わせをしておかないといけなかったのです。

 「すきや連」は、全国からすき焼き屋さんが大集結しますし、その人数も毎回50人以上と大勢なので、引き受け店にとっては、かなりのご負担です。だから、段取りは丁寧を心がけています。

 しかも「伊勢重」のご主人Mさんは、東京都食肉販売同業組合の専務理事で、お忙しい方なので、今回は事前にうちあわせ事項を書き出してFAXしておきました。

 「すきや連」も7回目なので、過去のファイルを加工するだけで、すぐに打ち合わせ書類が作れるようになっています。当日4時半から「すき焼き俳句の会」があるパターンも、今回が2度目で問題ありません。

 このように、周到に段取りしたら、お目にかかって相談することが余りなくなってしまいました。打合せはすぐに終わり、後は雑談。

 雑談と言っても、良い話しをするハズもなく、たいていはボヤキです。特に今回はグルメランキングのサイトについてのボヤキ。

 昨今、ランキングというものが、デジタル時代・ネット時代に良く合うせいか、グルメランキング・サイトは雨後のタケノコのようにたくさん存在します。Mさんは真面目な御方だけに、気になる御様子。

 人を接待する時に、事前に自分で、その店を使ってみずに、ランキングだけで店を決める人が増えたけど、実に嘆かわしいですよ!

 そうそう、ランキングって思考の浅い人間御用達ですよね!とボヤキの意気投合。

 日本人ってのは「陰影」がわかる民族のハズが、なんたる体たらくだろうか、と二人して興奮。

 でも・・・とMさん我に帰り、自分が通販でモノを買うときは、やっぱりランキング見て決めますねえ。

 はあああ、私はゼッタイにそんなこと・・・してますねえ、そう言えば。

追伸

 本日30日の19:00〜テレビ東京の「土曜スペシャルーなるほど!発見!なつかし写真でめぐる東京今昔散歩」という番組に「ちんや」が出ます。私も出ますが、なるべく見ないで下さい、恥ずかしいので。それにカットされてるかもしれないし・・・

 なお、その他?の出演者は、荒俣宏様、錦野旦様、藤田朋子様、半田健人様、伊藤聡子様です。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「伊勢重」さんについては、こちらです

女将さん・若女将・奥さん・お嬢さん昼食会

 10/25に、浅草料理飲食業組合の「女将さん・若女将・奥さん・お嬢さん昼食会」が「ちんや」で開催されました。

 20人以上の、女将さん・若女将が見えて、また取材の新聞社の方も見えて、盛況でした。

 この企画は、初めての試みでした。組合活動の活性化のため、女性経営者の皆さんの、知恵とパワーを活用しようと計画されました。まず最初の段階として、今回の研修会+昼食会が開催された次第です。

 皆さんが集まって来るや、一日ハーレムいや、一日大奥が実現して、組合長(=男)は上機嫌。

 随分と楽しそうな、昼食会になりました。

  あ、研修もありました、一応。

 アサヒビール吾妻橋支店長様による、ミニレクチャー①「料飲業界の最新トレンドについて」と②ミニレクチャー「今売れている商材について、有機ワイン・低アルコール飲料・シードルを中心に」もありました。

 また余興は、私の仕切りで、すき焼きクイズ。(ブログ読者の皆さんは内容をご存じですよね!)

  皆さん「また、会いましょう」と言い合って散会しました。

 それにしても、出席していたウチのヨメ、よその奥さん達と何を話していたのか・・・

 しかけておくんだった、盗聴機。

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会食の常識

  『接待以前の会食の常識 』

―社会人必読!ビジネスで株を上げる宴席のマナーと知って得するマル秘心得帳。(講談社の実用BOOK)

という御本を購入しました。著者は小倉朋子さんという方です。

 先月の、浅草料理飲食業組合の役員会で「どうも最近食育が必要な大人が多いよなあ」と話題になり、私自身もそう思うことがありましたので、ネットで、そういう方面の参考書を探していたら、この著者が見つかったのです。

 著者は、食文化と食事作法主体の食の総合教室「食輝塾」を主宰されているとかで、結構なことと思います。またこの御本も、「会食の常識」をビジュアルにまとめていて便利な御本と思いました。

  2007年発行なので、新刊本ではありませんが、購入してみました。

 拝見しますと、「すき焼き」の項目もあります。

 最初に、すき焼きの起源や、関東風・関西風の違いについても説明されていて「大人の食育」になりますね。「名古屋は関西風」と付け加えれば、さらに良かったでしょう。

 で、「すき焼きの、会食の常識」ですが、

「すき焼きは、素材ごとにまとめて鍋に入れるので、場所を崩さないように・・・」

 ほう、それは是非、そうしていただきたいです。

「じか箸はしないこと。」

「一度さわった具をやめて他のものを取ったりするのはもちろんルール違反。迷い箸にならないように気をつけよう。」

 この辺りは、子供の食育ですね。「ちんや」が作ったお子様パンフにも載せてあります。

「小鉢に取ったら、そのまま食べないこと。いったんテーブルに置いてから新たに持ち直して食べるのが基本のマナー」

 たしかに、その方が動作がキレイですね。

「シラタキは、そばやうどんにあらず。絶対にすすり上げないこと。」

 ははは、それはそうです。皆さん、よろしくお願いします。

 一方、うーん、という感じの記述も。

「野菜は肉で巻いて食べると一口で入りやすい」

 うーん、サンチュみたいですねえ・・・

「おおよそ食べ終わったら、煮詰まった鍋にご飯を入れておじやにするのが定番。」

 うーん、そ、それは・・・辛くないですか。

 鍋下(=鍋の底に煮詰まって残った汁のこと)を出汁か何かで割れば、おじやが出来なくもないですが、私はあまり見かけません。

 浅草の「米久」さんは、鍋下を残さず食べるよう、お客さんに勧めていますが、その方法は、スプーンで少量を取り出して、白飯に載せるやり方です。

 桜鍋の「中江」さんも、鍋下を残さず活用しますが、まず鍋下に新しい割り下を追加し、そこにタマゴを入れることで味をマイルドにします。そして、それをスプーンで取り出して、白飯に載せます。

 ブログ読者の方で、著者のお知り合いがいらっしゃいましたら、「煮詰まった鍋にご飯を入れておじや」の方法を、くわしく聞いて、私に是非お知らせ下さい。

 ホームページ(http://totalfood.jp/)を拝見しますと、才色兼備の方のようですしね!

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猛暑と電気代

 このブログの8/20号に、台東区役所から補助金をもらいました、と書きました。

 台東区内から排出されるCO2を削減することを目的に、中小企業が指定の省エネ機器ー例えば、新式のエアコンを導入すると、その費用の20%を助成してくれるのです。

 「ちんや」は5月の末に、エネルギー効率の良い、新式のエアコンを導入したので、補助金をもらえたのです。

 ただし、ただしですが、この補助金には条件がいくつかあります。

 「我が社のCO2ダイエット宣言 取り組み状況報告書」を区役所に提出しないといけないのです。10/18までに提出を求められました。

 この報告書には、月ごとの電気・ガスの使用量を記入しないといけません。メンドウ臭いなあ、と思いましたが、金をもらったので仕方ないですね。伝票をひっくり返して調べますると、我が社の電気使用量は・・・

 6月が前年の89%、7月は93%、8月は99%・・・

 なんだ、あんまり削減してないじゃないの!と言うなかれ。あの猛暑の中で、前年を下まわっているのだから、優秀なのです。

 その代わり、連日エアコンを一晩中回し続けた、自宅の方の電気代は・・・トホホなことになっています。

 今度は自宅の方も補助金もらえませんか、Ⅰ課長。

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風呂掃除

  10/5は火曜日で、店の定休日だったため、家の風呂を、本格的に掃除しました。

 側溝や天井までキレイにする、という本格的な掃除です。天井を掃除する姿勢は、普段の生活の中で、あまりとらない姿勢ですから、筋肉痛になってしまいましたが、気分的には爽快です。

 この日私が本格的風呂掃除に挑んだ理由は2つ・・・

<理由その①>

 来週の休みの10/12に、風呂の給湯器の工事が入るため、今のうちにカビなどをキレイにしておかないと、業者の人に見られてしまい、ミットモない。

<理由その②>

 たまたま、10/4に漂白剤メーカーの人が来店されて、ひとしきり漂白談義・衛生談義をしたので、その薬剤を使ってみたくなってしまった。

 という次第で風呂掃除に着手。始めると止まらない性格なので、休日の午後を楽しく、風呂掃除で過ごしました。

 掃除に関連して、ここで、皆さんに重要な情報を一つ。

「界面活性剤入りの漂白剤を使う時は、その効能を良く知ってから使いましょう!」

 界面活性剤とは、その名の通り、海の上のレジャーを楽しくする薬、ではもちろんなく、界面を活性化する薬です。なんの界面かと申しますと、モノと、その表面に付いた汚れの間の界面のことでして、その界面を活性化すなわち汚れがモノから分離しやすくする薬のことです。

 この界面活性剤が漂白剤に入っていることがあり、薬局などで売っている漂白剤は、界面活性剤入りの方がむしろ主流のようです。

 風呂場などでは、人間の体から脂が出て、壁などにつきますから、界面活性剤でそれをとって、同時に漂白・殺菌するのは便利です。

 でも、食器や調理器具に使う時は、お気をつけ下さい。

 界面活性剤は毒なのであまり濃度を濃くできません。食器を洗わずにイキナリ界面活性剤に漬けても、完全には落ちないことがあるのです。やはり人間がスポンジでこすったりして、物理的な力で汚れを取る必要があります。そこをハショッてはいけません。

 特に俎板は、まず脂を溶かし、物理的な力で汚れを洗いおとした後、漂白・殺菌するという3工程をかけていただきたいです。ご家庭でも、です。

 俎板の表面には、包丁によって細かい傷がたくさんついていますが、その表面を脂汚れがコーテイングしていることがあります。それをイキナリ界面活性剤入り漂白剤に漬けますと、漂白剤の力で白くなってキレイになりますが、脂のコーテイングが実は取れていないことがあるのです。

 イキナリ界面活性剤入リ漂白剤に漬けるのは、危険とすら言えます。傷の奥に食中毒菌がいるのに、脂のコーテイングに守られて死なないことがあるそうです。下手にキレイに見えるだけに、「殺菌済み」と勘違いしやすく危険です。

 料理屋では、勿論、丁寧に洗浄し、その後必要があれば漂白しますので、まず、こういう次第で食中毒になることはありませんが、ご家庭では忙しい日、イキナリ界面活性剤入り漂白剤に漬けたくなってしまう方がおいでかもしれません。

 それは是非、やめていただきたいと思います。

 解説は、久しぶりの御登場・カリスマ受け売り師の住吉史彦先生でした。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

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