会食の常識
『接待以前の会食の常識 』
―社会人必読!ビジネスで株を上げる宴席のマナーと知って得するマル秘心得帳。(講談社の実用BOOK)
という御本を購入しました。著者は小倉朋子さんという方です。
先月の、浅草料理飲食業組合の役員会で「どうも最近食育が必要な大人が多いよなあ」と話題になり、私自身もそう思うことがありましたので、ネットで、そういう方面の参考書を探していたら、この著者が見つかったのです。
著者は、食文化と食事作法主体の食の総合教室「食輝塾」を主宰されているとかで、結構なことと思います。またこの御本も、「会食の常識」をビジュアルにまとめていて便利な御本と思いました。
2007年発行なので、新刊本ではありませんが、購入してみました。
拝見しますと、「すき焼き」の項目もあります。
最初に、すき焼きの起源や、関東風・関西風の違いについても説明されていて「大人の食育」になりますね。「名古屋は関西風」と付け加えれば、さらに良かったでしょう。
で、「すき焼きの、会食の常識」ですが、
「すき焼きは、素材ごとにまとめて鍋に入れるので、場所を崩さないように・・・」
ほう、それは是非、そうしていただきたいです。
「じか箸はしないこと。」
「一度さわった具をやめて他のものを取ったりするのはもちろんルール違反。迷い箸にならないように気をつけよう。」
この辺りは、子供の食育ですね。「ちんや」が作ったお子様パンフにも載せてあります。
「小鉢に取ったら、そのまま食べないこと。いったんテーブルに置いてから新たに持ち直して食べるのが基本のマナー」
たしかに、その方が動作がキレイですね。
「シラタキは、そばやうどんにあらず。絶対にすすり上げないこと。」
ははは、それはそうです。皆さん、よろしくお願いします。
一方、うーん、という感じの記述も。
「野菜は肉で巻いて食べると一口で入りやすい」
うーん、サンチュみたいですねえ・・・
「おおよそ食べ終わったら、煮詰まった鍋にご飯を入れておじやにするのが定番。」
うーん、そ、それは・・・辛くないですか。
鍋下(=鍋の底に煮詰まって残った汁のこと)を出汁か何かで割れば、おじやが出来なくもないですが、私はあまり見かけません。
浅草の「米久」さんは、鍋下を残さず食べるよう、お客さんに勧めていますが、その方法は、スプーンで少量を取り出して、白飯に載せるやり方です。
桜鍋の「中江」さんも、鍋下を残さず活用しますが、まず鍋下に新しい割り下を追加し、そこにタマゴを入れることで味をマイルドにします。そして、それをスプーンで取り出して、白飯に載せます。
ブログ読者の方で、著者のお知り合いがいらっしゃいましたら、「煮詰まった鍋にご飯を入れておじや」の方法を、くわしく聞いて、私に是非お知らせ下さい。
ホームページ(http://totalfood.jp/)を拝見しますと、才色兼備の方のようですしね!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。
Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。フォローよろしくお願い申し上げます。
お疲れ様です。
別に著者様のお知り合いというわけではありませんが、うちでは〆におじやを選択されるお客様もいらっしゃいます。
最後は好きな方は好きなんですよね~(^-^)
あ、そうでしたか。「ちんや」では佃煮を当てにして白飯です。もちろん、おじやにするお客さまもおいでですが。(住吉史彦)