舞台復帰興業

 汚染エサの問題は困ったことですが、ボヤイてばかりいても仕方ありませんし、それに、やがて衝撃もおさまり、国産牛全体にまでは波及しないと思いますので、今日は話題を変えてみましょう。さて、

 新橋演舞場で市川海老蔵丈の舞台復帰興業を観ました・・・

 え? 話題を変えてみましょうって、今日は歌舞伎の劇評を書くつもりかって?

 いいえ、書きませんよ、素人劇評なんて。私風情の評論を読みたい人なんていないでしょう。

 それに、そもそも歌舞伎見物の眼目と言えば、客席の美女観察と、演舞場の食堂の鰻です。そう、海老より鰻です。素人は評論するより楽しめばいいんです。

 でも、楽しめないことも少しだけありました。それは・・・

 客の遅刻。

 今回私の席は、2階の最前列でしたから、そこからは1階の舞台側から7列ほど、席数にして、おおよそ280席が眺められたわけですが、その内10人以上が遅刻して来ましたので、結構な高率です。気になってしまいますね。

 遅刻の事情はわからないわけではありません。この日は午前中に雨が降り出しましたから、

⇒海老様の舞台復帰だから、是非着物で行きたい。でも雨だわ。

⇒雨具を出して、なんとか着物で行きたい。でも雨がどんどん強くなるわ。

⇒もう、悔しいけど洋服にしなきゃ。どれにしようかしら。

⇒そうだ、バッグも洋服に合わせて変えなきゃ。どれにしようかしら。

⇒きい、間に合わない!

という事情でしょう、おおかた。

 これは前日の夜に天気予報をしっかり見ておけば、防げる事態ですが、世の中には一定の割合で計画性の乏しい方がおいでですから、そういう方はどうしても遅刻して来ます。

 そう言えば、飲食の業界でも、計画性の乏しい方向けの店が流行っているように思います。

 つまり、まず2〜3人が店に入って飲み始め、携帯やメールで仲間を呼び集め、やがて、一人また一人という具合にだんだんに集まってくるような「飲み会」、そういう状況に対応しているような店が流行っています。

 私の感覚では、こういう飲み方を「飲み会」とは言いません。だって、最後の一人が現れる前に、最初からいる一人は「お先に!」と帰ってしまっているのですから、全員が揃う瞬間がありません。会合していないのだから、「会」じゃあないですよね。

 その真逆を行っているのが、すき焼き屋です。会の全員がある時刻に集合しないことには、すき焼きが出来ないからです。

 だから計画性の乏しい方にとっては、すき焼き屋は最高に不便な店ですね。歌舞伎は遅刻しても隣の客にイヤな顔をされるだけですが、すき焼きは全員集合しないと話しになりません。

 ここが商売上ネックになっているのは、間違いないです。

 でも、ですよ。そこがすき焼きの良い所です。「共に食べる」のが良い所です。仲間で、なんとしても計画を立てて、すき焼き屋に集まるって素敵なことですよね。

 皆さん、ご利用は是非、計画的に!

 歌舞伎もすき焼きも。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて507連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

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後手

  ツイッター社からLady Gaga様をフォローするよう、「お勧め」されました。

  Gaga様は先週日本のテレビ番組の中で、すき焼きを食べて下さったので、フォローすることにしました。私は、11.702.808人目のようです。さて、今日も辛い話題ですが、

  食の安全を守るための法律を造る時の考え方は・・・

 食品業者の中には、不注意なヤツがいるらしい。

⇒不注意なことをしたら、すぐに発見できるような仕組みを造ろう。

⇒発見したら、処罰してやろう。

という風に出来ています。

 牛の個体識別法が、その例で、言うまでもなく、BSE問題がキッカケで出来たものです。この法律の眼目は、生産者が牛に肉骨粉を与えないようにさせること、です。

 今回の福島の牛の問題では、屋外にあった、汚染されたエサを牛に与えないようにすることが非常に大事で、農林水産省は通達を出してはいたのですが、実際は守られず、12軒の生産者が与えてしまったことが分かっています。

  それで混乱が起きていますが、では、この場合はどう考えたら良いのでしょう。

 報道によると、屋外にあった稲藁を与えてはいけない、ということを知っていて与えた人もいたようです。地震直後の混乱の中で、エサを入手しにくかったからのようです。また、自分の所は原発から遠いから平気だろう、と考えて与えた人もいたようです。さらにまた、通達を知らなかった、という人もいたようです。

  こういうことが起きたのは、スリーマイル島・チェルノブイリ・フクシマと3回だけですから、その人達をあまりキツく非難もできません。

 行政の対応も、通達を流しただけでは不十分だった、と批判されています。 

 牛は屋内に居るから、野菜に比べれば、まだ安全だ、と思っていたのかもしれません。実際、問題の牛の体の表面からは、マズい数値は検出されていません。

 エサも、たいていは屋内の倉庫にあるものです。稲藁は昨年の秋に刈り取られて、倉庫に収められているハズだから、まだ安全だ、と思っていたのかもしれません。

 しかし結果は例によって、後手にまわり、衝撃が走ってから⇒慌てふためく、毎度の光景と成りました。

 慌てふためく様子が報道されて、不安感を煽り、その不安な心理状態の中で、「国産牛を食べるのはやめた!」あるいは「牛肉を食べるのはやめた!」というような、極端な意見がはびこる展開に進んでいる模様です。

 BSE問題の再現を見るようで、本当に残念なことです。

 これ以上の混乱が起きないことを祈るばかりです。

  今回救われるのは、BSE問題の遺産で、牛には全て個体識別番号がついていて、それを店頭で表示する制度になっている、ということです。追跡調査も容易です。

 極端な意見がはびこることのないよう、またBSE問題の時は、恥知らずな焼肉業者が「当店では国産牛を使っておりません!」と大々的に広告していましたが、そういう宣伝に惑わされないようにしていただきたいです。

 皆さんの「食べない」という選択は、ただでさえ困っておいでの畜産農家の方をさらに苦しめる選択です。皆様のご高配を賜りたく、お願い申し上げます。

  今が踏んばりどころです、ニッポン。

 なお、弊店では肉を召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて506連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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無力感

 無力感を感じます。

 自分ではどうしようもない事態に直面しているからです。

 その「自分ではどうしようもない事態」とは、言うまでもなく・・・

 福島県の、5軒の牛の生産者が、農林水産省の通達を知らずに、屋外にあった、汚染されたエサを牛に与えてしまった・・・

⇒それは恐ろしい!⇒国産牛を食べるのはやめた! あるいは、

⇒それは恐ろしい!⇒牛肉を食べるのはやめた!

という反応を、私の力では止められない、ということです。

 牛はBSE問題以来、個体識別番号で調査することができますので、エサのやり方に問題のあった生産者の牛は、今後流通を止めることができます。「ちんや」に、その牛の肉が入っていないことも確実に確認できます。実際、仕入れておりません。

  その問題の牛の、体の表面の検査では、放射性物質が出ていないことから、エサについての通達を守っていれば、大騒動になることは避けられたと思われます。

  しかしながら問題のある肉が出回わり、食べられてしまった、という事実があったことから、センセーショナルな反応を招いてしまいました。

  残念なのは、「国産牛を食べるのはやめた!」というような極端な発言を採り上げるメデイアです。なんで、一部の行き過ぎた反応を、まともに採り上げるのでしょう。

  国産牛全部が×なんて、風評被害以外の何物でもありません。いつもメデイアは、自分が風評被害の元になる発言を掲載しておいて、それで後から、さも自然に風評被害が起きているかのように書きます。呆れますね、毎度。

  もちろん、「正しく怖がる」ことがお出来になる御客様も多数おいでで、このブログを書いている今も、ご来店下さっています。有難いことですが、当然でもあります。

  弊店では、いちいち全組のお客様に、肉を召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して召し上がっていただくことができるのです。

  「ちんや」以外の、すき焼き店でも店のどこかに番号の掲示があるはずです。既にそういう法律になっていて、どこにも掲示がなければ違法です。

  でも、どうやら牛肉の消費全体が落ちることは、避けがたい形勢のようです。苦境に陥る農家さんのことを想うと、苦しいです。

  無力感を感じます。

  勿論、この状況の中、無力であっても、突進してまいりますが、苦しいですね、なかなか。

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それは~♪タカラヅカ~♪

 タカラヅカを観ました。

 いえ、正確に申しますと、観させられました。実は浅草の、さる有名な料理屋の女将さんが大変なヅカ・ファンで、ウチの嫁が最近感化されつつあるのです。

 もう1点正確さを期しますと、劇場で生で観たのではありません。DVDを見たのです。

 なーんだ、DVD見ただけか。それだけでブログに書こう、っていうの?

 そうなんですけどね、回数にして10回以上見ましたのでね、同じDVDを。少しだけ書かせてもらいますよ。ブログの1回分に丁度良いので・・・

 さて、そういうわけなのですが、今回私が発見したことは・・・

 タカラヅカ=黒木瞳さん、ではないということです。

 タカラヅカの主役は、黒木瞳さんのような娘役ではなく、男役なのです。知ってました?

 常識だろうって? そうだった・・・んですね。

 今回見た娘役さん(=蒼乃夕妃さんという方ですが、芸名の読み仮名はわかりません。)は、踊りも歌も上手く、それは可憐で結構な御姿なのですが、あくまで男役「トップさん」の相方、という位置づけになっています。

 特に後半の「レビュー」の部分がそうです。前半のドラマの部分では、娘役さんが主役になる場面も多いのですが、「レビュー」となると、完全に主役は男役さんです。男役さんのカッコ良さを見せるのが主眼の劇と言っても良いでしょう。

 そういうわけですから、それを観る客の男には、心理的ハードルがあります。そう、実は女性である男役さんが、生物学的には男である自分よりカッコ良い、ということを、まずもって認めないといけないです。ここにハードルがあります。

 今回の男役「トップさん」(=霧矢大夢さんという方)は、プログラムに載っている地顔は可愛らしくて、背丈もそれほどでないのに、舞台では王者の風格を醸し出していて、大したものです。

 観る側の男の、心の整理の仕方としては、そのカッコ良さを獲得するための長時間のトレーニングの成果・努力の成果を鑑賞し⇒出来上がったカッコ良さを、自分の参考にすらしていく、そういうふうに考えれば、まあ、観ていくことも可能ではありますね、はい。

 歌舞伎の梨園に生まれた子も、子供の頃から日本舞踊を習いますが、タカラヅカも音楽学校を持っています。そうした、若い頃からの、非常に長いトレーニング期間のことを思いつつ鑑賞する、というのが正しい男の観方ですよ、諸君。

 考えてみて下さい。男だけの演劇=歌舞伎と、女だけの演劇=タカラヅカの両方が盛ん、という国が他にあるでしょうか。

 中国の京劇には女形がありますが、逆京劇は聞いたことが無いです。ヨーロッパには、神に捧げる宗教劇とかで、男女どちらかだけで演じる、というのがあるようですが、日本のように、連日大々的にやっている、というのは聞きません。

 しかも、歌舞伎もタカラヅカも、純民間の資本=松竹と阪急電鉄が、まったく国の支援を受けずに、商業的に成功させています。稽古場や音楽学校を維持する費用も負担して、それでも商業的に成り立つのですから、スゴいことです。

 スゴい日本を、一つ見つけました。

 この国は、まだひと花あるに違いありません。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

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食の安全

 本日弊ブログは500日連続更新を達成しました。

 でも気分は晴れません。

 またしても「食の安全」が問題になっているからです。申すまでもなく、南相馬市産の牛の件です。今後、福島産の牛は、全頭検査をしない限り、売ることが難しくなるでしょう。

 7/11に「料飲三田会」という、慶応大学を出て料理屋を経営している人たちのグループの会合が「ちんや」でありましたが、その席でも、どうしてもこの話題になりました。話す内に、声のトーンが沈んできて、なんとも沈鬱になってきます。

 どうも、この「全頭検査」っていう言葉は、ちょうど10年前のBSE問題の時を思いおこさせます。

 対策が後手にまわって、マズいことになり、最後に打つ手は全頭検査しかない状態になっている、今の状況は、あの時と同じ展開に見えます。デジャブーのようです。

 もっとも、BSE問題の遺産で、牛は個体識別が完全に出来ていますから、福島以外の牛の消費が落ち込むことは避けられると思います。一方、一番可愛そうなのは、福島県内の原発から遠い所で、畜産をやっている方です。店頭では「福島県産」とだけ表示されますから、問題ない牛でも売れないでしょう。

 思えば、過去10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。BSE、O-157、強毒性鳥インフルエンザ、口蹄疫、中国製毒ギョーザ、事故米転用事件、食品添加物、偽装表示・・・・・そんな話題ばかりでしたね。

 実は、初めてBSEが国内で見つかった平成13年9月の前の月=平成13年8月に、私は「ちんや」の六代目を継ぎ、今年の8月で10周年なのですが、その後10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。楽しい時間は、あまりに少なかったように感じます。

 今年の年始に、私は書きました・・・

 そういう10年が過ぎ去って、皆さん、そろそろ、気分を変えたくありませんか!

 食は、もっと楽しい気分で語られて良いものに決まっています。

 今年、日本のお笑いの聖地である浅草から、食と笑いを同時に発信したいと思っています。浅草の知人の中には、お笑いの仕事にかかわっている人もいます。最高の立ち位置ではありませんか・・・

 私は、今年はそういう仕事をしたいと願っていました。

 もちろん仕事ですから「食の安全」の方にも取り組みますが、それは仕事の目的というより前提の話しで、その前提の上で「食と笑い」「食の楽しさ」をやりたかったわけです。でも、今は原発のせいで、また前提であるはずの「食の安全」に、フォーカスが当ってしまいました。残念です。

 だいたい「安全」関係の用事って楽しくないんです。

 しかし暗いムードを変えることを諦めはしませんよ。

 社内に造るかな、「冗談製造委員会」

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

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 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて500連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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七夕の酒

 今日・明日は浅草の「ほうずき市」です。夏の風情がお楽しみいただけますので、是非お出かけいただけたら、と思います。さて、

 7/7七夕に、つくば市の「ホテルグランド東雲」さんで、茨城の「日本酒を愉しむ会」があり、参加してきました。

  「東雲」のI社長は、国際観光日本レストラン協会で旧知なのですが、実は、ご自身は酒が一滴もダメです。それなのに、

 「茨城の蔵元を全軒、自分の店で紹介する!」という志を立てられて、「日本酒を愉しむ会」をスタートさせました。今回は、その第5回目で、

 明利酒類さん(水戸市)

 石岡酒造さん(石岡市)

 萩原酒造さん(境町)

が参加されました。

 3軒とも、5/21に「ちんや」で開催した、「青森・岩手・宮城・福島・茨城五県蔵元連合試飲会@浅草」に御酒を出して下さった蔵元さんですので、その御礼も兼ねて出席しました。3回目の出席です。

 3軒とも、独自のこだわりで造ったお酒を持って来られていて、堪能させていただきました。感謝です。

 さらに御酒だけでなく、食材も皆地元の物でした。いわゆる地産地消の食です。茨城というと、原発の風評被害が出てしまっていますが、茨城の方々はゼンゼン元気でした。 

 もしかすると、自分の会社に帰れば、暗い話題が少なくないのかもしれませんが、こうして人が大勢集まり、食べ、酒を飲むと元気が出ますね。酒の効用と思います。

 茨城県内に蔵元は50軒以上有るとかで、この会は当分続いて行きます。東京からも行く価値あり!と思います。

 さらに蔵元さんに聞いたところでは、茨城県酒造組合さんは、10月に「浅草はなやしき」で「地酒まつり」という大イベントを開催予定とか。このイベントは本来3月に開催されるはずが、震災で中止となり、10月は、そのリベンジ開催です。弊ブログ読者の皆さんも、応援をよろしくお願いいたします。

と、そこまではヨカッたのですが、私は、その帰りの電車に携帯電話を置き忘れ、電話だけが秋葉原へ着き⇒折り返して、つくばへ戻って!行きました。

 その電話を、つくば駅まで取りに行けたのは、7/8の深夜でしたので、その間、電話をいただいても出られませんでした。そういうわけですので、悪しからず、ご諒承願います。

  どうも、七夕の酒は効く。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

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 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて496連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目主人の、住吉史彦でした。

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ヨレヨレの作業着

 7/4から7/5にかけて1日半ほど、店のパソコンからネットへの接続が悪く、つながったり、切れたりして往生しました。

 メールで済むような用件も、電話をかけまくって済ませましたので、なんで、そういう用件で電話してきたの?と不思議に思った人もいらしただろう、と思います。ツイッターで私をフォローしている人は、何もツイートしないので、病気かな、と心配してくださったかもしれません。

 このブログも500日を目前に断絶か、と不安になってきました。

 困ったので、まずは通信関係でお世話になっている業者さんに来てもらい、いろいろ・いろいろ調べてもらったところ、どうも回線そのものが、どこかで傷んでいるらしい、ということがわかりました。

 それで、この問題はNTTさんに振られ、待つことしばし、技術さんがやって来ました。ヨレヨレの作業着を着込み、お愛想もお世辞にも良いとは言えません。職人さん、という風情です。

 その職人さん、中に入るなり、挨拶もそこそこに、靴も脱がぬ前から、

 「電話の元はどこですか?」

荷物も肩に載せたままで、そう聞いてきました。

 「で、電話の、もと?」 サッパリわかりません。禅問答かと思いました。

 後からわかったことですが、この職人さんが探していらしたのは「回線終端装置」またの名を「MDF」でした。どういう装置で、どういう形をしているものなのか、丁寧に言ってくれれば、私も考えられますが、「電話の元」じゃあ、サッパリわかりません。

 要領を得ない私を見て、職人さん、自分で「MDF」を探し始めました。

 「柱まわりとかにあるんですよ。」

 そして、自分で発見しました。ここまで2分か3分。即「MDF」をいじり始めました。

 「ウチの業者さんは2階の天井裏の回線が怪しい、って言ってましたけど・・・」

(私の発言を遮ってキッパリと)「元から見ます!」

 そして「MDF」をいじること、3分か5分。

 「これでしょう!ここが悪いんじゃないかな」

 劣化した端子につながっていた回線を、劣化してない端子につなぎ代えて、おお、目出度く修理は終結しました。

 天井裏の回線がダメなら、天井剥がして、回線の引き直しかあ、おおごとだなあ、と案じていた私が、どれほど救われたかわかりません。しかも作業費ゼロ円。

 しかし職人さんの無愛想は、これだけでなく、さらに続きます。この後書かれた「故障修理内容内訳書」に記載されていた文言は、わずか、

 「1F電話配電盤にて修理しました」と、それだけ。

 ここで、今日の格言です。

 無愛想で、作業着がヨレヨレの人を信じましょう。

 テレビでよく見る、ピカピカの作業着を来た東電幹部や、不倫審議官が怪しいのと好対象ですね。本来ヨレているはずの作業着がピカピカだから、違和感があるのです。

 カツゼツが良く、作業着がピカピカの人は怪しみましょう。良い子の諸君。

追伸①

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上から目線発言

 「上から目線発言」「助けない発言」で復興大臣が辞任しました。

 今回問題視された発言の中で、私が気になったのは・・

 「お客さんが来る時は、自分が入ってから呼べ。いいか。長幼の序がわかってる自衛隊なら、そんなことやるぞ。」という、宮城県知事に対する叱責です。

 そうだったんだ!

 「ちんや」でも、お客さんが部屋に入ってから⇒私が呼ばれて⇒出るんですけどね・・・叱責された宮城県知事も、宮城県庁はいつもそういう段取りだ、と言っておられました。

 私のところへも、様々な用件の、様々な方が見えますが、その方が見える前から、会談部屋に私が入っていないといけないとなると、私は事前に自分の持ち場を離れることになります。その間、パソコンもメールもできず、電話にも出られません。

 相手が会談時間ジャストに来て下されば、待ち時間が少なくて済みますが、人の来着時間は前後しますから、仮に30分前から待ち構えていて、相手が30分遅刻して来た場合には、合計1時間が空費されます。それは困りますよね。

 今回、大臣を待ち構えていた方もいました。それは岩手県知事です。画像を良く見たら、復興行政の渦中にいる知事が、県庁の庁舎の玄関の外に出て、大臣を待ち構えていて、大臣はそこへ持参したサッカーボールを蹴りこむ、という奇行をしたのですが、それはさておき、たしかに待ち構えていました。

 もっとも、その知事に対しても、

 「知恵を出さないやつは助けない」と放言したのですから、出迎えの成果はあがっていませんね。

 それにしても、理解不能なのは、この大臣が日頃「親分肌」ということで、人柄を慕われていた、というところです。

 出迎えの仕方が気に入らない、というくらいで怒り出す、しかも震災の渦中にいる相手を、そうした細かい問題で叱る、という了見の狭い人物が、なんで「親分肌」なんでしょうね。

 だいたい人間というのは、ごくごく少数の聖者・賢者をのぞいて、たいていダメで弱いもので、間違いを犯したり、時には悪いこともします。私の知る範囲では、それを分かって許せる人間が「親分肌」と言われます。

 私も、そこはできていないので、私への挨拶がビシッとしてない相手に対しては、内心ムッとしたりすることはあります。でも面と向かって「いいか。自衛隊なら、そんなことやるぞ。」とは言いません。

 政界では、了見の狭い人物が親分になるんですかね。理解不能です。

追伸①

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エビス・ザ・ホップ

 ビールの「エビス・ザ・ホップ」が終売になるそうです。「緑ラベルのエビス」と言ったら、わかりやすいかもしれません。私個人好きだった銘柄なのですが、亡くなるそうで残念です。説明に来た営業君も残念そうでした。

 弊店では平成20年10月15日の『すきや連』発足会合の時に、初めてこの銘柄を導入し、皆さんから、

 おお、このビール、初めて飲んだけど良いね!

と言っていただいたことが思い出されます。

 「ザ・ホップ」の生産を続けられなくなった理由は震災です。サッポロビールさんの仙台工場が被災し、船橋工場も液状化が酷いそうで、供給力に不安があり、銘柄の数を絞り込まないと、夏場の繁忙期の供給体制が整えられない、ということだそうです。

 うーん、そこを踏ん張れなかったのかなあ、本数限定の生産とかでも良いのに、とか思いましたが、まあ、仕方がありません。

 昔の「銀河高原ビール」とか「キリン・ニッポン・プレミアム」とか、私個人が好きになる銘柄は、どうも、亡くなってしまう傾向があります。「キリン・ニッポン・プレミアム」を導入した当初は、当時のキリンビールの社長さんが訪ねて来て下さったのですが、結局は亡くなりました。

 私が疫病神ってことですかね・・・

 ともあれ終売後は普通の「エビス」に戻しますが、酒質は違います。「ザ・ホップ」は香りの高さに特徴があったのに対して、「エビス」は「インパクトのある苦味」「重厚さ」に特徴があります。もちろん、こちらも結構なビールで、ファン層も厚いので、問題があるわけではないのですが、個人的には残念ですね。

 「エビス・ザ・ホップ」を偲んで飲みたい方は、在庫があと60本ほどですので、「ちんや」へお急ぎ下さい!

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

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オリンピック招致

 東京都がオリンピック招致を目指すそうですね。

 「仙台でやれば良いのに!」と思うんですが、無理ですかね。そのために消費税上げるなら、喜んで払いますよ、私は。それと・・・

 「福島を、東北のラスベガスにしたら良いのに!」と思うんですが、無理ですかね。もちろん、福島だけカジノを許可して建設します。ショービジネスも誘致します。豪華ホテルも建てます。

 土地は公費で造営するよりないでしょうから、増税は必至です。でも、そういうことなら、喜んで払いますよ、私は。

 5/21に「青森・岩手・宮城・福島・茨城五県蔵元連合試飲会@浅草」を主催して、「会津は日本の酒どころだ!」ということを強く再認識しました。この素晴らしく、しかも大量の御酒を飲んで下さる、それもなるべく高額を支払って飲んで下さる、観光客を引っ張り込むべきです!

・・・なんて言ってると、オマエ、いよいよ出るの?

とか思われかねないので、この位にします。

 出ませんよ、選挙なんて。ただ今は納税者の立場で申しておりました。仙台でオリンピックができて、福島にラスベガスができるなら、消費税上げても良いけど、今のままならイヤですね、増税は。

 だって、希望がない中での増税は、景気の気を悪化させるだけで、その結果最後は減収になると思います。

 だいたい復興計画の目玉は「自然エネルギー」だそうですが、そのエネルギーを使って、何をするのか、が本来目玉なんじゃないですかね。「自然エネルギーでオリンピック」とか、「自然エネルギーでカジノ」とか。

 発言ついでですので、電気料金値上げの件も書きますが、私は「値上げもやむなし」と思っています。高い発電方法へ移行するので仕方ないと思います。

 祖父の生前に聞きましたところでは、冷房の無い時代に、「ちんや」は夏季長期休業していました。スタッフはそれぞれに、夏の農作業など、自分の稼ぎ場所を持っていて、休みの間をしのいでいました。

 冷房と、それを回す電力のおかげで、「ちんや」は夏もすき焼き屋をやっていられるのが現実です。

 だから値上げもやむなし、と思っています。ただ、現在の東京電力と経済産業省の体制のままでは無理でしょうね。あまりに国民の恨みを買ってしまったので、国民負担を要請する立場には立てないでしょう。

 まず重大情報の隠蔽行為は、公器を公器と思ってない彼らの体質の証明ですし、審議官の不倫事件もありましたしね、あれは恨みを買ったと思いますよ。「渦中に女」という行動は、ストレス回避行動の1種であって、むしろ自然の摂理だ、という説があるそうですが、被災地のご苦労がわかってない、という感じが丸出しで、どうにもマズかったですね。

 無理でしょうね、値上げの要請は。

 え? オマエ、やっぱり出るのかって?

 いやいや。私には出来ませんよ、不倫しない官僚を揃えるのは。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて492連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)