舞台復帰興業

 汚染エサの問題は困ったことですが、ボヤイてばかりいても仕方ありませんし、それに、やがて衝撃もおさまり、国産牛全体にまでは波及しないと思いますので、今日は話題を変えてみましょう。さて、

 新橋演舞場で市川海老蔵丈の舞台復帰興業を観ました・・・

 え? 話題を変えてみましょうって、今日は歌舞伎の劇評を書くつもりかって?

 いいえ、書きませんよ、素人劇評なんて。私風情の評論を読みたい人なんていないでしょう。

 それに、そもそも歌舞伎見物の眼目と言えば、客席の美女観察と、演舞場の食堂の鰻です。そう、海老より鰻です。素人は評論するより楽しめばいいんです。

 でも、楽しめないことも少しだけありました。それは・・・

 客の遅刻。

 今回私の席は、2階の最前列でしたから、そこからは1階の舞台側から7列ほど、席数にして、おおよそ280席が眺められたわけですが、その内10人以上が遅刻して来ましたので、結構な高率です。気になってしまいますね。

 遅刻の事情はわからないわけではありません。この日は午前中に雨が降り出しましたから、

⇒海老様の舞台復帰だから、是非着物で行きたい。でも雨だわ。

⇒雨具を出して、なんとか着物で行きたい。でも雨がどんどん強くなるわ。

⇒もう、悔しいけど洋服にしなきゃ。どれにしようかしら。

⇒そうだ、バッグも洋服に合わせて変えなきゃ。どれにしようかしら。

⇒きい、間に合わない!

という事情でしょう、おおかた。

 これは前日の夜に天気予報をしっかり見ておけば、防げる事態ですが、世の中には一定の割合で計画性の乏しい方がおいでですから、そういう方はどうしても遅刻して来ます。

 そう言えば、飲食の業界でも、計画性の乏しい方向けの店が流行っているように思います。

 つまり、まず2〜3人が店に入って飲み始め、携帯やメールで仲間を呼び集め、やがて、一人また一人という具合にだんだんに集まってくるような「飲み会」、そういう状況に対応しているような店が流行っています。

 私の感覚では、こういう飲み方を「飲み会」とは言いません。だって、最後の一人が現れる前に、最初からいる一人は「お先に!」と帰ってしまっているのですから、全員が揃う瞬間がありません。会合していないのだから、「会」じゃあないですよね。

 その真逆を行っているのが、すき焼き屋です。会の全員がある時刻に集合しないことには、すき焼きが出来ないからです。

 だから計画性の乏しい方にとっては、すき焼き屋は最高に不便な店ですね。歌舞伎は遅刻しても隣の客にイヤな顔をされるだけですが、すき焼きは全員集合しないと話しになりません。

 ここが商売上ネックになっているのは、間違いないです。

 でも、ですよ。そこがすき焼きの良い所です。「共に食べる」のが良い所です。仲間で、なんとしても計画を立てて、すき焼き屋に集まるって素敵なことですよね。

 皆さん、ご利用は是非、計画的に!

 歌舞伎もすき焼きも。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて507連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
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