食の安全
本日弊ブログは500日連続更新を達成しました。
でも気分は晴れません。
またしても「食の安全」が問題になっているからです。申すまでもなく、南相馬市産の牛の件です。今後、福島産の牛は、全頭検査をしない限り、売ることが難しくなるでしょう。
7/11に「料飲三田会」という、慶応大学を出て料理屋を経営している人たちのグループの会合が「ちんや」でありましたが、その席でも、どうしてもこの話題になりました。話す内に、声のトーンが沈んできて、なんとも沈鬱になってきます。
どうも、この「全頭検査」っていう言葉は、ちょうど10年前のBSE問題の時を思いおこさせます。
対策が後手にまわって、マズいことになり、最後に打つ手は全頭検査しかない状態になっている、今の状況は、あの時と同じ展開に見えます。デジャブーのようです。
もっとも、BSE問題の遺産で、牛は個体識別が完全に出来ていますから、福島以外の牛の消費が落ち込むことは避けられると思います。一方、一番可愛そうなのは、福島県内の原発から遠い所で、畜産をやっている方です。店頭では「福島県産」とだけ表示されますから、問題ない牛でも売れないでしょう。
思えば、過去10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。BSE、O-157、強毒性鳥インフルエンザ、口蹄疫、中国製毒ギョーザ、事故米転用事件、食品添加物、偽装表示・・・・・そんな話題ばかりでしたね。
実は、初めてBSEが国内で見つかった平成13年9月の前の月=平成13年8月に、私は「ちんや」の六代目を継ぎ、今年の8月で10周年なのですが、その後10年間、食をめぐるニュースは、なにかと暗いものばかりでした。楽しい時間は、あまりに少なかったように感じます。
今年の年始に、私は書きました・・・
そういう10年が過ぎ去って、皆さん、そろそろ、気分を変えたくありませんか!
食は、もっと楽しい気分で語られて良いものに決まっています。
今年、日本のお笑いの聖地である浅草から、食と笑いを同時に発信したいと思っています。浅草の知人の中には、お笑いの仕事にかかわっている人もいます。最高の立ち位置ではありませんか・・・
私は、今年はそういう仕事をしたいと願っていました。
もちろん仕事ですから「食の安全」の方にも取り組みますが、それは仕事の目的というより前提の話しで、その前提の上で「食と笑い」「食の楽しさ」をやりたかったわけです。でも、今は原発のせいで、また前提であるはずの「食の安全」に、フォーカスが当ってしまいました。残念です。
だいたい「安全」関係の用事って楽しくないんです。
しかし暗いムードを変えることを諦めはしませんよ。
社内に造るかな、「冗談製造委員会」
追伸①
「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。
「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」
追伸②
7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!
検定の詳細はこちらです。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて500連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。
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