共に食べる

 昨日のテレビ撮影の話しの、そのまた続きです。

 BSーTBSの、『関口宏の昭和青春グラフイテイ』という番組の撮影があり、私と、「すきや連」旗振り役で「すき焼き通」(平凡社新書)の著者である、

向笠千恵子先生がインタビューを受けました。

 この番組は、これまでは「昭和の渋谷」「昭和の六本木」とかを放送したそうですが、今回は「昭和の子供の贅沢」。

 「昭和の子供の贅沢の代表である、すき焼きの魅力を語って欲しい。」という御題で、先生と私が問答し、それを撮っていく、というスタイルです。問答している内に、

 そう、そう、そうなんですよ!

と私の声が上ずってしまったのは、向笠先生の、

 「すき焼きは、共に食べる、っていう感覚が一番強い食べ物よね」

 「すきや連の、宴会の写真を見ていると、皆さん、本当に良い笑顔で、共にすき焼きを食べるのが嬉しいって、顔に書いてあるわよね」という部分でした。

 そこ、大事なところです。

 平成23年の今時は、「個食」とか「孤食」とか言って、同時に食事を食べないことが多いようです。

 その点すき焼きは、共に食べないと、そもそも成立しません。

 同時に食べ始め、同時に食べ終わらないといけない点が、すき焼きの不便な点ですが、しかし、そこが同時にそのまま、すき焼きの魅力です。

 宴会が始まり、やがて鍋に火を入れ、煮えた肉が取り分けられる瞬間には、皆が、鍋に意識を集中します。他の料理の宴会では、皆さんはたいてい、好きずきに会話を楽しんでいらして、料理にそれほど集中しません。

 ところが、すき焼き宴会なら、少なくとも、この瞬間だけは、全員が意識を料理に集中させ、今共に食べる嬉しさを強く感じることができます。

 震災以来、ご宴会はめっきり減りましたが、会社の中で心を一つにしたい、とお考えの社長さんには、是非、すき焼き宴会をしていただきたいものです。

 自粛や節電ばかりでは、希望が見えません。ビジネスも気勢が揚がらないのではないでしょうか。

 今共に食べる嬉しさ〜すき焼きには、それがありますよ。

 『関口宏の昭和青春グラフイテイ』オン・エアは、8/16(火)22:00〜です。このブログをお読みの、社長さんは、是非、この番組を参考にしていただきたいです。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて499連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

No comments yet.

Leave a comment





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">