猛暑中お見舞い

 終戦記念日ですね。

 空襲の焼け野原の画像と、今回の津波の画像を並べて報道するケースが多いようです。

 たしかに、両者の画像は似ています。しかし決定的に違うこともありますね。それは国民の心です。

 戦争の後、新しい社会=民主主義の国を造るために、ほとんどの日本人は右から左まで一致していましたが、今は違います。原発をどうするか、という争点で、日本人は分裂してしまいました。それが、震災後の日本人です。

 私自身も判断がつきません。

 原発を完全に無くした場合、真夏の東京ですき焼き屋が出来るのか、わかりません。この、お盆休み中も、ご法事の方やら東京観光の方やらにお越しいただきましたが、これもすべてエアコンのおかげです。

  それに原発を完全に無くした場合、日本の産業が空洞化して、経済が停滞する心配もあります。

 一方、生き物としての私は、この東京の暑さに、どうしようもない違和感を感じています。

 実は、私は店の近所の、マンションの7階に住んでいますが、7階の高さは隣のビルの屋上の高さと、ちょうど同じです。そしてビルの屋上に必ずあるものと言えば、そう、それは・・・

 エアコンの室外機。

 当然、そこから熱気が噴き出してきます。暑いです。

 悪いことに、今年隣のビルの、その向こう隣に高い建物がたちました。つまり今、隣のビルの室外機は、ウチのマンションと、新しい高いビルとの谷間に在る格好に成っています。

 風が東西に吹き抜ければ、暑気も拡散しますが、それ以外の時は溜まります。

  もとから暑いのに、さらに暑く成りました。「東京在住」といっても、東京の郊外にお住まいの方には、この暑さをお分かりいただきにくいかもしれません。

  そして、その暑気はフクシマ以外の原発に由来するものです。エアコンによって熱交換され、隣のビルの室内を冷やしていますが、屋上では、エネルギーとしての正体を顕しています。暑いです。

  こうまでして、真夏でも東京の都市機能を死守することが、本当に幸せというものなのか、これが理想の社会なのか、生き物としての私は疑問に感じます。

  しかし、原発を無くして商売が出来なくなるのも、困ります。

  両論の隔たりは大きく、一致させるのは、簡単ではないでしょう。

  せいぜい出来るのは、東京人がもっと夏休みをとって、東京から出て、それによって節電すること、それくらいではないでしょうか。まあ、言ってみれば「減発」ですね。

  皆様、猛暑中お見舞い申し上げます。いろいろな意味で。心より。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

追伸④ 

  BS―TBSの番組『関口宏の昭和青春グラフイテイ』の第20回「昭和の子どもの贅沢」に出演します。オン・エアは8/16(火)22:00〜。是非ご覧下さい。詳しくは、こちら=http://www.bs-tbs.co.jp/app/program_details/index/KDT1101000

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて532連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM

夏バテ対策

 お暑うございます。

 菅総理も夏バテして退陣するようですね。

 その辺りの情報をツイッターで探していたら、日刊ゲンダイのアカウントに・・・

 【人物】 菅総理に異変!? 土日はほとんど公邸に引きこもり あんなにガツガツ食べていたのに 大好物の焼肉、すき焼きも口にせず・・

 え?なんですって?

 菅さんて、すき焼きが大好物だったんだ!

 マスコミは、どうして、そういう重要なことを今まで報道しなかったんでしょう。

 総理! これからは支持しますから、退陣なんてしないで、続投して欲しいです。

 続投が難しければ、首相在任中に国会で「すき焼きが大好物だ」と明言して下さい。示唆するだけでもいいですから! 今、牛の業界が大変なんですから、是非ひとつ、お願いします!!

 さて、夏バテの話しに戻りますが、夏バテ対策の一環で、「ちんや」の精肉売店で、

 「古座川ゆず平井の里」の、しぼりゆず

を売ることにしました。

 商品名の通り、しぼっただけの、100%ゆず果汁です。

 どうも、ここ2-3年、夏バテするので、対策としてビタミンB1の豊富な豚を食べることにしているのですが、食べ方は、やはり酸味を利かした方が食欲をそそります。

 ゆでただけの豚を、醤油と大根おろしと「しぼりゆず」で食べます。カンタンです。

 どうせ、夏バテ対策で必要な物なら、店でも売ってしまえ、という次第です。

  同病の皆さん、ご来店を。

 あ、総理も、どうぞ。夏バテでしたら。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

追伸④ 

  BS―TBSの番組『関口宏の昭和青春グラフイテイ』の第20回「昭和の子どもの贅沢」に出演します。オン・エアは8/16(火)22:00〜。是非ご覧下さい。詳しくは、こちら=http://www.bs-tbs.co.jp/app/program_details/index/KDT1101000

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不適切テロップ

 その内に誰かやるだろう、と思っていました。

 何をやるだろうって、原発関連の不謹慎なジョークです。

 誰がやったかと申しますと、東海テレビです。「ぴーかんテレビ」という情報番組の中で、岩手県産米懸賞プレゼントの当選者名を、

 「怪しいお米 セシウムさん」とテロップで表示したそうです。

 懸賞の当選者が確定するまでの間、仮の名前を入力しておく必要があったのだそうですが、その際に、番組の下請けスタッフが、冗談で入力しておいたのを、誤って本当に流してしまい、トラブルになっています。

 あまりの不謹慎さだったので、番組は休止、岩手県知事・愛知県知事に謝罪、新聞にも謝罪広告を掲載、事故検証委員会の設置、とまあ大変です。

 私もTVの下請けスタッフと接する機会がありますが、TV下請け業界の人材の寂しさは、日本の報道界の一大汚点だと思っています。でも、それはさておき、なんで、こんな冗談を言ってしまうのか、考えてみましょう。

 だいたい、「面白い人と思われたい!そうやってモテたい!」という人間の欲求は、結構強いものがあると思います。TV業界にいればなおさらでしょう。

 その欲求ばかり強くて、しかし適切なジョークが作れない人が、問題を起こすことがありますね。地震の直後にも、アメリカの政治家が津波を冗談にして、謝罪させられました。

 考えてみますと、冗談には4種類あります。

①今回問題になったような、弱味のある人の弱みを強調して笑わせるタイプ

⇒これは、公開の場では絶対にNGです。

②権力や金を持った人の、傲慢さを強調して笑わせるタイプ

⇒ソ連時代のロシアで、このタイプの冗談が花盛りだったのをご存じの方も多いと思います。でも民主主義国では、このタイプは意外とやりにくいです。政治家をからかったりしますと、その政治家には多数の支持者がいますから、その人たちに伝わって御機嫌を損ねかねません。

③ 自分の弱みを強調して笑わせるタイプ。いわゆる自虐ネタ。

⇒これが、ジョークの王道ですが、プライドのある人にはやりにくいですね。私は平気ですけどね。

④ 単純な洒落言葉。いわゆる「オヤジギャグ」

⇒これも、ジョークの王道ですが、あまり何回も繰り返すと、呆れられますね。

 このタイプを好む人は、何故か、ギャグを連発する傾向があるのが、不思議なところです。高学歴の方に意外と、そういう方が多いような気がします。どんなに呆れられても、学歴が知性を証明してくれるから平気で連発するのかもしれませんが、ほどよい頻度が望ましいことは申すまでもありません。

 はてさて、こんなにも不謹慎な事件がありましたが、それでも私は、重苦しい今の日本では、笑いがもっと欲しい、と思います。

 皆さん、今回の事件に懲りず、ジョークを飛ばしましょう。良く考えてから。

 怪しいスキヤキをプレゼント。

 当選者は・・・バリウムさん!

(解説⇒テレビ局という権力と金を持った人が、間抜けにもミスを仕でかしたことを笑うのが、このジョークの眼目) 

 話は変わりますが、京都五山の「送り火保存会」さんが、陸前高田市の松の薪で送り火を燃やすことにしたそうです。

 陸前高田の松からは、放射性物質が検出されていなかったにも関わらず、心無い一部の人の意見が通って、いったんは松の受け入れが「拒否」となっていました。

 しかし、そのことを知った京都市民から多数の抗議があり、一転結局、陸前高田の松で送り火、となったそうです。おお京都、流石です。ダテに千年も都があったわけではないですね。

 東京の政治は、とんでもない体たらくですから、この際、遷都した方が良いかもしれませんね、再び京都へ。

(解説⇒これも、一応、広い意味での、ジョーク)

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

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盲導犬

 盲導犬ユーザーのお客様を初めてお迎えしました。

 実は2002年に、「身体障害者補助犬法」というのが成立していまして、レストランも盲導犬を受け入れることを義務づけられています。

 この法律は最初、公共施設と公共交通機関に施行され、2003年からは、民間の「不特定かつ多数の者が利用する施設」つまりレストランへも施行されるようになりました。

 それからしばらく時間がたちましたが、弊店では、盲導犬は今回が初体験です。

 ご存じの通り、弊店は玄関で下足を脱いでいただいて⇒お入りいただく構造なので、ワン子も、そこで足を拭いてもらわないといけません。

 その点は、手間と言えば手間ですが、そこさえクリアすれば、部屋は個室ですので、その中にいて下されば、他のお客様に嫌られる、という心配はさほどありません。

 聞けば、盲導犬ユーザーの方のほとんどが「同伴入店拒否」を経験されているそうで、気の毒なことですが、客席どうしが接近している店では、他のお客様が嫌がるケースもあるのかもしれませんね。

 法律の施行直後は、駅の通路などで啓発ポスターを見かけましたが、最近は見かけません。PRが足りないのでしょう。

 もう一つの問題点として、ワン子の毛が抜けたりしますが、清潔なユーザーさんは、丁寧にブラッシングしているでしょう、ごく少量でした。対応としては、お帰りになった後に、部屋に掃除機をかけるだけのことですから、そのくらいは親切の範囲内で可能です。

 人間でも、酔っぱらいが部屋を汚すことがあり、その始末をするのは、愉快ではないですが、仕事の一部です。そのことを思えば、忠実なる犬の毛の始末の方が、よっぽど愉快な仕事ですね。

 まったく何の問題もなく、食事は済み、ユーザーさんもワン子も帰っていきました。

 目出度し、目出度し。

 え? その犬は「ちんや」の肉を食ったのか、って?

 盲導犬は、そういうことをしないんだそうです。可愛いそうでしたけど・・・

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③

 川柳で日本の食卓に笑顔を!

「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すきせん」の、投句受付をしています。

 応募要領と投句一覧は、こちらです⇒http://www.sukiomo.com/

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて527連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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筋肉痛

 川柳で日本の食卓に笑顔を!ということで、

「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すきせん」を集めています。8/1から投句受付開始しましたが、5日間で、もう130句以上戴きました。

 有難うございます!嬉しい悲鳴ですね。

 誰が悲鳴をあげているか、と申しますと、脇の内側辺りの筋肉が悲鳴をあげています。

 パソコンで、句をコピペーするのに、その辺りの筋肉を使うのです。

 句は、ツイッターで私のアカウントchinya6th宛てに投句されてきますので、「@関連」でそれを探します。たまに方法を間違えて、「@関連」でなくて、普通にツイートする方がいるので、念のため、ハッシュタグ#sukiyakisenryuで検索をかけます。

 こうして句を見つけましたら、後はコピペーするだけです。いったん「マイドキュメント」に貯めた後、そこから「すき焼き思い出ストーリー」のサイトにコピペーして、UPします。

 要するに、この間、キーボードはほとんど使わず、マウスクリックだけの操作を続けています。

 猛烈な速度で。

 それで、どうも脇の内側辺りの筋肉が悲鳴をあげています。

 ツリそうになることもあります。困ったものです。

 夜のウオーキングの間も、肩を回しながら走って、筋肉をほぐそうとしているのですが、あまり改善しません。困ったものです・・・

 と、このブログを入力している、その間にもツリそうになってきました。

 そういう次第で、今日は、これにて。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③

 川柳で日本の食卓に笑顔を!

「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すきせん」の、投句受付をしています。

 応募要領と投句一覧は、こちらです⇒http://www.sukiomo.com/

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて524連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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うかつあやまり

 7/26に、第九回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催し、50人を超える多数の、すき焼き屋さんと、すき焼き関係者にご参加いただきました。

 「すきや連」では、すき焼き宴会をするだけでなく、その前に、毎回短時間ですが、「お勉強タイム」があります。

 今回は「江戸しぐさ」の話しを聞きました。講師は、NPO法人・江戸しぐさ副理事長の桐山勝さん。以前からの「すきや連」のメンバーの一人です。

 震災と原発で大変な時に、なんでまた、「江戸しぐさ」なの?と思った方もおいでかもしれません。

 しかし、です。こういう大変な時だからこそ、「江戸しぐさ」なのです。まあ、お聞きください・・・

 そもそも、「江戸しぐさ」は、商売繁盛のための、江戸商人の知恵だったそうです。

 江戸時代、全国各地から江戸に集まってきた商人たちが、商売繁盛を目指し、人間観察を重ねた結果、得た様々なノウハウを獲得⇒口伝で継承、今日に伝わる「人の上に立つ者の心得」ができた。それが「江戸しぐさ」なのだそうです。

 しぐさには、800種類はあるそうですが、その代表的なものは・・・

 「傘かしげ」「肩引き」「こぶし腰浮かせ」。地下鉄の駅に掲示されていたことがあるので、ご存じの方も多いと思います。

 元は商売繁盛を目指したものでしたが、結果的に、人間関係が円満になるノウハウが詰まったものに成り、特に大棚のオーナーさんが、その役をまっとうするために、必要なものと成っていったようです。

 江戸時代、オーナーさん方は、「自分がこの状況では責任者の役を演じる立場にある」といった自覚のもと、日頃から「江戸しぐさ」を振る舞っていました。それが江戸しぐさ=人の上に立つ者の心得でした。

 さて、危機の時代=日々トラブルに遭遇する時代に、人の上に立つ者が心得を心得ていないと大変なことになります。

 そんな時代に生きている私が「江戸しぐさ」の中で感心するのを、一つだけ挙げますと・・・

 「うかつあやまり」。

 足を踏まれた時、踏んだ方でなく、踏まれた方が誤ってしまう、というしぐさです。

 たとえば電車が急ブレーキをかけた!足を踏まれた!その時、あなたはどう反応しますか。

 「足を踏んだ方が謝るべきだ」が正解でしょうか。江戸しぐさの答えは、「足を踏まれたほうが謝ってしまえ」です。

 起きたことは仕方がない。むしろ二次被害を避けるために謝ってしまえ、という考え方なのです。

 足を踏まれたくらいは、重大な事故ではありません。

 その時、キツい口調で相手を難詰すれば、相手は反発するかもしれません。オレのせいじゃないぞ!悪いのは電車の運転手だ!なんだ!その言い方は、ふざけんな・・・とマズい方向に展開するかもしれません。それが二次被害です。

 このケースでは、一次被害は踏まれただけなのに、二次被害が甚大になります。それを避ける「江戸しぐさ」が「うかつあやまり」です。良く出来た考えです。

 この話しを聞きながら、私は牛の汚染エサの問題のことを想いました。

 疑いのある牛を売ってしまった小売店が、納入業者を厳しく責任追及するケースがあるようです。ある納入業者さんは「人間不信になりますよ・・・」とこぼしていました。

 牛の汚染エサに、あそこまでの問題があるとは、しかも広い範囲で問題があるとは、納入業者さんの間でも、生産農家さんの間でも、知られていませんでした。むしろ東北の生産農家さんを応援しよう、と熱心に仕入れていた業者さんも多かったです。

 その状況の中で、問題があったからといって、納入業者を厳しく難詰しても、一次被害は直りません。悪いのは電車の運転手、いや、東京電力だからです。

 もちろん、消費者と向きあう立場の小売店が辛いのは、私も良くわかります。この時代に生まれあわせて損した!という気分も分かります。

 でも納入業者さんを責めたら、さらに辛い二次被害が起きないでしょうか。

 くどいですが、牛の問題の大元は、納入業者さんではなく、東電です。

 怒りが爆発しそうになった時、「江戸しぐさ」を思い出したいものです。

追伸① 

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。 

追伸② 

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り) 

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントを、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。 

追伸③

 川柳で日本の食卓に笑顔を!

 「すき焼き川柳onツイッター」コンクールを始めました。略して「すきせん」!

 応募要領は、こちらです。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて519連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。 

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我慢我慢

 牛の汚染エサの件では、大変ご心配をおかけしております。

 すき焼き屋もダメージを蒙っていることを察知して、はげましのメールなど頂戴しまして、ありがとうございます。

 弊店より、はるかに大きいダメージを受けた御店もあるのですが、そうした御店の方が、むしろ私より意気軒昂だったりします。反省して、気合を入れ直して行かないといけません。

 そんな中、7/25から7/28まで4日ほど夏休みをいただきましたが、その3日間私は、和牛を食べ歩いておりました。

「太昌園」さん(焼肉、上野)

「銀座吉澤」さん(すき焼き)

「大都会本館」さん(高田馬場、鉄板焼ステーキ)

 さすがに盛況とは行かないようでしたが、閑古鳥が鳴く、ということでもないようでした。冷静なお客様もおいでのようです。弊店でも夏休みの前後に、静岡県や群馬県から、大勢様がお越し下さいました。
 東北・北関東などの12県ではさらに「安心」を確保するため、どうやら、「全頭検査」を導入するようです。その方向で出揃って来つつある模様です。これで皆様には、より安心して召し上がっていただける形になります。

 現時点でも、弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、問題なく和牛を召し上がっていただくことができますが、より「安心感」が増すのは、結構なことです。

 正常に戻るまで、もう少しの我慢です。

 ここで焦って、下手にOGビーフに切り替えたりすると、「やっぱり和牛は食べられないの!」と無闇な不安を煽ります。

 良心的な経営者は、そういう対処方法が×なことを知っています。10年前のBSE問題の時は、おかしな業者が「当店はOGビーフのみ使用しています!」と宣伝していましたが、今回はそういうことが無いように願います。

 その為にも、行政には対応を急いでいただきたいところです。

 我々は、我慢我慢です。

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川柳で日本の食卓に笑顔を!

 汚染牛報道でヒマです。でも、ボヤイていても仕方ないですよね。

 そこで、かねて考えていたアイデイアを実行しました。

 それは=「すき焼き川柳onツイッター」コンクール、略して「すき川」。

「川柳で日本の食卓に笑顔を!」というプロジェクトです。

 傑作には嬉しいプレゼントがありますので、是非奮ってご参加下さい。

 以下に詳細をお知らせします。

<「すき焼き川柳onツイッター」コンクール>

*川柳は俳句と違って、思いを五・七・五の17音に表すだけです。季語などの制約はありません。

自由にツイッターへ投句して下さい。

 

<投句方法はスゴく簡単です!>

①まずツイッター上で、「ちんや」六代目店主・住吉史彦のアカウントをフォローして下さい。

 アカウント名:@chinya6th

・投句受付け期間中はフォロー解除をしないで下さい。 

 @chinya6th宛ての@関連で・・・

②最初に<浅草ちんや主催「すき焼き川柳onツイッター」に投句!>と入力して下さい。

③続けて、すき焼きを題にした川柳を投句して下さい。

④続けて、ご芳名または雅号またはニックネームを入力して下さい。

⑤最後にハッシュタグ #sukiyakisenryuを入れて下さい。 

・ツイート1本につき、川柳一句をご投句下さい。

・お一人何句でも投句できます。

・ダイレクト・メッセージではなく、「宛ての@関連」をお使い下さい。

投句受付け期間:平成23年8月1日〜9月30日

 ・フォローを@chinya6thからも3日以内に返しますので、ご確認下さい。

・投句を必ず、@chinya6thがリツイートします。3日以内にリツイートされない場合は、

 03-3841-0010へ電話して下さい。

<投句を「ちんや」サイトと、六代目店主のブログに掲載します!>

http://www.sukiomo.com/

http://chinya-blog.com/

・文字化けした場合は、修正させていただきます。あらかじめご容赦下さい。

<傑作には、嬉しいプレゼントが!>

超ウケ(1句) :ちんや御食事券20.000円(有効期限1年間)

大ウケ(2句) :ちんや御食事券10.000円(有効期限1年間)

ややウケ(5句):ちんや御食事券  5.000円(有効期限1年間)

審査結果発表:平成23年10月7日午後1時

http://www.sukiomo.com/ に発表いたします。

<審査するのは、浅草の有名店の皆さん>

@asakusaowariya さん(日本蕎麦『尾張屋』女将)

@kaminarishigeさん(『常盤堂雷おこし本舗』工場長)

@kikunorie さん(浅草芸者)

@unosuke8 さん(神輿・太鼓『宮本卯之助商店』若旦那)

@asakusa_8295 さん(もんじゃ焼『雷門おすぎ』若女将)

・傑作を投句すれば、この方々にリツイートしてもらえるかも!

  川柳で日本の食卓に笑顔を!

  

 え? 「サラ川」のパクりじゃないかって?

 ち、違いますよ。ゼンゼン。まったく。

追伸①

誠に勝手ながら、7/25から7/28まで夏休みさせていただきます。悪しからずご諒承願います。

追伸②

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて511連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

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お酌禁止令

 マスコミで汚染牛の騒動が続いていますが、そんな中でも、静岡県から大勢さまがご来店になりました。有り難いです。

 牛はBSE問題以来、個体識別番号で調査することができ、弊店では召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示しします。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して召し上がっていただくことができます。

 一方、肉への「不安」を訴える電話もかかってきました。政府も全力で対応していますよ、と言っても、その政府が信用できないとか。

 どうにも信用できない&気持ち悪い、というお話しなので、結論として、こちらからキャンセルをお勧めしました。気持ち悪がる人に来ていただいても、こちらも気持ち悪いのですからね。

 気持ちが戻ったら、また行きます、とおっしゃっていたので期待しましょう。さて、

 先日茨城県の「白菊酒造」の若旦那Hさんと商談していた時、宴会での「お酌」のことが話題になりました。

 お酌は、日本社会の潤滑油であって、企業などの組織内部のコミュニケーションを良くするには、是非やっていただきたいことだよね、という話しになりました。しかも、お酌と言えば、日本酒!です。

 ワインはソムリエさんに注いでもらいますし、生ビールは酌できませんね。瓶ビールなら酌できますが、日本酒の方が猪口が小さいので、酌する頻度が上がります。

 日本酒で酌するごとに、コミュニケーションがとれますよね。

 でも、別の意見の方もおいでです。

 2009年に長野県庁内で「お酌禁止令」が出たことがありますが、そのキッカケを作ったのは、やはり私がお目にかかったことのある、別の若き蔵元さんでした。当時の記事をコピペーすると・・・

・・・長野県の板倉敏和副知事の音頭で、県職員らの宴会が今春、手酌酒に様変わりした。お酌を無理強いと感じる若手や女性は少なくなく、

「気を使わなくて済む」
「自分のペースで飲め、酒を残さなくなった」

と歓迎され、全庁的に浸透しつつある。 

 「お酌禁止令」のきっかけは、長野県内の蔵元が3月、県庁に日本酒のPRの要請に訪れた時の一言だった。

 県内の日本酒の生産量は、97年度は18.000キロリットルだったが、06年度は9.800キロリットルにまで落ち込んだ。要請の場ではこうした現状が話題になり、県酒造組合会員の若手でつくる「若葉会」副会長の井出太(ふとし)さん(42)が「最近はお酌を嫌う若者も多い」と発言した。

 これが、かねて「お酌文化」に疑問を抱いていた板倉副知事の耳に入った。元総務官僚で、在豪日本大使館に勤務経験もある板倉副知事は、「お酌の習慣は欧米にはない。嫌々飲まされるという日本酒のイメージをなくすにも、お酌はいらない」と改めて感じた。

 早速、年度替わりの県幹部の送迎会の冒頭あいさつで、「お酌禁止」を宣言。その後もあいさつを頼まれれば、必ず「手酌で自分のペースで飲みましょう」と呼びかける。

 職員からは好評だ。県秘書課の女性職員(29)は「つぎに回らなければという気負いや、空けなくてはというプレッシャーがなくなった」。男性幹部は「宴会後、おちょこやコップに残っている酒が減った」と語る・・・(コピペー終わり)

 「若葉会」 副会長の井出太さんというのは、佐久市の橘倉酒造の若旦那のことで、私も「すきや連」で、お目にかかったことがあります。

 うーん、意見がわかれましたね。

 お酌は正しく機能すれば、もてなしや気配りの表れとして本来は悪い事でもないと思います。でも無理強いしてパワハラまがいになりかねないという弊害があるのも事実でしょう。

 県庁など上下関係がはっきりしている所では、弊害が前面に出るのでしょうか。それが日本酒が嫌われる原因になっているなら、気の毒です。

 この件は、是非議論したいところです。

 実は、去年の秋に一度開催し、「超盛り上がった」と本人が思っている、

 <すき焼き「ちんや」創業130年記念「住吉史彦の会」>

の変形版を、ただ今企画中です。

 「御偉方」をおよびせず、年齢の近い皆様にお声かけさせていただく会で、いたってユルい性格の会という点は昨年と変わりませんが、今年は案内先を、飲食業界・食品製造業界の方の方にしぼらせていただこうと思っています。

 東北・茨城から集めた食材を食し、酒を飲みつつ、日本の食の明日を語る会にできれば幸いですが、皆愉快に酔いつぶれて、結果大した話しはできなかったとしても、それはそれで、楽しければOKです。

 お酌の件も、当然ここで語ることにしますが、酌しながら語るのは当然です。

 今から、酔っぱらいそうです。

 うーい、ひっく。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して和牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて511連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

醗酵食品

 台風が東京へ接近し、やがて南へぬけた夜、北の空気が入ってきて涼しかったので、窓を開けっ放しにして寝ました。

 今日はひさしぶりに気持ちよく眠れるぞ、と思いきや、サイアクの事故が待っていました。

 窓の外で、たぶん車どうしのトラブルだと思うのですが、大きな物音がして、私は起されました。この時、いきなりビクッ!と飛び起きたので、起きた瞬間、左足の「ふくらはぎ」の辺りの筋肉が、思いっきりツりました。

 痛いの、痛くないのって! 涼しいのに眠れないとは、トホホです。さて、

 パックの納豆を買うと、小袋の醤油らしき物が付いてきますよね。

 聞けば、あの小袋が付いていないとメーカーにクレームを言う、呆れた消費者がいるそうですが、皆さんアレを使っていますか。使う!とおっしゃるのなら、アレの正体を今一度お確かめ下さい。

 私は使いませんね、アレを。と申しますか、私がいつも買う「下仁田納豆」さんの納豆には、アレ式の子袋が付いていません。

 「下仁田」さんの納豆は、豆の味がシッカリしていて、食べた後の満足感があり、納豆菌の醗酵に由来する旨味と、良くバランスしているので、余計な旨味を追加する必要性を感じません。小袋の中の、どうやって作ったのか不明(=たいてい人造)の、アミノ酸を加えようとは思いません。

 だから今まで、この納豆にはオリーブオイルと塩だけをかけて、酒の酒肴にしていました。私は納豆が好きなのですが、ネバネバして食べにくいのは嫌いなので、納豆をオリーブオイルで溶いて食べることにしているのです。

 最近、この食べ方が少しだけ変わりました。塩の代わりに、「有田屋」さんの「再仕込み醤油」を、ポチっと垂らして食べています。

 「下仁田納豆」さんの納豆には、余計な旨味を追加する必要性を感じないのですが、別の結構な旨味が加わるのは、それはそれで良いようです。「再仕込み」による旨味は濃厚で、しかし塩分はさほど多くないところが、良い相性と感じます。

 そもそも、日本の醗酵食品同士の相性は悪くないですからね。

 この素晴らしい醗酵食品のおかけで、私は酒肴に不自由しません。そういえば日本酒も醗酵食品でしたね。

 万歳、日本の醗酵食品。うーい、ひっく。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて510連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (2)