お酌禁止令

 マスコミで汚染牛の騒動が続いていますが、そんな中でも、静岡県から大勢さまがご来店になりました。有り難いです。

 牛はBSE問題以来、個体識別番号で調査することができ、弊店では召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示しします。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して召し上がっていただくことができます。

 一方、肉への「不安」を訴える電話もかかってきました。政府も全力で対応していますよ、と言っても、その政府が信用できないとか。

 どうにも信用できない&気持ち悪い、というお話しなので、結論として、こちらからキャンセルをお勧めしました。気持ち悪がる人に来ていただいても、こちらも気持ち悪いのですからね。

 気持ちが戻ったら、また行きます、とおっしゃっていたので期待しましょう。さて、

 先日茨城県の「白菊酒造」の若旦那Hさんと商談していた時、宴会での「お酌」のことが話題になりました。

 お酌は、日本社会の潤滑油であって、企業などの組織内部のコミュニケーションを良くするには、是非やっていただきたいことだよね、という話しになりました。しかも、お酌と言えば、日本酒!です。

 ワインはソムリエさんに注いでもらいますし、生ビールは酌できませんね。瓶ビールなら酌できますが、日本酒の方が猪口が小さいので、酌する頻度が上がります。

 日本酒で酌するごとに、コミュニケーションがとれますよね。

 でも、別の意見の方もおいでです。

 2009年に長野県庁内で「お酌禁止令」が出たことがありますが、そのキッカケを作ったのは、やはり私がお目にかかったことのある、別の若き蔵元さんでした。当時の記事をコピペーすると・・・

・・・長野県の板倉敏和副知事の音頭で、県職員らの宴会が今春、手酌酒に様変わりした。お酌を無理強いと感じる若手や女性は少なくなく、

「気を使わなくて済む」
「自分のペースで飲め、酒を残さなくなった」

と歓迎され、全庁的に浸透しつつある。 

 「お酌禁止令」のきっかけは、長野県内の蔵元が3月、県庁に日本酒のPRの要請に訪れた時の一言だった。

 県内の日本酒の生産量は、97年度は18.000キロリットルだったが、06年度は9.800キロリットルにまで落ち込んだ。要請の場ではこうした現状が話題になり、県酒造組合会員の若手でつくる「若葉会」副会長の井出太(ふとし)さん(42)が「最近はお酌を嫌う若者も多い」と発言した。

 これが、かねて「お酌文化」に疑問を抱いていた板倉副知事の耳に入った。元総務官僚で、在豪日本大使館に勤務経験もある板倉副知事は、「お酌の習慣は欧米にはない。嫌々飲まされるという日本酒のイメージをなくすにも、お酌はいらない」と改めて感じた。

 早速、年度替わりの県幹部の送迎会の冒頭あいさつで、「お酌禁止」を宣言。その後もあいさつを頼まれれば、必ず「手酌で自分のペースで飲みましょう」と呼びかける。

 職員からは好評だ。県秘書課の女性職員(29)は「つぎに回らなければという気負いや、空けなくてはというプレッシャーがなくなった」。男性幹部は「宴会後、おちょこやコップに残っている酒が減った」と語る・・・(コピペー終わり)

 「若葉会」 副会長の井出太さんというのは、佐久市の橘倉酒造の若旦那のことで、私も「すきや連」で、お目にかかったことがあります。

 うーん、意見がわかれましたね。

 お酌は正しく機能すれば、もてなしや気配りの表れとして本来は悪い事でもないと思います。でも無理強いしてパワハラまがいになりかねないという弊害があるのも事実でしょう。

 県庁など上下関係がはっきりしている所では、弊害が前面に出るのでしょうか。それが日本酒が嫌われる原因になっているなら、気の毒です。

 この件は、是非議論したいところです。

 実は、去年の秋に一度開催し、「超盛り上がった」と本人が思っている、

 <すき焼き「ちんや」創業130年記念「住吉史彦の会」>

の変形版を、ただ今企画中です。

 「御偉方」をおよびせず、年齢の近い皆様にお声かけさせていただく会で、いたってユルい性格の会という点は昨年と変わりませんが、今年は案内先を、飲食業界・食品製造業界の方の方にしぼらせていただこうと思っています。

 東北・茨城から集めた食材を食し、酒を飲みつつ、日本の食の明日を語る会にできれば幸いですが、皆愉快に酔いつぶれて、結果大した話しはできなかったとしても、それはそれで、楽しければOKです。

 お酌の件も、当然ここで語ることにしますが、酌しながら語るのは当然です。

 今から、酔っぱらいそうです。

 うーい、ひっく。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して和牛を召し上がっていただくことができます。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて511連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

Filed under: すきや連,すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
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