家畜商免許

 先日、このブログのアクセス解析をしていたら、その日見に来られた方の数が通常の​146%でした。

 「!」ですよね。しかし、原因が全くわかりません。

 ツイッターで「すき焼き」と​言った人も、その日は普段より多い感じでしたが、その理由もわかりません。そこで、

 なんでだろう? 分かる方、​ご連絡下さい!

とフェイスブックに投稿したら、中学の同期生と、蔵元「あさ開」のネットショップ店長Sさんから同じ内容の返信がありました。

 その原因とは・・・

「ダチョウ倶楽部の寺門ジモン(49)が牛などを取引するための「家畜商」の免許を取得し、昨年11月に牛肉では日本最高峰のブランド・松阪牛のセリに参加して牛1頭を競り落としていたことが13日、分かった。」

「お笑いで活動する一方“食”への造詣が深く、グルメリポーターとしても活躍。特に牛肉へのこだわりが強く、「最高級を知れば、すべてがわかる」と、10年前から松阪牛のセリ市に顔を出して勉強を続けていた。」

 ああ、そう言えば、テレビでやってましたねえ。このニュース。「ニュース」というほどの報道価値があるかは「・・・」ですが。

 この日このニュース以外に、牛やすき焼きに関心が集まる要素は無かったものと思われます。

 ですので、弊ブログにアクセスが急増した理由が、これだと言えなくもないと思います。

 自問氏イヤ寺門氏は、

「牛肉好きが高じて、とはいえ、寺門が本物の牛1頭、しかも最高峰の松阪牛を手に入れた。昨年11月27日に三重県松阪市で開催された松阪牛のNo.1を決める最高峰のセリ市「第62回 松阪牛共進会」に参加。」

「出品された50頭の中から「ちはる6の3」という704キロのメス牛を195万円で見事に落札。11年越しの夢の実現だった。」

 それにしても松阪の市場は、よくまあ、免許を出したものですねえ。

 免許というからには、今後牛の取引をするんでしょうか、ジモンさん。「・・・」ですよね。

 そして、もう一つ、「・・・」なことが。

 それは落札価格。

 松阪の、年に一度の共進会に入った牛が、195万円とは。

 今回「優秀一席」の牛だけは高かったものの、後はショボい相場で、平均価格はBSE問題のあった年さえ下回ってしまいました。

 ジモン氏の牛は、その平均価格をさらに少し下回った位の値段ですね。安い買い物で御満悦でしょうね。

 いやあ、デフレが身に沁みますねえ。

追伸

  毎日新聞社発行の毎日ムック『100年の味 店100選』に載せていただきました。有難いですね。2012年1月12日発行。是非お求め下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて688日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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鰻文化がピンチです。

 鰻の業界が大変なことになっている模様です。

 鰻の資源枯渇によって仕入れ価格が大暴騰して、廃業せざるを得ない鰻屋さんも出てきそうだ、とか。

 その暴騰ぶりは、

今まで、うな丼・うな重を1人前2.500円、3.000円くらいで食べていたものが5.000円、6.000円で食べられるかどうか、というレベルに、近い将来なるそうで、深刻です。

 知人で名店「いづもや」の若旦那である、Iさんが、そうフェイスブックに投稿されていました。

 鰻というと、完全養殖に成功したと聞いていましたが、しかし、

「確かに鰻の完全養殖は成功してます。ですが、今現在育てられる匹数はうなぎ屋さん30軒ほどが1日営業出来るくらいなんです。つまり全国何百軒、何千軒とあるうなぎ屋さんは1年を通して営業ができないレベルでしかないんです。」

 その他は、やはり日本近海に泳ぎ着いたシラスウナギを獲って、それを養殖で育てるのだそうです。

ということで、完全養殖は特効薬にはならない模様です。

 こうなった原因は、シラスウナギの激減ですが、減少の要因としては・・・

・エルニーニョ等による海流の変化、それに

・天然鰻を獲ってしまったり、

・シラスウナギを根こそぎ獲ってしまうことなど、

だそうです。

「大手小売りや、外食チェーンも鰻を扱うようになって久しいですが、そういったベルトコンベアーでの大量生産も大幅な値上がりの一つの要因です。ですが、どこも商売ですから、どこをどう止めるとか、そういうところになかなかすすんで行かないのも現実。」

 やっぱり!

 私は、コンビニだの居酒屋だのが、「丑の日」フェアをやったりするのを、かねてニガニガしく思ってきました。

 蒲焼レトルトを通販するのも同じく反対です。

 鰻は、鰻屋さんで食べれば良いのに!

 このまま行くと「資源が枯渇し、ワシントン条約等で鰻を採る行為自体が禁止されてしまいかねません。」   

 皆さん、日本の鰻文化がピンチです。

 鰻をどう食べるべきか、皆さんにも、お考えいただきたいです。

 ヨロシクです。

追伸

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Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

スイート・ルーム

 私が絶対に、意地でも休養をとる日があります。

 それは年始の第二火曜日、つまり「成人の日」の翌日です。

 私はおかげ様で健康体ですが、ここで休まないと身がもちません。何故か、と申しますと・・・

 まず12月は忘年会シーズンですので原則無休です。特に12/29-12/31の三日間は、正月用の肉の仕込みが深夜までかかります。

 元日は、店は休みますが、完全休養とはいきません。大晦日の夜、除夜の鐘つきに参加して、浅草寺さんから戴いた蕎麦を食べてから床に就きます。元旦に遅く起き出してからも、翌日からの準備がいろいろあります。

 で、1/2からは正月のバトルです。それが「成人の日」まで続きます。

 それでやっと、小休止できるのが、「成人の日」の翌日の、第二火曜日というわけです。

 さて、その「成人の日」の晩から、我が家には、都内の某ホテルに泊まる習慣があります。結婚した時に披露宴をしたホテルです。

 店を閉めた後、家に帰らずホテルへ直行して、そこでようやく、気分転換をさせていただく段取りです。

 それが毎年の習慣なのですが、それが今年はちょっとしたトラブルがありました。

 部屋に入ってみると、エアコンの振動音がスゴいのです。

 うーん。

 私は、クレームということを、まず言いませんが、この場合は歴然と誰が見ても、イヤ誰が聞いても大きく振動しているので、そのことをフロントに伝えました。

 すると、すぐに係りの人がやって来て、音を確認し、

 へ、部屋をお取替えします!

⇒待つこと、しばし。

 替わりの部屋へ案内されますと、

 ひ、広いですね。

 野球ができそう・・・は流石に言い過ぎですが、卓球は楽にできます。

 そういう積りはなかったんですけど・・・

 いいんです、いいんです!こちらのお部屋をお使い下さい!

と言って、係の人は去って行きました。

 でもねえ、外タレじゃあないんだから、こんな広い部屋使い切らないよなあ。

 クロゼットが二つもあるけど、スーツは1着しか持ってきてないから、無意味だよなあ。

 おお、棚が6段もあるな。タレントさんなら、帽子とかアクセサリーとか入れるのでしょうねえ。

 おっと、スリッパも微妙に大きいぞ。細かく差をつけるんだねえ。

 そういう積りはなかったんですけどねえ。

 でも、良く考えてみると、この日はホテル業界では、超に超が付く閑散日です。

 だって、正月の後の、成人式の3連休の最後の日は、家に帰って、明日からの仕事に備える日です。ホテルでゆっくりする人は、ほとんどいないと思います。祝日ですからビジネスマンもいません。

 宿泊料金も格安設定です。だから、そもそも泊まっているんですけどね。

 そういう状況だから、こういう広い部屋も空いているのでしょう。

 有難く使わせていただくことにしました。

 今年は、このまま最後までツイていると良いのですけど・・・

 無理かなあ。

追伸

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交付を受けられる事業者

 東日本大震災の被災地で再建を目指す中小企業に、公的な支援が届かない。

 そういう事例が少なくないと、報道で知りました。

「福島県浪江町の請戸(うけど)漁港近くの「鈴木酒造店」は11月下旬、山形県長井市に移って酒造りを再開した。」

「酒蔵も商品も津波で流され、経営者の鈴木大介さん(38)の自宅は全壊。福島県内では一時的な再建場所を見つけられず、「いつかは浪江で」との決意を胸に、長井市の酒蔵を買い取ることにした。」

 おお、偉いです。

 ところが・・・

「酒蔵の改修や貯蔵用タンクの購入も含めて1億円強かかる。しかし(中略)補助金を受けられるのは、県内で再建する事業者だけ。福島県が設けた上限3000万円の補助制度も対象外で、結局、銀行から融資を受けるしかなかった。鈴木さんは「誰のための公的支援なのか」と、ため息をつく。」

「交付を受けられる事業者は6割程度。公的支援を受けられる条件が実情に合っていないため、申請さえできない事業者もいる。」

 なんということでしょう!

 馬鹿げています、実に。

 この規定を作った人間の、発想方法を疑います。

 思い出しますのは、福島県酒造組合が昨年秋に「セルリアンタワー東急ホテル」で開催した、試飲会のことです。

 「鈴木酒造店」の御主人は、酒瓶を手に独り舞台に登り、復興への決意を語っておられました。津波と原発事故で二重に被災しながら、また立ち上がらんとする、人間の精神力というものを、目の前に目撃して、心の奥底から感動しました。

 それなのに、そういう方に、この国が救いの手を差しのべないとは!

 最近、日本人であることが、ときおりイヤになります。

 いえ、正確には、日本国政府の下に居ることがイヤになります。 

 大政奉還した方が良いかもしれませんね。天皇家に。

追伸

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ランキング操作

 1/5の新聞・テレビが「食べログやらせ業者」について報じました。

「飲食店のランキングサイト「食べログ」が、好意的な口コミ投稿の掲載や順位の上昇を請け負う見返りに飲食店から金を受け取る「やらせ業者」に、ランキングを操作されている事例があることが4日、運営会社のカカクコム(東京)や飲食店関係者への取材で分かった。」

「東京都内の飲食店関係者によると、やらせ業者はIT関連会社や投資顧問会社を名乗り、店舗を個別に訪問。「食べログの点数を上げる裏技のご提案です。食べログからは非公認のサービスとなります」などと言葉巧みに勧誘し、店舗側の意向を反映した好意的なやらせ「口コミ」を毎月5件ずつ投稿するという。」

「報酬は月間約10万円。男性は「依頼を受けた店舗の点数を確実に上げる」などと強調したという。」

 まあ、私たちにとって、この話しは旧知の話しで「何を今皿イヤ今更」という感じですね。私が聞いたところでは、ライバル店を貶す書き込みもしていたはずです。

「食べログは昨年11月の月間利用者数が3200万人以上に達し、影響力が大きく、やらせによって客入りの悪い店が“繁盛店”に変身する場合もある。」

「カカクコムは、サイト内の監視を強めるなど対策強化に乗り出した。カカクコムは現時点でやらせ業者、39社を特定しており、田中実社長(49)は「今後は不正業者の業務停止を求めて提訴するなど断固とした措置をとりたい」としている。」

 ほお、「断固たる措置」ですか。

 どういう措置ができるんでしょう。「観もの」とはこのことですね。

 だって、「食べログ」は、登録さえすれば誰でも投稿できますね。本名かどうかわかりません。

 やらせ業者は悪用し放題でしょう。匿名性のネット社会で純然たる公正な「口コミ」なんて、在り得るんでしょうかね。

 だいたい料理屋なんて自分の舌で選べば良いんです。

 それが出来ない時は、しっかりした見識をお持ちの方に教えてもらえば良いんです。じゃあ「食べログ」は誰が使うのかって?友達のいないヤツが使えば良いんじゃあないですかね。

 私だって私の友達には、お教えしますよ。勿論、同業者のことですから、ネットには書けませんけどね。それこそが口コミというものです。

 ネット上の「口コミ」なんてものは、公正なものでは断じてなくて、ホンモノの口コミの中にだけ、真実が在るんです。

 ネットの普及以来、私達は公正であることに鈍感になり過ぎていませんでしょうか。

 こうしたランキング操作のことを、ネット業界では「ステルス・マーケテイング」とか言っちゃうそうですが、カタカナにすることで、不公正な感じを消そうとしているだけです。

 一般人や芸能人のブロガーが、企業から依頼を受けて、その商品を褒めるのも同類です。

 以前、このブログに結構な数の読者がいることを知った、ある人が言いました・・・

 へええ、じゃあ、住吉さん、儲かっちゃうんでしょうねえ!

 念のため、この「じゃあ」について解説しますが、「じゃあ」とは「住吉さんは老舗料理屋の主人だし、書いてるブログに読者が大勢いるなら、その立場を悪用できますね。旨くもないものを旨いと書いて、その旨くもないものを作っている業者から、お金をもらっているんでしょうね。儲かっちゃうんでしょうねえ!」

という意味です。

 私が、昔の、名誉を重んじる侍なら、

 ぶ、無礼者!

と叫んで、刀を抜き、その女(⇒女だったのです!)を切り捨て御免にしたことでしょう。

 ところが、彼女はニコニコと楽しそうに、この話しをしていて、悪気はカケラもなさそうでした。ブログとは、そのように使うものだと、最初から考えているようでした。

 まさに、末法の世ですな。

 南無観世音菩薩。

 追伸

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とりあえずビール

 新年会シーズンですね。

 とりあえずビールで乾杯!

という場合が多いと思います。

 その「とりあえずビール」が廃れつつある、という話しを耳にします。

 「とりあえず」では、ビール関係者の皆様やビールさん御本人に失礼ではないか!態度を改めるべきだ!という理由で廃れつつある、わけでは勿論ありません。

 もっと違うものを最初から飲みたい、という方―特にそういう若い方が増えているそうなのです。

 その気持ちは分かるけど、最初の一杯位は、皆と同じにしたら良いのに!と私などは思いますが、了見が狭いでしょうか。

 先日、ある「打ち上げ会」をすることになり、15人ほどで飲みに行った時に、こんなことがありました・・・

 仕切り役の幹事さんは、もう夜も遅いし、とにかく早く乾杯して盛り上げたいので、

 ビール以外の方はいますか〜?!

という注文の採り方をしました。いちいち個別に注文を採ったら時間がかかって盛り下がりますからね。そうしましたら御一人だけが、店員さんにビールの銘柄を聞いて、別の銘柄を注文しました。

 私は、その方はひょっとしたら、そっちのビールメーカーさんと御取引きがあるのかと思い尋ねてみましたが、そういうことではなく単に「お好み」のようでした。

 うざっ!

と口には出しませんが、内心私がそう思ったことを、ここに言明いたします。

 最初の一杯位は、皆と同じにしたら良いのに!と思いました。心が狭いもんですから。

 ところが、です。最近の状況=「とりあえずビール」が廃れつつある状況は、そういうことでもないのだそうです。単に「お好み」の話しではなく、アルコールに弱い方が増えているようなのです。

 ビールのアルコール度数は、たかだか5%であって、12%のワインや15%の日本酒より、かなり低いです。だから、酒に弱い方でも、とりあえず乾杯だけは参加できるはずです。

 ビールはこれだけ度数が低いのだから、誰でも少しは飲めるよね。だから乾杯位は全員が同じ物を飲んで、グループの一体感を深めようね。というのが「とりあえず」の真意だと私は思っています。

 勿論、一体感という意味では「とりあえず御酒」の方が、さらに望ましいです。日本酒業界の方は口を揃えて、そうおっしゃいます。

 フクシマ第一原発が出来て、運転を開始した時の祝いの乾杯は日本酒で行ったようですね。テレビで見ました。GE社から派遣されて来たらしき、アメリカ人技術者も、酒の試飲会で見かけるような、大振りの猪口を手にして乾杯に参加していました。

 同じ日本酒で乾杯することが、日米関係技術者の一体感を深めたと想像できます。その後の事態はさて置きますが。

 しかし、ここでネックになるのは、やはり度数です。5%のビールでも「・・・」という方が増えている状況では、15%の日本酒はキツいですね、ゼンゼン。

 そう言えば去年「大震災6カ月―全ての食材を東北から集めた、住吉史彦の会!」を開催した時は「とりあえず御酒」で乾杯しました。東北の蔵元さんが3社参加してくれたからです。

 そうしましたら、会が終わった後、いつもなら二次会に行くような面々が「帰る・・・」とおっしゃいます。

 どうかしました?と尋ねますと、

 いやあ、酔っ払っちゃってねえ、えらく・・・

ということでした。

 翌日のフェイスブックでも、

 住吉さんの会は最高だったけど、酔っ払ったなあ、最初から日本酒はキツかったなあ。

というコメントが書いてありました。

 なるほど、そうでしたか・・・

 要するに「とりあえず御酒」はもちろん「とりあえずビール」すら危ういので、日本酒業界の方は、低アルコールのものを開発するよりないかもしれません。

 でも、そういうのはおいしくないんですよね。「低アル」飲料は、そもそも飲めない人に飲ませる飲料なので、甘くしてあったり、酸っぱくしてあったりします。

 嫌いなんですよね、個人的に、そういう「御子様テイスト」の酒が。これまで「いいね!」というのにお目にかかったことがありません。

 だから、私個人の会は、今後も「とりあえず御酒で乾杯!」しますね。

 最近は、加水してしない「原酒」が出回っていて、あれは美味しいですよね。

 度数は18%とかですけど、あれは美味いですから、ああいう御酒で乾杯しましょう。 

 うーい、ひっく。 

追伸

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クリスマスケーキ

 年始なのに、またまたクリスマスの話しです。

 この日「人形町今半」のT社長の御自宅に、滅茶滅茶に破壊されたケーキが届いたそうです。宅配便の業者が乱暴で、「配達中に三回はぶつけたな」と言う状況だったそうな。

 この件について、Tさんは「夕方取り替​えに来たけど、宅急便でケーキを送るのは大変ですね。宅急便業者​も大変です。」とコメントし、それで皆から称賛されました。

 「尊敬しました!!普通だったら、こ​んな状態でこのやろうとか、どうなってるの?とか、ネガ​ティブなこと書いちゃいそうですけど、業者さんも大変なのは確かですし、怒っても、もうそれは​、なおりませんしね! 物事の捉え方について勉強させてもらいました(^^)」

「やはり飲食業としての学びですね」

という具合でした。

 Tさんは自分が荷主で、しかも、おせち弁当という壊れやすいものを、ごく短期間に集中して出荷する立場なので、ケーキ配達業者の立場が容易に想像でき、それで自然に「大変ですね」というコメントが出来たのだと思います。

 でも、そういう発想の無い方の場合、自然な反応は「馬鹿野郎」「ふざけんな」でしょう。

 お子さんがケーキをとても楽しみにしていた場合、親としてカーっと来る可能性はありますね。「どうしてくれるんだ」と言いたくもなります。

 「どうして」と騒いだって取り替えるしかないですけどね。

 私はケーキとか、おせちとか、そういうヤヤコシい物は出荷しませんから、Tさんほど業者に同情的ではありませんが、それでも極端な繁忙期がある人の大変さは、分かるつもりです。

 なにしろ、浅草で商売していますのでね。

 ケーキ業界のクリスマスに匹敵し、チョコ業界のバレンタインに匹敵する、「浅草の正月」を毎年経験させていただいています。

 今年は、大震災を受けてスタッフ数を最小限にしていましたので、本当に心配でした。

 なんとか六日まで凌ぎ、今日で七日です。

 ここまで観音様の御加護があったことに、心から感謝したいと思います。

 メリー・クリスマス! いや、間違えた、

 南無観世音菩薩。

追伸①

 本日は大相撲東京場所の、初日の前日ですので、「呼び出し衆」の皆さんが、興業の宣伝のため「ちんや」を訪問されます。通称「触れ太鼓」です。大広間へお通しして、食事中のお客様にも見ていただきます。

追伸②

 本日1/7に浅草7丁目の「待乳山聖天」で「大根祭​り」が開催されます。

 御本尊の聖天様にお供えされた大根が、フロふき大根に調理されて、御神酒と共に参詣客に振るまわれます。毎年1/7の恒例行事です。

 また今回は、近くの​聖天公園でフリーマーケットもあります。福​島県や宮城県の被災地物産展が開催されますので、是非皆さ​ん、お出かけ下さい。

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Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

やはり年始に②

 この話しは昨日から続いています。

 電力需要を抑え込むことより、もっと難しいのは、地方に産業を造ることかもしれません。

 グローバル化で一番安いモノを世界中から調達するようになった結果、それより高いものは全然売れなくなりました。

 地方の物品が、地元ですら売れなくなりました。

 ごく一部の、ブランド化に成功した商品は売れますが、それは地方で売れるのではなく、東京で売れます。それに、ブランド化に成功するのは簡単ではありませんから、成功例は多くなく経済全体への貢献が小さいです。

 先月岩手県を訪ねた時に伺った話しですが、地元の浜に上がった魚を売る、普通の街の魚屋さんが亡くなってしまい、皆が巨大スーパーで、どこの海のものか良くわからない魚を買っている、そういう実態があるそうです。かなり残念ですね。

 要するにですが、今、「フード・マイレージ」は勿論、「エネルギー・マイレージ」も、それだけでなく「全てのモノとコト・マイレージ」をも見直すべきだと思います。

 平たく申せば、地元の人が育てたり、作ったりしたモノを買おうよ、外国のモノより少し高いけど買おうよ、ということです。

 そうすれば、あなたが使ったお金を受け取った人は、きっとやっぱり地元でお金を使うから、まわりまわって、結局あなたの懐が潤うよ、だから最初に少し高く買っても、元はとれるんだよ、ということです。

 思えば、私の地元・台東区の地場産業も、海外との価格競争に勝てず、生産現場を縮小させ続けています。地元にはデザインと検品部門だけを残し、現場は中国、という会社が多くなりました。

 以前は浅草の飲食店の、メインの御得意さんは、近隣の現場の職人さん達でした。職人さんは作りの良しあしが分かるので、店が良い仕事をすれば食べてもらえました。その「客の目利き」が街の、全ての基礎になっていました。

 ところが職人さんの姿を見ることはだんだん減って行き、今時は、遠方からの御観光の方々がとって代わりました。それで浅草経済は縮小を免れていますが、その立場に安住してはいけないのは当然のことです。

 遠来のお客様からお金を頂戴したお金を使って、浅草の商店主は地元に残った職人さんからモノを買わないといけません。そうすれば、まわりまわって、結局自分の懐が潤うからです、勿論。

 浅草は浅草なので、そういうことができますが、地方ではこうは行かないかもしれません。

 その難しさは勿論分かります。だいたい、この発想は、グルーバル市場経済主義に逆らう発想だから大変なことです。無謀と言えるかもしれません。

 でも、この国がこのままで良いと思う人は少ないでしょう。

 経済を、経済として存在させるだけでなく、それに何か、絆のようなものを合わせ持たせないといけません。

 今、この状況でも「原発再稼働を希望する地元」がある、ということを軽く見てはいけないと思います。

 皆が傍観者であり続ければ、状況は良くなりません。

 私達が100円ショップでモノを買えば買うほど、外食チェーンでメシを食えば食うほど、日本のどこかで誰かが売り上げを落とします。その皺寄せを受けた過疎地が、また原発誘致の誘惑に駆られないとは限りません。

 このままで良いと思う人は少ないでしょう。

 私もそう思うので書きました。

 やはり年始に書かないと、先に進めませんから。

 今さらですが、皆様、良い御年をお迎え下さい。

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やはり年始に

 2012年も3日目ですね。

 弊店も昨日から通常営業いたしております。

 でも2011年を引きずっている方が多いと思います。

 年末年始のテレビの特番も、未来の話しより去年の話しばかりでしたから、そう簡単に心機一転とはいかないでしょうね。

 私も一回位は、去年のことをどう考えているか、どこかで書かなきゃ、と思っていましたので、今日は、この際そういう話し、つまり原発の話しで行ってみようかと思います。

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 さて去年、日本に54基もの原発があることに驚いた人は多かったと思います。私もそうでした。

 こういう状況になった理由としては、

①中央に電力の需要があった。

②地方に産業がなく、原発を誘致してでも雇用の口を確保したかった。

の2点に尽きると思います。

 中央から地方へ原発マネーを入れて⇒金の力で過疎地を痺れさせる、という仕組みを成立させてきたのが、わが国民の実態だったと思います。

 勿論私も、真夏にすき焼き屋を営業することで、この片棒を担ぎました。ほぼ全国民がこの仕組みに参加しています。

 良い塩梅に、原発を過疎地に押しつけるノウハウが出来た結果、なんと54基にまで増えてしまいました。一方、原子力工学をカンペキに理解してる人間なんて、そう大勢いませんから、「人災」が起こる素地は出来ていたと言えましょう。

 そんな中、今、実際問題としては急に電力需要を小さくすることは出来ないかもしれません。しかし「電力需要」と言われているものが、本当に需(もとめ)要(いる)ものであるのかは、この際考えないといけないと思います。

 以前から私には「オール電化厨房」とか「オール電化住宅」とかは、行き過ぎに思えてなりませんでした。エネルギー源を電気に集中させるのではなく、逆に、ガスは勿論、ソーラーとか風力とかも組み合わせて、分散させれば良いのに、とずっと思ってきました。

 でも、そうしたエネルギーは「高いね」の一言で退けられてきました。

 だいたい何百キロも離れた原発から東京へ電気を引く間に、かなりのエネルギー・ロスがあると聞きます。エネルギーを単に「安い・高い」だけで捉えるのでなく、「フード・マイレージ」と同様の「エネルギー・マイレージ」という考え方で捉える必要もあったのではないでしょうか。そういう発想があれば、どこかでストップがかかっていたと思います。

 念のため申しますが、私は原子力開発に着手した、最初の日本人の気持ちが全く分からないわけではありません。アメリカの核兵器で打ちのめされた、当時の日本人が「いつか、この技術の平和利用でアメリカを追い抜いてやる!」と思ったとしても、それは不自然ではないと思います。

 どちらかと言うと、私はそういう青い心が好きです。

 原子力にかかわる全ての人が、その気持ちを持ち続けていてくれたら、「全電源喪失」に備えてくれていたら、と思いますが、今となっては、せんの無いことです。何十年という歳月が流れ、原発もどんどんできる中で、関係者の方々にぬかりが無かったとは言い切れないと思います。

 もう一つの方ですが、地方に産業を造ることはもっと難しいのかもしれません・・・

 え? この話しは随分長いなあ、まだ続くのか、って?

 そうですねえ、一日分としては長いですかね。

 では、また明日。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて673日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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絆年賀状

 新年おめでとうございます!

と言って良いものかどうか、議論されているようですね。

 今回の大震災のダメージはあまりに大きく、原発も「収束」とは言い難い状況で、「おめでとう」は不適切、と私も思います。昨日のブログでは、とりあえず避けておきました。 

 今は、先方の今後の幸福を祈念するような表現が良いのだろうと思っています。今の状況が悪くても、いつか良いことがありますように、という感じが適当でしょうね。

 さらに表現も工夫しないといけません。

 御多幸を祈念いたします! じゃあ悪い状況の方に対して、あまりにそっけないですね。

 さてどうしようかな、と思い、ネット検索してみました。そうしましたら・・・

「感謝や絆などを相手に伝え表現する年賀状が販売されているようです。」

なるほど、そういう方向ですか。

「日の丸や日本をモチーフにしたデザインで・・・」

「震災のあった地域に義援金を送る主旨の年賀状・・・」

「誰かの役に立てる年賀状」

「少しでも未来に向けて日本が元気になるように、私もできることをしたい」

ほお、そういう仕組みがあったんですね。

 こういうのを「絆年賀状」と言うのだそうです。

 そう言えばブログも似たようなものです。

 卒業以来会っていない同期生が、このブログを見つけてくれて、毎日更新されているのを見て、

 おお、毎日生きてるなあ〜っていう感じがするよ!

とメールしてきました。

 これを「絆」と言えなくもないですね、大げさですけど。

 そういうことで、皆様との御縁を感謝しつつ、本年も続行してまいります、絆ブログ。

 ご笑覧を!

 なんか今日の話しが元日号みたいだなあ。

追伸

 年始は元日だけお休みをいただき、2日より通常営業いたします。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて673日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)