またまた、カレーすき焼きの話し

 「茅ヶ崎館」さんの、カレーすき焼きの話しの続編です。

 小津安二郎監督所縁のカレーすき焼きは、「すきや連」の仲間の、松阪「かめや」さんとも御縁があることが判明しました。

 監督が 「茅ヶ崎館」さんで映画の仕事をしていた、昭和10年代~20年代は物資の乏しい時代でした。当時高級食材だった肉を手に入れるのは簡単ではなく、それでも映画の仲間に肉を食べさせたかった監督が頼ったのが、ご自分の郷里の仕入れルートだったようです。

 監督は、東京市の出身、ということになっていますが、それは実は、父上が転勤して来ていたからです。

 父・寅之助は、伊勢商人「小津三家」の縁戚で、本家から東京日本橋の海産物問屋「湯浅屋」と深川の海産物肥料問屋「小津商店」の両方を番頭として任されていたそうです。その時、監督が生まれたのです。

 のち一家が郷里である松阪に移ったため、監督は松阪町立第二尋常小学校に編入、中学校も地元、やがて映画を志して上京しますが、青春時代は松阪で過ごしたのでした。

 先日「茅ヶ崎館」さんをお訪ねした時、若旦那からこの話しを聞いた私は、早速、松阪「かめや」の若女将T代さんに確認してみました。

 そうしますと、メールが来て、

 「正解です。道先案内人が当時いまして、その方々のお陰です。現在でも小津家縁のお客様が、たまに、来店されてます。(中略)その旅館で、手前どもがお話に出るなんて嬉しいです。」ということでした。

 なるほど、「かめや」さんのルートで肉を手に入れていたんですね。

 「かめや」の若女将と、次回「すきや連」例会で映画談議をするのも一興ですね。

 楽しみです。

 追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は270人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて887日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 

行って来ました、カレーすき焼き

 え~7/27まで夏休みを頂戴しご迷惑をおかけしました。昨日7/28より営業いたしております。さて夏休みを利用しまして・・・

 行って来ました、カレーすき焼き。

 料理雑誌『ダンチュウ』8月号のカレー特集に、小津安二郎監督が愛した「カレーすき焼き」のことが載っていました。

で、当然ですが、食べに行ってきた次第です。

 場所はチト遠くて茅ヶ崎です。そこに小津監督所縁の宿『茅ヶ崎館』さんがあり、泊まらなくても昼食だけ食べられるのです。

 食しまして、「カレーすき焼き」はまったく違和感がありません。

 「ヒデキ、感激!」のバーモントカレーにリンゴと蜂蜜が入っていることからも分かる通り、甘い+辛いはアリなのです。我々がすき焼きに七味唐辛子をかけるのと余り変わりがないのかもしれません。

 肉はメスの葉山牛のリブロースだけでした。

 作り方は、ネギを最初に焼く「ちんや」と同じ方式。このやり方は八王子の「坂福」さん、郡山の「京香」さんでも見ました。

 鍋は一人個別鍋。旅館で良く見る固形燃料を使います。私は連れと鍋をつつきたかったのですが、ここは旅館方式ですから仕方ないですね。

 建物も有形文化財で風情満点です。明治・大正・昭和の風情を今に伝えています。

 旅館の個室ですき焼きをいただくと、東京の近くに居るのを忘れるほどゆっくりできて、戦前の貴顕がここを避暑地にしたわけが分かります。今は有名人が多く住むとか。

 それに、若旦那(=5代目館主)Mさんは研究熱心でイケメン。

 皆さんも、是非お出かけを。

 追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は270人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて882日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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ベンチャースピリット

 福島県酒造組合さんが運営する学校「県清酒アカデミー」で1時間ほどの講演をしました。

 震災以来応援している「福島の酒」ですし、聞き手は醸造を志している若い方ばかりと聞き、一生懸命お話ししよう、と思つつ参りました。

 で、その翌日ですが、郡山市のすき焼​き屋さんに立ち寄ることにしました。

 8月に開催予定の第12回「すきや連」に、郡山の「京香」の御主人が参加して下さるものですから、事前にご挨拶にうかがった次第です。

 セミナーがあった会津若松から郡山に入り、地元の「笹の川酒造」さんとまず合流しました。「京香」の御主人のことは、「ちんや」と取引がある、「笹の川」さんが紹介して下さったのです。

 で、向かいますと、御店は駅から5分ほどの、町の中心部に在りました。

 ご創業は明治17年だとか。土壁の塀がまわり、かなり立派な店構えです。

 ここで「!」と思いますのは、明治17年に創業なさっていることです。

 だいたい、古いすき焼き専門店というのは、明治初期に既に都市化していた所(=東京・横浜・京都・大阪・神戸など)か、牛の産地(=松阪・米沢など)にしかないものです。

 ところが郡山は違います。

 江戸時代に宿場町ではあったものの、お城は無く、明治12年(1879年)に始まった、安積野原野開墾事業と安積疏水工事で発展が始まった町なのです。

 この工事のために、全国から失業士族が集められて、ようやく人が集まり始めたのです。だから明治初期には、大した町ではなかったのです。

 やがて明治16年に安積疏水が完成して灌漑開始、さらに今度は、その疎水の高低差を利用した沼上水力発電所が明治32年に発電開始、これで産業が発展します。一方明治20年に鉄道が開通したことで、郡山は発展の軌道にのります。

 明治維新の時点で郡山より都会だった会津若松や福島を抜いて、郡山が福島県下第一の都市・東北圏全体でも第二位の都市にのし上がったのは、そういう経緯です。

 会津と郡山で食文化が違うのも、こうした事情があるからです。

 会津では「赤ベコ」を尊重していて伝統的に牛肉をあまり食べませんが、郡山では食べます。で、その「食べます」の先駆者が「京香」さんの御先祖なのです。

 郡山で最初の肉屋さんがこの御店で、自前の食肉処理場まで持っていた時代もあったと言いますから、スゴいです。やがて、すき焼き部門が発展して今日至っています。

 ここで明治17年に「京香」さんが創業なさった時のことを想像してみましょう。郡山の、その後の発展を確実に見通せていたでしょうか。まず、かなりの冒険だったと思います。

 ここに明治のベンチャースピリットを観ることが出来ます。

 震災の時は、食器がたくさん割れるなどの被害があったそうですが、去年の4月にはもう再開されたとか。

 牛の放射線の全頭検査の体制も整って、復興を感じせてくれました。

 なお「京香」さんのすき焼きの「タレ」(=われわれが割り下と言っているもの)は、調味料だけでなく複雑な出汁スープを合わせるのが特徴。

 ザクのネギを他のザクとは別に盛って運んで来て、そのネギと肉を最初に焼くのが「ちんや」式と似ています。「ちんや」以外でこのやり方を見るのは、八王子の「坂福」さんに次いで2回目です。

 地のもの中心のザクには白菜も入っていて、〆はうどんを鍋で煮るのが決まりだそうです。

 御主人、「笹の川」さん、御馳走様でした!

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は270人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて869日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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豆腐屋さんの笑顔計画

 先日Team Soy Yes の皆さんが見えました。

 皆さんが、豆腐とか納豆とか、豆関係の御職業の方、というメンバーです。

 しかも48名様と大勢で、弊店が実行中の「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」に参加して下さいました。有り難いです。

 このTeamのリーダーで、「すきや連」のメンバーでもある、「下仁田納豆」のNn都さんから、挨拶をして欲しい、という御要望がありましたので、勿論喜んでお引き請けしました。以下が全文です・・・

 皆さん、こんばんは、「ちんや」六代目の住吉史彦でございます。

 Nn都さんから「1千人の笑顔計画」の説明をして欲しい、というご要望がありましたので、致しますが、お配りした資料の通り、ややこしい所は一つもありません。

 まず、東北の牛を食べていただき、食後に飛びっきりの笑顔を撮影させていただき、その笑顔画像を「ちんや」のサイトにUPします。

 また皆さんが「ちんや」においでの間にプリントアウトも致しまして、その紙焼き写真を、次回持って来ていただくと、そのままクーポンに成って優待がある、という簡単なシステムです。

 今日全員が参加して下されば、参加者の数は230人になりますが、それを1千人まで続けよう、という試みです。

 さて、この企画は大震災という事態を受けまして、東北で牛を飼っている人達のためにやっているわけですが、それだけではありません。手前ども「ちんや」と御客様の間にも、損得勘定だけでない、もう一段深い関係を作って行きたい、そういう願いも込めて推進しています。

 写真のクーポンは、我々サイドからしますと、優待させられて嬉しいクーポンです。普通のクーポンは優待させられて腹立たしいですから、違います。嬉しいという感情が産まれる所がかなり違うと思います。

 ちょっと思い出していただきたいのですが、地震の後に、家族の絆・友人の絆・地域社会の絆というものが語られることが多いと思いますが、店と客の絆は、ほとんど語られませんね。皆さんも、ほとんどが御商売の方と思いますが、残念じゃありませんか?

 私は、実は数年前から、手前ども「ちんや」と御客様の間にも、損得勘定だけでない、もう一段深い関係を作って行きたい、そう考えて「すき焼き思い出ストーリー」とか「すき焼き川柳onツイッター」とか「記念日割引」とか、いろいろやって参ったのですが、地震の後に、店と客の絆のことが、ほとんど語られないのを視まして、これは残念だ、もう一段頑張ろう!と思って始めましたのが、この「笑顔計画」であります。

 だいたい「地域社会の絆」とか申しますが、その主役は、街の米屋さんや、肉屋さん、酒屋さんや、八百屋さんや、魚屋さん、それから味噌屋さん、豆腐屋さん、納豆屋さんですよね。商売をする中で、住民の顔と名前を覚え、性格や家庭状況を覚えている人が地域の主役であって、ただ住んでいるだけの人は、脇役です。

 でも、商売している=営利企業=儲けているという、枠組みの中に居るので、絆話しには成りにくいんだと思います。 これは実に残念な話しでして、実際問題、〇〇屋の皆さんは、知り合い相手の商売ですから、大して儲けてはおらず、所謂「三方良し」の関係の御店ばかりと思います。

 ですので、店と客の間にも、損得だけで無い一段上の、信頼関係を作ることは、必ず出来る話しだと思って続けています。この「笑顔計画」も、その一環です。

 ですので、皆様にご協力いただけますことを、本当に嬉しく思っています。本日は御来店、誠に有り難うございました。

 この日の笑顔画像をこちらのサイトにUPしましたので、ご覧ください。

追伸

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

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 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて854日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Team Soy Yes 

 Team Soy Yes の皆さんが見えました。

 皆さんが、豆腐とか納豆とか、豆関係の御職業の方、というメンバーです。

 しかも48様と大勢で、弊店が実行中の「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」に参加して下さいました。当然、東北・北関東の牛を食べていただき、そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただき、その笑顔画像を「ちんや」サイトにUPします。(請う、御期待)

 さて、このTeamのリーダーは、「すきや連」のメンバーでもある、「下仁田納豆」のNn都さんです。

 で、こういう知り合いが見えた時、私は料理の実験台に成ってもらうことにしています。

 今回お出ししてみましたのは、チンゲンサイ。それを春菊の代わりに、ザクとして、すき焼きの鍋に入れて食べるのです。

 なんでまた、チンゲンサイなのかって?

 そりゃあ、「ちんや」だかからですよ。

 そう、オヤジギャグですね、つまりは。

 しかしですね、チンゲンサイを入れたのは、ギャグばかりではありません。合うのです、結構、すき焼きに。

 そもそもチンゲンサイは「中国野菜」のカテゴリーに入っていますが、アブラナ科アブラナ属の野菜で、白菜・野沢菜・水菜の仲間です。

 中華料理と一緒に日本に入って来たので、中華イメージに成っていますが、食べてみると特段、中国っぽい香りはありませんね。そこが香菜とは違います。香菜はセリの仲間ですからね。

 実際、チンゲンサイはアクが無く、煮崩れないため、スープや煮込み料理に向いています。また、中華料理に合うだけに、油と相性が良く、当然すき焼きにも良さそうです。白菜の仲間ですが、白菜ほど水は出ません。

 炒めても茹でても、あまり量が変わらず、しゃきっとした歯触りが楽しめます。春菊が哀れにも縮むのに対して、鍋の中で堂々としています。

 だから、今後すき焼きの常連の具に出来ないか、真剣に考えています。

 いたみが速いという問題もあるようですが、最近は「50℃洗い」という方法もあるので、少し工夫してみたい思っています。

 Team Soy Yes の皆さん、実験台有り難うございました!

 追伸①

 『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。

 この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。

 有り難いことです。ご購読はこちらです。

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は230人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて851日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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心にまで作用する料理

 向笠千恵子先生の連載『続すき焼きものがたり』が、最終回を迎えました。最終回ですので、すき焼きと日本の食文化の今後を俯瞰する内容でした。

 以下やや長い引用ですが、先生はきっとお許し下さると思いますので、引用しますと・・・

 最近印象に残ったのはーーあなたにとって、すき焼きとはどういう食べものか?という質問に対して圧倒的多数だった「家族の絆」という回答。

 「家族そろったときのごちそう」

 「家族と仲良く囲むもの」、そして

 「・・・とくに祖父母が育ち盛りの孫たちの食べる姿を見たがる」

と、平和でおだやかな家族のつながりを具体的に語ってくれた方もいたし、

 「家族団欒のためのツール」とずばり言い切った発言もあった。

 それくらいに心を芯からあたためてくれる料理なので、「家長の威厳を示せる」と、心理作戦にも有効という意見もなかなか的確でおもしろかった。

 よくおぼえているのは、すき焼きの魅力を

 「幸せになれる料理」

 「やすらぎ」

 「いのち」と、気持ちをくつろがせてくれるものーーと断言している方々が多いこと。

 おいしいことが大前提ではあるけれど、心にまで作用する料理を、わたしはほかに思いつかない。

<引用終わり>

 思えば『続すき焼きものがたり』の前編『すき焼きものがたり』の連載がスタートしたのが2006年。そして、その連載が単行本『すき焼き通』に編集されたのが2008年。

 『すき焼き通』の出版記念会は「ちんや」で開催され、その夜その場に居合わせたメンバーで「すきや連」が結成されました。2008年10月15日のことです。この日は「すき焼き通の日」として公式認定されています。

 この時、向笠先生には「すきや連」の旗振り役に成っていただきました。以来「すきや連」は11回を数え、続編の連載も「連」と併行して今月まで続いてきました。

 その、2006年以来の流れの、一つの結論が今回の最終回です。

 もう一度引用します。

 「心にまで作用する料理を、わたしはすき焼きのほかに思いつかない。」

 先生、長期に渡る連載、本当に有り難うございました。

 追伸

 「台彪会」会長として、「ニッポン全国彪友会ー台東万博!」を計画しています。

 二条彪先生の門下生約200人が集まる、一大交流会です。先生のメルマガを取っている方なら、どなたでも参加できます。

 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

 PR動画も撮りました。⇒こちらです。目が点に成りますよ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて759日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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早春の「変わりザク」

 まだまだ寒い日ですが、春めいた日が射すことがありますね。

 で、「変わりザク」が変わりました。

 早春の味覚盛り合わせ、雪うるい・山ウド・葉玉葱の3種です。

・雪うるいは山形県産。独自の、日に当てない方法で育てました。サクっとした食感と、軽いぬめりが春を感じさせます。

・山ウドは、群馬県産。食感が楽しく、苦みがアクセントになります。

・葉玉葱は千葉県産。青い葉の部分にも、甘味を感じます。

 この季節は、このように少しクセのある、大人味覚の食材が美味い季節ですよね。定番のザクに加えて、季節感たっぷりの、具材も是非お召し上がりいただきたいと思いまず。

 ところで、そもそも「変わりザク」は、「すきや連」のカワイさんが提案されたものです。

 平成21年7月の第3回「すきや連」(浅草今半さんで開催)の時に、「専門店のすき焼き屋さんで、季節の「旬のすき焼き」メニューで、思いっきり季節を感じながら食べられても良いのではと思います。」と提案されました。

 これをキッカケに、21年の秋に「ちんや」で始めた新メニューが「変わりザク」です。つまり、このメニューは「すきや連」がキッカケになったメニューです。

 季節を感じにくい、すき焼き屋ですが、ほんの少しでも春の気配を感じていただけたら嬉しいです。

追伸

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 二条彪先生の門下生約200人が集まる、一大交流会です。先生のメルマガを取っている方なら、どなたでも参加できます。

 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

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無愛想

 店の玄関に立って、お客様のお見送りをしていると、

「美味しかったです!」

などと言って下さる方が結構な数おいでです。有り難いことです。

 でも外人さんに比べると何か言って下さる頻度は低いですね。外人さん(と言っても白人の方ですが)は、ほとんど

Delicious!

などとコメントを言ってお帰りになります。

 それに比べると、シャイな日本人の方は、まだまだ相当数が、無言で帰っていかれます。これは、やはり私達としては残念なのですが、お客様に「何か言え」と要求するわけにも行きませんね。

 日本人の方が無言で帰っていかれる理由として、店の側の送り出し方に、芸が無いこと・工夫がないことも、理由の一つかもしれません。

 コンビニとか外食産業みたいに、マニュアル的な応対をしているから、お客様の方も店の人間と交流する気になれないのかもしれません。「総コンビニ化」の暗い一面ですね。

 で、「ちんや」では、「二言挨拶」を、心がけています。

 「ありがとうございました」だけでなく「今日は、寒い中、ありがとうございました」と言うわけです。

 先日「すきや連」で訪れた松阪の「和田金」さんでも、店の方が、そうやっておいででした。

 「和田金」さんでは客の人数が多い時は、

「今日は、大勢様で、ありがとうございます。」と言うことに決まっているらしく、私は店の方と行き違うたびに「大勢様で・・・」と言われました。

 それでも「総コンビニ化」の傾向は、今後も強まるでしょうから、それに慣れきった日本人のお客様は、私達に愛想良くしてはくれないかもしれません。

 だから、私は自分が消費者の立場の時には、なるべくコメントを言うようにしています。

 無愛想社会はイヤですからね。

 料理を食べて、それが美味しかった時は勿論です。

 夜の巷で遊んで帰る時は「楽しかったよ~」と言うようにしています。「また来るね~」も使います。

 銀行で振り込み手続きが滞りなく完了した時は、

「有り難う。御世話様!」

と言いたいのですが、残念ながら言えません。

そう、相手はなにしろキャッシュ・デイスペンサーですからね・・・

 追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

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ビバ松阪牛①

 2/14に「第11回すきや連」を、松阪市の老舗「和田金」さんで開催しました。

 以下は、その時会場で皆さんに書いていただいた、寄せ書きです。お読みいただくと、会場の雰囲気がわかります。

 60名様と大勢なので、2日に渡ってUPします。どうぞ、ご覧下さい。

・辻ごとにすき焼きの香や春立つ日(向笠千恵子)

・世界で一番旨い牛肉料理は『すきやき』でしょう。(尾川欣司)

・和田金さんの松阪肉への情熱に感服しました。(柴田進吉)

・家の灯にすきやきの香り重なりて足の早まる山茶花の道(山下みき)

・ふるさとの湯気の向こうに輝くはあの日とたがわぬ父母の顔(山下みき)

・和田金を語らずして すき焼きを語ることなかれ(加藤英子)

・もう喰えぬといいつつ箸を握りしめ・・・本日の松阪牛でよい春を迎えられそうです。

(青山香菜)

・牛の飼育に愛情を感じ今夜のすきやきを美味しくいただいています。

(藤井紀美江)

・松阪での最高のスキヤキをいただき、日本の素晴らしい食文化を感じます。

・和田金さんしあわせ運ぶお肉なり(三嶌太郎)

・すき焼の鍋のまわりのにぎにぎし(星野見左子)

・すきや連鍋のまわりでバレンタインデイ♡(星野見左子)

・冬の松阪美味しいすき焼き世界遺産!(吉岡浩人)

・我が家のごちそう「すき焼」大好き♡(吉岡郁子)

・久しぶりの和田金さん なべのすすめ方、肉とやさい いいですね~

(九鬼紋七)

・すき焼き大好き松阪牛最高!!(国松和夫)

・松阪牛に負けない牛を作るぞ!「隠岐牛」(田仲寿夫)

・No1. As a Sukiyaki Song(高村善雄)

・和田金のお肉を食べにはるばると(米増昭尚)

・高利も食べたか金の牛現金掛け値なし(伊豆川嘉規)

・憧れの和田金さんのすきやきは格別でございました!(湯浅康毅)

・すき焼今からいただきます(鴻原光)

・やっぱり牛肉は美味しいな!(西村幸朗)

・今夜食べまくっちゃおうかな?(中村太)

・すき焼きの都松阪、とても楽しみ!(高橋万太郎)

・松阪・和田金さんにて思ったこと。・生産の原点にたちかえる。・科学的な根拠にもとづいた生産加工を行う。・料理の基本を身につける。学びの場、すきや連に感謝(鳥山渉)

・一生に一度は夢のような思いで頂戴したいと思っていた松阪牛、深く深く味わって今回参加させていただいたことに心より感謝です。日本各地のそれぞれの土地のお味、人々の温かみも加わり幸せです。本当にありがとうございます。(羽鳥裕子)

<明日に続く>

追伸

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 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて丸二年連続更新まで残り七日です。

 浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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Filed under: すきや連 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

バレンタインすきや連

 2/14バレンタイン・デーに、松阪市の「和田金」さんで第11回『すきや連』を開催いたします。

「鰻業界がクリスマス・イブに鰻を!」と言っていることを知り、以前このブログで「ならばバレンタインには、すき焼きを!」と宣言させていただきました。

 で、今回はそのバレンタイン・デーに開催です。2/6に申込みを締切りましたが、仙台から鹿児島まで60人以上のすき焼き屋さん・関係者の方にご参加いただくことになりました。『すきや連』は毎回大盛況で嬉しい限りです。

 例会=宴会の前には「和田金」M専務のご厚意で、直営牧場の見学もさせていただけることになりました。見学会は防疫の必要上バスから降りるわけにいかず、サファリパークのように、バスの中から牧場を見学します。そこはチト寂しいですが、まあ、口蹄疫の問題があるので、仕方ないことです。

と、いうわけで、見学をした後は、松阪牛で「バレンタインすきや連」です。

 募集を始めてから当日までに、バレンタインにすき焼きを食べなくてはいけない理由を構築=デッチ上げようと思いましたが、残念ながら果たせず、結局、参加者の間でプレゼント交換をすることにしました。

 参加して下さる、女性の皆様には、次のようにお願いしました・・・ 

 「この日はバレンタインデーですね。参加なさる男性諸氏は、御自分の職場にいればチョコを貰えるのに、松阪へお越しになるので、「おあずけ」の格好です。そこでお願いなのですが、

チョコまたは地元の甘味を1点、ご持参いただけないでしょうか。和菓子でも結構です。」

「女性参加者に一つずつ甘味をご持参いただき、それでは数が足りないので抽選をして、ラッキーな男性に差し上げたいと存じます。これを例会の余興として、楽しく盛り上げながら、差し上げてみたいと思います。」

「お値段は、ごく安価で手土産程度の品(1.500円程度)で結構です。

男性陣からは当日参加費をいただき、「お返し」を用意いたします。」

 え? 参加費? タダじゃないのって?

 あったり前です。こんな、良い話しがタダのわけないでしょう。

 昔から「タダほど高いものはない」って言いますからね。

 よろしくお願いします、男性も女性も。

追伸

 「台彪会」会長として、「ニッポン全国彪友会ー台東万博!」を計画しています。

 二条彪先生の門下生約200m人が集まる、一大交流会です。先生のメルマガを取っている方なら、どなたでも参加できます。

 2012.4.20(金) 浅草が燃えます。

 詳しくは、こちらをご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて709日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

 「すき焼き思い出ストーリー」のサイトは、こちらです。