心にまで作用する料理
向笠千恵子先生の連載『続すき焼きものがたり』が、最終回を迎えました。最終回ですので、すき焼きと日本の食文化の今後を俯瞰する内容でした。
以下やや長い引用ですが、先生はきっとお許し下さると思いますので、引用しますと・・・
最近印象に残ったのはーーあなたにとって、すき焼きとはどういう食べものか?という質問に対して圧倒的多数だった「家族の絆」という回答。
「家族そろったときのごちそう」
「家族と仲良く囲むもの」、そして
「・・・とくに祖父母が育ち盛りの孫たちの食べる姿を見たがる」
と、平和でおだやかな家族のつながりを具体的に語ってくれた方もいたし、
「家族団欒のためのツール」とずばり言い切った発言もあった。
それくらいに心を芯からあたためてくれる料理なので、「家長の威厳を示せる」と、心理作戦にも有効という意見もなかなか的確でおもしろかった。
よくおぼえているのは、すき焼きの魅力を
「幸せになれる料理」
「やすらぎ」
「いのち」と、気持ちをくつろがせてくれるものーーと断言している方々が多いこと。
おいしいことが大前提ではあるけれど、心にまで作用する料理を、わたしはほかに思いつかない。
<引用終わり>
思えば『続すき焼きものがたり』の前編『すき焼きものがたり』の連載がスタートしたのが2006年。そして、その連載が単行本『すき焼き通』に編集されたのが2008年。
『すき焼き通』の出版記念会は「ちんや」で開催され、その夜その場に居合わせたメンバーで「すきや連」が結成されました。2008年10月15日のことです。この日は「すき焼き通の日」として公式認定されています。
この時、向笠先生には「すきや連」の旗振り役に成っていただきました。以来「すきや連」は11回を数え、続編の連載も「連」と併行して今月まで続いてきました。
その、2006年以来の流れの、一つの結論が今回の最終回です。
もう一度引用します。
「心にまで作用する料理を、わたしはすき焼きのほかに思いつかない。」
先生、長期に渡る連載、本当に有り難うございました。
追伸
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて759日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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