安いものには訳がある
「ちんや」精肉売店でバターの販売を始めました。
「ホウライ」さん(=「千本松牧場」)の醗酵バターで、かなり美味しいと思っています。
このように精肉売店では、最近肉だけでなく、いくつかの醗酵食品を販売しています。熟成=醗酵つながりで親近感がありますし、もう一つ言わせていただくと、醗酵食品の業界にニセモノがあまりに多いからです。いろいろな食品の世界の中でもニセモノ度は随一でしょう、たぶん。
そういうモノで弊店の熟成肉を味付けされては困るわけで、それで自分で醗酵食品を選んで売ることにした次第です。醤油・味噌や、今流行りの「塩工事」イヤ「塩麹」も売っています。
さて話しをバターに戻します。
バターの代用品として、マーガリンというのがありますね。
ナポレオンⅢ世が軍需品として、バターより安い代用品を募集したのに応じて、メ―ジュ・ムーリエなる人が、現在のマーガリンに近い製法を提案したのが、マーガリンの、そもそもだそうです。
その話しはトリビア的には面白いですが、面白くない話しもあります。液状の原料油脂を固めるために水素を加える工程で「トランス脂肪酸」が出来てしまい、これが動脈硬化や心臓疾患の原因になる、ということが分かってきたのです。
アメリカでは「トランス脂肪酸」の含有量を製品に記載するよう規制がかけられていますし、イギリスはマーガリンの販売自体を禁じています。先進国で何の規制もしていないのは、日本くらいのようです。
自然の乳製品にも、牛の体内の微生物が作る「トランス脂肪酸」が微量で存在しますが、マーガリンの場合、数%~十数%含まれているようです。
ひと頃マーガリンは原料の油脂が植物性であることから、健康イメージを付けて売っていましたが、考え直さないといけませんね。
人様の悪口は言いにくいですが、ここは言わざるを得ません。
「高いものに訳があるんじゃなくて、安いものに訳があるんだよ。」
追伸
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本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて758日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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