記念誌

日本料理業「全国芽生会」の大会が2015年に東京で開催され、その時の記念誌が、ようやく完成しました。

完成まで1年以上かかるという手の込んだものでして、大変読み応えあります。

「開化の料理」の項目については、私に400字以内で書くように、というご下命がありましたので、以下のような一文を草しました。ご笑覧下さい。

<開化の料理>

アメリカの初代駐日総領事ハリスが駐在を始めたのは1856年のこと。領事館が置かれた伊豆下田・玉泉寺には、牛を屠殺した場所つまり日本初の屠殺場に供養塔が設置されている。

そのハリスの努力で函館・新潟・神奈川・兵庫・長崎が開港、外国人居留地が設置され、その周囲の日本人に欧米の食文化が伝えられた。居留地近辺に開業した西洋料理屋の中には今日まで営業を続けている店もある。また各国使節や要人を饗応するために西洋人の料理人が来日するようにもなった。

一方、外国人が肉を食べる様子を見て、従来隠れて肉食してきた日本人も次第に肉を大胆に食するようになる。江戸時代日本人が食べられた肉は、彦根藩の味噌漬や「ももんじや」の猪鍋などに限られていたが、幕末には牛鍋屋が次々と開業し始めた。

明治維新後は政府は文明開化政策を採り、福澤諭吉が『肉食之説』を唱えたように知識人が肉食を啓蒙した。また軍隊が西洋料理を採用して兵に食べさせたことで、西洋料理・肉食が国民の隅々にまで拡がって行った。

<終わり>

 

追伸①

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.534日連続更新を達成しました。

 

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華英通語

塾生注目!!

日本にカレーを紹介した人は、誰だー?!

福沢諭吉先生、で、あーる。

 

嘘だとお思いなら、義塾の公式サイトをご覧ください。

先生最初の単行本である『増訂華英通語』(1860年、万延元年)に「Curry コルリ」という表記があるそうです。アメリカに渡って買ってきた単語短文集に簡単な意味や片仮名の発音を付記した本だとか。

先生がアメリカ滞在中にカレーを召し上がった証拠は無く、色々な料理名を紹介しただけかもしれませんが、少なくともこの本でカレーという語が紹介されていることは事実です。

 

以来157、「ちんや」では、そのカレーとすき焼きを合体させ、カレーオイル入りの溶きタマゴで、すき焼きを食べていただく方法を考案しました。

これがですね、我ながら、うまいんです。

違和感どころか、懐かしい味がするのは、日本人がすき焼きとカレーをほぼ同時期に知ったからでしょう。

特に、残ったカレーたまごをご飯にかけて食べるとサイコーです。

 

先日は、インド系スパイス研究家のメタ・バラッツさんにも食べていただき、感慨深く思いました。

皆さんも、是非お試しあれ。

 

なお本日2月3日は先生の祥月命日である「雪池忌」です。

 

追伸①

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追伸②

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.533日連続更新を達成しました。

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好きなだけ旨いものを

ある日ツイッターですき焼きに関するツイートを見つけました。

佐藤龍一さん@RyuichiSatoとおっしゃるシンガーソングライターさんのツイートで、

「父の好物は和牛のすき焼き、特上の寿司、鰻、鰹の刺身、金目鯛や銀鱈の煮付け。この半年、ほとんど毎日、好きな物を食べて暮らしてきた。極貧の家庭に生まれ、子供時代はいつも腹を減らし、戦争にも行った。戦後も質素な食生活だった。だから最後ぐらい、好きなだけ旨いものを食っていって欲しい。」

ツイ主さんは、私は存じ上げない方ですが、1952年生まれ。1972年エレックよりデビュー。竜とかおる/龍名義でアルバム2枚シングル4枚発表のち失踪。世界放浪30ヶ国、ゲーム音楽制作、専門学校講師などを経て2008年アルバムLOST&FOUNDリリース。俺の職業はブルース。

・・・という方。

他のツイートを読みますと、どうやら、お父上は入院中で肺炎を患っておいでの模様。

すき焼きとは、まさに、この文にあるような食べ物だから、私も心して提供したいと思ったのでした。

追伸①

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸②

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題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

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価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.525日連続更新を達成しました。

 

 

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気分の問題

<ネットで見つけた、とある肉屋さんのボヤキです>

明けましておめでとうございます。

旧年中は、公私ともに大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、なぜか今年に限ってお肉の変色や匂いに関する、はなからクレームの様な問い合わせが増えました。皆さん普段どんなお肉を食べてらっしゃるんでしょうか。

変色しない、匂い(香り)もない若齢の牛の肉を食べてるんでしょうね。

切り立ての肉、しばらく時間を置いた肉、包んで重なった部分や包装当りの部分、色は変わりますよ!匂いもしますよ!

肉に対するおかしな知識が広まってるのか、知らなさすぎるのか。手元に届いて、包装したままご自宅の冷蔵庫で23日経ったお肉が食べれるかどうかは、自分で判断して下さい。ナマモノですから!!

熟成肉ありますか?なんて聞かれると、全部熟成です!と答えます。そもそも熟成してない様な肉は普通、販売してませんから・・・

こちらの肉屋さんは「ちんや」と似た仕入れ方針を採っているお店さんですが、さて、これに対する私のコメントは、

「この投稿にコメント殺到してますね(笑い) ウチにも、ほぼ同じ趣旨の電話が大晦日に1件ありました。おそらくスーパーの肉しか知らない人が、年末年始だけ我々の所に来るのでしょう。年末年始はデンジャラスとみなして防御線を張るしかないと思います。嘆かわしいですけどね。」

この件を解説いたしますと、そもそも熟成させた肉は、生鮮食品ではありませんから、濃い色をしています。一方スーパーの肉は、屠畜後数日で販売してしまうので、浅い色をしています。

それ以前に、若齢の牛は色が浅いですが、しっかり肥育すると色が濃くなります。しっかり肥育した牛を熟成させれば、ダブルで濃くなります。

綺麗な色がお好きな方は、スーパーでお求めになれば結構毛だらけなのですが、熟成させていませんから、旨くないですよ。それに若齢だと脂肪の融点が高いからモタレますよ。

この傾向は、牛の性別で違いがあります、メス牛の方が濃い色になるのです。理由は分かりません。

「メス牛の方が濃い色」というよりは、熟成を重視する肉屋さんがメス牛を好む傾向にあるので、結果的にメス牛の方が色が濃いように感じているような気がします。今時のオス牛は肥育月齢の短い牛が多く、熟成させ甲斐がないので、熟成を重視する肉屋さんは仕入れず、メスを熟成させるのだと思います。

それから、肉の部位でも違いがあります。モモなどと保水率の高い部分が、濃い色になる傾向があります。

そうした部位が折り重なると、空気に触れないわけですから、濃い色です。それが不潔だ!と言われてしまうのですが、食べても問題ないです。気分の問題です。

さて、この程度のことで文句をたれている方には、我が福澤先生の『肉食之説』(明治3年)を捧げたいと存じます。(原文のママだと読みにくいので、少し読みくだして引用しますと)

「よく事物の始末を詮索すれば世の食物に穢き物こそ多からん。」(中略)

「或は牛肉牛乳に臭気あるといはん乎。松魚の塩辛くさからざるにあらず、くさやの干物最も甚し。先祖伝来の糠味噌樽へ むかでうじと一処にかきまぜたる茄子大根の新漬は如何。」

「皆是人の耳目鼻口に慣るると慣れざるとに由て然るのみ。慣れたる物を善といひ、慣れざる物を悪しといふ。自分勝手の手前味噌だになめる其口へ、肉の「ソップ」が通らぬとは、あまり不通の論ならずや。」

そういう不通の論者は、

「必ず身心虚弱に陥り、不意の病に罹りて倒れるか、又は短命ならざるも生きて甲斐なき病身にて、生涯の楽なかるべし。」

流石は先生、この「言い切り感」が私は好きです。

この文では肉食を勧めるために、伝統的醗酵食品と比較しているのですが、私は、現代の濃い色の肉に慣れていない人にも、このセリフを申し上げたいと思います。

肉の色なんかでビクビクしていると、生涯の楽なかるべし、ですぞ。

 

追伸①

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸②

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追伸③

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反響

適サシ肉宣言」「貿易摩擦から「適サシ」へ」の反響が、まずまずで在り難いことだと思っています。

 

大手メデイアMさん

面白いです。素晴らしいです。部員に都合を聞いて、一緒に早急に伺います。ありがとうございます。

 

大手メデイアKさん

いいですね。その心意気、応援します!

新しいメディアを立ち上げるんですが、その一本としてお願い出来ればと思います。A4にするというのは誤解を招かないようにしないといけませんが、まさにそこがキモですね。あらためてご連絡します。

 

ネットメデイアKさん

世を挙げて肉ブームの今、住吉様の掲げるテーマ、興味深々です!

 

酒の専門雑誌Yさん

まだ予約入れてませんが、伺おうと思っています。楽しみです。

 

食のジャーナリストKさん

ブログ拝見しました。サシが入りすぎ問題を語ることはあれど、実行された人はほとんどいらっしゃらないですよね。お肉屋さんはもちろん、すき焼き屋さんなんてもってのほか。ぜひ試食したいです

 

食のジャーナリストSさん

適サシ肉宣言!大賛成です!さすがです!今月はかなりタイトになってしまっており、動けるのが来月になってしまうのですが、うかがいたいと思います。

 

北陸の焼肉店Tさん

納得です!!

 

東北の酒醸造元Yさん

全く同感です。素晴らしいと思います。

 

花巻市Sさん

ブラボー!ですね(^_^)学ぶところばかりで、ほんとに尊敬します。

ちんやさんに行きたくなりました。

 

静岡県Kさん

変化する老舗、かっこいいです!すきやき文化を愛してらっしゃる、住吉さんならではですね!

 

台東区Nさん

私も「霜降り離れ派」です(笑)子供の頃に美味しい!と感じた和牛が再び食べられる様になると嬉しいですね。応援します!

 

皆さん、ありがとうございました!

 

追伸①

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸②

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸③

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貿易摩擦から「適サシ」へ

昨日の弊ブログでは、弊店が「適サシ肉宣言」をしたことを申し上げました。

今日は、そこまでの経緯つまり、この国で「霜降り」が行き過ぎてしまった経緯をお話しします。

 

・消費者に調査しても、肉の専門家に聞いても「おいしい」と感じる肉は、

脂肪(サシ)の割合が、肉全体の30%くらいになっている肉です。

ところが現代の「霜降り」は、それをはるかに超える割合になっています。ロースの平均は50%、最高では75%にまで達するものもあるとか。

どうして、こんなに行き過ぎてしまったのでしょう?

 

・そもそもは「貿易摩擦」でした。

1985年にアメリカの対日貿易赤字が500億ドルに達したことをきっかけに、アメリカは日本市場の閉鎖性を批判するようになりました。アメリカは日本から自動車を買っているのだから、日本はアメリカから農産物(米・牛肉・オレンジ)を買え!と言ってきました。これが「日米貿易摩擦」です。日本政府は、米だけは守りたかったので、牛肉・オレンジを受け入れることを決定、こうしてカウボーイの国アメリカから肉が入ってくることになりました。

 

この大変な状況で、日本の畜産農家が身を守るために「霜降り」重視の発想が強まりました。サシが多い肉=高級な肉、という格付けを創ってしまえば、霜降に成る牛が多い日本側に有利です。そういう次第で現行の格付けが導入されたのは1988年でした。

 

それから、おおよそ30年。日本の畜産業界は「霜降り」一直線で走ってきました。そして行き過ぎてしまいました。

 

・「霜降り化」の為の技術

「霜降り」を推進した技術はDNA鑑定と「ビタミンコントロール」でした。

まずDNA鑑定でサシの入り易い血統を選抜します。昔は交配という悠長な方法で血統を選んでいましたが、今は違うのです。

 

それから「ビタミンコントロール」つまり牛の体のビタミンAを欠乏させることで、霜降を創るのです。この手法を「コントロール」と称するのは、後ろめたい気分を誤魔化すためです。実際、この方法をやり過ぎると牛の健康を損ねてしまい、サシは入っても不健康な=まずい肉が出来てしまいました。

 

・今度は逆の極端へ

やがて日本人も行き過ぎた「霜降り」が美味しくなく、それ以前にモタレて仕方ないことに気づきました。それが近年の「赤身ブーム」です。つまり逆の極端に振れたわけです。どうも日本人とは極端に振れる国民です。

 

・私は「適サシ」主義。

しかし私は純粋に美味しさを基準にした場合、適度なサシつまり30%程度が良いと考え、「適サシ」宣言をさせていただきました。詳細は昨日の弊ブログの通りです。

両極端を止めて、塩梅を大事にすると思っていただいても結構です。

 

・懐かしい!

「適サシ」主義で牛を選び、それが盛られた皿を見た時、私を、ある感情が動かしました。

懐かしい!

お爺ちゃん(ちんや四代目・住吉清)が生きていた頃の肉みたい。

あの頃は、これでも「霜降り」と言っていたっけ。

そう、「適サシ」を求めることは、昭和50年(1975年)当時の「霜降り肉」に回帰することでもあったのです。

 

・「霜降り」の名称を放棄することは勇気が要りました。

しかし日本人の極度の「霜降り志向」は、たかだか30年程度のことです。しかも、そもそもは美味しさとは別次元で、政治が創り出した事態です。戻ることは出来るはずです。

そして、戻るべき以前の美味しい肉を、私はまだ覚えていました。在り難い。

今後、多くの方々に、この肉を召し上がっていただきたいと熱望します。

追伸①

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放送は、1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

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「適サシ肉」宣言!

「ちんや」では、本日より肉の内容、表記の仕方、提供方法を変更させていただきます。価格も改定させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

 

<表記の仕方>

(従来)「霜降肉」と表記→(今後)「適サシ肉」と表記

<内容>

「適サシ肉」とは言うまでもなく、適度な霜降肉のことで、サシの入り方が過剰でないことを意味する、私の造語(商標出願中)です。具体的には、

*脂肪の量が4等級(5等級は今後不使用)

*脂肪の融け方が良い、つまり脂肪の融点が低い=充分な月齢(30か月)まで肥育した和牛のメス牛の脂。

*「小ザシ」=サシの入り方が細かい。加熱すると、サシと赤身の境界線から「和牛香」が発生しますので、「小ザシ」が良い香りの出る肉です。

これにより、赤身の旨味と脂の甘味がバランスして、胃モタレせず、そして香りも良いすき焼きを実現できます。

(「適サシ肉」宣言をした背景)

・近年一部の生産者や地方自治体が過度の霜降り肉を生産・宣伝してきた結果、味が落ち、消費者の間に「霜降り離れ」現象が起きてしまいました(特に年配の方)。

その詳しい経緯は、明日の弊ブログでお話ししますので、是非お読みいただきたいですが、適度のサシが入っている肉=昭和50年頃に「霜降り」と言っていた肉が、やはり美味しいです。私達はそこに回帰し、その肉を「適サシ肉」と呼ぶことに致します。

できれば商標も獲りたいなと思っております。

 

なお、牛の選定に当たっては、有名産地の出身であるかどうかはまったく考慮致しません。牛一頭本位で検討します。

 

<提供方法の変更>

・タマゴは2個付いていますが、2個目のタマゴを「変わりタマゴ」に出来るように致します。

「カレーオイル入り」または「ヨーグルト入り」または普通のタマゴ

味の幅を拡げて、甘・辛・旨・苦・酸の五味を全部揃えることで、飽きずにすき焼きを食べられます。

 

(カレーオイル入り卵)

・カレー粉と若干のスパイスをオイルに入れて溶き、それを生卵に加えます。 

・すき焼きに足りない「苦味」を補い、アクセントを付けます。

・カレー風味のすき焼きは映画監督の小津安二郎(おづ やすじろう、1903-1963年)が好んで食べました。小津が愛した旅館「茅ヶ崎館」さんで今でも食べることが出来ます。

・ただし小津方式は、カレー粉をそのまま、鍋の中の具材に振りかけるところが、「ちんや」方式と違います。オイルに溶かす「ちんや」方式は吉田裕一調理長が平成26年に発案しました。

・豆腐とシラタキに良く合います。(キンピラに七味をかけると美味しいのと同じ原理です)

・金彩の器に入れてお出しします。

・風水によれば、カレーのウコン色は、運気・パワーが上昇します。目出度い会合、あるいはご商談にピッタリです。(会社の新年会、創業記念日、ご接待)

・使い残したら、ごはんにかけて食べると美味しいです。

 

(ヨーグルト入り卵)

・ヨーグルトを生卵に加えます。

・すき焼きに足りない「酸味」を補い、味を中和させます。(「味の抑制効果」と言います。)

・甘辛味と酸味とがバランスして、信じられないくらいサッパリ、マイルドに感じます。(酢の物に醤油を加えると美味しいのと同じ原理です。)

・どの具材もサッパリと食べられます。

・日本料理店「バサラ」さんが開発した「トマトすき焼き」にヒントを得て、「ちんや」六代目住吉史彦が平成27年に発案しました。

・ただし「バサラ」方式では、トマトを鍋の中に入れて、全てを酸っぱくするのに対し、「ちんや」方式では、玉丼の中だけを酸っぱくします。

・酸っぱいヨーグルトが苦手な方でも「抑制効果」で中和することで美味しく食べられる。ヨーグルトの新しい使い方でもあります。

・柿釉(かきゆう、朱色)の器で提供します。ヨーグルトの白色がよく映えます。

・理屈はさて置いても「牛つながり」だから、肉と良く合いますよ。

 

どうぞ、御期待下さい!

追伸①

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追伸③

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三方よし

近江商人と言えば、

「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の精神が有名ですね。

ブラック企業が蔓延る今日、近江商人を再評価しようという動きがあるのは、結構なことだと思います。

その一つが東近江市が企画した講座です。京都新聞によりますと、

「近江商人発祥地の一つで、現在も多数の商人屋敷が残る東近江市五個荘地区に今秋、県内外のビジネスマンらが集まった。近江商人をルーツとする企業から講師を招き、現代に生き続ける商人の心やチャレンジ精神を学ぶことで新たな人のつながりを生み出そうと、同市が企画した講座「五個商庵(ごかしょうあん)」。

第1回は滋賀県豊郷町発祥の総合商社「伊藤忠商事」の人材育成について。講師を務めたのは伊藤忠グループで人材育成を担った遠藤和人さん。

遠藤さんによれば、創業者の初代伊藤忠兵衛(1842~1903年)は、今日の言葉で言えば、「コンプライアンス主義、現場主義、顧客目線など、現在でも通用する商売の神髄を説いていた」そうです。

忠兵衛は「先輩を敬い後輩を愛し、顧客に対しては最も尊敬を厚くするように」と教え、まだ珍しかった牛肉のすき焼きを毎月6回も全従業員に振る舞っていた(!!!)そうです。

つ、月に、6回!

素晴らしいです。

是非、これを復活しませんか、伊藤忠さん!

 

追伸①

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放送は、1/13(金) 11:30~12:00

1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸②

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スーパードライにぴったりの味わいを生む秘伝アレンジ

少し前の話しですが、11/26のことだったと思います。新聞の折り込み広告を見た私は、 !!!と思いました。

この広告は「アサヒスーパードライで肉の日」という特集企画で、4ページ全部が「ドライと肉」」という、インパクトのあるものでした。アサヒさんと20社以上のスーパーさんの共同広告のようで、スーパー各社が11/29に売り出す肉の写真も載せてありました。 その2ページと3ページの全部を使って、すき焼き+ドライが推されていたのですが、私が!程度ではなくて!!!と思ったのは、

「スーパードライにぴったりの味わいを生む秘伝アレンジ」「バルサミコ酢がけ!」 という料理提案が付けてあったからです。

曰く、 「お酢の効果でお肉がとろけるような食感に。さらに濃厚なコクと香りが加わることでスーパードライとの相性が格段にUP!」

が、それだけ、です。これでは、

・肉をバルサミコ酢に漬けてから、すき焼きの鍋に入れるのか、

・割り下にバルサミコ酢を加えるのか

・卵にバルサミコ酢を入れるのか

・卵の代りにバルサミコ酢に漬けるのか 判然としません。

まず、この提案を見て、私はすき焼き+バルサミコ酢という発想は、なかなかナイスだと思いました。

ちなみにですが、弊店では、ここに書いた通り、すき焼きの溶き卵にヨーグルトを加えています。ですので、すき焼きに酸味とアミノ酸を加える発想は理解できます。 それだけに紙面だけ見ると、具体的にどうするのか分からず、物足りなく思いました。

で、日頃からおつき合いのあるアサヒの人に聞いてみました。 しばらくして回答が来まして、結局、 卵に加えてもよし、 割り下に加えてもよし、 肉を漬け込んでもよし、ということでした。

どうやら、私の変な質問に答えるべく、試食会を行って下さったようです。恐縮なことでした。

・卵にバルサミコ酢を入れて試食した場合、 →さっぱり食べられることを確認。すきやきが苦手な方でも食べられるのではと考えました。 はい、これは弊店のヨーグルト卵に似ています。

・肉をバルサミコ酢に漬けた上で試食 →筋線維がほぐれて保水力が増し、肉がジューシーになることを確認。割り下に加えて煮ても同じような状況が確認できました。 とのこと。

この中で個人的には「卵に加えてもよし」を推したいところです。 味を個人の好みで調整できるからです。 割り下に加えるのも結構と思いますが、そうすると最初から最後まで味を変えられません。最初は普通に食べて、途中から卵に酢を入れて、変わった味を楽しむのが良いかと思います。

肉を酢に漬け込むのは肉への影響が大きいので、熟成させた上等な肉の場合、チトもったいない感じがしてしまいますね。

いずれにせよ、 すき焼きにバルサミコ酢も「あり」、 すき焼きにヨーグルト入り卵も「あり」だと思います。 担当のフードコーディネターさんには、お時間があれば、ヨーグルト入り卵をお試しいただけたらと思います。

丁寧なご回答を在り難うございました。

 

追伸①

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、1/13(金) 11:30~12:00

1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸②

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸③

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.509日連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

毎年見えるお客様

年末年始は毎年見えるお客様が多いです。

年始のある日予約帳を見ていると、

去年は「大人6人+子供2人+赤ちゃん」だったご予約が、

今年は「大人6人+子供3人」に成っていました。

嬉しいことでした。

 

追伸①

年始の営業案内です。

1月1日のみ休業し、2日から9日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

追伸②

CSフジテレビONEの

『寺門ジモンの肉専門チャンネル』に出演させていただきます。

芸能界一肉に詳しい男」寺門ジモンさんが送る肉料理に特化した待望の肉専門番組が、これです。出られて光栄です。

放送は、1/9(月) 8:00~8:30

1/13(金) 11:30~12:00

1/18(水) 8:30~9:00

1/21(土) 9:00~9:30    です。

追伸③

今年も「ミシュランガイド東京2017」に載せていただきました。 3年連続掲載です。ありがとうございます。

追伸④

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』

浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。

東京23区の、全ての区立図書館に収蔵されています。

四六判240頁

価格:本体1600円+税

978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.504日連続更新を達成しました。

 

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