宝塚ホテル

ああ、壊してしまうんですか、宝塚ホテルを。

阪急阪神ホールディングスが今月15日、そう明らかにしたそうですが、残念なことです。

戦前に創業し、かつ戦前の建物を使って営業しているクラシック・ホテルは全国に13軒しかなく、その内関西圏は宝塚ホテルと六甲山ホテルと奈良ホテルしかないのに、壊してしまうんですね。

なんとかならないんでしょうか。

だいたい、宝塚ホテルは兵庫県の「景観形成重要建造物」に指定されていた筈ですが、「重要」でも壊してOKだったんですねえ。そんなら最初から指定しなきゃ良いのに。

もちろん私も経営者の端くれですから、老朽化した建物の維持にどれだけ経費が要るかは分かります。こんなにカネかけて修繕する位なら建て替えちまえ!(お詫び=関東弁ですみません。阪急阪神さんだから本来関西弁でしょう。)

と思うのも分かりますよ。

詳細は存じませんが、耐震問題とか消防基準の問題があったのかもしれません。

しかしです、全国で13軒の内の1軒です、公共性が、そこら辺の建物と違うと思うんです。

それにですよ、日本産業史上に輝く稀代の名経営者・小林一三の遺した建物です。鉄道事業と温泉地開発・歌劇団経営と一体と成ったホテルというのも稀有の存在だと思います。

最近は外資系ホテルがポコポコとオープンし、皆お洒落なものですから、たしかに目移りはします。クラシックなホテルが忘れられがちなのかもしれません。

でも、近代日本の黎明期に、欧米のライフスタイルを覗き見る窓口としてホテルに憧れた人々の気持ちを忘れたくはないですよね。

なんとかならないんでしょうか?

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

どうぞ、お出かけ下さい。

会期:5月20日(水)~25日(月)

会場:本館7階催物会場

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料理写真

その広告を見て、私は、

あーあ・・・

と思ってしまいました。

その広告は新聞の一面をカラーで使った、非常にインパクトのあるもので、とある特養ホームの広告でした。紙面のほとんどは、そのホームが実際に提供しているという料理の写真で埋め尽くされていて、その数27枚。

で、その27の料理の内、7点が牛肉なのです。

・ステーキ和風ソース

・和牛 しゃぶしゃぶ

・牛すき定食

・ビーフカレー

・ハンバーグステーキ

・和牛 すき焼きセット(すき焼きは2回登場します)

・焼き肉セット

この他に鶏や豚の料理もあります。

たしかにお年寄りが健康寿命を保つには牛肉が必要であって、それはこのブログでも何度も書いて来ました。

でも、そこに写っている牛肉は、とてもとてもモタレそうな肉なのです。

写真で分かるのか って?

分かりますよ。

モタレそうな脂=融点の高そうな脂

は写真でも判別可能です。

モタレる脂は蝋細工のようにカチっと固まっているので、分かる人が視れば分かるのです。

写真撮りの為に強いライトを肉に当てれば品温は20℃を超え、融けて液化した脂は照明のライトを反射して光る筈です。その光が見つけられないのは×です。

同時に肉全体も少しクタっとして来ますが、そのクタっ が見つけられません。それを体裁が悪いと嫌がる人がいるからです。

あーあ、ですねえ。

お年寄りに肉を!

までは悪くないのですが、どういう肉が良いのか本気で考えたわけではなさそうです。

ここに写っている肉を食べたお年寄りは気分を悪くして、次から食べなくなってしまうかもしれません。消化力の衰えた方々なんですから。

あーあ、ですねえ。

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

どうぞ、お出かけ下さい。

会期:5月20日(水)~25日(月)

会場:本館7階催物会場

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風評被害

箱根町役場の動き方を見ていて、BSE問題を思い出してしまいました。

BSEは日本初の本格的な、食の安全ショックでしたが、ショックという意味では噴火もショックですね。

火山活動の活発化を受けて、町役場と観光業界の対策会議が開かれたそうで、報道によりますと、

「山口昇士町長は「ごく限られた大涌谷周辺での警報。箱根全体が危ないという風評被害が一番怖い」と懸念している。」

実際宿泊キャンセルがどんどん入っているようです。

しかし安全アピールを猛烈にやるとむしろ反感を買ってしまいます。

BSEの時も、政治・行政と一部の民間業者が安全アピールを猛然と展開しましたが、上手くいきませんでした。全容が見えない内に安全だ!と言い切ってしまい、その後から安全とは言い切れない事実が判明して、結局逆効果でした。

下手な訴え方をすると「自分達さえ良ければいいのか? 」って思われてしまうのです。

今回も既にネットでは、

「だからさ…風評被害じゃないって言ってんの。今は来ない方がいいですよ」くらい言った方が箱根観光の信頼性が上がると思うよ。」

「町長自ら単に大涌谷だけの問題、箱根は大丈夫だから観光しろってすごい違和感ある、観光組合もそうだが商売やお金のこと考え過ぎ、普通の常識ある人間だったら箱根湯本行くのも躊躇うよ。」

箱根の皆さん、さぞお辛いと思います。

世の中全体は平穏なのに自分達だけに災難が降りかかるというのは実に辛いものです。BSEの時、牛肉以外は何の問題もないのに、自分達だけが・・・というのは私も身にこたえました。

しかし、辛くても下手な安全アピールはいけません。

客観的なデータをネットや駅で見られるようにするとか、具体的なことをしない内に、「風評被害が一番怖い」と言ってしまうのは、とてもとても危険です。

怖いのは、風評被害ではなくて、やっぱり火山です。

それから政治家の下手な言動が怖いです。

黒岩祐治・神奈川県知事は「人的被害はゼロ、風評被害もゼロを実現したい」と宣言したそうですが、

「風評被害ゼロ」ということは、なるべく火口近くまで観光させよう!っていうことを意味しますよね。そんなデンジャラスなことを言ってしまうのは、選挙民が苦しむのを見ていられないからだとは思いますが、此処は落ち着かないと、です。

テレビも困った存在です。

テレビはトラブっている人を撮りたがりますから、安全PRをしようとインタビューに応じたら、損害の大きさが強調されて放送されてしまったりします。

必要なのは、冷静に怖がることが出来るような形にもって行くことだと思います。温泉と火山はセットですから、国民もやがては慣れてくれます。

それまでの間、お辛いとは思いますが、逆効果になりかねない言動は避けるべきです。

どうか、BSEの教訓が箱根の皆さんに伝わりますよう。

 

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

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デパートガール

ある日買い物をしようと開店前のデパートの玄関に行き、不思議な光景を見ました。

待っている人が、皆が外人さんなのです。

私が地下鉄口ではなくて1階の玄関に回ったのは、後の予定があって、少しでも買い物を早く済ませたかったからです。普通の日本人なら地下鉄口で待つのが普通でしょう。

玄関にいる外人さん達は、その普通の感じでは、どうやらありませんでした。

待ちながら聞き耳をたてていますと、英語を話す日本人がいました。どうやらガイドさんらしいです。

私は英語が得意ではありませんが、日本人が話す日本なまりの英語なら聞き取り易いですねえ。TOEICもこうすれば良いのに。

もとい。

そのガイド氏が説明するには、開店直後のデパートは大変なシャッターチャンスなので見逃すべきでないということでした。

多数のデパートガールが整然と並び、正確に同じ角度でお辞儀をするから、その写真を撮りましょう、と言っているようです。

なるほど、日本のデパートの「お迎え」を観に来たのですね。たしかに海外のデパートではやっていない、日本独自の慣行です。同じデパートという業種を日本人がやるとこうなる、という意味で興味深いかもしれません。

しかしですよ。デパートガールって和製英語じゃないですかねえ。正しくは何て言うんでしょう?

試しにネットの翻訳サイトにかけてみますと・・・

デパートガールは、Department store girl

百貨店の店員は、Shop assistant in a department store

うーん、チト違うような気がします。

洋食に一番適切な訳が、Youshokuであるのと同様に、

デパートガールは、Depato- girlなのかもしれません。

ガイドさん、失礼しました。

あ、そんなことを言っている内に、今日は三社祭の本番です。

外国の皆さん、ようこそ浅草へ。楽しくご観光を。

追伸

日本橋三越本店の催事「お江戸日本橋 EDO style展」で精肉の販売を致します。

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会期:5月20日(水)~25日(月)

会場:本館7階催物会場

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視界

「地鶏坊」「地鶏坊」と言うので最初は新手の鶏肉かと思いましたが、違ったのですね。

例の「棒」が浅草でも増えてきて、紛議の対象に成ってきました。

そう、「自撮り棒」のことです。

「自撮り棒」を高く掲げて他人の景色観賞や神輿見物を遮る輩が続出しているそうです。

ルーブル美術館では既に禁止にされたそうです。美術品に気持ちを集中させている時に邪魔されたら、たしかに不愉快ですから、禁止も仕方ないところでしょう。

では美術品ほどは集中しない景色・夜景の場合はどうでしょう。やはり全面禁止ですかね。

浅草にもスカイツリーが良く見える展望台がありますから、ここは思案のしどころです。

写真は旅の記念ですし、SNSにUPして友達に「いいね!」してもらうのはたしかに楽しいですから、全面禁止では旅の魅力を少なくしてしまいます。

それにですよ、視界を遮られただけで本気で立腹するというのも、いささか野暮な話しです。

本人が周囲の人に一声許可を得るというルールにして、それからなら撮っても良いと思うのですが、いかがでしょうか。

あるいは「自撮り棒」メーカーの方に規制をかけて、「周囲の人の許可を得てから撮りましょう!」と棒そのものに大きく印字しないと販売許可が得られないようにします。そういう立法はメンドくさいでしょうか。

もっとも、この問題には別の側面もあって、「自撮り棒」をよく使っている民族が、そもそも嫌いだという感情がベースに在るように感じます。そう言うと言い過ぎでしょうかね?

「自撮り棒」で人の視界を遮る民族=全体的にマナーが悪い民族=歴史問題でも鬱陶しいことを言ってくる民族⇒嫌い!

という流れです。

このブログの立場は何回も書いていますが、

マナーを憎んで人を憎まず。

この話しもマナーに限定した話しにしたいものです。

さて、今日は三社祭。午後から町会神輿の連合渡御があります。

皆様、マナーを守って、楽しくご観光を。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

是非是非お求めください。

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからネットでも購入できます。

是非。

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パン祖

もう、ウンザリですよね、「世界遺産」を観光誘致に結びつけるパターン。

結びつけるなとは申しませんが、私は結び付け方が気にいらないんですよ、例えば「大砲うどん」とか。

伊豆韮山の代官であり、洋学者でもあった第三十六代江川太郎左衛門英龍が、反射炉で大砲を造ったから⇒蒲鉾で大砲を模って⇒「大砲うどん」という次第です。

・・・

実は韮山では、既に江川と食に関わる、なかなか良いイベントをやって来たようです。「江川邸」で 「パンの日」というイベントがあって、パン焼き体験が出来たとか。

江川は本当に日本の「パン祖」でありますから、こちらはしっかりした由来があります。

江川の洋学の先輩に当たる高島秋帆の従者に、長崎のオランダ屋敷に料理方として勤め、製パン技術を覚えた作太郎という人がいたので、その作太郎を江川が呼び寄せて、屋敷にパン窯を作らせ、1842年4月12日に、記念すべき初パンが焼き上げられたそうです。

ですので、こちらは「世界遺産」と関係なくても、大いに推奨するべきものですが、テレビが採り上げるのは、「大砲うどん」の方なんですよね。トホホです。

今年はちょうど江川没後160周年で、今年の4月12日は地元としては力を入れていたようですが、報道したのは地元紙だけで私も知りませんでした。

その後「世界遺産」の勧告が出たので⇒「大砲うどん」です。

世界遺産!⇒盛り上がってます!

だけでは、なんだかなあ、ですよね。

だいだい、江川は美味しいものを食べたかったわけではありません。パンは兵糧として導入されたのです。

日本の海防について強い問題意識を持っていたので、それでパンと砲台なのですが、うどんの方を採り上げてしまうと、その脈絡が見えないと思うんですよね。

なお、今日江川の功績が広く知られているのは、我が義塾の福沢諭吉先生が洋学の先達として褒めたからでもあります。

現在地に移る前の義塾は江川家の江戸屋敷と近所で、江川の敷地を義塾が借りたこともあったそうです。それで先生は江川のことを良く知っていたのです。

ですので、江川の「パンの日」を義塾関係者は応援してあげるべきかもしれません。少なくとも「大砲うどん」よりは。

 

追伸

『日本のごちそう すき焼き』は、平凡社より刊行されました。

この本は、

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

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母の日に欲しいと思っているものは何なのか?

ネットで「母の日に欲しいと思っているものは何なのか?」を3,358人のお母さんに調査したそうです。結果がUPされていました。

そもそも「母の日」って、何かをプレゼントする日なんでしょうか。

アン・ジャービスのことを考えれば、この前提に?がありますが、やはり結果は気になりますので、見てみましょう。

花 58%

スイーツ55%

ファッション53%

コスメ47%

雑貨40%

家事お助け39%

「ちんや」では今年の「母の日」に、

父と子でお母さんの為にすき焼きをしよう!

という企画をする予定です。父と子で「ちんや」精肉売店に買い物に見えたら特典がある、というプランですが、その発想は、このアンケートでは6位なのですねえ。

それより腕時計やアクセサリーが欲しいんだとか。

うーん。

日本人は海外のイベントを商戦に衣替えするのが得意ですからねえ。クリスマスにしても、バレンタインにしても、そうですね。

なんか、イヤな感じ。

父と子でお母さんの為にすき焼きをしよう!

にしても、まあ、もちろん、商売ではありますから、あんまり人様の批判はできませんが、私の感覚の中では、廃れてしまった「女正月」の代用品のイメージです。

1月15日に「女正月」をするのは実際問題難しいので、5月にやりませんか、という御提案です。

お母さん、本当に腕時計の方が良いですか?

 

追伸

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おもてなし2.0

いやな話題ですが、料理屋の会合で「クレーマー」という単語を聞かない日はありません。

「週刊文春」が1999年に登場させた、この言葉は今や一般的に成りました。

消費者の意見はとにかく最大限尊重されるべきだという当時の風潮の中で「週刊文春」1999.8.26号は、

「ホームページ事件真相スクープ―東芝に謝罪させた男は名うての「苦情屋」(クレーマー)だった!」と書いて、おかしな消費者が存在することを広く報せました。

クレーマーの被害を蒙るのは、最初はメーカー・小売・料理屋という業種でしたが、今や学校や病院などの公共的な施設においても、クレーマーは頻繁にみられるようになってきています。教員をしている知人も、そういう親がクラスにいると、勤務時間が格段に延びるとボヤいていました。

問題は、その背景です。

背景には「他人を許せない」人たちが明らかに増えてきているという状況があるようです。

他人を許せないのは、自分自身に満足出来ていないからです。

自らの現実に不満足な人が、不寛容な心持ちで他人のアラ探しに精を出しては、いっときのウサを晴らしているようです。ネットの「炎上」も同根でしょう。

そして、そのまた背景には、近代化を突き進んで来た日本が、行き着く所まで行ってしまったことがあると思います。

経済性を追って来て、それをかなりの程度達成したのに、ちっとも幸福に成っていない、その現実に多くの人が気づいてしまったのかもしれません。働くことの目的が不鮮明に成ってきたとも言えるかもしれません。

アメリカでも最近ゲイリー・ハメルなる先生が、

株主利益を最大化する

その目的の為に経営陣が従業員を強度にコントロールする

・・・という経営手法のことを「マネジメント1.0」と名づけて、そこから脱却することを勧めはじめたそうです。

そしてさらに最近、この発想を観光業に導入するレポートが日本でも出ました。

『おもてなし2.0指標による新しい時代へ向けた企業経営』というEY総合研究所さんのレポートです。

詳しくはWEBでも見られますので、ここでは概略のみ書きますが、要するに、

顧客、従業員、地域の視点を観光業に導入することで、2.0経営を実現しよう!というものです。

このレポートを作成するに当たり、弊社も、在り難いことに「先進事例」として取材していただきました。

経営者の皆さん、どうぞ参考になさって下さい。

追伸

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ファウルボール失明訴訟

札幌ドームの、ファウルボール失明訴訟に注目なさっていますか?

5年前に札幌ドームで観戦中ボールが目に当たって失明した30代の女性が、「安全対策が不十分だった」として日本ハム球団や球場などを相手取って損害賠償を求めていた訴訟の判決が出たそうです。

札幌地裁の判決は=女性の訴えを認め、球団などに4190万円の支払いを命じたそうです。

これについて、テレビのコメンテイタ―さん達は口々に、

球場が危険なのは当然! 信じられない!と。

実際、米国でも観戦中のファンが大ケガを負い、損害賠償訴訟を起こすケースが毎年のようにあるそうですが、すべて棄却されているそうです。

チケットには、ファウルボールが飛んでくるので注意するよう警告文が刷り込まれていて、「野球観戦ではファウルボールが飛んでくるのは当たり前でケガのリスクに関しては自己責任」というルール・文化が根付いているのだそうです。

これに対して、同じ番組に出ていた武田鉄矢さんのコメントが、私にとっては、

!!!でした。

「最近はさして興味もない人がそういう所に来る時代になった」

自分が出ている芝居でも集中してくれない人がいて、スポーツも多分同じ。野球の場合あれだけの大箱を大勢の観客で埋めるのだから、意識のハードルを下げて集客するのは仕方がないだろう、という趣旨のコメントなさったのです。

うーん。

昨今「間口を拡げる」って、あたかも絶対的善のように語られますが、少し慎重に考えた方が良いのかなあ、と私は感じました。

たしか以前、やはり野球で「婚活ナイター」というのをやっていて、同じチームのファン同士なら恋に発展する可能性は高いかもね。二人セットで券が売れるし、良いアイデイアだなあと思ったことがありました。

パクって「婚活すき焼き」もいいかな、と思ったこともありました、はい。

結局その時「婚活すき焼き」に挑戦しなかった理由は、今は思いだせませんが、やっていれば食べることに集中できない状況を造っていたことは間違いないですね。

脂が目にはねて失明したら、4.190万円です。

間口を拡げるべきか、その逆か、

That is the question.

 

追伸

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「なんちゃって」着物

「なんちゃって」と「本物」の境目はどこに在るのか?

最近分からなくなることがあります。

まず気になるのは浅草を闊歩する和装の外国人の姿。

顔が良く見えない位遠目からでも外国人と判別できます。

着物が「なんちゃって」だからです。

いや、訂正。私には「なんちゃって」に見えるということです。

素材がケミカルなのは遠目でも分かるんです。それに柄が季節外れ。

その着物を貸しているレンタル・ショップはごく最近出来た店です。その店が出来た時私は、

レンタル着物って、成人式とか卒業式とか花火大会とか、ごく限られた日にしか利用されないのに採算が合うんだろうか・・・

と不審に思いましたが、外人さんに貸すという作戦があったのですねえ。思いつきませんでした。

その作戦が当たっているのは明らかです。それ位闊歩しているのです。先日はテレビにも採り上げられていました。

タイから見えたという若い女性がインタビューに答えて、

Geisha-girlの格好をしてみたかったの!

と言っていました。

あのですね、芸者さんはそういう格好をしませんよ。客は安からぬ金を払うのに、そんな着物で座敷に出たら怒られます。

でも外人さん達は皆楽しそう。日本人の修学旅行生と一緒に記念写真を撮っている様は微笑ましいものです。

伝統に固執して和装文化が滅びてしまうよりは良いかもしれません。

だいたい浅草は「なんちゃって」を受け入れてきた街です。

「ちんや」も狆屋をやめて料理屋に成った当初は、なんちゃって料理屋だったことでしょう。

とりあえず、外人向け着物レンタル業のようなビジネスを私が褒めたり、人に紹介したりすることはないですが、こき下ろすのは止めておくことにします。

「なんちゃって」と「本物」の境目はどこに在るのか?

考え甲斐のあるテーマです。

追伸

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