酒飲みダイエット、糖質制限食

 7/12の「すきや連」の時、常連の「dancyu」編集長・町田さんから「最近ウチ(=プレジデント社)で、こんな本を出したんですよ。私も登場してます。」と、一冊の本(ムック)を渡されました。

 拝読しまして、うーーーーーん。

 その御本の題は「酒飲みダイエット」ですが、

 「糖質オフ」の食事制限をすることで、糖尿病・メタボやアレルギー体質、アトピー症までも良くなる、しかもその間、一部の種類ですが、酒を飲んでもOK、という夢のような御本なのです。

 「糖質オフ」ならたっぷり食べて、楽しく酒を飲みながら、理想の体型になれる!」とうたっています。

 「糖質オフ」とは正しくは「糖質制限食」と呼ばれる、糖尿病治療のための新しい食事療法だそうで、江部康二先生とおっしゃる病院の院長先さんが提唱しておられます。その監修のもと、今回この療法をダイエットに応用したそうです。

 町田さん自身も糖質制限食の実践3週間で、体重5kg減という実績の持ち主として、この本に登場しています。

 「糖質制限食」の、大きなメリットは、糖質を多く含む食品さえ控えれば、「たくさん食べられ、しかも酒が飲める」こと。これが健康食事法の最新理論らしいのですが、夢のようです。

 ここで、問題つまり、うーーーーーん となるのは、糖質の多い食べ物=制限すべき食べ物です。

  まず、甘いものはもちろん×ですが、いわゆる主食も、米も麦も麺と、全部×です。肉がOKなのは有り難いのですが、

 困るのは、すき焼きのタレが×です。割下と言ってもらいたかったですが、そう言っても×は×でしょうね。糖質が多いそうです。佃煮も×です。うーん。

 それから、すき焼きに合う酒・日本酒が×です。うーん。

 ちなみに、ビールも×、白ワインも×、赤ワインは微妙。

  逆にOKなものとして蒸留酒が載っています。蒸留酒は、ほぼ糖質ゼロの液体で、

「偶然できたのか、人間が意図的に作り出したのかはわかりませんが、蒸留酒は糖質制限食の最高傑作かもしれませんね。」という褒めようです。(江部康二先生のブログより)

 つまり、「楽しく酒を飲みながら、理想の体型になれる!」と行っても、蒸留酒に限るのです。

  どうも、こういう具合に、理論的に説明されると、文科系人間としては、反論できません。弱々しく「食文化もよろしく・・・」とか、「年に1回くらい、美味しいもの、好きなものを食べてはいかが?」と言えるくらいでしょうか。

 この御本は、料理屋にとって都合の悪いことがたくさん書いてありますので、ブログに書くのは躊躇しました。でも、こういう理論・療法が登場しつつあることは、私一人が隠しても、仕方のないことです。

 このブログの読者には、料理関係の方も多いので、あえてご紹介しました。

  いやあ、意地が悪いなあ、「dancyu」さん!

 じゃなかった、間違えた、勉強になりました、「dancyu」さん!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*この本を購入できるサイトへリンクを張るほどの親切心は、私、持ち合わせておりませんが、どうせ検索すれば、すぐ出てきます。どうぞ、ご勝手に。ふん。

真夏のカジュアル週間、ドレスコード

 お暑うございます。最近、「ちんや」の店で、

 「省エネルギー推進のための、<真夏のカジュアル週間>」

というのを始めました。

  この期間「Tシャツ、短パン等の気楽な服装のお客様も、お気がねなく御入店下さい!」と表示しています。このように表だってよびかけるのは、初めてのことです。

  理由は、もちろん、あまりに暑いから。

 「ちんや」の中は冷房で涼しいですが、この暑さでは、そこへたどりつく移動中にも大汗をかいてしまいます。

 だから皆さん、当然ラフな恰好で出かけたいわけですが、行く先の店が「ちんや」だとあまりヘンな恰好もできないな、じゃあ、この際「ちんや」に行くのは止めよう、というザンネンなことになってしまうと困ります。

  こちらとしても、この暑い中、意地でも背広ネクタイで来ていただきたい、とは思っていません。それは、省エネルギーの精神に反しますよね。

 電話などで「ドレスコードはありますか?」などと聞かれる前に、先回りして、

 「気楽な服装のお客様も、お気がねなく御入店下さい!」とよびかけています。

  9月12日まで続けようと思っています。どうぞ、気楽にご来店を。

   え?ヌーデイストはどうかって? うーん、どうしよう・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:05 AM  Comments (0)

3日坊主ウォーキング②

 このブログの7/23号に「このところ、仕事を終えた後、夜10時半前後ですが、ウォーキングをしています」と書きました。

 しかし、それを信じてくれていない方もおいでのようです。

 「もう、そろそろ飽きたんじゃないの?」とか言われますが、

 やってますよ、ウォーキング!

 やってない日以外は。

 やってない日について、釈明いたしますと、どうも、やはり夜のお誘いが問題です。

 隅田川花火大会の日、仕事を終えて、いざ、ウォーキングと思っていると、携帯に着信がありました。「台彪会」でご一緒する、鳥越のG社長からでした。

 「今「フェイク」で「川松」のAK子さんと飲んでるんですよ!」

 Gさん夫妻は、花火の打ち上げ中にもかかわらず、鰻の「川松」さんに入り、私がこのブログの7/27号でオススメした、

「音だけ花火と鰻ナウ」を実行した後、仕事を終えた、「川松」の若女将AK子さんを誘い出して飲んでいると言うのです。

 しかも、飲んでいるバー「フェイク」は「ちんや」から歩いて10秒のところにあります。10分でなく10秒です。この日のウォーキングは順延となりました。

 その翌々日、今度は旧知のT社長が、向嶋花柳界の綺麗どころを伴なって、「ちんや」へ来店されました。ご挨拶申し上げるため、部屋へ顔を出すと、

 「二次会、向嶋だけど、住吉さんも行くよね!」

 しかも、その二次会の御店は、旧知の若女将AY子さんの御店「きよし」さんだとか。

 いや、私は、今日はウォーキングの予定がありますから、遠慮しときます!

 と申すハズもなく、この日のウォーキングも順延となりました。

 どうも、雨天順延と酒店順延を間違えてしまいました。ウとシュは、音が似ているので、間違いやすいですよね。

  苦しいかな、この洒落は・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「音だけ花火と鰻ナウ」については、このブログの7/27号をご覧下さい。

*ウォーキングをしているワケについては、このブログの7/23号をご覧下さい。

猛暑の隅田川花火大会

 隅田川花火大会は、7月の最後の土曜と決まっています。今年も7/31に開催され、猛暑の中、大勢のご見物の方が浅草へ見えました。

 隅田川花火大会は、八代将軍・吉宗公以来の伝統を誇る、日本一有名な花火大会です。だから、「ちんや」さんは花火の日、それは忙しいんでしょうね、と良く言われますが、

 そうでもないんです、実は。

 そうでもない理由は、このブログの7/27号に書きましたが、「ちんや」では食べながら花火が見えない、というのが大きいですね。

 そこで、今年は花日当日に限り、値段を少し下げてみることにしました。

 上げたんじゃなくて、下げたんです。

 駅で人ごみをかきわける、その手間だけ我慢していただけば、いつもよりお安く召し上がれる、そういう風にした次第です。

 「ちんや」に入ってしまうと、花火は見えませんが、外から聞こえる花火の音をBGMに、すき焼きを食べるのも、オツなものです。今時は、ワンセグ携帯がありますので、お持ちの方は、「画像はテレビ東京で、音は生音で」という段取りで、お楽しみいただきました。

 そう言えば、7/30に受講した、「救命講習」の時、消防署の皆さんは、「猛暑の中の花火大会」をとても心配されていました。

 花火を見れば、お約束で酒が飲みたいですが、酒は利尿作用があるので、水分補給どころか、脱水してしまいます。それを屋外の、暑くて、人間がいっぱいいる所で、やるわけですからたしかに、熱中症が心配ですね。

 熱中症の方が出ないよう、「ちんや」としましても、値下げで協力申し上げた次第です。

追伸

 7/3の、私の講演「饗応・居留地・牛鍋」がケーブルテレビで見られます。

 「J:COM台東」

 <放送時間>

 8月1日(日)
  10:00〜、14:00〜、18:00〜、22:00〜

 8月3日(火)
  9:20〜、13:20〜、17:20〜、21:20〜

 契約されている方のみ視聴可能ですので、今すぐご契約を!・・・しても間に合わないかな?

*私の講演「饗応・居留地・牛鍋」については、このブログの7/4号をご覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「ちんや」が花火の日、さほど忙しくない理由は、このブログの7/27号をご覧下さい。

Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

すき焼きツイッター

 このブログの7/27号に、「最近ツイッター始めました」と書きましたところ、

 え? 住吉、ツイッター始めたんだって? よくまあ、いろんなことに手を出すねえ。真面目にすき焼き屋やってんの?!

なんていうことを言われております。

 実は、「始めました」と言っても、人のフォローはほとんどせず、

 「ブログ本日号をUPしました。今日は、久しぶりに酔っぱらいネタです。ご笑覧を!」とか、つぶやいている程度です。

 1日1回くらいしか、つぶやかないので、良く考えると、ツイッターしてる意味は、あんまりありません。「ツイッター始めたんですよ!」とブログに書いてみたかったので、やっているようなモンです。

 そもそも、ツイッター派の皆さん、なんで、そんなにナウにつぶやかないといけないんですかねえ。

 「ちんや」の店の中でも、つぶやいている人がおいでですけど、食後の余韻=ゆるやかに流れる時間も含めて、トータルに感じて、それから書いてもらいたいところです。

 だいたい、せわしなくありませんか?

「ちんや入店ナウ」

「個室へ入室ナウ」

「牛脂を鍋に投入ナウ」

「いい香りナウ」

「ネギ投入ナウ」

「ネギに焦げ目ナウ」

「肉投入ナウ」

「割り下投入、一気に沸騰ナウ」

「甘くて、スゴく良い香りナウ」

「もう煮えてきたナウ」

「煮えた肉を玉丼へ移動ナウ」

「肉を喫食ナウ」

「極楽ナウ」

 忙し過ぎです。

 「ちんや」では、つぶやくのはほどほどで、ゆっくり召し上がって下さいね、お願いしますよ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

隅田川花火大会、コンビ二弁当派の人たち

 7/31の隅田川花火大会を前に、実行委員会から開催要綱が配布されました。

 隅田川花火大会は、八代将軍・吉宗公以来の伝統を誇る、日本一有名な花火大会です。だから、「ちんや」さんは花火の日、それは忙しいんでしょうね。と良く言われます。

 そりゃあ、そうですよ!と言いたいところです・・・

 が、

 そうでもないんです、実は。

 まず、打ち上げ時間が、夜7時から8時半で、ちょうど夕食の時間と重なります。食事をしている、その席から居ながらにして花火が見える店は、大混雑ですが、「ちんや」のように見えない店では、食べていると、外から花火の破裂音と歓声だけが聞こえて来る、という妙な状態になります。

 花火の音をBGMに、すき焼きを食べるのが楽しい、という酔狂な人もいらっしゃいますが、そういう人がたくさんおいで、というわけではありません。これが、花火の日の、「ちんや」の知られざる実態です。

 路上で花火を見て、打ち上げが終わり、人込みを押しのけて、なんとか駅へたどり着く頃には、夜9時を過ぎるので、皆さんもう帰りたくなってしまいます。「これからすき焼き食べよう!」という展開には、あまりなりません。

 それに、当日は大変な人出なので、是非「ちんや」のすき焼きを食べたい、という方は、そもそも、花火の日を避ける傾向があります。その辺の事情は、「三社祭」の日と同じことです。

 例年、店のまわりに人はたくさんいるものの、その人達は、是非「ちんや」のすき焼きを食べたい、という方では勿論なく、とてもザンネンなことに、コンビ二弁当などを買って、路上に座り込んで召し上がっています。

 うーん、なんでまた、浅草までやって来て、コンビ二弁当を召し上がるんでしょう?

 そういう傾向ですので、今年は花日当日に限り、値段を少し下げてみることにしました。

 上げるんじゃなくて、下げるんです。

 大勢のコンビ二弁当派の人には、そんな値下げは、ほとんど関係ないでしょうが、100万人も人出があれば、中には「せっかく浅草へ来たんだから、チャンとしたものを食べたい」という人もおいででしょう。

 こう書くと、値下げ作戦は合理的に見えますよね。ブログにつべこべ書かずに、すぐに決行すれば?と思った方も多いでしょう。

 実は、何年も前から「下げよう」と考えていたんですが、やはり、「スゴい大勢の人が来る日に値下げするのは、どうなの?」という先入観が邪魔して、実行できませんでした。

 考えていることを文字にすると、頭の整理がつくことがありますが、この件も、その実例でしょう。ブログを始めたことによる副産物、とも言えます。

 で、今年はやります、値下げ。

 駅で人ごみをかきわける、その手間だけ我慢していただけば、いつもよりお安く召し上がれる、そういう次第です。この日が、これまで「ちんや」のご縁がなかった方の、入門の日になれば有り難いです。

 実際、花火の音がBGMというのも、オツですよ。ワンセグ携帯をお持ちの方は、画像はテレビ東京で、音は生音で、という段取りも面白いと思います。店内なら涼しいですしね。

 「わざわざ浅草へ行って、音だけの花火と、すき焼きナウ」―なんてことを、ツイートしてみませんか。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

 最近ツイッターを始めたものの、人のフォローはほとんどしてない、浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*花火大会の詳細は、こちらです。

*「三社祭」の日の様子については、このブログの4/24号をご覧下さい。

真夏の夜の、ダブルヘッダー

 お葬式に参列して、自分のペースを乱すことがありますよね。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいですが、そうなることがたまにあります。

 それは、お清めがあるからです。

 7/23夜、浅草の重役の方の、お身内のお通夜がありましたので、参列しました。葬家がそういう立派な御家ですので、お清めには、浅草の大御所の皆さんが、お揃いでした。

 しかも、今回はなんと名店「草津亭」の、仕出しのお清めです。食べない手はありません。食べる間、飲まなければ酔わないわけですが、ツマミが旨いので、そうもいきません。

 この日は、悪いことに、浅草料理飲食業組合青年部・通称「継旦連(けいだんれん)」の暑気払いの日でもありました。そちらは夜10時開会です。

 「継旦連は夜10時開会」という時間設定は、私が代表だった時に決めて以来続いています。本来は、料理屋の営業が終わってから集まるために、この時間に設定しているのですが、そういう時間なので、他の会合とダブルヘッダーすることも可能になります。

 自分から、ダブルヘッダーをやりたいわけでは勿論無く、仕事を終えてから「継旦連」に出たいのですが、なぜかタイミングでダブルになってしまうのです。4/12の総会の時もそうでした。その時は総会A→総会Bで、今回はお清め→暑気払い、です。

 そういう次第で、真夏の夜に、浅草巡航となりました。

 当然、暑気払いが始まった時点で、良い気分です。

 前から思っているのですが、飲むと体温が上がって、暑気払いどころか、より暑くなりますよね。

 しかも、この日は猛暑日です。そう言えば同じ日、「ちんや」の店でも、暑さが理由のキャンセルがありました。

 外国人のゲストにすき焼きを食べさせようと、「ちんや」に予約を入れていた、お客様から「暑い中、観光で長時間歩きまわったせいで、ゲストの体調が悪くなってしまった」と連絡がありました。

 「ちっ!無理のない観光のし方を考えてもらわないと困りますね!」と思いましたが、言うのはやめておきました。

 そういう日でしたので、こちらも調子が狂いました。

 それは、亡くなった方のせいでは、もちろんなく、こっちのせいです。ご遺族におかれましては、ご愁傷様でした。

 真夏のダブルヘッダーは、暑いし酔っ払うなあ。

 野球のダブルヘッダーは、あの伝説の10.19ダブルヘッダーもそうですけど、たいてい秋です。

 夏は、気をつけないと。うーい。ひっく。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。下町の「パック」またの名を「ロビン・グッドフェロー」住吉史彦でした。

*「継旦連」については、このブログの4/13号をご覧下さい。

出前すき焼き、使い捨て文化

 猛暑の中、TV朝日「ちい散歩」で宣伝していた「ひえひえジェルマット」を注文しようとしたら、電話が殺到しているのか、つながらず、注文できませんでした。

 ムカっと思っていたところへ、「百味」8月号が届きました。

 「百味」には、向笠千恵子先生の新連載『続すき焼き ものがたり』が連載されています。この新連載は5月号より始まったもので、今回は8月号ですので、第四回です。

 早速拝読しますと、「すきや連」で旧知の、F社長の御店「今朝」さんの、創業期から発展期の話しが書かれておりました。

 面白いのは、かつて、すき焼きの出前をしていた、という部分です。

 「今朝」さんのある場所は新橋で、花柳界がありますから、その花柳界の待合に、すき焼きの出前をしていたそうで、鍋も貸し出しており、配達専門の小僧さんまでいた、というから驚きます。

 「待合」という言葉は、昨今ほぼ使われなくなったので、念のため説明しておきますが、客と芸者さんが会うための貸席のことです。料理を作る設備はありません。

 料理を作る設備がある方は「料亭」と言いますね。待合とは、料理を作れない料亭と思っていただいてもまあ、良いでしょう。

 そういうわけで、待合は、料理を作れませんから、近所の料理屋から仕出しをとります。「今朝」さんのすき焼きも仕出しの1種だったわけです。

 料理屋の発展ものがたりを読んでいると、なぜか途中で出前を始めている例が多いですね。

 私も、かつて自分の店の商売のことを思案していて、すき焼きの一通りの具材に割下も揃えて、バイク便を使って出前をすれば喜ばれるのかなあ、と思ったことがありました。

 でも、問題は鍋です。

 「今朝」さんが出前をしていた頃も、店に戻ってきた鍋が、焼け焦げていたり、傷ついていたりで難儀した、と書かれています。慣れない人が、鍋を使ってオジヤを作ろうとすると、焦げさせてしまうことがあり、後で始末が大変面倒です。

  そう言えば、鰻業界は、今でも出前をするのがお約束ですが、名門「竹葉亭」の七代目B社長が、出前の件で、ボヤいていたことがありました。平成のある日、職人の技が光る、立派な、塗りの重箱に、蒲焼を入れて出前したら、使い捨ての箱と勘違いされて、捨てられかかったのだそうです。

 昭和のはじめから塗り直しを繰り返してきた、この重箱をゴミ箱に放り込んだのは、大手銀行の重役秘書のお嬢さんだったそうです。使い捨て文化が、いかにこの国に定着しているのがわかります。

 使い捨て文化の世の中だと、鍋の貸し出しは難しいよなあ、やっぱり。

 鍋はむしろ、売るしかないのかな、骨董品として。

 古物商の免許でも獲るか。考えてみれば、元美術部員なワケだし。

 え? クソ暑い日には、あんまりものを考えない方がいいぞ! って? そうでした、ハイ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*『続すき焼き ものがたり』については、このブログの5/2号をご覧下さい。

 *新連載『続すき焼き ものがたり』が掲載されている、月刊「百味」については、こちらです。

 *「今朝」さんについては、こちらです。

*「竹葉亭」の重箱ポイ捨て事件については、「三田評論」2009年10月号をご覧下さい。

3日坊主ウォーキング

 このところ、仕事を終えた後、夜10時半前後ですが、ウォーキングをしています。歩く時間は、日によって違いますが、20分〜40分くらいです。

「なーんだ、住吉、また「ウォーキングしてます」か! 去年もおととしも、今頃の季節に同じこと言ってたけど、どうせまた、3日坊主だろう。」

 違います、断固として。

 3日坊主ではなく、3週坊主であります。

 現物の住吉史彦をご存じない方も、このブログをお読みになっているようですので、念のために、お教えしておきますが、私の身長は173cm、体重は58kgであり、ダイエットの必要性はありません。また今年3/16の人間ドッグの結果では、どこにも何ら、マズい所見はございませんでした。

 一年中ウォーキングを続けなくても、別に良いのです。

 では、何でウォーキングなんぞするか、ですが、それは「汗をかきたい」からです。

 私たちは、お客様相手の仕事ですので、真夏でも長袖のワイシャツを着こみ、ネクタイを締めています。その恰好で動きますので、とても不快です。不快な汗をかきます。

 でも、人間たまには、汗を我慢せず、しっかり汗をかいて、汗腺をフルに機能させた方が良いそうです。汗腺が詰まると、オヤジ臭の素になるらしい(!)のです。

 オヤジ臭のことは、さておくとしても、爽快な汗は、やはりかいた方が良いですよね。そういう次第でウォーキングしています。だから、一年中続けなくても、3週坊主で良いのです、はい。

 ウォーキングをする、もう一つの理由は食欲増進です。仕事の後、ヨメと二人で「パーテイー」をしておりまして、それが私の唯一の、大切な「快食」の場なのですが、真夏はどうしても食欲が落ちます。

 食欲が弱いと、旨いものも旨くなくなりますよね。それで、歩いて腹を減らして「快食」を期すわけです。

 それに、歩いていると、その間感じられる感覚がありますよね。車に乗っていては、風の速さや匂いも感じられませんが、歩いておりますと、五感で感じ取れます。

 そういう風に五感を働かせることは、「快食」と同じく大事だそうです。そのことは、去年5月の、「快食療法」で知られる横倉恒雄先生の講演で知りました。

 そういう次第でウォーキングをしています。たぶん、真夏の間だけですが。

 でも、ウォーキングをしていて、一つだけマズいことが。

 こういうことをしていると、長生きしてしまいそうです。太く短く生きたいんですけどねえ・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*横倉恒雄先生の「快食療法」については、このブログの5/18号をご覧下さい。

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

選挙サタデー ほおづき市

 このところ、浅草の街では、連日芸能人を見かけます。ゲリラ・ライブではなく、選挙に出ている芸能人による、ゲリラ演説です。

 7/10は、「ほおづき市」でしたから、そういう人出のあるところを目指して、選挙カーが廻ってきて演説をします。30分とあけずに、廻ってきます。

 ウルサいです、ハッキリ言って。参議院選は、選挙区選と比例選の両方があるので、一番ウルサいような気がします。

 「ちんや」は雷門から50メートルの所にあるので、どうしても店内まで騒音が聞こえます。選挙は7/10で終わり、11日は、もう来ないと思うと、正直ホッとします。

 それにしても 「演説」といっても、芸能関係の方は、政策はお寂しい方が多いのか、その分やたらと御芳名を連呼する人が多いです。

 これでは、元々ファンだった人の心も離れていくのでは、と心配になりますね。

 え? 住吉は、どこに入れる気かって?

 それは、もう新党「立ち上がれ、すき焼き」でしょう。

 比例選は、「うまいもの実現党」かな。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:03 AM  Comments (0)