上海蟹

三田の上海料理の「中国飯店」さんをお訪ねしました。国際日本レストラン協会の研修会でした。
お訪ねする前にホームページを拝見しましたら、
「過ごした時間が記憶に残るレストラン」
と書いてありました。
「ちんや」は「心に残る思い出を!」をキャッチコピーにしておりますから、親近感を覚えます。
「お客様の人生の中で、人生の思い出に刻まれるレストランであり続けたい…
そんな想いでお客様一人ひとりをおもしなししております。
その結果、誕生日や記念日、会社の大事な商談、結婚式等、
人生の大事な節目に多くのお客様に『中国飯店』をご利用頂いています。
今後も永く愛されるレストランを目指し、中国料理の可能性を追求していきます。」
実は、この文言が掲載されていたのは採用情報のコーナーでした。
これから働いてみようという方に、まず店の理念を提示するのは、大変良い方法だとおもいます。参考になりました。
名物の上海蟹はもちろん、鶏料理や豚料理も美味しかったです。ご馳走様でした。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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秋の松阪

久しぶりに松阪の「和田金」さんをお訪ねしました。東都のれん会の食事会でした。
「すきや連」でも大変お世話になった「和田金」の松田武朗社長が60歳の若さで亡くなられたのは2016年2月のことでした。その後は奥様が後継してこられました。日本一有名なすき焼き店ですから、ご苦労は多かったろうと思いますが、相変わらずの盛況ぶりで安心いたしました。
思い起こしますと、第11回「すきや連」を「和田金」さんで開催したのは2012年のことでした。松田社長自ら講演して下さり、これからは肉の脂の量ではなく質に注目していかないといけない、特に脂の融点が何度かに注目していかないといけないと発言されたのが記憶に残っています。
私は、全くその通り、我が意を得たりと思ったのですが、業界はこの発言を尊重せず、あらぬ方向に行ったことは弊ブログの読者ならご存知の通りです。その傾向への反動として、私の「適サシ肉宣言」は2017年は出されます。
そんな記憶のある場所への再訪の日は、とてもとても良い天気でした。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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御食国

久しぶりに福井市の「開花亭」さんをお訪ねしました。
前回お訪ねしたのは、2017年3月に開催した第26回「すきや連」でしたが、「すきや連」はすき焼きの会ですから、この時はすき焼きをいただきました。
常連さんの「たまには和食ばかりでなくて、すき焼きも食べたいなあー」というリクエストに応えて出していたすき焼き、つまり裏メニューで大々的に宴会をしてしまったのでした。地元の生産者の方や県庁農政部の人も見えて大盛況でした。
が、「開花亭」さんは本来日本料理屋さんですから、今回は日本料理でした。
すき焼きも結構でしたが、「御食国(みけつくに)」と称されるほど山海の食材が豊富な土地では、やはり和食が良いですね。
建物も素晴らしいです。昭和20年代の建物だとかですが、平成19年に国指定登録有形文化財となり、平成22年にはAPEC首席代表歓迎晩餐会場になったとか。
誠に結構でした。ご馳走様でした。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
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開催しました、第31回「すきや連」

「すきや連」の第31回例会を、昨年新装なったばかりの「東京会館」にて開催致しました。
皇居二重橋前の「東京会館」さんは大正11年(1922年)ご創業の、東京を代表する総合宴会場ですが、創業の翌年からすき焼きをメニューに加え、内外の有力者に提供してきました。
今回は「現代の名工」鈴木直登(なおと)和食総調理長が新たに工夫を加えた「令和の好き焼き」を頂戴いたしました。
普通の溶き卵に加えて、トマトおろし、昆布おろし、牛乳おろしが付いていたり、ザクに小松菜とクレソンが入っているなど、新時代のすき焼きと言えるものです。ご馳走様でした。
<以下↓は当日参加者の方が書いてくれた寄せ書きです。ご覧ください>
・すき焼きの新しい息吹を感じることができた宴です。鈴木調理長ありがとうございます。(向笠千恵子)
・鈴木先生の東京会館の歴史のお話すばらしい。令和の好き焼き感動致しました(相澤二郎)
・素晴らしい令和の好き焼き有難う御座います(奥井隆)
・令和の好き焼き ナイス・ミート・ユーのすてきなひとときに感謝。祝意をこめて(佐藤洋詩恵)
・鈴木様、本日はありがとうございます。新しい年号に心をリセットして、これからもすき焼きを愛していきます。(加藤英子)
・鈴木料理長、お誕生日おめでとうございます(大竹道茂)
・東京会館鈴木様、料理は勿論の事、ネーミングも素晴らしい(加藤政義)
・令和の好き焼き楽しみ(和田政司)
・素晴らしいお料理ありがとうございます。すき焼きがセクシーな食事だとは(開発毅)
・ごちそうさま!おいしかったです(小林甲児)
・東京会館さん、ありがとうございました。建物もすばらしかったですし、すきやき美味でした。料理長ありがとうございます(小林由佳)
・お誕生日、おめでとうございます(伊豆川嘉規)
・令和の好き焼き、本能と理性でいただきました。とってもおいしかったです(小金沢章文)
・鈴木料理長の心配りと遊び心をいただきました。ごちそうさまです(森大亮)
・玄関を入ったとたん重みを感じました。すきやき美味しくいただきました(藤井紀美江)
・歴史ある東京会館のすきやきと料理素晴らしい会食でした。ごちそうさまです!(島崎進)
・すきや連のための好き焼きは細やかで温かい心配りに感動しています。すべてお心のこもった料理、とてもおいしかったです(羽鳥裕子)
・久しぶりのすきや連、笑顔でカキ美味しい!すき焼き美味しい!東京会館美味しい!(山下美希)
・ラグビーもすき焼きも世界一(楓千里)
・思い出の東京会館で最高の日本の黒毛和牛のすき焼きを食して大感激です(吉澤直樹)
・江戸の粋 和食が持つ五感を刺激する料理を堪能させていただきました!(吉澤裕介)

<寄せ書きは、まだまだありますので、残りは明日の弊ブログで>

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東京食材ビストロ

渋谷の「ミニヨンTOKYO」さんに行ってきました。
「ミニヨンTOKYO」さんは「東京食材ビストロ」です。
「東京野菜」を中心に東京産食材にこだわり、様々な創意工夫をこらしたビストロ料理を提供しています。味つけの基本はフレンチ。
「東京野菜」を普及させている青果店「大治」さんの紹介でお訪ねしました。
実は東京都内には結構、野菜の生産者さんがいます。生産規模が大きくないので、知名度のあるブランドには仕立てにくいものの、バラエティーは豊かで、その理由は、この辺りが南の野菜の北限で、北の果物の南限でもあるからです。
住宅地に隣接しているので、農薬の散布量も控えめだとか。
それを「大治」さんが流通させ、「ミニヨンTOKYO」で料理として食べられるという次第です。(野菜料理専門ではないです。東京の魚や豚もあります。)
気軽に行けて、隠れ家感もあり、しかし食材はちゃんとしている、こういうお店って、意外と少ないかもしれません。
御馳走様でした。

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かんこう

「かんこうする」という言葉を学びました。
これは名古屋弁ですが、標準語で「勘考する(考え、思考をめぐらす)」と「敢行する(押し切って行う)」の、両方の意味をも含ませて使うのだとか。
例えば「この件をよぉかんこうしといてちょ」とか。
この言葉が出てきたのは、名古屋の豆菓子の「豆福」さんの創業80周年イベントの中ででした。80年を記念して、「豆福」会長・福谷正男さんがお好きだという落語会が盛大に開催され、落語も勿論面白かったのですが、会長が80年を振り返る挨拶の中で、創業者で先代の福谷正敏さんが「かんこう」した話しが出てきました。
「豆福」さんは戦中に創業、そして戦後、甘いものに飢えていた日本人はあらそって菓子を食べ、豆菓子も作れば売れる時代があったそうです。
しかしやがて、日本の国情は良くなってきて、作ればなんでも売れる時代ではなくなりました。
で、そうした状況を正敏さんが「かんこう」して作ったのが、「山海豆」でした。「山海豆」は、昆布と椎茸から引いたダシで大豆を調味、有明海苔で丁寧に手巻きした豆菓子です。山と海、生まれの異なる素材がひとつになった山海豆は、当時高級感があり、デパートなどで進物に売れてヒット商品になったそうです。
やがて「豆福」さんは製造だけでなく販売部門も設立、デパートや中部国際空港にも出店。伊勢志摩サミットでは記念品に採用され、パッケージデザインの分野でも賞を獲るなど御発展です。
「かんこう」がスタートとなって成功なさったのですねえ。
80年記念会も盛大で結構でした。誠にお芽出とうございました。

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PR動画

「全料連」(全国料理業生活衛生同業組合連合会)で、日本料理のPR動画を撮ることになり、すき焼きの部分は弊店で撮っていただきました。
加盟店の中から、「料亭」「和食店(割烹・日本料理)」「専門店(天ぷら・ふぐ・うなぎ・すき焼き)」業態ごとに各1店舗撮影し、Facebook、YouTubeなどに上げて行くという流れです。
直接の制作意図としては、消費税増税によって外食の消費低下が予測されるので、それをカバーしたいということですが、せっかく、それぞれの料理分野で日本を代表する店が揃いますから、広く見ていただけたらと思います。
お採り上げありがとうございました。

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花やしき再び

「茨城地酒まつり」が「花やしき」に帰ってくるそうです。
「茨城地酒まつり」とは、夜の閉園後の「花やしき」に700名もの人がやって来て、飲み放題で酒を飲むという大人気試飲イベントです。
昨年は屋形船の分乗という形態でしたが、今年は「花やしき」に戻って来ました。
この夜祭りのような、夜ピクニックのような楽しいイベントが最初に「花やしき」で開催されたのは、2011年のこと。その年の大震災では茨城県も大きな被害を受けましたので、地元浅草としても応援させていただいた経緯がありました。
「花やしき」は屋外で雨の場合に問題があるということで、昨年は船を試みたようですが、雨の問題があっても、やはり「花やしき」が楽しいということで、今年は戻って来たようです。結構なことと思います。
酒好きの皆さんは、是非ご参加を。
日時:令和元年10月11日(金)18:30~20:30
入場券:前売り制4,500円。当日売りは無し。お求めはe+(イープラス)へ。

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帝釈天

柴又の『川千家』さんを訪ねました。
『川千家』(かわちや)さんは、帝釈天の参道にある川魚料理(鯉、鰻)が自慢のお店です。ご創業は250年以上前の安永年間で、当代店主は十代目と聞きます。
なんでも、『川千家』さんが開業した頃、この近辺では料理屋の開業ラッシュがあったそうです。
1778年お寺の改築工事に着手したら、日蓮が自ら彫って、その後紛失していたという帝釈天像が発見され、それが世間の話題になって、参拝ブームが起きたとか。
その参拝客を当て込んで、近辺の農家が江戸川でとれる川魚料理を振る舞うようになったのだと言われています。最初は料理屋は農家の副業でした。
その柴又へ、私は浅草から京成電鉄を使って行きました。
先月京成の旧「博物館動物園」駅舎を使った映像インスタレーション展「大洲大作 未完の螺旋」を拝見した時、京成電鉄について少し調べましたが、京成は、実は成田へつながる前に最初に柴又につながっていたのです。今回その土地を訪ねることができて面白く感じました。
1912年に「京成電気軌道」は押上= 市川間を開業、支線として高砂=柴又間を開業させました。成田までつながったのは1926年のことでした。
京成というのは、帝釈天と新勝寺という、お寺を目指して開業した、とてもユニークな路線であることが分かります。京=柴と京=成だったのですね。
『川千家』さんが開業したのも、京成が開通したのも、帝釈天のおかげだったのです。
現代人には、その感覚が掴めませんが、美味しい料理が、この地にあるのは仏恩の賜物であることは間違いありません。

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こけし屋とカルヴァドスの会

写真展「こけし屋とカルヴァドスの会」展を拝見してきました。
「カルヴァドスの会」とは、弊ブログの2015年12月13日号に書きましたが、
西荻窪のフランス料理店「こけし屋」さんを会場として、昭和24年から58年まで、中央線沿線の文化人が集まって交遊を楽しんだ会のことで、先代社長の故・大石総一郎さんがライフワークとして関わった会でした。
メンバーは、評論家の古谷綱武、ドイツ文学の高橋健二、仏文学の小松清、作家では細田源吉、福田清人、上林暁に横尾泥海男、元スペイン公使須磨弥吉郎氏など。ほかに会社重役、商店主など自称文化人(?)も加わり、大盛況だったそうです。
その様子を撮った約800枚もの写真が遺されていて、その写真が2015年に本になりましたが、配布されたのは関係先だけでした。
それを今回は展示して広く一般に見せようというものです。「こけし屋」さんの創業70年を記念して開催されています。
本の時も感じましたが、私はまず、場としての飲食店の理想形だと思います。
また戦後の、東京郊外の自由な空気や熱気が伝わってきます。逆に言えば、この頃は下町は勢いがありませんでしたね。
皆様も是非ご観覧を。
会場は「こけし屋」さん(西荻南3-14-6)の別館2階にて。9月2日まで。

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