いよいよ刊行~『日本のごちそう すき焼き』

単行本『日本のごちそう すき焼き』が、いよいよ明日11月19日刊行されることになり、それに先立って、メデイア発表会を開催しました。

会場の新橋『今朝』さんには60人以上の、メデイア関係者とすき焼き店主が集まって大盛況。

すき焼きの本の発表ですから、もちろん発表会だけで終わるわけには行かず、会費制ですが、すき焼き懇親会も開催させていただきました。

『今朝』店主のFJ森さんはじめ、スタッフの皆さんには大汗かいて、ご尽力いただきました。本当にありがとうございました。

時に、この本は「まるごと、すき焼き大全」とも申すべき本です。

食文化研究家の向笠千恵子先生が、すき焼きという面白き食べ物について語り尽くした7章と、

全国の、有志のすき焼き店主31人が、自店のすき焼き自慢を3ページずつ書いた部分の二部で構成された本で、

この十年の「すきや連」活動の集大成とも言える本です。私も勿論執筆に加わっています。

読めば、まずすき焼きの薀蓄が豊富に手に入りますが、おカタいばかりの内容ではなく、

全国のすき焼き店を多数のカラー写真を使ってガイドしてあり、実用本の要素も取り入れております。

31人のすき焼き店主は、私が一人ずつ口説いて回り、今回の刊行事業に参加してもらいました。

「すきや連」活動を続けてきたおかげで、それが可能となりました。

ですので、この本は私と「すきや連」の、この十年間の日々そのものです。

料理屋という職業は、あまり形になる物を遺しにくい職業ですが、今回私はこの本という宝物に恵まれました。本当にラッキーだと感じております。

明日11月19日に刊行されますので、是非是非お求めください。

 

A5版 224ページ(カラー112ページ)

ISBN9784582836752

定価税込1.944円

弊店の店頭でも販売しますし、こちらからでもネットで購入できます。

 

是非。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.723日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

パワースポット

「東都のれん会」の研修旅行で出雲大社を訪ねました。

六十年に一度の遷宮が去年終われましたが、「ご成婚」の影響なのか、大社を始め出雲ノ国の観光地は、どこも大盛況・大混雑でした。

パワースポット・ブームはまだ終わっていないのですねえ。

最近では「御朱印」を集めて周る女子会があるとかで、「御朱印」の受付には長い列が出来ていました。

最近、日本人の気分が変わったのかもしれません。

東日本大震災や、うち続く異常気象を目の当たりにして、自然を畏敬する感情が湧いてきた方が多いのかもしれません。

特に社長などをしておりますと、どうしても、

店と従業員を、どうか護り賜え。

という気分に成ります。

たまに祈らないことには、一年中不安な気持ちで過ごさねばなりませんから、神様に詣でることは精神衛生上良いことだと言えます。

特に私のような小心者の者には、そうした機能=まあ、鎮静剤のようなもの=は在り難いものです。

いったい、ギリギリの効率性を追求している社長さんなんてのは、内心どんな気分なのか、私には恐ろしくて恐ろしくて想像もつきません。

たった一人の従業員に店を任せている、その時間帯に何か天変地異が起きたら、一体どうなるんだろう!と思うと居ても立ってもおられないというのが、私あたりの神経なのですが、おそらく成長する会社の社長さんは神様など必要ないのでしょうね。

結局薬局、私は神様必要派です。

それだけに、神社の周りをあまり観光地っぽくして欲しくないです。

まあ、この話しは、浅草の人間が強く言える内容の話しではないですけどね。

話しは参拝した時の様子に戻りますが、出雲は神職の方が随分と親切でした。御垣内で我々に詳細に説明をして下さいました。

あそこは神聖な場所ですよね。ご本殿を前にして縷々説明して下さり、ちょっと驚きました。

なんでも出雲の遷宮は伊勢の遷宮と違って、作りかえではなく修理であるとか、本殿の軒の厚みには下から見た時美しいように、遠近法が知られいない時代に遠近法のような手法を使って作られたとか、説明して下さいました。

ふーん、へええ。

でも、

もう少し怖くして欲しいというか、虐めてもらっても良いような・・・

なんだかMっぽい気分。

あ、それは広島のミヤザワ先生だったか。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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営業再開

新築オープンを控えた「かんだやぶそば」さんを「励ます会」に行って来ました。

「やぶ」さんの店舗は、関東大震災後に建築された数寄屋造り・木造2階建ての建物で、東京都から「歴史的建造物」の指定を受けていましたが、ご存知の通り、昨年2月の火災で一部を焼失してしまいました。

火災の翌日私も様子を見に行きましたが、外見上大火には見えず、取り壊しはしなくて済むように見えました。

しかし、結局旧店舗を取り壊して新築。

1年半以上時間がかかりましたが、今年の10月20日に営業を再開する運びとなりました。目出度いです。

参りますと、外観は一変していました。

これまで「やぶ」さんと言えば塀が目印でしたが、その塀は取り払われ、道路と店の間には植栽が植えられていました。大イメチェンですね。

「街と共に在りたい」という理念を体現したら、こうなったのだとか。なるほど。

店内は、新店舗なのに何十年も営業していたかのような落ち着いたムード。いいですね。

この御店の正式オープンに先だち、「励ます会」は、スタッフの皆さんの練習もかねて開催されたものです。だから料理の注文は事前に統一せず、その場で卓ごとに個々に頼むやり方。

これを機会に新しく採用された方もいるようでしたが、危なげなく対応できていて感心しました。

ご繁盛を心より祈念致します。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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地酒まつり2014

「茨城地酒まつりin花やしき2014」に参加してきました。

この催事は、茨城県酒造組合が主催していますが、夜の遊園地で日本酒を飲みまくる、という、なかなかエキサイテイングなイベントです。おカタい組合の行事とは思えません。

今年で4回目。

地震の年の春に第一回が予定されていたのが、いったん延期となり、その年の秋に第一回が開催されました。以来応援させていただいております。

浅草料理飲食業組合の組合長が乾杯の発声をするのが恒例ですが、今回はご都合がつかず、不肖・私が代打をさせていただきました。

「〆の言葉」だったら、ゼッタイお請けしませんけどね、だって呑めませんから。

さて、茨城県は関東一の酒どころ。28蔵が浅草の花やしきに集結しました。

全国的にも、新潟・福島・長野にはおよびませんが、酒蔵が多いところです。

最近は地元産の米を使ったお酒を造る試み(=「ピュアいばらき」)に熱心。

石岡市など一部の自治体では、乾杯で地元の酒を飲むことを義務づける「乾杯条例」を制定する所もあったりと、実に結構と思います。

この催事が5回、10回と浅草に定着したら良いと思っています。

うーい、ひっく。

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大津島

山口県大津島の「回天記念館」を訪ねました。

「回天」とは言うまでもなく、太平洋戦争中の「人間魚雷」です。

魚雷を、人一人が乗れるように改造した「回天」は潜水艦に搭載されて、そこから敵艦に体当たり攻撃をしました。勿論生還を期すことはできません。

隊員達は、その特攻に出る前、壮行会ですき焼きを食べて、その後出撃して行くのが恒例だったと聞きます。

隊員達とすき焼きの話しは、以前このブログの5/23号に書きましたから、そちらをご覧いただきたいのですが、とにかく一度訪ねてみたいと思っていました。

そうしましたら、最近、国際観光日本レストラン協会の会合が広島であり、会合のついででは英霊に恐縮なことと思いましたが、思い切って、お訪ねすることにした次第です。

新幹線で徳山に着き、島に渡りますと、島の空気はいたって静かでしたが、記念館の館内は盛況。防衛大学の学生さんが研修に来ていました。

学生さんの間をぬって、すき焼きの話しの主人公・おしげさんに関する展示を拝見しました。

島の対岸の、かつて軍港の在った徳山にも行ってみました。

壮行会の料亭「松政」はわりあい駅の近く。残念ながらその後廃業してしまって、現在は駐車場でした。

日露戦争の総参謀長・児玉源太郎の銅像がたつ児玉公園にも行ってみましたが、その頃には、もう遅い時間です。

良い子は酒を飲む時間ですねえ。

瀬戸内と言えば魚。魚と言えば酒。

私もたまには魚を食べるんです。

名物の瓦蕎麦=熱した瓦の上に蕎麦が載せてある、も初体験。

うん、実に結構。心に沁みる酒でした。

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巨人ファン

知り合って15年以上たつ方が、大の巨人ファンだったと知りました。

その方は最近社長職を御子息に譲って会長に成られ、その新社長が業界の会合に顔を出すようになったのですが、そんな会合での雑談で、

父は熱狂的なものですから・・・

と聞かされたのです。初耳でした。

周りの人にも知っていたか聞いてみましたが、僕も初耳だなあ、という反応。

ふーん。

大人の常識として、政治・宗教・野球の話しはNG!というのがありますが、実践されていたんですねえ。

この常識の存在自体を私は最近すっかり忘れていました。

忘れた原因はSNSです。FBを見ていますと、野球の応援を趣味にしている方は、その話題ばっかり。政治的信条を表明しておられる方も少なくないです。だから3つのNG話題の件は、すっかり忘れていました。

でも、慎重に考えますと、やはり野球の話しは控えておくのが賢明かもしれません。少なくとも、人様とリアルに面会する場面では。

特に巨人は金満球団のイメージが濃過ぎますからねえ、地方球団のファンから見たら、にっくき存在でしょう。

昨秋の巨人VS楽天の日本シリーズの最中に巨人を応援することは、全ての東北の人達を敵にまわすことと同じだったと思います。

先輩の常識・知恵には学んでおこうとあらためて思った、天麩羅屋さんでの会合でした。

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すき焼き応援県

報道によりますと、

「群馬県は農畜産物を通じて群馬の魅力をPRしようと、生産量が全国一のこんにゃくや、県産の牛肉などの食材を使う料理にちなんで「すき焼き応援県」になると宣言しました。」

「10日、群馬県庁で開かれた会見には、県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」も駆けつけ、県の担当者が、品質の高さで知られる県産の牛肉「上州和牛」や、生産量が全国一のこんにゃく、それに独特の甘みがあるねぎといった群馬県産の農畜産物を紹介しました。」

「そして、こうした食材が使われる代表的な料理が「すき焼き」であることから、群馬県では「すき焼き応援県」になると宣言しました・・・

弊ブログの読者の皆さんは「応援県」って、何? とお思いですよね?当然の疑問です。

「すき焼き県」でなくて、「すき焼き応援県」と名乗るのには大人の事情がありまして、実は群馬県民自体があまりすき焼きを食べないのです。牛肉消費量の県別ランキングでは群馬は45位なのです。

ちなにみ上位は奈良⇒京都⇒大阪⇒和歌山⇒広島と関西が並んでいます。東日本では12位の山形が最高です。

群馬は自分達が食べておらず、しかし生産頭数は多い県=生産サイドなんです。そういう次第で「すき焼き県」とは名乗れず、まあ、要するに、この「宣言」は県産品セールスの新手の手法と申せましょう。

私はと申しますと、この話しに協力しつつ苦言もする、という立場です。なにしろ県を挙げて「すき焼き!」という話しは今までなかったですし、群馬県の現場や県庁に知人が多いですからね。応援しないといけません。

「苦言」をこの場を借りて申し上げれば、とにかく県民がまず食べましょう!ということです。

食べなきゃ、味なんて分かりませんよ。

報道には「品質の高さで知られる県産の牛肉「上州和牛」」とありますが、申し訳ないですが、日本のトップレベルではないです。東日本で消費量首位の山形の方が、よほど肉の味は良いです。

おそらく群馬は宣言してしまってからレベルを上げるお考えなのでしょう。それも、まあ、一手ではありますね。

頑張って下さい。

 

追伸、

9/23は火曜日ですが祝日ですので臨時営業いたします。どうぞ、ご利用下さいませ。

 

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飼料米

円安で困っているのが畜産業界です。

実は畜産業界はエサの相当部分を輸入飼料に頼っていて、円安に成れば、その飼料価格が高騰します。当然経営が苦しくなる、というわけです。

カロリーベースで見た日本の食料自給率が低い理由も、これです。

「畜産物については、国産であっても飼料を自給している部分しかカロリーベースの自給率には算入しないこと」がカロリーベースの考え方ですので、経済学者の野口悠紀雄先生のように、「カロリーベースの食料自給率向上」は政策目標として無意味であると主張している方もおいでですが、その話しはさて置きまして、今日は飼料が輸入ものばかりである件です。

輸入飼料のメインは、アメリカ産のトウモロコシです。はっきり申しまして日本の畜産農家はアメリカさんの上得意先に成っているのです。

この状況を直そうとすれば小浜さんの逆鱗に触れる可能性もあるわけで、政府中枢は自給率を上げたい!と言いつつ、実は内心本気ではないのだろうと思います。

政府がおよび腰でも地方では、輸入飼料を減らす試みが始動しています。

先日伊勢の帰りに松阪に寄り、三重県畜産研究所の所長さんにお目にかかりましたので、

最近はどういう研究をなさっておられますか?

とお尋ねしましたら、最近は飼料米ですね、というご返事でした。

松阪だけではないのですが、国内で唯一自給可能な作物である米を飼料にする動きが、このところ盛んです。

減反政策によって生産者が作りたくても自由に米を作れない状況にあり、耕作放棄農地が増えている位ですから、それを転用するのは勿論善いことです。

しかも米のような純度の高いデンプンを与えると、トウモロコシと比べて、肉に含まれる脂肪の融点が下がる、という研究結果があります。

脂肪の融点が下がる!⇒食後にモタレない!ですから、「ちんや」としては大歓迎ですね。

しかしです、やはりコストの問題は大きいようです。

アメリカの大平原で大量に育てられたトウモロコシよりは、どう考えても日本の米は高いです。それに牛さんは固い米を食べたがりませんから、粉砕したり蒸したりしてから与えるという手間がかかります。それも当然コストです。

結局薬局、高いコストを負担してもOKな産地=つまりブランド力のある産地で飼料米の研究が進んでいる、というのが、アバウトな現状でしょう。

飼料米導入は善いこととは思いますが、万々歳ではないですね。

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.633日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

伊勢の肉

この原稿がUPされる頃、私は伊勢市「豚捨」さんでの、第18回「すきや連」を終えていると思います。

もう18回目となる「すきや連」ですが、8/5久しぶりに三重県へやって参りました。松阪の「和田金」さんで開催して以来ですね。

え? すき焼きの会なのに、豚の店で開催するのか、って?!

それがですね、「豚捨」という屋号の、牛の店なのです。

御店の公式サイトによりますと、

「明治42年、業豚を飼っていた捨吉という男が食肉店をはじめた。

人呼んで「豚捨…ぶたすて」。それがいつの間にか屋号になった。

ところがおかしな伝説も生まれた。

この店の牛肉があまりにもうまいから「豚なんか捨てちまえ!」と客が豚肉を投げ捨てた。

というのが豚捨のはじまりだという。」

まあ、牛が旨ければ、良いじゃないですか!

ところで、「豚捨」さんは「伊勢肉」の御店です。

もともと三重県には「伊勢牛」と「伊賀牛」しかなく、「松阪肉」は「伊勢肉」に入っていました。

明治10年頃、伊勢市田丸町(現在の玉城町)に居た牛追い達が牛を商いながら遠征し、それが勇壮な様子であったことから「伊勢肉」の名は全国に知れ渡りました。

しかし、その後昭和10年頃から「松阪牛」の呼称が登場して、コンクールで優勝するなどして有名になりました。

戦後昭和35年頃から「松阪牛」は、独自のブランド管理を推進し、各地の食肉店で「松阪肉」の看板をあげる店が増えてきました。

伊勢市は、この局外にあったので、どうもブランドとしては、影が薄れてしまいましたが、美味しくないわけではありません。

「豚捨」さんは、創業以来この「伊勢肉」を守り続けておられます。

帰京しましたら、今回の「すきや連」の様子もご報告しますね。御期待下さい。

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

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地ソース

ソースの話しを聞きました。

ソースには日頃あまり御縁がない私ですが、その講演の会場が「ちんや」の真裏の、もんじゃ焼き屋「おすぎ」さんで、「遠州焼き」が食べられると聞き、参加しました。

「遠州焼き」とは、静岡県の山間部の窯元で生産されている、釉薬を使わない焼き締め陶器のこと、では勿論なく、浜松市で食べられている、お好み焼きの一種です。

お好み焼きに沢庵漬け、紅ショウガ、ネギを入れるのが特徴です。

なぜ沢庵が入るかと申しますと、浜松市で「三方原大根」の生産が盛んだからです。キャベツがそれほど普及していなかった頃、浜松の人々には大根の方が一般的だったようで、

話しをして下さった「トリイソース」三代目の鳥居大資さんの御先祖も大根を作っていたそうです。

さてさて、「トリイソース」さんは、原料の野菜も、香辛料も、砂糖も厳選されていて、また食育を通じた地域貢献にもご熱心で素晴らしいのですが、その詳しい説明は公式サイトに譲るとしまして、私が興味を持ちましたのは、木樽です。

トリイさんはソースの熟成を、創業時から使い続ける木の桶で行っているのです。

90年使い続けている桶なので、そこにはこれまで幾度と無く作られたソースの味が加わっていて、それでまろやかな味わい深いソースが出来上がる、という次第です。

「当社のソースの味は、当社だから出せる味だと自負しています。」と言い切れる根拠が、これです。

ふむふむ。

トリイさんは、この味わいを化学的にも立証しようと企てて、それは今のところ上手くは行っていないようですが、しかしソースを飲んでみれば分かります。

え? ソースを飲むのか って?!

ええ、そうですよ。飲めます。ムセません。ぐいぐい飲めます。これを酒肴にして酒が飲めます。

実に結構なソースでした。

追伸①

「ちんや」は誠に勝手ながら7/28(月)から7/31(木)まで夏季休業をさせていただきます。ご諒承下さいませ。店は休みますが、弊ブログは「予約投稿」により、休まず更新してまいります。

追伸②

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.613日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

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