おいしい夏休みー親子体験食味学習会④

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 今回は、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんをお招きして、「強い体づくりと食事」について、お話しいただきました。

 なにしろ、あのアンデイ・サワーを倒した男です。子供たちもチャンピオンの話しを興味津々で聞いていました。

 大変良い御話しでしたので、このブログでも公開しようと思います。ご覧下さい。

<以下、お話しの録音>

 ただ今ご紹介頂いた、シュートボクシング協会の緒形健一です。

 シュートボクシングは、パンチ、キックに加えて、投げ技や立っている状態での関節技が認められた立ち技何でも有りの格闘技です。

 シュートボクシングには日本をはじめ世界各国に色々な選手がいますが、シュートボクシングのS-cupという世界トーナメントで3回、そしてK-1MAXでも2回チャンピオンになっているオランダ支部のアンディ・サワーが、皆さんが一番知っている有名な選手だと思います。

 僕は2006年のS-cupで、そのアンディ・サワーを決勝戦で倒してチャンピオンになりました。

 今後、皆さんにシュートボクシングをより深く知っていただいて、若い頑張っている選手たちを応援していただければと思います。

  今日は「食育」ということですが、あまり長く話しても、今から折角すき焼きが出てきますし、小一時間位ゆっくりと話をさせていただければと(笑)―それは冗談ですが、大体10分くらい、いやいや、それも冗談で5分くらい、5分だけ話しますから集中して聞いて下さい。

 僕たちは格闘技という身体を使うスポーツをやっているので、その必要性から栄養については色々と勉強をしています。まず食べ物には「三大栄養素」というものがあります。

 「三大栄養素」には、まず炭水化物=ご飯や蕎麦、饂飩などのいわゆる主食。2つ目に脂肪=油、マーガリンとかバターなどの脂分があります。そしてタンパク質=お肉やお魚、豆などがあります。

  まず炭水化物というのは、簡単に例えると、車で言うところのガソリンの役目です。そのガソリンを入れなければ車が動かないように、人間も炭水化物を摂取しないと活発に動けません。

 そして脂肪は、そのガソリン=炭水化物が無くなった時に使われるエネルギーで、必要のない時は摂取し過ぎるとお腹の肥満などにつながってしまうのですが、必ずしも悪いものでは無くて、人間が生きていく上では実は重要な成分なのです。でもあくまでも摂り過ぎは禁物です。

 最後にタンパク質は、身体、車でいったらボディーを作る成分で、筋肉になります。より強くたくましい身体を作るためには、効率よくたくさん摂取しなければなりません。

  僕たちは試合前には減量というのがあって体重を10キロぐらい落とすのですが、その時に脂肪をとると太ってしまうとか痩せないんじゃないかと思ってしまわれるお母さん方もいらっしゃると思うんですが、そうじゃなくて、ある程度減量していくと、今度は少し脂肪分を身体に入れてあげないと逆に脂肪が燃焼しないんです。

 炭水化物もタンパク質も脂肪も完全に摂らないようにするのではなく、上手にバランス良く摂取しないと身体の動きが悪くなって代謝が落ちて元気も出なくなってしまいます。

 その中でも減量中に僕たちが一番大切だなあ、と思ったのは肉です。お肉って食べると太ったりするイメージがあると思うんですけど、それは逆で、食べないと脂肪は燃焼しないんです。脂肪燃焼にはお肉に含まれるカルニチンという成分が非常に重要なんです。

  僕たちの練習サイクルは、昼に3時間、夜に3時間の一日約6時間程度で、試合前の減量中などは水も控えた状態で凄くキツい練習をやります。一回の練習で3キロぐらい落ちるので、2回やれば約6キロぐらいの水分が身体から汗となって出て行くんですが、試合前は肉体だけではなく精神的なプレッシャーや不安との闘いで気が滅入りそうになったりすることもあります。

 その時に多少でもお肉を食べると、やっぱりタンパク質は勿論、色々なビタミンも含まれているので凄く元気になれるんです。

 皆さんは、恐らく一日に2回から3回食べたい時に食べる普通の生活をされてるので分かりにくいかもしれないですが、僕たちは約一カ月の減量期間中に10キロぐらい体重を落としていく中で、食べたり飲んだりする口に入れる物に対して「あ!これってこんな効果があるんだ」とか「これはこのタイミングで食べると太るんだ」ということを実体験として体感できるんです。

 感覚が研ぎ澄まされていくので、極端な話、ただの水でも美味しかったり不味かったりを凄く敏感に感じとれるようになります。

  ご飯も美味しいし油を使った料理も美味しい。それぞれ全て身体に必要な栄養分なのですが、その中でもやっぱりテキメンに効果を感じるのはお肉です。さっきも言いましたが、お肉というのはビタミンやミネラル、アミノ酸の成分などが凄くやる気を出させてくれますし、スポーツマンにとって必要不可欠な筋肉も作ってくれるのでとても重要です。

 今日は、小さいお子さんもたくさん来てますけど、皆さん成長期で一番重要な時期ですから、とにかく偏らずにバランス良く栄養を摂ることを心がけてください。例えば、いい大工さんがいてもいい材料がないと家を作れないのと同じで、とにかく成長期にお肉を食べて栄養を摂取してたくさん練習しないと強い体を作れませんからね。

 最期になりますが、僕は山口県というところの出身で、8歳までは下関市という、山口県でも都会に住んでいたのですが、9歳からは海と山しかない、長門市の油谷町というところに引っ越しました。

 それまでは、お父さんお母さんに「食べ物を残しちゃダメ。食べられない人もいるんだから、感謝して食べないとダメだよ」と言われて、「うん、分かった」とは返事しながらも、自分が毎日何不自由なく食べることが出来ていたからそのありがたみを良く理解してなかったんです。

 食べものは、なんでもスーパーで出来て売ってる物だと思っていたし、袋や箱に詰めてあるのが当たり前だと思ってました。

 だけど田舎に越した時に、お父さんお母さんが農業をやり始めたんです。種植えをして、稲穂を育てて稲刈りをして米を作る。みんなで汗かいて、僕も頑張ってお手伝いをしました。最初は疲れるし嫌で嫌でしょうがなかったんですけど、そのうち、自分で植えた種から芽が出てきて、それを育てて獲って精米して苦労して作った米を口にした時に、すごく美味しくて感動したんです。

 その時に「食べ物って本当にありがたいなあ」って心から思ったんです。食べ物って始めから袋やパックに詰められて売ってる物なわけじゃなくて、こうやって色んな人が苦労して育てて作るものなんだな〜って理解して感謝する心が生まれたんです。

  今、シーザージムのキッズ練習生たちにも農業体験を希望する子たちには参加してもらってますけど、年に数回ですが、そういうことを是非学んでほしいなと思ってます。それで食べ物に対して感謝する心を養ってもらえたら最高です。だからみんなも、ご飯を食べる時はいつも感謝の気持ちを持つようにしてください。

 そして好き嫌いなく、色んな食べ物をバランスよく食べて、ジムでたくさん練習して強い身体を作ってほしいと思います。ちょっと短いですけど、以上、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

 <緒形さんのお話し終わり>

 なお8/21当日は、緒形さんに続いて、私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その内容は、このブログの8/22〜8/24号で公開済みです。あわせてご笑覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*シュートボクシング協会については、こちらです。

おいしい夏休みー親子体験食味学習会③

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開しています。今日は、その第三回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

 <以下、講演台本>

 さて、おじさんのやっている、「ちんや」っていう、この店も、そのころにできたお店です。江戸時代には、ペットショップをやっていて、狆(チン)ていう種類の犬を売るお店だったので、それで「ちんや」って言うんですが、明治時代になって、商売の種類を変えました。すき焼きが発明されて、皆が喜んで食べている姿を見て、狆を売るのをやめて、すき焼きを売ることにしたんですね。

 それはなんででしょう?その理由の一つは、関所がなくなったことです。明治時代の前の、江戸時代には、日本人は自由に旅行をできませんでした。関所があって、こわいお侍さんが番をしていて、行き先とか、なんで旅行をしているのか、とかを、そのお侍さんに説明しないと、通れなかったですが、明治時代になって、やっと自由に旅行をできるようになったんですね。

 それで浅草の観音様をお参りするために、日本中からたくさんの人がやってくるようになりました。さらに、そのうちに蒸気で動く船や鉄道もできて、旅行がすごく便利になりました。だから、お参りの人がどんどん増えたんですね。

 旅行してきた人には、泊まるところと、それから食べ物を食べさせてくれるところが必要ですね。そして、どうせ、食べるなら、流行ってる料理、つまり、すき焼を食べてみたい、ってことになったわけです。

 そこで、おじさんのご先祖様は、すき焼屋をはじめたらたぶん、うまくいくだろう、って考えたわけです。そういう考え方を「創業家精神」って言います。つまり世の中の流れを見て、見通しを立てて、この商売はうまくいくだろう、って信じたら、チャレンジしてみる、という考え方の人を「創業家精神のある人」って言います。

 逆に、うまくいくかどうかわからないから、失敗して損するかもしれないし、やめとこう!っていう考え方の人を「創業家精神のない人」って言います。

 おじさんのご先祖が「創業家精神のある人」だったので、ここにこうして、すき焼屋があって、皆さんは、すき焼を食べられるんだって思っていただきたいと思います。はい、これで、皆さんは、いつからこの場所に、すき焼屋があるのか、どうしてあるのか、っていう、そのわけがわかりましたね。

 そういうことを、考えながら、すき焼きを食べると楽しいですよね。

 それでは、最後にポイントをまとめてみしょう!

① 明治時代になって、法律が変わって牛肉を食べて良い、ということになりました。

② 法律が変わった理由は、お肉を食べて、日本人の体が大きくなるように、っていう理由でした。

③ その時、お肉を食べる、っていう西洋の習慣を採り入れたわけですけど、でも食べ方は、頭の良い人が、日本の昔からの料理の方法を応用して、すき焼きを発明しました。それから、

④ その発明された料理(=すき焼き)を使って商売をしてみよう、っていうおじさんのご先祖様のような、「創業家精神のある人」がでてきました。

  この4つがそろって初めて、皆さんが今いる、すき焼屋さんができた、っていうのがポイントです。

  どうです? 勉強になったでしょう! オトナの諸君。

(私の話しは、これで終わりです。明日は王者・緒形健一さんの話しをUPします。)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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おいしい夏休みー親子体験食味学習会②

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開しています。今日は、その第二回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

 <以下、講演台本>

 それで、なんで西洋の人は体が大きいんだろう、不思議だな、って思って調べてみたら、牛肉を食べているからだ、っていうことがわかったんです。緒形先生も言ってますけど、お肉を食べないと、人間の体が成長しませんね。そういうわけで、明治時代に法律が変わって、日本人も牛肉を食べていいですよ、っていうことになりました。

 そうすると、お坊さん達と仲良くできなくなりますけど、日本が征服されると、そっちの方が困りますから、しょうがなかったんですね。

 さて、そういうわけで、牛肉を食べていいですよ、っていうことになったわけですが、ここで日本人が困ったのは、お肉をどういう味つけで食べるか、ということです。今までお肉を食べてなかったので、食べ方を発明しないといけなかったんです。

 この時はちょっと困ったんですけど、うまいことに、この時代の人で、すごく発明の上手な人がいて、牛肉のおいしい食べ方、それも日本人がスゴクおいしい!って感じる食べ方を発明したんですね。誰が発明したか、というのは、実はよくわからないんですが、それがすごく良いやり方でした。

 さて、ここで次のクイズですが、明治時代に発明された、お肉のおいしい食べ方っていうのは、次の内のどれでしょう? ステーキですか、しゃぶしゃぶですか、すき焼きですか?

 はい、その食べ方がすき焼きなんです。どういう風に作るかって言うと、お肉と、醤油と砂糖を一緒にして、火にかけるっていうやり方です。そうするととてもおいしい料理になります。例えば、親子丼を好きな人はいますか!はい、親子丼も、鶏という動物の肉と味付けは醤油と砂糖ですね。だから、この味付けとすき焼はだいたい同じ食べ方です。

 江戸時代に、牛肉は食べちゃダメ、っていうことになっていたんですが、鶏肉は食べても良かったんですね。だから日本人は鶏肉のおいしい食べ方を知っていて、その食べ方を大好きだったんですね。だから、明治時代になって、牛肉を食べてよい、どんどん食べましょう、っていうことになった時に、日本人は、日本人が昔から好きだった料理の仕方を応用して、牛肉を食べるようになったわけです。

 食べ物以外のことでも、日本人は江戸時代から勉強家で、いろんな基礎の勉強ができていましたから、明治時代になって、西洋の人から新しく、知らなかったことを教えてもらった時に、それと組み合わせることができたんですね。つまり、応用問題もできたんです。スゴいでしょう?これが日本人の偉いところです。

 ステーキは西洋人と同じ食べ方ですが、最初日本人はあまり好きでなくて、すき焼きの方が好きだったようです。しゃぶしゃぶは、ずっと後になって始まった食べ方です。その前に日本人は、昔からやっていた、料理方法の応用問題で、すき焼っていう食べ方を発明したんですね。ここが、今日のポイントですから、覚えて帰りましょう。 

 日本人は、明治時代になって、昔から知っていたことや知っていたことやり方と、新しく西洋人から習ったこととを結びつけました。これがスゴクうまくいったんです。いろいろな分野でそういうことがありましたが、一つの見本がすき焼き、っていう料理の発明でした。覚えましたか、ここが日本人の偉かったところです。

(小さいお子さんの集中力は、この辺りが限度でしょう。だから、8/21の私の授業はこれで終わりにしました。でも、もう少しお話ししたいことがあって原稿を作りましたので、このブログでは、その、当日はお話ししなかった部分も続けてUPします。明日は、その原稿です。まだ続きますが、今日はここまで。)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。「ちんや」だけでなく、他の加盟店でも「親子体験」が開催されます。「ちんや」の回(8/21)は終了しましたが、まだ他の御店には空きがございます。お申し込みは、こちらへどうぞ。

*シュートボクシング協会については、こちらです。

おいしい夏休みー親子体験食味学習会 開催しました

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開します。今日は、その第一回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

<以下、講演台本です>

 はい、それではおじさんが、すき焼きっていう料理を、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか、お話ししますね。

 おじさんの話しは、それほど長くなくて、時間は10分くらいですから、学校の1時限よりずっと短いです。クイズをやりながら進めていきますから、そのクイズの問題と答えだけ覚えれば、後でお友達に自慢できるようにしてあげます。ちょっと我慢して聞いてて下さいね。

 いきなりクイズです。日本人は何時代から、お肉を食べるようになったか、知っている人は手を挙げて下さい!お父さん、お母さんは知っていても手を挙げちゃだめですよ!(笑い)すごいね。たくさん手が挙がりましたね。たくさん、手を挙げてくれて、ありがとう。じゃあね、そこの元気のいい僕、大きい声で、皆さんに教えてあげようか。

 「明治時代です!」はい、ありがとう。大正解ですね。皆さんわかりましたね。日本人が、牛肉を食べるようになったか、明治時代っていう時代からです。今日はまず、明治時代っていう、言葉を覚えて下さい。

 はい、次のクイズです。その明治時代っていうのは、今から何年くらい前に始まった時代ですか? 正解は142年前に始まったんです。今、一番長生きしている、おばあちゃんが113歳だそうですから、そのおばあちゃんのお父さん・お母さんが生まれた頃に始まったのが、明治時代です。はい、どのくらい昔の話しか、わかりましたね。

 では、なんでそれより前は、日本人がお肉を食べなかったか、わかりますか?

 それは、明治時代より前の時代に、政治家の人と、ある人達の仲が良かったからです。ここが3番目のクイズですが、その、政治家の人と仲が良かった人達っていうのは、誰ですか?はい、正解はお寺のお坊さんです。

 明治時代の前は、江戸時代っていう時代でしたが、江戸時代には、政治家の人は、お坊さんの言うことを政治に採り入れていたんですね。

 お坊さんは、生き物を殺して食べることを、「殺生」って言いますが、そういうことをしたら「ダメ」って、お坊さんはいつも教えていますから、それがそのまま日本の法律になって、全部の国民が牛肉を食べちゃダメっていうふうに決められていました。そういう風に決まっていたのが江戸時代っていう時代です。

 さて、政治家の人とお寺のお坊さんの仲が良くて、政治家がお坊さんの言うことを良く聞くと、世の中が平和になりますよね。だから江戸時代はとっても平和な時代でした。ところが、時代が変わって、明治時代になると、今度は政治家の人は、江戸時代の政治家と違って、たとえ、お坊さんの言うことを聞かずに、仲良くできなくなっても、日本人はお肉を食べた方が良い、って考えるようになったんですね。

 そう考えたのは、なんででしょう?それは、その頃の日本人の体がとても小さかったからなんです。誰と比べて小さかったのか、はい、ここがクイズです。考えてみて下さい。

 それは、西洋の人達です。江戸時代の最後の頃に、アメリカとかイギリスとかロシアとか、西洋の人達が、日本にやって来るようになったんですが、その人達とおつきあいするようになって、日本人は、西洋の人達はみんな体が大きい、っていうことに気がついたんですね。

 そして、これはどうもマズいって思ったんです。体が小さいとケンカをした時負けてしまいますね。この頃、西洋の国は軍隊が凄く強くて、中国とか、ベトナムとか、シベリアとか、日本の隣の国を、どんどん征服してたんですね。だから、政治家の人は、日本も軍隊を強くしないといけない、そのために日本人の体を大きくしないといけないって思ったんです。

 それで、なんで西洋の人は体が大きいんだろう、不思議だな、って思って調べてみたら・・・・

*まだ続きますが、今日はここまで。続きは明日UPします。

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*「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。「ちんや」だけでなく、他の加盟店でも「親子体験」が開催されます。「ちんや」の回(8/21)は終了しましたが、まだ、他の御店には空きがございます。お申し込みは、こちらへどうぞ。

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肉食女子、草食男子

 関西の大学にお勤めの、S先生がゼミの学生20人を引き連れて来店されました。ゼミの東京旅行の、打ち上げ宴会だそうです。

 S先生の、ゼミの学生さんには、ここ数年、毎年この時期にお越しいただいています。

 S先生は、東京のご出身で、実は私の先輩です。

 私が現役の学生の時、S先生はまだ大学院生で、同じ指導教授に師事していたので、私達・現役のゼミにも毎回出席されていました。だから、先生と言っても、年の近い先輩です。

 その後私は卒業し、S先生は関西へ移られて、お会いする機会は、一時減ったのですが、そんなある日、店の玄関に立っていると、先生が歩いて近づいて来られました。

 あ、Sさんじゃないですか、お久しぶりです。浅草に何か御用でも?

 「ああ、住吉君、なんて丁度良いんだ、電話しようと思ってたんだよ。実は、ゼミの学生の東京旅行でね、浅草で何か食べさせよう、と考えてたんだ!」

 学生の時は知らなかったのですが、S先生は、本業の御研究とは別に、「食」に興味を持たれて、随分たくさんの本を読まれているらしいのです。専門家でもないのに、食品添加物のことなど、やたらとお詳しいのでビックリしたことがあります。

 「なにしろ、学生がヘンな物ばっかり食べるんだ。それに、味覚もゼッタイ変だよ。たまには、ちゃんとした物を食べさせないと、ヤバいと思うよ、ホントに。是非、オタクに頼むから、よろしくお願いします。」

 思いまするに、「食」の領域には、その人の価値観が表れます。

 安くて便利に腹を満たせれば、それでOKという人=経済性至上主義の方が多数いる一方で、S先生のように、市場競争社会の中でも、多様な価値観が表現された商品が生き残るべきだ、と考えておいでの方もいます。

 そういう意味で、「食」は研究領域として一番面白いかもしれません。S先生が興味を持たれたのは、そういう辺りだろう、と私は思っています。学生さんにも、おわかりいただければ深甚です。

 そんな次第で、ここ数年、学生さんたちをお引き受けしていますが、そんな中で、気づいたことが・・・

 ゼミの中で、女子学生の割合が多い年は、宴会が賑やかで(=騒々しくて)、男子の割合が多い年は、大人しい(!)ような気が・・・

 大人しい年は、学生の宴会というより、お食事会のような風情です。

 酒を飲まない男子も、最近少なくないんだとか。 

   アリ得んテイー!

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Filed under: ぼやき部屋,今日のお客様,食育ナウ — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

記念日割引、創業記念日

 暑さが戻りましたね。夏バテが目前です・・・ さて、

 8月から「ちんや」で「記念日割引」という制度を導入しましたが、先日この制度の、活用例がありました。

 ほとんどの「ちんやメンバーズ・カード」の会員さんが、ご自分の誕生日を、「記念日」として登録される中で、その会員さんは、会社の創業記念日を登録されていました。つまり、その方は創業社長なのです。

 そういう日に、自分が興した会社の全社員を率いて、すき焼き食べに見えたようです。

 「全社員」と言っても、全部で7人の、小さな(と言っては失礼ですが)会社のようですが、この不景気に会社を興すとは、見上げた根性です。

 私は創業社長ではく、後継社長ですが、戦友意識を持たずにはおられません。まだ若い社長さんとお見うけしましたが、社業のご発展を影ながら祈念申し上げます。

 と、念じていたら、同じ日に、別のご入会の申し込みが。

 聞けば、若い男女のお客様で、今さっき、入籍を済ませて(!)、そのままお越しになり、今日を「記念日」として、登録なさりたい、とか。

 ほほお、それはそれは、オメデトウございます。

 今の内だけですよお、ラブラブなのは。

 とウチのヨメが申しておりますが、

 それは、無視していただき、末永くお幸せにお過ごし下さい!

 だって「お幸せ」でないと、使いにくいですからねえ、「記念日割引」が。ひひひひ。

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*記念日割引については、このブログの7/1号をご覧下さい。

*「記念日」を登録できるのは、「ちんやメンバーズカード」の会員様だけです。カードについては、いったんこちらを開けていただき >各種サービスのご案内>メンバーズカードと開けて下さい。

Filed under: 今日のお客様 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (2)

したまち演劇祭開催記念スタンプラリー

台東区役所観光課のMさんが見えました。「したまち演劇祭開催記念スタンプラリー」に必要な、スタンプを「ちんや」へ設置するためです。

  「下町演劇祭」の芝居を観劇されたお客様が、その後「ちんや」で食事をなさったら、演劇祭プログラムの中の「協賛店スタンプ欄」に、スタンプを押して差し上げます。

 スタンプは「ちんや」だけでなく、民間の多数の協賛店に設置されていて、そのスタンプを貯めると、したまち演劇祭記念グッズがもらえる仕組みです。

  この「したまち演劇祭」と申しますのは、台東区が予算を出して民間の劇場を借り上げ、そこを劇団に貸して公演をさせる、というもので、今年が第一回です。公演できる劇団は、公募で募集し、実行委員会の皆さんが選定します。

 結果、8/10〜9/20の間に、区内7劇場で、8劇団の公演が続けて開催されます。町の賑わいにつながれば有り難いです。

  その、劇団の選定をした実行委員会に、台東区アートアドバイザイザー会議でご一緒する、女優の観世葉子さんが入っておられるので、「ちんや」としても、協賛をすることになった次第です。スタンプが「ちんや」へ設置されるのは、そういう流れです。

  それにしても、民間の飲食店にスタンプ設置とは、区役所もくだけて来ました。以前は、

「営利事業所は、区で印刷する地図には載せられない」とか言っておられましたが、今回は、もちろん、プログラムの中の地図に、バッチリ「ちんや」が載っています。

  観光関係の会議で、役所の方と何度も議論しましたが、町おこしや観光は、民間の店ぬきにできません。だと言って、特定の民間業者に役所が肩入れすれば、不平も出てきましょう。難しい課題です。

 今回は、主催者を台東区でなく「実行委員会」名義にすることで、この課題をクリアしています。

  それにしても、天下の色男・住吉屋狆蔵丈に、なぜ「演劇祭」の出番がないのか・・・

 宙乗りくらいやっても良いんですけどね。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「したまち演劇祭」については、こちらです。

酒飲みダイエット、糖質制限食

 7/12の「すきや連」の時、常連の「dancyu」編集長・町田さんから「最近ウチ(=プレジデント社)で、こんな本を出したんですよ。私も登場してます。」と、一冊の本(ムック)を渡されました。

 拝読しまして、うーーーーーん。

 その御本の題は「酒飲みダイエット」ですが、

 「糖質オフ」の食事制限をすることで、糖尿病・メタボやアレルギー体質、アトピー症までも良くなる、しかもその間、一部の種類ですが、酒を飲んでもOK、という夢のような御本なのです。

 「糖質オフ」ならたっぷり食べて、楽しく酒を飲みながら、理想の体型になれる!」とうたっています。

 「糖質オフ」とは正しくは「糖質制限食」と呼ばれる、糖尿病治療のための新しい食事療法だそうで、江部康二先生とおっしゃる病院の院長先さんが提唱しておられます。その監修のもと、今回この療法をダイエットに応用したそうです。

 町田さん自身も糖質制限食の実践3週間で、体重5kg減という実績の持ち主として、この本に登場しています。

 「糖質制限食」の、大きなメリットは、糖質を多く含む食品さえ控えれば、「たくさん食べられ、しかも酒が飲める」こと。これが健康食事法の最新理論らしいのですが、夢のようです。

 ここで、問題つまり、うーーーーーん となるのは、糖質の多い食べ物=制限すべき食べ物です。

  まず、甘いものはもちろん×ですが、いわゆる主食も、米も麦も麺と、全部×です。肉がOKなのは有り難いのですが、

 困るのは、すき焼きのタレが×です。割下と言ってもらいたかったですが、そう言っても×は×でしょうね。糖質が多いそうです。佃煮も×です。うーん。

 それから、すき焼きに合う酒・日本酒が×です。うーん。

 ちなみに、ビールも×、白ワインも×、赤ワインは微妙。

  逆にOKなものとして蒸留酒が載っています。蒸留酒は、ほぼ糖質ゼロの液体で、

「偶然できたのか、人間が意図的に作り出したのかはわかりませんが、蒸留酒は糖質制限食の最高傑作かもしれませんね。」という褒めようです。(江部康二先生のブログより)

 つまり、「楽しく酒を飲みながら、理想の体型になれる!」と行っても、蒸留酒に限るのです。

  どうも、こういう具合に、理論的に説明されると、文科系人間としては、反論できません。弱々しく「食文化もよろしく・・・」とか、「年に1回くらい、美味しいもの、好きなものを食べてはいかが?」と言えるくらいでしょうか。

 この御本は、料理屋にとって都合の悪いことがたくさん書いてありますので、ブログに書くのは躊躇しました。でも、こういう理論・療法が登場しつつあることは、私一人が隠しても、仕方のないことです。

 このブログの読者には、料理関係の方も多いので、あえてご紹介しました。

  いやあ、意地が悪いなあ、「dancyu」さん!

 じゃなかった、間違えた、勉強になりました、「dancyu」さん!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*この本を購入できるサイトへリンクを張るほどの親切心は、私、持ち合わせておりませんが、どうせ検索すれば、すぐ出てきます。どうぞ、ご勝手に。ふん。

3日坊主ウォーキング②

 このブログの7/23号に「このところ、仕事を終えた後、夜10時半前後ですが、ウォーキングをしています」と書きました。

 しかし、それを信じてくれていない方もおいでのようです。

 「もう、そろそろ飽きたんじゃないの?」とか言われますが、

 やってますよ、ウォーキング!

 やってない日以外は。

 やってない日について、釈明いたしますと、どうも、やはり夜のお誘いが問題です。

 隅田川花火大会の日、仕事を終えて、いざ、ウォーキングと思っていると、携帯に着信がありました。「台彪会」でご一緒する、鳥越のG社長からでした。

 「今「フェイク」で「川松」のAK子さんと飲んでるんですよ!」

 Gさん夫妻は、花火の打ち上げ中にもかかわらず、鰻の「川松」さんに入り、私がこのブログの7/27号でオススメした、

「音だけ花火と鰻ナウ」を実行した後、仕事を終えた、「川松」の若女将AK子さんを誘い出して飲んでいると言うのです。

 しかも、飲んでいるバー「フェイク」は「ちんや」から歩いて10秒のところにあります。10分でなく10秒です。この日のウォーキングは順延となりました。

 その翌々日、今度は旧知のT社長が、向嶋花柳界の綺麗どころを伴なって、「ちんや」へ来店されました。ご挨拶申し上げるため、部屋へ顔を出すと、

 「二次会、向嶋だけど、住吉さんも行くよね!」

 しかも、その二次会の御店は、旧知の若女将AY子さんの御店「きよし」さんだとか。

 いや、私は、今日はウォーキングの予定がありますから、遠慮しときます!

 と申すハズもなく、この日のウォーキングも順延となりました。

 どうも、雨天順延と酒店順延を間違えてしまいました。ウとシュは、音が似ているので、間違いやすいですよね。

  苦しいかな、この洒落は・・・

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「音だけ花火と鰻ナウ」については、このブログの7/27号をご覧下さい。

*ウォーキングをしているワケについては、このブログの7/23号をご覧下さい。

すき焼きツイッター

 このブログの7/27号に、「最近ツイッター始めました」と書きましたところ、

 え? 住吉、ツイッター始めたんだって? よくまあ、いろんなことに手を出すねえ。真面目にすき焼き屋やってんの?!

なんていうことを言われております。

 実は、「始めました」と言っても、人のフォローはほとんどせず、

 「ブログ本日号をUPしました。今日は、久しぶりに酔っぱらいネタです。ご笑覧を!」とか、つぶやいている程度です。

 1日1回くらいしか、つぶやかないので、良く考えると、ツイッターしてる意味は、あんまりありません。「ツイッター始めたんですよ!」とブログに書いてみたかったので、やっているようなモンです。

 そもそも、ツイッター派の皆さん、なんで、そんなにナウにつぶやかないといけないんですかねえ。

 「ちんや」の店の中でも、つぶやいている人がおいでですけど、食後の余韻=ゆるやかに流れる時間も含めて、トータルに感じて、それから書いてもらいたいところです。

 だいたい、せわしなくありませんか?

「ちんや入店ナウ」

「個室へ入室ナウ」

「牛脂を鍋に投入ナウ」

「いい香りナウ」

「ネギ投入ナウ」

「ネギに焦げ目ナウ」

「肉投入ナウ」

「割り下投入、一気に沸騰ナウ」

「甘くて、スゴく良い香りナウ」

「もう煮えてきたナウ」

「煮えた肉を玉丼へ移動ナウ」

「肉を喫食ナウ」

「極楽ナウ」

 忙し過ぎです。

 「ちんや」では、つぶやくのはほどほどで、ゆっくり召し上がって下さいね、お願いしますよ。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。