台湾料理とシャンパン

台湾料理の「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」に行ってきました。「ちんや」の元スタッフが、今一時的に働いているからです。

そして、これまで自分は台湾料理になじんで来なかったなあ、と感じました。私もそうでしたが、

「台湾料理=B級グルメ」と思っている人は多いと思います。

現地の人が、屋台で朝食を食べる様子が旅行者には印象的なので、日本国内でも、そのイメージを持ち続けているのだろうと思います。

しかし、もちろん現地には、そういう店ばかりでなくて、洗練された飲食店もあって、「フージンツリー」がそれですね。シャンパンと合わせるのがコンセプトだとかです。

台湾の一人当たりGNPは今や世界31位で、ずっと停滞している日本(24位)の7割相当にまで迫って来ています。当然お洒落な店もあるわけです。

さて食して、本土の中華料理と比べて油が控えめなのは台湾の特徴通り。

たしか、うす味も台湾の特徴だったと思いますが、この店はそこそこ味つけしてあります。シャンパンと合わせるのですから、うす味というわけには行かないですね。

その味付けは、本土の中華料理からはかなり遠く、和食のテーストもあるものの、和食なら決して使わない香辛料や香味野菜が入っていて、一番近い料理はハワイ料理かなあとすら思いました。

で、肝心の、

シャンパンに合うのか?

ですが、

合います。

シャンパンには、少々の糖分が含まれているので、様々な料理と合わせ易いです。和食とシャンパンも合います。日本酒が世界のほとんどの料理に合うのと同じ理屈ですね。

その甘味は、シャンパンの「ドザージュ」という製造工程で加えられます。オリの除去をした後の容量の目減り分を、甘いリキュールを添加することで補うのが、その目的です。

この工程を行わないシャンパンもあり、それは「ブリュット・ナチュール」と表示されます。

ポメリー社が「ブリュット・ナチュール」で成功してから、辛口であるほど良いというイメージが拡散していますが、洋食圏以外の料理と合わせるなら、少々甘い方(=昔のシャンパン)がむしろ良いというのが、私の感覚です。

新鮮な体験でした。御馳走様でした。

追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。

3月18日に、浅草花川戸「金泉ビル」(台東区花川戸2丁目16-1)で再開させていただきます。

すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。

「株式会社 WDI」さんとの御縁により、私の当初の見込みより早めに再開できることとなり、嬉しく思っております。

新店舗には旧店舗のスタッフも、私も従事致しますし、旧店舗の調度品を持ち込みますので、味や雰囲気を保てるものと考えております。

今後詳細が決まり次第順次こちらのサイトにて公開してまいります。ご期待いただけましたら幸いです。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.336本目の投稿でした。

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吟醸豚

丸の内の明治生命館の地下にある「センチュリーコート」の和食部門「二十四節季 朔」(さく)で、薄義貞料理長 のお料理をいただいてきました。

どのお料理も結構でしたが、今回初体験したのは、

「吟醸豚」のロースト。

酒粕を飼料として与えたものだとか。

食してまず、肉のやわらかさに気づいたので、

肉を酒粕に漬け込んだのかと思いましたが、さにあらず。

生前に飼料として与えたのだそうです。

後から調べましたら、畜産の飼料に酒粕を入れる試みは結構なされているようで、

東京大学大学院農学生命科学研究科によれば、その実験で、

・「豚の血中コルチゾール値を改善しました」

・「オレイン酸を多く含み、官能評価スコアが有意に上昇しました」

「血中コルチゾール値」は、人が事故・災害・トラウマを経験した時に騰がります。つまりストレスの度合いを示す値。

その「血中コルチゾール値」が下がったということは、酒粕を食べた豚が気持ち良い状態だったということですが、

これは、当たり前と言えば、当たり前かも。酒粕にもアルコールが結構入ってますからね。

その次の「オレイン酸」は脂の一種で、融点が低い、つまり融け易い脂が多いことを示しています。

自分の体感では肉がやわらかいという印象で、脂質の違いはさほど感じませんでしたが、筋肉繊維の間の脂が融けて、やわらかく感じたのかもしれません。(だとすると、すき焼きに霜降り肉を使うのと同じ理屈ですね)

豚の脂は元々牛より融点が低いので、脂質の違いをハッキリ感じにくかったのかもしれません。

御馳走様でした。美味しゅうございました。

追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。

3月18日に、浅草花川戸「金泉ビル」(台東区花川戸2丁目16-1)で再開させていただきます。

すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。

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鎌倉時代

昨年の大河ドラマは明治時代の話しで、すき焼きを食べるシーンがありましたので、私は、その点は安心致しました。

では、今年は?

鎌倉時代の話しのようですから、すき焼きはないでしょうが、そもそも当時の人達は、肉を食べたのか?

はい、鎌倉時代は武士が台頭した時代ですから、それによって、獣肉に対する禁忌が薄まったと考えられています。

その前の平安時代、皇族や摂関家など上層の貴族は、肉食を避けるべきと考えられていました。毎月肉食しない日を決めたり、肉を食べた後は数日間外出しない、などと決めていました。

が、体力勝負の武士は、そうは行きません。

さらに武士達には、もう一つ肉食をする都合がありました。それは狩りです。

権力をもった武家は、その勢力を示すために、大勢の武士を動員して狩りをしましたが、その獲物を食べないわけには行かなかったのです。

毎年正月に歌舞伎で上演される演目に、曽我兄弟の仇討ちの話しがありますが、

その仇討ちは、1193年に源頼朝が富士の裾野で盛大な狩りを開催した際に起きました。狩には曽我兄弟の敵である工藤祐経も参加していて、兄弟は祐経の宿泊先に押し入ったのでした。

さて、今年の大河に狩りのシーンはあるのか、その後で獲物の肉を食べるシーンはあるのか、

そこに注目してまいりましょう。

追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。

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すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。

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シャトーブリアン

その当時は興味をもっておらず、今回知ったのですが、

1985年の「聖輝の結婚式」のメイン料理は「松阪牛のシャトーブリアン」だったそうです。

そのために300頭の松阪牛が使われたとか。

「シャトーブリアン」はフィレ肉の中の、中央部の最も太い部分のことを言います。

フィレ肉自体、牛さん1頭から獲れるのは4kg程度ですが、その真ん中の「シャトーブリアン」は600gくらいでしょうか。

ステーキ一枚の目方は、宴会料理の最後ですから、そんなに大きい必要はなく、一人前120gだとすると、

牛さん1頭から獲れるのは5人前です。

「聖輝の結婚式」の招待客は「芸能界は言うに及ばず政財界の大物500人」だったので、

消費した牛さんの計算は、

500人×120g÷600g=100頭

となり、報道されている「300頭」と数字が合いませんね。

一人前360gも出したの?

1985年と言えばバブルでしたからねえ。

本当に消費したか、

数字を誇大に報道したか、

時の移りかわりを感じる年末です。

追伸、すき焼き「ちんや」再開のおしらせです。

2022年3月18日に、浅草花川戸「金泉ビル」(台東区花川戸2丁目16-1)で再開させていただきます。

すき焼き店のほか、精肉売店も併設致します。

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柚子湯

本年も押し詰まってまいりまして、昨日は「冬至」でした。柚子湯につかった方もおいでかと思います。

さて、その柚子という食材は、焼き魚に付けることは多いものの、肉料理、特にすき焼きに付けるという話しはまず聞きません。だから、弊ブログにもあまり登場しなかったと思います。

一度登場させたことがありますが、それは柚子そのものではなく、柚子胡椒

ステーキが脂っこ過ぎると思う場合に、辛味として柚子胡椒をお勧めしたことがありました。

柚子胡椒の「胡椒」は西洋のペッパーことではなく、唐辛子を意味する九州方言です。九州で生産が盛んなので、熊本地震の時に復興支援で柚子胡椒をお勧めしたことがありました。

ステーキに比べて、すき焼きは薄切りで脂は割り下に融け出しますので、脂っこさが、ステーキより緩和されます。よって柚子胡椒のような強い辛味や、柚子の絞り汁のような強い酸味(クエン酸)はバランスが悪いです。

酸味は、違う酸=例えばヨーグルトの乳酸の方が、すき焼きとバランスが良いので、お勧めになってこないのだと申せます。つまり酸の種類の問題。

逆に、柚子の強いクエン酸やビタミンCはお肌に作用して、ひび・あかぎれに効くそうな。冬至の日に限らず、冬場は柚子湯はお勧めと思います。

追伸、

「ちんや」を来年春に再開予定ですが、その件につきましては、明日の弊ブログにてお報せ致します。

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キウイすき焼き、ふたたび

たまに話題になりますね、関の「キウイすき焼き」。

今回は、苗木の資金をクラウドファンディングで調達、目標を大きく上回る金額が集ったそうです(中京テレビNEWS)。良かったです。

「関」とは刃物で有名な岐阜県関市のことですが、刃物を造っている、すぐ隣でキウイを植えているわけではないです。

関市は2005年の市町村合併によりV字型の、非常に変わった形の市域になりましたが、キウイを植えているのは、その時に関市に入った旧・洞戸(ほらど)村です。

キウイの場所はVの字の先の方。関市の中心部からはかなり遠い山間部で、直線距離では郡上八幡の方が近いです。そこでキウイは生産されています。

キウイには「アクチニジン」というタンパク質分解酵素がたくさんあることから、現地の人はすき焼きの鍋にキウイを入れてしまいます。

酵素の働きで肉が柔らかくなり、また味も酸味でマイルドになることから、合理的ではありますが、一般的ではありませんでした。

それが2010年3月に放送された、テレビの番組の「ありえへん食べ物大賞」というコーナーで大賞になって有名になったのでした。

そもそもすき焼きに酸味を加えるには、

・キウイを鍋に投入する

・トマトを鍋に投入する

・割り下に赤ワインを混ぜる

卵にヨーグルトを入れる

がありますが、私が推奨しているのは「卵にヨーグルト」です。キウイは分解を促進するので悪いとは思いませんが、ジュースにして飲む方が、私的には好みです。

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ごぼう茶

ゴールデンタイムの民放地上波を面白く感じられないので、BSばかり視ています。

そう致しますと、BSを視るのは年配者ばかりなのか、CMは健康食品ばかりです。特に多いのは、ごぼう茶。

よほど流行っているようです。

以前アメリカで、ごぼうのハーブティーが「癌に効く」として売られ問題になった記憶があります。米国食品医薬品局(FDA)は、それについて「根拠がない代替医療だ」として警告を出しました。

私には、その記憶があったので、ごぼう茶と聞いて良い印象はなかったのですが、今は売られ方が違うようです。

「お通じ(便量)を改善する機能があります」と宣伝しています。

ごぼうから抽出したイヌリン(食物繊維)が、便通について「機能性関与成分」として届け出されているとか。

ごぼうの繊維質は強力ですから、「癌に効く」は論外ですが、便通くらいは認めても良いかと思います。

その意味で、ごぼうをすき焼きに入れるのは、私は賛成ですが、それほど普及していないのは、ササガキにするのが面倒だからでしょうか。

世界で日本人だけが食用しているという珍しい食材がごぼうですから、注目されるのは悪くないと思います。

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今年の新生児・命名ランキングで、男の子は、

「蓮」がトップだったそうです。「蓮」は、昨年は一位を逃したものの、このところトップの常連だそうです。

ハスは古代インドのヒンドゥー教では女性の象徴だった思いますが、そんなことより、

・泥の中で力強く根を張る

・日本らしい

といったところが受け入れられているそうな。

が、それ以前に私が意外なのは、名前トップということは、ハスが食材すなわちレンコンとしては認識されていないのかなー

という点です。

レンコンは脂との相性の良い食材で、甘辛ピリで煮るとうまいので、すき焼きにして→、後から七味をかけると最高ですが、すき焼きのレギュラー具材にはなっていません。

たぶん、生産量が少ないからでしょうね。

ネギの全国総生産量が465.300トンに対して、レンコンは52.700トン。

ネギを生産していない県は非常に少ないですが、レンコンは生産している県の方が少ないです。

まあ、レンコン業は重労働ですからねえ。

水中の、泥の中でハスの根と格闘するのが、レンコンの収穫ですから、大変です。

レンコンを生産している方は、自分の息子にレンと名付けるんでしょうか。

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我が家の新定番

ぐぐっと冷え込んでまいりまして、鍋の季節となりました。

この「ぐぐっと冷え込んで」は、私が子供の頃は11月初旬に感じられたものですが、昨今は12月が目前に迫ってから感じられます。温暖化なんでしょうか。

そして、この時期に鍋に関する記事がメデイアでもネットでも、ぐぐっと増えます。

最近発見したのは、

「すき焼きに入れてみたら意外と美味しかった具。我が家の新定番はこれ!」

という記事。

「我が家は三種混合です! 牛肉3・豚肉3・鶏肉4割で。鶏肉が美味しいです!」(50歳/その他)

「鶏モモ肉。下茹でをしたものをいれるとおいしいです。甘辛いタレと鶏はよくあいます。値段も安く、ばくばく食べられるので家族にも好評です」(53歳/主婦)

牛肉=高い、ということでそうなっているようですが、味がタンパクで熟成させていたない豚・鶏と牛肉とは、煮加減を変えないとですね。それから、

ウインナー。お肉ばかりだと高くつくので、ウインナーを入れてみたところ、意外にいけました」(49歳/主婦)

「シュウマイ。あつあつでおいしい」(32歳/総務・人事・事務)

「餃子を入れたら絶品だった」(56歳/営業・販売)

うーん・・・

ウインナーは、我が家ではハクサイと一緒に鍋にしています。おでんにウインナーは「あり」ですからね。和の出汁でも行けます。

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地味ノミクス

とある純米酒を飲みながら、ネーミングを思いつきました。

「地味ノミクス」

「じみのみくす」と読みます。

私が政権を獲ったら実行しようと思います(笑)

その純米酒は、

削りは60%。アル添なし。そして、ぬる燗向き。

蔵主さんは、地元の人が飲むようなお酒だと言います。

いただくと、穏やかに酔えます。

で、思いました。

食品も食べ手も、無暗に移動しないのが良いなあ。

ブランドを志向しないけど、安物ではなくて、真面目に造られていて、「お値うち」。

そういう食品ばかりを集めて食べたら、さぞ良いでしょう。

そういう商品ばかりで回る経済が「地味ノミクス」です。

世間では、キシダ総理の印象が地味なことから、キシダ氏の経済政策「新しい資本主義」を「ジミノミクス」と揶揄しているようですが、私のは全然、違います。

どちらが、本当の「地味ノミクス」か、次の総裁選で勝負しましょう。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.293本目の投稿でした。

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