コンニャクとカレー

なぜコンニャクとカレーは合うのだろう?
ということを考えています。
先日店の賄い料理がカレーの日に、その横に前日の賄いだった筑前煮が残っていたので一緒に食べたら美味かったからです。
「カレーすき焼き」が好きだったのは映画監督の小津安二郎ですが、小津は、すき焼きのシラタキと豆腐にカレー粉を振りかけ、それをご飯ののせて食べるのが好きでした。それをヒントに「ちんや」では、溶き卵にカレーオイルを入れて食べられます。
そもそもコンニャクは古代に中国から伝えられましたが、中国では、貴州省や雲南省、四川省など少数民族が多い地域でよく食されているそうな。そして、それらの地方では食べ方は、唐辛子や薬味がたっぷり効かされているとか。中国でも辛く食べているんですねえ。
分析しますると、コンニャクは、ほとんど水分と繊維質だけで出来ている食べ物です。だから人はバランスを取る為に旨味と糖分をたくさん含ませて食べたくなり、旨味と糖分が多くなると、今度はそれとバランスを取る為に辛味が欲しくなるという流れかと思います。
ネットにも「コンニャクとカレー」のレシピが実にたくさん載っています。
皆様もお試しを。

<臨時営業(火曜営業)のお知らせ>
7月9日は火曜日ですが、浅草寺の「ほうずき市」の日ですので臨時営業致します。どうぞ、ご利用下さいませ。
6月~8月の臨時営業・臨時休業については、こちらです。

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食べ物屋

「老舗企業に学ぶ」勉強会を主催している方が「ちんや」へ見えて雑談していたのですが、
老舗には食べ物屋さんが多いですねえ・・・
その方が開いた老舗イベントに登場した会社の半分以上が食べ物屋で、酒・薬・旅館まで加えると三分の二を超えているとか。
はい、私もそう思っておりました。そして2016年に出した拙著『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』で、「食べ物商売は老舗化し易い稼業」と書きましたが、その理由を深く洞察して書いたわけではありませんでした。何故でしょう?
浅草の飲食店の場合、正月やお彼岸、お盆などに家族総出で、浅草へ見えるお客様が多いですから、お爺ちゃん・お婆ちゃんとお孫さんが一緒に食事します。→で、「こういうのが美味しいんだ!」という味覚が継承されて行きますから、お爺ちゃん・お婆ちゃんが亡くなっても、次の世代が利用してくれます。そうした経緯で老舗化し易いと言えます。
食品製造業や食品小売業の場合も飲食店ほどではないですが、ご家庭で同時に食べるという場面が考えられますね。消費サイドから考えた場合に食べ物屋が老舗化し易い理由が、これです。次に供給サイドを観てみましょう。
店主が採算を度外視して、美味しい物を追い求めてしまう、ということがあるように思います。食べ物の味は脳の快楽に直結しているからです。
私自身も、自分がイマイチと感じる肉を同席した人が美味しい!美味しい!と食べているのを目にすると、肉についてあれこれ調べない方がむしろ良いのかなあ・・・と思ったりしますが、自分が美味しいと思えない肉を売るのはイヤです。
そして、味を追い求めていると、ある時点で美味しさは感動につながります。感動まですれば、そのお店を再訪していただける確率は高まりますね。
しかしながら、どの時点で、どの位美味しければ人が感動するのか良く分かりません。肉の中の旨味成分を計測したデータは結構豊富にありますが、どの数値が「感動の閾値」なのかは、今のところ分かりません。
だからこそ、食べ物屋の店主は、お客様の表情を観察して、充分美味しかったかを確認しないといけません。また、会社の経営理念の内容を即物的な内容にせず、心に関する文言を採り入れないといけないと思います。
弊社は「心に残る思い出を!」という一文で「思い出」を入れています。数値がハッキリしない以上、「思い出」になる味でないと不充分、という基準を設けることが実際的と思うからです。
食べ物の味を追い求めて行くと、ある時点で人を感動させることが出来る、それが食べ物屋が老舗化し易い理由かと私は思います。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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納豆そば

日本橋室町(三越前)で地元の方とお昼をということになり、「利休庵」さんに行き、納豆そばを食べました。
この店は納豆そばが看板メニューなんだと教えられ、挑戦してみました。
待つことしばし。
蕎麦が見えないほど、色んな具材が上に載せられています。納豆は大粒。真ん中に生卵、鰹節、海苔など。
これらを思いっきり混ぜてから食べるのが作法なんだとか。なかなかクセになりそうな逸品ですね。
お店のサイトを見ると、他の蕎麦メニューを押しのけて最初に出ていて、「女性を中心にご支持をいただき・・・」と書かれています。
他のお店に、納豆そばが普及していないのが不思議に思えてきました。カレー蕎麦は普及してるのにね。

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5000円超え!?の牛丼

お、ピクルスが付くんですか!
「ちんや」をマネしたんでしょうか・・・
でも、悪い気はしません。
さて、ピクルスが付くのは、レストラン「ORIGAMI」の新メニュー「キャピトル牛丼」で、お値段は、なんと、5464円だそうな。
ザ・キャピトルホテル東急の中の「ORIGAMI(オリガミ)」さんは、ホテル業界では割と知られた名店で、既に「パーコー麺」という名物がありますが、「二匹目のどぜう」を狙って、高すぎる?牛丼を開発したそうです。
報道によりますれば、
「主役の牛肉はその時期にピッタリの産地から厳選されたA5ランク黒毛和牛の霜降りリブロース。霜降りだが、脂分が多すぎることなく、旨味と脂身の絶妙なバランスで肉の風味を堪能できる。」
ここは、さて置きます(笑)
「付けあわせの自家製ピクルスや柚子果汁と刻んだ皮が入ったスッキリとしたコンソメスープも牛丼にぴったり。さらに、温泉玉子・山葵・七味唐辛子・柚子胡椒の4種の薬味を牛丼に合わせて楽しめる。山葵や柚子胡椒を合わせてスッキリ和風にいくのもいい。」
「ちんや」では2014年の秋から、すき焼きの、つけあわせにピクルスを付けています。
その理屈は2015年6月18日の弊ブログに書きましたので、そちらをご覧いただきたいのですが、一言でいえば、「味の抑制効果」によって、甘辛いすき焼きと酸っぱいピクルスの両方が美味しく食べられて、人間に必要な五味を賞味することができる、ということです。
その意味で、「ORIGAMI」さんが薬味として付けている、山葵・七味唐辛子・柚子胡椒も結構なチョイスと思います。
もちろん私としては、カレーを推したいところですが。
「ORIGAMI」さんは名店ですから、「ちんや」を参考にされたのであれば、光栄なことですし、参考にされていない場合でも、「ちんや」のやり方が理にかなっている証拠の一つになりますから、在り難いことだと思っています。
新メニューが売れますように。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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変わりザク②

弊ブログの6月9日号に書きました通り、今年は「変わりザク」10周年の年ですので、すき焼きの、肉以外の具材について考えています。
まず、そもそもですが、すき焼きとは、
塩分が多いストックで具を煮込む料理ですので、あまり上手に煮込むことができません。日本料理店の「煮物」のようにはならない、ということです。
逆に申しますと、現在定番のザクに成っている具材は例外的に美味く食べられるものだと考えるべきだと思います。
現在定番のものは、まず具材の構造としてシッカリしていて、しかし割り下が浸み込み易い構造のものだということになります。
葱、玉葱は巻いていますので、これに該当します。
キノコは巻いてはいませんが、これに該当します。
乾物や豆腐、シラタキもこれですね。
総じて、こうしたものは「消化が悪い」食材ばかりです。ウチの父が胃の手術をした後に当分食べてはいけない食材リストを渡されましたが、上記の食材が列記されていました。すき焼き屋なのに、すき焼き出来ないね・・・と言い合った記憶があります。
少し加工すると良くなるものとしては、
豆腐→焼き豆腐にして水分を減らすことでちょうどよくなります。水分が多いものはダメです。
芋類→美味しくするには、事前に下茹でが必要ですね。
一方、上手く煮込むことはできないものの、表面に味が絡むことで、なんとか美味しくなるものもあります。
茄子、もやし
ごぼう、ニンジンはピーラーすると良いでしょう。
こういう方向で、もう少し具材を探して行きたいと思っています。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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ドーバーソール

国際観光日本レストラン協会の理事会が上野公園の精養軒さんで開催されましたので、参加しました。もちろん、その後の食事会にも参加させていただきました。
精養軒さんは、そもそも1872年に、明治の元勲・三条実美や岩倉具視の援助により、築地に「西洋館ホテル」として創業。その築地の建物は関東大震災で燃えてしまいますが、それ以前に上野公園に出していた支店を中心に今日まで発展してこられました。
オーソドックスなフランス料理を頂戴して、結構と思いました。
が、
「オーソドックス」とは何?とあらためて聞かれたら、私は答えられるわけではありません。
では、どこがオーソドックスな感じがしたのでしょう?
食材を世界から集めている点かもしれません。
最近でこそ、国産の「顔の見える食材」を使うことが、フレンチでも多くなりましたが、かつては高級なフランス料理屋では、食材は世界的に有名なものが珍重されました。
例えば今回、
ドーバーソールのタラバ蟹巻き
という一品が出ましたが、ドーバーソールとは何でしょう?
シタビラメに似たカレイ目の魚で、ドーバー海峡のドーバー港に水上げされるものが有名なので、「ドーバーソール」と言われているそうですが、食べ手に、世界の名産の知識がないとメニューに入れても面白くはないですよね。
昔のフランス料理には、そういう常識、そういうノリがありました。
しかし最近では、どちらかと言うと、国産の、「○○町の△山□彦さんが育てた」食材が珍重されますね。業界の感覚もだいぶ変わったものだなあ、と思った一夜でした。
御馳走様でした。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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坊主しらず

梅雨の時期はネギの収穫が少ない時期です。
春蒔きの場合でも秋蒔きの場合でも、この時期は葱の収穫期ではないからです。
でも、「ちんや」は葱を仕入れることができ、営業出来ています。
この時期でも葱が確保できるのは、「坊主しらず」と呼ばれる、株分けで栽培された葱が出てくるからです。
この葱は、いったん浅く植えた葱の根元から「分けつ」した新芽を取り、それを新たな苗として植えかえて育てて行きます。関東の白葱は、関西の九条葱などの青葱に比べて、「分けつ」しづらい葱ですが、それを丁寧にケアして育てます。
「坊主しらず」と呼ぶのは、葱坊主(葱の花)が出来ないからです。
「坊主しらず」は、栽培にとても手間のかかる葱で、手間をかけて育てても良品に成らないことがあるので、この葱を生産している農家さんは減り気味で、しっかり太く巻くまで栽培できる農家さんは、さらに少なくなってきたと聞きますが、こうした農家さんのおかげで、すき焼き屋は一年中葱を確保できるわけです。
なんとか続けていただきたいものだと思います。

追伸
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子持ちどじょう

日本料理業「東京芽生会」の例会が、浅草の「どぜう飯田屋」さんで開催されましたので、参加しました。
どじょうの時季は真夏ですので、暑い盛りにどじょう屋さんに行く人が多いかと思いますが、その前の6月は「子持ちどじょう」の時季でして、これもまた面白いものです。
どじょうの産卵期は4月から7月で、天然どじょうであれば、水田などで夜間に産卵が行われるそうです。残念ながら農業環境の変化で、現代の水田はどじょうが住みづらく、天然ものは貴重品です。
「どぜう飯田屋」さんは、最近裏手の新館をリニューアルされ、そこで頂きました。
御馳走様でした。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

変わりザク10周年

最近気づいたんですが、今年は「変わりザク」10周年の年でした。
「変わりザク」とは、すき焼きに、葱・春菊・椎茸・豆腐・シラタキといった定番具材以外の季節の野菜をオプションで入れることでして、2009年からやっています。(その経緯はこちら
この機会に、すき焼きに合う野菜を調べてみたところ、ネットに多少情報がありました。あるサイトでは、
・トマト
「実は、トマトすき焼きを名物にしている有名店もあるほど。斬新な感じがしますが、意外にもおいしく、ご自宅でも簡単に取り入れられます。トマトはひと口大に櫛形きりにします。煮崩れしやすいので食べる直前に入れて、さっと火を通して食べましょう。しめにはパスタを入れると、よく合いますよ。」
→はい、トマトすき焼きは有名ですねが、それがオススメの最初ですか。でも、トマトはどうしても荷崩れして鍋に酸味が流れ出るので、私としては、卵だけ酸っぱくしたい気がします。
・じゃがいも
「じゃがいもを入れると、まるで肉じゃがのような仕上がりになります。合わないわけがありませんよね。ひと口大に切って水にさらしたあと、電子レンジで加熱します。早い段階で鍋に入れて煮込みましょう。ホクホクした食感も楽しめますし、ボリュームアップにもGOOD。」
→はい、味は悪くないと私も思いますが、家庭のすき焼きっぽくなるので、店の営業では、なんとなく、使うのを控えてしまいますね。
・ごぼう
「牛肉とごぼうの相性は抜群に良いですよね。それならば、すき焼きに入れてもおいしいはず。ごぼうはささがきにして水にさらし、あくをしっかり抜いておきましょう。少しくせが強く、たくさん入れるとくどくなりますので、少量ずつ入れるのがポイント。味が染みにくいので、早めに入れてしっかり煮込んで食べましょう。」
→はい、ごぼうは、「ちんや」の「変わりザク」でも試したことがあり、美味しいのですが、季節感が今市出づらいせいか、そんなに売れず、そのワリには仕込みの手間がかかるのが難点でした。
・大根
「すき焼きに大根というと、意外な感じがしますよね。しかし、九州あたりでは当然のごとく入れるのだそうです。くせがなく使いやすい食材なので、納得ですね。薄切りにすれば火の通りが早く、ピーラーでリボンのように薄くして入れてみるのもおしゃれですよ。」
→文中の「九州あたりでは当然のごとく」は誤りです。入れる地方は瀬戸内ですね。
他のサイトでは、
・クレソン
→廃業してしまった、すき焼き店「よしはし」さんで入れていました。が、生では辛すぎて、加熱すると今度は独特の風味がなくなって、どちらも良くありません。半加熱が良いですが、熱の通し加減が難しいです。
・レンコン
→これは良いと思います。「ちんや」の「変わりザク」でやったことがあります。
・もやし
→これも良いと思います。が、普通のもやしだとチープ感が出てしますので、「ちんや」の「変わりザク」では、冬だけ「大鰐温泉もやし」やっています
・カリフラワー
→ほお、これはやったことないですね。要実験です。
今後も色々試し続けて行こうと思います。

追伸
令和の新時代に向け、「ちんや」は「肉のフォーティエイト宣言」を致しました。ご理解・ご愛顧賜りたく、お願い申し上げます。

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丸茄子

夏野菜の季節ですね。
「変わりザク」が丸茄子になりました。
「変わりザク」とは、すき焼きに、葱・春菊・椎茸・豆腐・シラタキといった定番具材以外の季節の野菜をオプションで入れることでして、2009年からやっています。(その経緯はこちら
春は新タマネギが美味しいので、新タマネギにすることが多く、これからは、茄子です。
この時季の茄子は他に美味しい食べ方がたくさんあるので、強いてすき焼きにしない人が多いかと思いますが、すき焼きの具材として悪いわけではありません。
肉質がつまっていて、荷崩れしにくく、使いづらいわけではないです。
話しのネタとしてお試しあれ。
それにしても、今気づいたんですが、今年は、
「変わりザク」10周年か・・・
なんか、イベントするか、な。

追伸
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