受賞パーテイー

 今週末、司会の出番があるので、仕込みをしないといけません。

 ブログなんか書いている場合でないです。

 しかも今回は、250人くらいの参加者がいるパーテイーの司会です。「すきや連」とか浅草料飲組合の新年会とかなら、ぶっつけ本番でも、それでむしろ丁度良いくらいですが、今回はそうはいきません。

 しかも、今回はいたって固い会です。

 「すきや連」でお世話になっている、向笠千恵子先生が「グルマン世界料理本大賞グランプリ」を受賞されたので、それをお祝いする会です。

 お偉い方も見えるようです。

 地方の食文化を紹介し続けてきた向笠先生に感謝している方は、各地にたくさんいて、市長さんも、現元二人見えるとか。うーん、緊迫感あります。

 さらに、今回の難しい点は、登場人物が非常に多いことです。その分食事・歓談の時間が非常に短くなっています。

 グランプリを授賞した御本は『食の街道を行く』という題なのですが、その名の通り、各地の街道の話しの中で紹介された、生産者の方が、この日集結します。

・鯖街道から、小浜市の海産物加工製造会社の社長さま

・ぶり街道から、食品スーパーの会長さま、高岡市の鶏卵生産者の方、飛騨古川の蔵元さん、牛乳メーカーの社長さま、飛騨高山のスーパーの社長さま、松本市の醤油と味噌の社長さま

・塩の道から、長野県諏訪市の蔵元さん、

・あわびの道から、沼津港の干物の大将、甲州種ぶどうによるワインの醸造元

・昆布の道から、福井県敦賀市の昆布問屋の社長さま、同じく敦賀市のレストランのマダム

・醤油の道から、日本の醤油発祥地・和歌山県御坊市の老舗醤油蔵の社長さま

・鮎鮨の道から、岐阜市の料亭の御主人さま

・砂糖の道から、長崎のカステラ屋のオーナーさん

・唐辛子の道から、上越高田の「かんずり」の社長さま

・さつま芋の道から、浅草駒形のさつま芋問屋の会長さま・・・

 この他に、受賞本とは関係のないゲストや祝電の紹介もあります。

 いやあ、忙しい。

 参加者の皆さん、食べてるヒマないですよ!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて557連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

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潮湯治

 潮湯治という言葉をご存じでしょうか。

 海水浴のことです。

 「図説明治事物起源辞典」によりますと、文明開化の頃、海水浴は潮湯治とも呼ばれ、温泉浴に近い、一種の療養として推奨されていたそうです。医者や軍が海水浴を推奨する、そういう時代でした。また海に浸るばかりでなく潮風を浴びる海気浴も療養とされていたそうです。

 薬や手術法が発達するにつれ、温泉浴も海水浴も療養というよりレジャーとみなされるようになっていき、海水浴のことを潮湯治とは全く言わなくなりました。

 でも私の場合、海岸近くの宿へ泊まりに行く目的は、まさに潮湯治です。

 海に入りはしませんので、海気浴専門ですが、宿の部屋から波の音を聞いているだけで、日頃の疲れがとれます。

 そんな理由で、今回の夏休みに私が潮湯治に向かったのは・・・

 茨城県の大洗海岸。

 「すきや連」に毎回来て下さる、Tさんが経営されている「大洗ホテル」に泊めていただきました。

 大洗海岸は、太平洋に面していて、波が激しいので海水浴好適地とされ、古くから海水浴場が開設されていました。真東を向いているので、日あたりも最高です。

 海は、なんと言っても、視界が開けているのが良いですよね。東京にいると、視界が開けている所は、ほとんどなく、常に圧迫感がありますが、その点、海は気分がいいです。

 それに加えて、明治時代に出来た旅館街を訪ねると、なんだか、やたらと懐かしさを感じます。歴史のロマンと申しますか、浅草っぽい感じすらするのですが、そう思うのは私だけでしょうか。そういう所を楽しむのが、私は好きです。

 そういうわけで、普通の観光客の方なら、海に行けば、ビーチスポーツとか釣りとかをするのでしょうが、私が訪ねたのは、大洗町立「幕末と明治の博物館」。

 ここはTさんのご先祖様が建設に尽力された博物館です。収蔵品の幕末・明治の史料が面白く、また私がそれ以上に面白かったのは、大洗の古写真です。私は昔のリゾートの風情が、やたらと好きなので、こういう写真を見ていると飽きません。

 あ、勿論、普通の観光の方と同様の楽しみも、充分に満喫させていただきましたよ。それは・・・

 「大洗ホテル」さんの中の、海鮮ダイニングでいただいた、岩牡蠣の天麩羅。

 これは最高でした。

 ホテルのすぐ近所には、やはり「すきや連」に毎回来て下さる、K子さんの酒蔵「月の井酒造店」さんがありますので、当然、あわせていただきました。有機認証済みで、精米歩合をあえて低くした御酒で、これもまた結構でした。

 いやあ、旨かった、大洗。

 食事も海気も。

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大洗へ

 「大洗ホテル」さんに予約を入れました。

 8/29から9/1まで、弊店はお休みをいただきますが、その間に2泊の予定で行ってまいります。

 実は「大洗ホテル」を経営されているTさんは、「すきや連」の常連メンバーなので、たびたびお目にかかっておりまして、しかし、それなのにまだホテルをお訪ねしたことがなく、「いずれ行こう」と思っている内に、3.11の大震災を迎えてしまいました。

 茨城県中部の大洗にも津波が来て、「大洗ホテル」さんの館内へ、漁船がつっこんだ、という話しを聞いた時には、本当に驚きました。私が個人的に存じ上げている、交友の範囲では、最大の被害が、ここでした。

 以来五ヶ月、船がつっこんだ所は復旧し、営業を既に再開されています。意外の速さでしたね。

 ただ津波被害は復旧したものの、原発の風評被害は続いている模様です。大洗は、茨城県中部で水戸の近くですから、毎日公表されている、放射線量のデータでも、心配な数値とは思えませんが、わざわざ、この方向へ好き好んで観光に行く人は、多くないのかもしれません。

 でも、ここにはいますよ。好き好んで観光に行く者が。

 だいたい、混んでいる所が嫌いですので、空いている、と聞くと行きたくなります。それに、波の音が聞こえる所に立っている宿が、世の中で一番安眠できるような気がして好きです。「大洗ホテル」は、そういう立地なので、津波の被害にも遭ってしまったのです。

 食べ物のことだけを考えたら、鮟鱇が食べられる冬の方が良いのかもしれません。

 でも、今年の夏は、いろいろなことがあって、結構バテてしまったので、眠れる所に行きたくなりました。

 津波がまた来ても平気ですよ。あの3.11の時ですら、上層階はやられていませんから。

 いざ、大洗。

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

追伸④ 

 地下1階カウンターレストラン「ちんや亭」でも、「ちんや」座敷と同等の、霜降り肉すき焼きを召し上がれるようにしました。

 「旨い肉を食べたいが、記念日でもないし、座敷に上がるのは億劫だ」というお客様、あるいは御一人様のお客様、是非ご利用を。

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知事さんの名刺

 「山形県産牛」おいしさ・安全アピール in 東京

という、山形県知事が自ら東京で、山形牛の安全性をPRする催しがあったので、出席してきました。

 山形県は福島県の隣ですが、奥羽山脈に守られていて、放射線の影響が小さい所です。しかし放射線を含んだ餌を、県外から購入して牛に与えた生産者が少数いて、汚染事故が起こってしまいました。

 この事実がわかると、県はすぐ対策をうち出しました。7/25から山形の食肉市場では、全国に先駆けて、肉の全頭検査を実施し始めました。安全証明書も県が発行しています。

 今回の「安全アピール in 東京」は、そのことを首都圏向けに宣伝するために催しでした。

 知事はじめ県庁の方々、現地の生産者の方、流通関係者、東京山形県人会、それに我々「すきや連」にもお声がかかったので、出席しました。メンバーから向笠千恵子先生、人形町今半さん、神田の「いし橋」さん、食肉卸の「アマイ」さん、鳥山畜産さんなど、10人ほどが参加しました。

 さて開会。知事の挨拶、県農水部長より経過説明を聞いた後、当然、試食です。山形県産牛のローストビーフ、そして山形らしく芋煮もいただきました。しかも無料で。

 おいしい試食会の最中、知事さんと名刺交換をさせていただきましたが、この名刺がユニークでした。

 さくらんぼ、だだちゃ豆、もも、すいか、葡萄など6種の農産物の写真が、カラーで名刺の表に印刷されています。知事自ら、トップセールスで県の農産物をPRしているところは、ご立派です。

 しかし、ですよ。私の名刺には負けています。

 私と名刺交換した方は、ご存じと思いますが、私の名刺は10ページありまして、それを折りたたんで、名刺サイズにしてあります。

 10面の内、私に関するデータは2面だけで、後の8面には、すき焼きや個室の写真、「ちんや」が所蔵している錦絵の写真が印刷してあります。もちろん、フルカラーで。

 1枚の写真に1ページを丸々割り当てているので、迫力ありますよ、我ながら。知事さんに勝っていますね。

 一方、こちらが負けている部分も。それは・・・

 知事さんの顔写真。

 知事さんは着物姿で、はにかんだような笑顔で写っておられます。お着物の着方も、襟首をぬいて、なんだか粋な着方です。

 あ、書き洩らしましたが、山形県知事は、吉村美栄子さんとおっしゃって、女性です。

 PR催しの会場では、上下真っ白のスーツをビシりと着て、襟を男っぽく立て、まあ、今時の女性政治家の、ありがちな衣装でしたが、名刺の着物姿は良い感じです。横に並んだ農産物の写真とも合っています。

 どうも、名刺では一本とられました。

 がんばれ、山形県知事! じゃなかった、がんばれ、山形牛!

追伸①

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。

追伸②

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り)

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントが。そちらは、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。

追伸③ 

 今月の昼時より「四分の三すき焼き」を始めました。

 ご昼食セット(4.300円)の、お肉とご飯の分量を四分の三人前にできます。価格は3.800円です。満腹するまで食べたくはないが、おいしい肉を少し食べたい、という時に、どうぞ御利用を。

追伸④ 

 地下1階カウンターレストラン「ちんや亭」でも、「ちんや」座敷と同等の、霜降り肉すき焼きを召し上がれるようにしました。

 「旨い肉を食べたいが、記念日でもないし、座敷に上がるのは億劫だ」というお客様、あるいは御一人様のお客様、是非ご利用を。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて540連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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うかつあやまり

 7/26に、第九回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催し、50人を超える多数の、すき焼き屋さんと、すき焼き関係者にご参加いただきました。

 「すきや連」では、すき焼き宴会をするだけでなく、その前に、毎回短時間ですが、「お勉強タイム」があります。

 今回は「江戸しぐさ」の話しを聞きました。講師は、NPO法人・江戸しぐさ副理事長の桐山勝さん。以前からの「すきや連」のメンバーの一人です。

 震災と原発で大変な時に、なんでまた、「江戸しぐさ」なの?と思った方もおいでかもしれません。

 しかし、です。こういう大変な時だからこそ、「江戸しぐさ」なのです。まあ、お聞きください・・・

 そもそも、「江戸しぐさ」は、商売繁盛のための、江戸商人の知恵だったそうです。

 江戸時代、全国各地から江戸に集まってきた商人たちが、商売繁盛を目指し、人間観察を重ねた結果、得た様々なノウハウを獲得⇒口伝で継承、今日に伝わる「人の上に立つ者の心得」ができた。それが「江戸しぐさ」なのだそうです。

 しぐさには、800種類はあるそうですが、その代表的なものは・・・

 「傘かしげ」「肩引き」「こぶし腰浮かせ」。地下鉄の駅に掲示されていたことがあるので、ご存じの方も多いと思います。

 元は商売繁盛を目指したものでしたが、結果的に、人間関係が円満になるノウハウが詰まったものに成り、特に大棚のオーナーさんが、その役をまっとうするために、必要なものと成っていったようです。

 江戸時代、オーナーさん方は、「自分がこの状況では責任者の役を演じる立場にある」といった自覚のもと、日頃から「江戸しぐさ」を振る舞っていました。それが江戸しぐさ=人の上に立つ者の心得でした。

 さて、危機の時代=日々トラブルに遭遇する時代に、人の上に立つ者が心得を心得ていないと大変なことになります。

 そんな時代に生きている私が「江戸しぐさ」の中で感心するのを、一つだけ挙げますと・・・

 「うかつあやまり」。

 足を踏まれた時、踏んだ方でなく、踏まれた方が誤ってしまう、というしぐさです。

 たとえば電車が急ブレーキをかけた!足を踏まれた!その時、あなたはどう反応しますか。

 「足を踏んだ方が謝るべきだ」が正解でしょうか。江戸しぐさの答えは、「足を踏まれたほうが謝ってしまえ」です。

 起きたことは仕方がない。むしろ二次被害を避けるために謝ってしまえ、という考え方なのです。

 足を踏まれたくらいは、重大な事故ではありません。

 その時、キツい口調で相手を難詰すれば、相手は反発するかもしれません。オレのせいじゃないぞ!悪いのは電車の運転手だ!なんだ!その言い方は、ふざけんな・・・とマズい方向に展開するかもしれません。それが二次被害です。

 このケースでは、一次被害は踏まれただけなのに、二次被害が甚大になります。それを避ける「江戸しぐさ」が「うかつあやまり」です。良く出来た考えです。

 この話しを聞きながら、私は牛の汚染エサの問題のことを想いました。

 疑いのある牛を売ってしまった小売店が、納入業者を厳しく責任追及するケースがあるようです。ある納入業者さんは「人間不信になりますよ・・・」とこぼしていました。

 牛の汚染エサに、あそこまでの問題があるとは、しかも広い範囲で問題があるとは、納入業者さんの間でも、生産農家さんの間でも、知られていませんでした。むしろ東北の生産農家さんを応援しよう、と熱心に仕入れていた業者さんも多かったです。

 その状況の中で、問題があったからといって、納入業者を厳しく難詰しても、一次被害は直りません。悪いのは電車の運転手、いや、東京電力だからです。

 もちろん、消費者と向きあう立場の小売店が辛いのは、私も良くわかります。この時代に生まれあわせて損した!という気分も分かります。

 でも納入業者さんを責めたら、さらに辛い二次被害が起きないでしょうか。

 くどいですが、牛の問題の大元は、納入業者さんではなく、東電です。

 怒りが爆発しそうになった時、「江戸しぐさ」を思い出したいものです。

追伸① 

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますのでので、安心して国産牛を召し上がっていただくことができます。 

追伸② 

 「ゆかたdeプレゼント」を実施しています。ゆかた姿で弊店に見えた方に、東北・茨城の冷酒1本(300ml)を差し上げます!(お座敷で、料理1人前を召し上がる方に限り) 

 弊店以外の台東区の御店でも、同様のプレゼントを、8月13日(土)から28日(日)まで実施予定です。 

追伸③

 川柳で日本の食卓に笑顔を!

 「すき焼き川柳onツイッター」コンクールを始めました。略して「すきせん」!

 応募要領は、こちらです。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて519連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。 

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第九回「すきや連」ー大揺れの最中に②

 7/25から7/28まで夏休みをいただきました。本日より営業を再開しております。何卒、よろしくお願い申し上げます。

 さて昨日から公開しております、第九回「すきや連」@「銀座吉澤」さんの寄せ書きの続きです。日本のすき焼きを護って行こう!という情熱を感じさせます。是非ご覧下さい。

 ・震災は「三嶋亭」さんの会三日後のことでした。その席に御出席だった仙台・加藤さん、大洗・竹内さん、坂本さんの名が、今回の出席者名簿にあって安心致しました。被災地の復興はイコール日本の復興。心機一転、一日も早く逞しい日本に蘇ることを願っております。(川井秀晃)

・みちのくの牛肉が100年後も食べられていますように!(近田康ニ)

・無悲鳴のしぐさ、これでがんばりましょう(町田成一)

・絆。すきや連の皆様、希望を持って頑張りましょう。(原田光祥)

・仙台牛喜んで楽しむ今宵かな(桐山勝)

・とう!!(パワーを爆発)

 ホッ・・(やさいなごみ)

 喰!(うまいうまい)

 東北は日本人のエネルギー 一人一人が自覚をもって起き上がれ!!応援しまくります。(高岡哲郎)

・向笠さんとすき焼きを軸に、日本の食べ物を考えていく集まりにしたいですね。(土居秀夫)

・むしってもむしっても生えてくる草のように、しぶとく生きてやりましょう(小金沢章文)

・おしかったです。(南都隆道)

・常に美味な発見に感謝。(湯浅康毅)

・別腹を世界に(高村善雄)

・東北のみなさまには衷心よりお見舞い申し上げます。ただ、かつても栁田國男、今和次郎はじめ苦境から新しく学問を始めました。「再生」こそが東北のダイナミズムです。(松井純)

<寄せ書き終わり>

 今までも、「すきや連」を続けてきて良かったと思っておりましたが、今回ほど、この仲間の素晴らしさを感じたことはありません。

 苦境の中ですが、感謝と高揚を感じた一夜でした。

追伸

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第九回「すきや連」ー大揺れの最中に

 第九回「すきや連」を「銀座吉澤」さんで開催し、50人を超える多数の、すき焼き屋さんと、すき焼き関係者にご参加いただきました。

 3.11の震災で被災された、宮城県や茨城県のメンバーも元気な御姿を見せて下さり、復興気運を盛り上げる!ハズでしたが、そこに水をさしたのは・・・

 汚染エサの問題。

 畜産業界が大揺れの最中の開催と成りました。

 畜産業界は大揺れですが、それでも、「すきや連」は挫けていません。御店のY社長が「こんな大勢さんの宴会は初めて!」という位の、大人数の集結ぶりでした。

 中には不運なことに、汚染エサ問題のまさに渦中にいる方もおいでなのですが、その最悪の状況の中でも御出席下さりました。感動です。

 そして、東北の牛=「仙台牛」を食べました!

 牛には個体識別番号が付けられていて、流通履歴をたどれば、汚染エサが与えられていないことが確認できます。だから安心して国産牛を食べられます。風評払拭のため、全員がかつてないテンションで食べていたように思います。

 そして、この状況を必ず乗り越えよう、と口々に闘志あふれる御発言が続きました。

 今までも、「すきや連」を続けてきて良かったと思っておりましたが、今回ほど、この仲間の素晴らしさを感じたことはありません。感謝と高揚を感じた一夜でした。

 恒例の寄せ書きも、日本のすき焼きを護って行こう!という情熱を感じさせます。是非ご覧下さい。

 ・みちのくの牛に萬のものがたりあり このものがたりをいつまでも伝えましょう。(向笠千恵子)

・美味しい牛肉文化を次世代につなげよう!(吉澤直樹)

・日本の牛肉、日本の食の安心・安全を!(吉澤裕介)

・ガンバレ日本 がんばるスキヤ連(松田武朗)

・和牛を沢山食べて元気を出して日本中に発信しよう。(高岡修一)

・東北の牛肉、日本の牛肉 がんばろう!(相沢二郎)

・すきや連羨ましき仲間たち 今ここから・・・(小田豊)

・今年は牛にとって受難続き・・・「こんなことに負けてたまるか・・・」明るく笑顔で乗り越えていきましょう。東北応援しております。(荒井順子)

・家族揃ってすき焼をいただくのは、いつでも特別な嬉しさ楽しさでいっぱいになります。美味しい牛肉を応援しています。(森脇政子)

・日本人の元気はすき焼から。がんばろう!!(高岡慎一郎)

・美味しいお肉を野菜をありがとうございました!!これからも「食べて応援」します!!(岩東香織)

・すき焼きに大感謝です。

・日本の牛肉文化は日本の食文化!!(尾崎仁)

・人のご縁に感謝しています。いつもありがとうございます。(梅田雄一)

・復興の願いをこめて鶴を折り 仙台牛がんばります!(加藤英子)

・仙台牛おいしくいただきました!ありがとう!(蜂須賀祥介)

・仙台牛はおいしい。みそも醤油も東北産にチャレンジ!(加藤政義)

・いつもおいしいスキヤキありがとうございます。(北橋出雲)

  まだまだありますので、続きは明日のこのブログにて。

追伸①

誠に勝手ながら、7/25から7/28まで夏休みさせていただきます。悪しからずご諒承願います。

追伸②

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お酌禁止令

 マスコミで汚染牛の騒動が続いていますが、そんな中でも、静岡県から大勢さまがご来店になりました。有り難いです。

 牛はBSE問題以来、個体識別番号で調査することができ、弊店では召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示しします。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して召し上がっていただくことができます。

 一方、肉への「不安」を訴える電話もかかってきました。政府も全力で対応していますよ、と言っても、その政府が信用できないとか。

 どうにも信用できない&気持ち悪い、というお話しなので、結論として、こちらからキャンセルをお勧めしました。気持ち悪がる人に来ていただいても、こちらも気持ち悪いのですからね。

 気持ちが戻ったら、また行きます、とおっしゃっていたので期待しましょう。さて、

 先日茨城県の「白菊酒造」の若旦那Hさんと商談していた時、宴会での「お酌」のことが話題になりました。

 お酌は、日本社会の潤滑油であって、企業などの組織内部のコミュニケーションを良くするには、是非やっていただきたいことだよね、という話しになりました。しかも、お酌と言えば、日本酒!です。

 ワインはソムリエさんに注いでもらいますし、生ビールは酌できませんね。瓶ビールなら酌できますが、日本酒の方が猪口が小さいので、酌する頻度が上がります。

 日本酒で酌するごとに、コミュニケーションがとれますよね。

 でも、別の意見の方もおいでです。

 2009年に長野県庁内で「お酌禁止令」が出たことがありますが、そのキッカケを作ったのは、やはり私がお目にかかったことのある、別の若き蔵元さんでした。当時の記事をコピペーすると・・・

・・・長野県の板倉敏和副知事の音頭で、県職員らの宴会が今春、手酌酒に様変わりした。お酌を無理強いと感じる若手や女性は少なくなく、

「気を使わなくて済む」
「自分のペースで飲め、酒を残さなくなった」

と歓迎され、全庁的に浸透しつつある。 

 「お酌禁止令」のきっかけは、長野県内の蔵元が3月、県庁に日本酒のPRの要請に訪れた時の一言だった。

 県内の日本酒の生産量は、97年度は18.000キロリットルだったが、06年度は9.800キロリットルにまで落ち込んだ。要請の場ではこうした現状が話題になり、県酒造組合会員の若手でつくる「若葉会」副会長の井出太(ふとし)さん(42)が「最近はお酌を嫌う若者も多い」と発言した。

 これが、かねて「お酌文化」に疑問を抱いていた板倉副知事の耳に入った。元総務官僚で、在豪日本大使館に勤務経験もある板倉副知事は、「お酌の習慣は欧米にはない。嫌々飲まされるという日本酒のイメージをなくすにも、お酌はいらない」と改めて感じた。

 早速、年度替わりの県幹部の送迎会の冒頭あいさつで、「お酌禁止」を宣言。その後もあいさつを頼まれれば、必ず「手酌で自分のペースで飲みましょう」と呼びかける。

 職員からは好評だ。県秘書課の女性職員(29)は「つぎに回らなければという気負いや、空けなくてはというプレッシャーがなくなった」。男性幹部は「宴会後、おちょこやコップに残っている酒が減った」と語る・・・(コピペー終わり)

 「若葉会」 副会長の井出太さんというのは、佐久市の橘倉酒造の若旦那のことで、私も「すきや連」で、お目にかかったことがあります。

 うーん、意見がわかれましたね。

 お酌は正しく機能すれば、もてなしや気配りの表れとして本来は悪い事でもないと思います。でも無理強いしてパワハラまがいになりかねないという弊害があるのも事実でしょう。

 県庁など上下関係がはっきりしている所では、弊害が前面に出るのでしょうか。それが日本酒が嫌われる原因になっているなら、気の毒です。

 この件は、是非議論したいところです。

 実は、去年の秋に一度開催し、「超盛り上がった」と本人が思っている、

 <すき焼き「ちんや」創業130年記念「住吉史彦の会」>

の変形版を、ただ今企画中です。

 「御偉方」をおよびせず、年齢の近い皆様にお声かけさせていただく会で、いたってユルい性格の会という点は昨年と変わりませんが、今年は案内先を、飲食業界・食品製造業界の方の方にしぼらせていただこうと思っています。

 東北・茨城から集めた食材を食し、酒を飲みつつ、日本の食の明日を語る会にできれば幸いですが、皆愉快に酔いつぶれて、結果大した話しはできなかったとしても、それはそれで、楽しければOKです。

 お酌の件も、当然ここで語ることにしますが、酌しながら語るのは当然です。

 今から、酔っぱらいそうです。

 うーい、ひっく。

追伸

 弊店では肉を召し上がっていただく前に、牛の個体識別番号と生産県をお示ししています。汚染エサを与えていないことが確認されていますので、安心して和牛を召し上がっていただくことができます。

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上毛かるた

 「上毛かるた」なるものをいただきました。

 先日、群馬県の前橋市に行き、「上州牛」のすき焼きを食べて来ましたが、その時に土産として、現地の方からいただきました。

 実は「すきや連」の常連出席者の中に、前橋の「牛や清」(ぎゅうやきよし)という、すき焼き屋さんの女将さんがいます。

 その方の御店で11月に「第10回すきや連」を開催する予定なので、その打ち合せのために、前橋へ向かったのですが、そのことは、このブログの7/15号に書きましたので、そちらを読んでいただくとして、今日は、その「上毛かるた」の話しです。

 このかるたは、昭和22年に発行された、伝統ある郷土かるただそうで、群馬県の土地・人・出来事を、「い」から「ず」までの、全44枚に読み込んでいます。

 なんでも、子供時代を群馬県で過ごした人は、このかるたの読み札を、ほぼ暗記しているのだそうです。競技会も大々的で、毎年1月の予選大会の後、2月に行われる県競技大会に向けて、群馬県内の子供たちは、冬休みを利用するなどして練習に励むそうです。

 へー、初めて知りました。

 競技の時は、必ず最初に「つる舞う形の群馬県」という札を2回読み、それから本競技に入るそうで、この「つる舞う形の群馬県」という札が、最も重要なようです。

 さらに札をパラパラと見ていきますと、まず名所もの・・・

「利根は 坂東一の川」

「裾野は長し 赤城山」

「縁起だるまの少林山」

「伊香保温泉日本の名湯」

「日本で最初の富岡製糸」

 郷土の偉人もあります・・・

「歴史に名高い 新田義貞」

「平和の使い 新島襄」

 私も最近まで新島が群馬とは知らず、京都に学校を造った人なのだから、どこか関西の出だろう、と思っていました。しかし実は群馬の安中の出で、しかも「すきや連」メンバーで、地元の醤油メーカー「有田屋」のY社長のご先祖様が、新島の「同志社」設立運動を支援していた、というからさらに、ほー、です。

 続いて、名産もの・・・

「繭と生糸は 日本一」

「桐生は日本の 機どころ」

 そして、止めは・・・

「ねぎとこんにゃく 下仁田名産」!!

 成功させましょう、群馬すきや連。

追伸①

 福島県の、5軒の牛の生産者が農水省の通達を守らず、屋外にあった、汚染されたエサを牛に与えてしまった模様ですが、その生産者の牛を、弊店は仕入れておりません。

 牛はBSE問題以来、個体識別番号で調査することができます。弊店では肉を召し上がっていただく前に、個体識別番号と生産県をお示ししますので、安心して召し上がっていただくことができます。

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて504連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 「ちんや」創業130年記念サイトは、こちらです。「すき焼き思い出ストーリー」の投稿を募集しています。

 Twitterもやってます。こちらでつぶやいています。

真夏の群馬へ

 お盆ですね。

 お盆中は、年配の方が御一人で見えて高額のコースを注文されることが良くあります。今は亡きお連れあいの、墓参を済ませた後のお食事でしょうか。心やすらかにお召し上がりいただければ、と存じます。さて、

 群馬県の前橋市に行き、「上州牛」のすき焼きを食べて来ました。

 なんで、そんな日本一暑い所へ行ったのか、と申しますと・・・

 実は「すきや連」の常連出席者の中に、前橋の「牛や清」(ぎゅうやきよし)という、すき焼き屋さんの女将さんがいます。その方の御店で11月に「第10回すきや連」を開催する予定なので、その打ち合せのために、前橋へ向かった次第です。

 「第10回」の特徴は、宴会の前に産地見学会が付いているところです。

 実は群馬県は、すき焼きの具材の生産者が多いところです。ネギ・こんにゃくは有名ですし、椎茸も獲れます。すき焼きの具材以外でも、野菜全般の生産量が多いですね。

 そうした生産者の方の中に、「すきや連」の常連出席者がいらして、是非、見学に来て欲しい、というわけです。その準備作業が、まだ「第9回」も終わっていないのに、既に盛り上がってきていて、予定は11月なんですけど、今月にも実現できそうな勢いです。

 だいたい、この打ち合せのことを知らせてきた、メールのタイトルがスゴいです。

 「すきや連群馬大会打合せ日程の件」

 た、大会だったんですか?!!

 今までの「すきや連」は、東京・横浜・京都と都会で開催しましたが、「第10回」は新しい展開になりそうです。

 それにしても暑かったです。

 でも、いただいた「上州牛」は大変結構でした。御店の窓からは利根川が見渡せて眺めも最高です。

 11月も期待できそうです。

追伸①

 「仙台牛」の販売を始めました。震災の当日にも「仙台牛」を仕入れましたが、それ以来の仙台牛です。データ=宮城県大崎市・遠山明牧場産、黒毛和種牝牛、個体識別番号:12041-78434。

 「食して繋がる、食して支える、浅草から東北へ。」

追伸②

 7/18に「第三回すき焼き通検定」を実施します。合格すると特典満載ですよ!

検定の詳細はこちらです。 

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて502連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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