一発屋

「一発屋」に成らないことが今年のテーマです(笑い)

(笑い)と書きましたが、笑いごとではないです。

実際、経営者仲間の知人から「住吉さん、適サシ・バブルで羨ましいよ!」と冷やかされたことがあります。

弊ブログの読者さんならお気づきの通り、本来弊社の経営は堅実さに特徴があります。「適サシ肉宣言」も、その延長線上にあり、たまたまウケてしまっただけなのですが、昨年から50件以上多くのメデイアに採り上げられて、そのウケ方がすさまじかったので、世間から一過性の「一発屋」「流行り物」と誤解される可能性があります。

弊社のこの経営が「流行り」と捉えられてしまい勢いを失うと、霜降り一辺倒の畜産が勢力を盛り返し、せっかく良い方向に変わりつつある業界が逆回転を始めるかもしれません。

だから「一発屋」と思われないようにしないといけません。

 

追伸①

3月20日は火曜日ですが、祝前日ですので営業致します。

営業時間:16:30~21:30 どうぞ、ご利用下さいませ。

追伸②

日本橋三越本店の催事『江戸東京味・技めぐり』でトークショーをさせていただくことになりました。

聞いてくれる方が少ないと悲しいので、お時間のあります方は是非お出かけ下さい。

時間は3月24日(土)の13時30分~と15時~の2回、

場所は本館7階催物会場です。

演題は【意外と知らないお肉の話しー肉選びの目線が変わります】

内容はもちろん「適サシ肉」の話しです。(2回同じ内容です)

詳細は、こちらです。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.940連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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トークショー

日本橋三越本店の催事『江戸東京味・技めぐり』でトークショーをさせていただくことになりました。

聞いてくれる方が少ないと悲しいので、お時間のあります方は是非お出かけ下さい。

時間は3月24日(土)の13時30分~と15時~の2回、

場所は本館7階催物会場です。

演題は【意外と知らないお肉の話しー肉選びの目線が変わります】

内容はもちろん「適サシ肉」の話しです。(2回同じ内容です)

この時間にご都合のつかない方は、催事自体は26日まで開催されますので、是非お出かけ下さいまし。「ちんや」は精肉の販売を致します。

お出かけ下さいまし、是非。

 

詳しくは、こちら(フェイスブック・イベント)です。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.939連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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元気のひけつ

朝日新聞の33日の朝刊に載せていただきました。

別刷りの「be」の方だったので見逃した方もおいでかもしれませんが、9面「続・元気のひけつ」に載っていました。

文は竹野内崇宏記者でした。ありがとうございました。

内容はと申しますと、脂肪の消化の話しです。

脂の量の話しの中で、私の「適サシ肉宣言」のことが出て来て、続いて、

脂の質による消化の違いついては学者さん達がコメントしていました。

牛の脂には「飽和脂肪酸」が多く、それは「乳化」しづらいので、胃モタレするというのが、ザックリ申しまして、ここでの論旨でした。

「乳化」するとは要するには、微粒子にすることです。脂をあらかじめ微粒子にしておいた方が表面積が大きいので、消化酵素(「リパーゼ」)が作用し易いというわけです。

んで、その「乳化」をしようとすると、牛の脂の「飽和脂肪酸」は組織の結合が強いので難しく、オリーブオイルなどの「不飽和脂肪酸」であれば、結合が緩いので「乳化」し易いというわけです。

たしかにその通りですが、スペースの関係で、この記事に載せきれていないことがあります。ここで私から補足しますと、

牛の脂は一様ではありません。性別、血統、月齢によって違います。もちろんエサなどの育て方でも違います。

牛の脂の中に、オリーブオイルの主な成分である「オレイン酸」や、ナッツ脂の「パルミトレイン酸」が結構含まれていることもあるのです。その場合は、そんなに消化しづらくありません。モタレません。

性別がメスで、血統が但馬系の黒毛和牛で、月齢が高ければそうなります。

私が日頃から強調申し上げているのは、この点です。

科学記事はどうしても「牛の脂」対「魚の脂」という対比で書かれますが、牛の脂にも色々ありまして、肉屋はそこを気にして仕入れをしているんだよ、という点にもご注目いただけましたら、幸いです。

よろしく哀愁。

追伸

日本橋三越本店の催事『江戸東京味・技めぐり』に出店して、精肉の販売を致します。

会期:321(水・祝)26()

場所:本館7階催物会場

是非お出かけ下さいまし。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.932連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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道頓堀

大阪御堂筋のすき焼き店「はり重」さんをお訪ねしました。

「はり重」さんの創業は1919年(大正8年)。初代・藤本喜蔵氏が堺市で開店。大阪・新世界に移り、御堂筋と道頓堀の角地という、大阪一の好立地とも言える現在地に移って来たのは、1948年(昭和23年)だったそうです。

お隣は大阪松竹座。ここは芸の街です。

戦後の道頓堀は今以上に多くの芝居小屋や劇場があり、芝居好きが集まる街でした。そして芝居好きはたいてい食い道楽。1965年頃までの浅草と似ています。

往時は多くの役者さん、芸人さんがスポンサーに連れられて、「はり重」さんにやって来たと言います。私はそういう時代に生きてみたかったなあと思うことがたまにあります。

さて、肝心のお肉ですが、一見、サシが結構入っているように見えて、食べるとモタれません。ご主人に取材しましたら、やはり「メスのみ」だそうで、脂の融点が低いことはやはり重要ですね。

ザクの方では、三つ葉の存在感がなかなかでした。

それからネギは、やや小ぶりの青ネギ。こちらも存在感があって、ああ、関西だなあと思いました。

御馳走様でした。

 

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.928連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

色付きロゴ商標

色付きロゴ商標「適サシ肉」を出願しました。

出願番号:商願2018-20756

出願提出日:平成30220

デザインは渡辺稔様、

出願代理人弁理士は橘祐史様です。

 

このロゴの彩色の「小豆色」(DIC-234)には、ピンク色の肉が美味しいのではなく、こういう色の肉が美味しいのだ!という意味を込めています。

短期肥育の牛さんの肉の色はピンク色ですが、それは美味しくなく、長期肥育された「小豆色」の肉が美味しいのです。

ところが、ネットの画像でモノを売る時代を迎え、肉の業界でも「見栄え重視」「ピンク色重視」の傾向が見うけられます。ピンク色が美味しいと考えてしまうお客様も増えています。

しかし、その商法は真の「お客様志向」ではないと弊社は考えています。 

「小豆色」の「色付きロゴ商標」を取得することで、「見栄え重視」から「味重視」へ回帰したいと思います。

既に売店の装飾をこの色に変えましたが、今後コースターや箸袋も変えて行きます。お見知りおきを。

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.924日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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葉玉ねぎ

下仁田葱の季節が終わりましたので、変わりザクを、

葉玉ねぎ

に変えました。どうぞ、お召し上がりくださいませ。

葉玉ねぎは、玉ねぎです。

玉ねぎの玉の部分が膨らむ前に「若どり」したのが「葉たまねぎ」です。普通のたまねぎは8ヶ月で収穫するのに対し、葉たまねぎは約4ヶ月半で収穫になると言います。

葉は緑で、甘く柔らかいので美味しく食べられます。

巨大なニラのようと言ったら、想像がつきますでしょうか。これをすき焼きに入れていいただきます。

昔から農家さんは「葉ごと食べる若どりの玉ねぎ」と言って食べてきたそうですが、九十九里浜の南部に位置する千葉県長生郡が昭和50年代から商品化したそうで、今でも長生が葉玉ねぎ生産のメッカです。

旬は2月。

早春にしか食べられないオツな具材と思います。

お試しあれ。

 

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.921日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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すき焼きタコス

すき焼きは流行っていないが、

すき焼き風は流行っている、

と何度か書きました。今度は、

「黒毛和牛すき焼きタコス!」が登場するそうです。トホホ。

報道によりますれば、すき焼きタコスを提供するのは、

米国発のメキシカン「クロニックタコス(CHRONIC TACOS)」。

銀座にオープンするそうな。

「クロニックタコス」は、「1度食べれば病みつきになる」をコンセプトにカリフォルニア州オレンジカウンティから始まった“ファストカジュアル”のメキシカン」だそうです。

“ファストカジュアル”とはファストフードとカジュアルレストランを掛け合わせた言葉だそうな。

すき焼きタコスは、その「クロニックタコス」さんの日本限定メニューで、甘辛いすき焼き味にした黒毛和牛をメインに、「メキシカンと和食の融合を味わえるオリジナルフード」だと言います。

この紹介文だけだと味の想像がつきませんが、カレー卵を提供している私としては、行ってみないといけないでしょうねえ。トホホです。

オープン日は38日、場所は銀座6-2-3だそうな。

追伸

2月21日発売の雑誌『東京カレンダー』にお採り上げいただきました。ありがとうございます。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.920日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

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大人のためのハイエンドマガジン

雑誌「アフルエント」の2月号の「継ぎ人~匠」のコーナーに載せていただきました。

「アフルエント」は「こだわりを追求する大人のためのハイエンドマガジン」だそうで、「高度成長期やバブル時代に充実した人生を送った、50代以上の富裕層にチャネルを合わせ「旅」「食」「酒」「投資」など、生活を豊かに彩る情報を提供して」いくのだそうな。

雑誌もターゲットを絞り込む時代ですねえ。

さて、私が出ているのは、その中の「継ぎ人」という連載。伝統を受け継ぐ立場の人ばかりが出るコーナーの10回目で、過去には人形町の「玉ひで」さんなどがお出になったそうです。

で、キャチコピーは、

「ことばを紡ぎ、思いを届ける。記憶に残る牛鍋屋の主人」!

「適サシ肉宣言」とは実は本質は、コミュニケーションの仕事だったわけですが、その辺りを「ことばを紡ぎ」と書いて下さいました。

読者の皆さんに伝わると嬉しいですね。

ありがとうございました。

追伸

インターネットのぐるめ情報サイト「途中めし」にお採り上げいただきました。文は『孤独のグルメ』で有名な久住昌之先生です。ありがとうございました。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.918日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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春菊卵②

昨日に続いて「春菊卵」の件です。

新たな「変わり卵」として開発中の「春菊卵」を、先日開催しました「この辺りでもう一度肉のことを考えてみる会」に出してみました。

だいたい好評で安心しました。

保存性が悪いので、すぐに営業に使うことは考えないといけないのですが、可能性は確認できました。

ところで今日は何でまた、こんなことを考えたのか、です。

春菊の苦みで味にアクセントを付けるというのが第一の趣旨ですが、もう一つの趣旨もありまして、それは、今時の春菊を活かす方策でもあるからです。

最近の品種改良で春菊は、やわらかく+苦くなくなりました。迫力が無いのです。

私などは苦みも足りなく感じますし、鍋に入れるとすぐ縮んでしまって、存在感が希薄です。

NPO法人野菜と文化のフォーラムさんが取りまとめた「野菜のおいしさ検討委員会」というサイトでも、

「最近の野菜は概して本来の野菜らしさがなくなった」という声が多数寄せられています。

・苦味が評価されにくくなっている。

・本来野菜が持っている苦味や辛みや甘味が薄れ、ただ単に甘味の強い野菜が増えて来ている。

・臭いや苦味、辛さが減少し、甘さが増している。

・かたいものが嫌われている。

・総じて軟化し煮えやすくもなったがしっかりした歯ごたえ、噛みごたえのあるものがなくなった。

・煮えやすくなったのは時間的には助かるが、組織の結着力が脆弱で、野菜の力強さがなくなり、栄養成分にも影響があるのではないかと気になる。

・食べやすさを追求することが野菜らしさを失わせていると思う。

まったく、そうだと私も思います。

春菊にはホウレン草ほどではないものの、アクの成分であるシュウ酸が含まれていて、これを嫌う人がいるため、万人ウケするよう改良されてきたのです。

でも、それって、「らしさ」を失わせることでもありますよね。

A5等級にするために血道をあげ、肉らしさを失わせてしまった畜産業と酷似しています。

「らしさ」というキーワードで「適サシ肉宣言」と「春菊卵」はつながっています。

この食べ方を普及させたいものだと思います。

 

追伸、「適サシ肉の日」

日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。

昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。

「記念日制定の由来」は以下の通りです。

「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.900日連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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春菊卵

新たな「変わり卵」を開発しようと思っています。

カレーオイル卵では辛味を、

ヨーグルト卵では酸味を卵に食わえてみましたが、

今回は、苦みを。

天婦羅屋さんに行きますと、抹茶を混ぜた塩が用意されていて、それを付けて食べたりしますが、あれのパクリです。

あるいは焼肉屋さんで、肉をサンチュで巻いて食べたりしますが、あれのパクリだと思っていただいてもOKです。

先日出席した、家畜改良事業団の「牛肉のおいしさ総合評価指標開発事業」事業推進検討会議でも、野菜と肉を一緒に食べると、肉の味の感じ方が変わる。という議論がありました。肉の脂っぽさをサッパリさせる 効果があるからですね。

弊店では、抹茶では面白くないので、春菊の苦みを卵に加えてみようと思い、試しています。

はじめ、春菊を粉末にして→それをオイルに溶かして→卵に入れようと思いましたが、やってみた結果、その方法ではインパクトが小さいことが分かりました。

ぜんぜん味に影響がなく、色素にしかならないですねと板長が申します。それではつまりません。

それほどまでに、今時の春菊の苦みは少ないようです。苦みが減るよう、改良に改良を重ねた結果ですね。

で、春菊をそのままミキサーで砕き、「みぞれ」の状態で加えることにしました。

美味しいです、普通に。何の違和感もありません。

が、保存性がないのが問題です。生ですから、つくったその日しか使えません。

ご注文が入ってから作るとなると、時間がかかってしまいます。

このように営業で使うとなると、冷凍するとか工夫が必要と思いますが、とりあえず美味しいことは分かりました。ご報告まで。

あ、それから問題点がもう一つ。

「春菊卵」と表現した場合、どのようなモノか、言葉だけでは、まったくチンプンカンプン・・・

追伸、「適サシ肉の日」

日本記念日協会さん公認の記念日に成りました。

昨年私が「適サシ肉宣言」をした1月15日です。お見知りおきを。

「記念日制定の由来」は以下の通りです。

「2017年1 月15日に、東京浅草の老舗すき焼き店「ちんや」の六代目当主・住吉史彦が、自店で過剰な霜降肉(A5等級)を使うことを止め、「適サシ肉」すわなち適度な霜降の入った肉だけを使うと宣言した。本件は各種メデイアやインターネットで大きな反響を呼び、「A5信仰が終焉した日」として日本の食肉業界・飲食業界に記憶された。なお「適サシ肉」という言葉は住吉による造語で、株式会社ちんやは後にこの言葉を商標として登録した。」

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.899連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。

 

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