家畜改良技術研究所

家畜改良事業団の家畜改良技術研究所を訪問しました。

以前に山形県畜産試験場を訪問した時のことは、弊ブログの4/14号に書きましたが、今回お目にかかった家畜改良技術研究所の研究員さんは、山形でお目にかかった研究員さんの前任の方です。

山形県を退任された後、改良技研に移られたというわけです。いずれお目にかかりたい、と思っていましたら、「すきや連」群馬メンバーの「鳥山畜産食品」さんがかねて懇意だと言います。改良技研は群馬県前橋市に在るのです。

早速鳥山さんのお世話で訪問することになりました。前橋市と言っても、山の上の方で涼しいですねえ。眺めも良いです。

さて、その改良技研さんですが、

スゴいです、科捜研みたいです。

と、申しましても、ホンモノの科捜研には行ったことはないんですけどね。とにかく、

DNA鑑定で、融点の低い脂を付ける牛が事前に分かるのです。

クールです。Cool Wagyuです。

脂肪を構成する脂肪酸の内、オレイン酸を中心とする不飽和脂肪酸の割合が多いと、その脂肪の融点が下がるのですが、どんな脂肪酸を体内で造るか、決めているのは遺伝子でして、その遺伝子の型を既に改良技研さんは特定しているのです。だからDNA鑑定で、融点の低い脂を付ける牛が、交配する前に分かるのです。

融点の低い脂であれば、食べた後に胃モタレしませんし、それに調味料や旨み成分が融けた脂肪と混ざって味がマイルドになります。

脂肪自体に味や旨味はありませんが、味がマイルドに成りますので、それを甘いと感じる人もいるようです。

Cool Wagyuです。世界に売り出す価値があります。

「ちんや」で「脂が甘い!」と言う方がいるのは、これです。常温で脂が融けるからですね。

一方、肉の見栄えばかりが良くなる遺伝子型も分かっています。

飽和脂肪酸が多ければ脂の融点が高く、肉がカチっと立って見栄えが良いのです。写真で良く見かけますが、人間の体温で融けないとモタレますね。

また畜産経営のコスパが良くなる遺伝子型も分かっています。短時間で霜降りが付く遺伝子も特定しているのです。

願わくば、Cool Wagyuを世界に売り出す時、見栄え重視やコスパ重視を止めていただきたいと思います。

日本でも外国でも、お肉は最終的にお客様を幸せにするものでなければならず、その為には、どのような牛なのか、極力分かった上で取引きしなければなりません。

日本国内はまだまだ、

肉の見栄えばかりを追う時代、

畜産経営のコスパばかりを追う時代、

ですが、それをそのまま輸出して欲しくはないですね。

・・・この日勉強してきたことがまだまだ在りますので、このブログにも書いて行きます。ご期待下さい。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.651日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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漢方薬

イグノーベル賞の新見正則先生がテレビで漢方薬の説明をなさっていました。

移植免疫学の専門家かと思ったら、漢方にもお詳しかったのですねえ。

私は、漢方にさほど興味はなかったのですが、ぼんやり視ていますと、

!!!なことをおっしゃいました。

同じ漢方薬を処方していても、患者さんによって「美味しい」という人と「不味い」という人にわかれる。

で、その漢方が効くのは、患者さんが「美味しい」という場合だというのです。

漢方には体を活性化させるものも、沈静化させるものも在りますが、元気のある人に活性化させるもの=例えば朝鮮人参を与えるのは間違っていて、そういう場合に患者さんは「不味い」という筈だ、というのです。

番組でも十歳代の若いタレントさんが、朝鮮人参が「マズい!」と叫んでいました。体が必要としていないから「マズい!」のです。

この話し、分かり易過ぎて茫然としてしまいました。

思えば、肉もそうですね。

私が「マズい!」と思う肉でも、「美味しい、美味しい」と喜んで食べる人は大勢います。

それを見て私はこれまで、

世間の人はなんて、肉音痴なんだろう!

と思っていましたが、違ったんですねえ。その人達はとにかく肉を欲していたので、どんな肉でも良かったのです。

そういう人に、味の違いを分かれという方が無理なことだったのです。

一方、「ちんや」の肉を欲している人もいます。旨いだけでなく、モタレない肉を欲している人もいますから、その方々に「ちんや」の肉はフィットします。

年配の方~50歳くらいでも「最近肉はどうもモタレてねえ・・・」と言う人もいますから、そういう方、あるいは病気を経験した方なんかに「ちんや」の肉はフィットします。

お医者様が患者さんを診るように、肉屋はお客様を診ねばならないのだな、と感じました。

目鱗。

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続く えにし

秋の「ご縁づくりキャンペーン」のテーマを「続く えにし」にしました。

この期間(9/13~9/28)に「ちんやメンバーズカード」に入会し、なおかつ御自分の記念日として、故人の命日を登録なさった方は入会金が5円になるのです。通常は500円ですから95%引きです(笑い)

この企画を検討している時、不祝儀なネタで「キャンペーン」というのは、いかがなものか?

という意見も出ましたが、私はそういう考え方をしません。

人の没後に、その方に御縁のあった方が会合する、というのは素晴らしいことだと思うからです。

そう、人と人は生きている間だけつきあうのではないのです。

故人から教わったことを守って行く、という生き方をする人がいなければ、所謂「老舗」店などはまず成り立ちません。

歌舞伎でも「追善興行」を頻繁にやっていますよね。不祝儀ネタで興業を打っているわけです。だから私も不祝儀を肯定的に考えたいのです。

故人は肉親に限りません。恩師や上司でもOKです。

現実に、「ちんや」では故・内山栄一台東区長を偲んで、かつての部下が集まる席があります。

内山元区長(1911年-2012年)は台東区では有名人なのですが、他区の方はご存知ないかもしれませんから、ご紹介しますと・・・

税理士・区議・都議を経て区長に当選、在任四期16年。業績としては、

東北・上越新幹線の上野延伸

「桜橋」架橋(X字型の、歩行者専用の橋)

隅田川花火大会の復活

浅草サンバカーニバルの創設

旧東京音楽学校奏楽堂の移設・保存

・・・などがあります。こうした積極政策・文化政策を推進する一方で、区役所の行政改革を断行した方でもありました。

区長選に出た時掲げたキャッチフレーズは「株式会社・台東区」でしたから、部下の皆さんには煙たかった筈ですが、結局庁内でも人気が出たところがスゴいことです。

違う種類の先生=学校の先生を偲ぶ会も、勿論承っています。

先生がすき焼きが好きだったので、その墓を拝んだ帰りに、というパターンです。

線香の香りは、どうしても抹香臭いですが、すき焼きの香りなら天まで届いて喜ばれると思います。

この店が、えにしを続けて行く場に成れば嬉しいです。

追伸、

誠に勝手ながら、「ちんや」は9/1(月)~9/4(木)まで4連休をさせていただきます。ご諒承下さいませ。

このブログは予約投稿により、休まず更新して参ります。

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大正浪漫の宿

下仁田町の「常盤館」さんをお訪ねしました。

今年秋に「すきや連」を開催する準備のためです。

下仁田は下仁田葱の産地として、あまりにも有名ですが、その下仁田で「全国ねぎサミット2014in ぐんま下仁田」というイベントが開催されるそうです。動員3万人の予定という大イベントなのだとか。

そして、その会期にあわせて「すきや連」と「すき焼きシンポジウム」も下仁田の地で開催されます。

「すきや連」は、これが第19回。「常盤館」さんで開催します。

さらに同じ日に「すき焼きシンポジウム」が群馬県庁の主催で開催されます。

このシンポジウムは、群馬県が県内ですき焼きの食材を全て揃えられる「すき焼き県」であることをPRするため公開イベントです。「すきや連」のメンバーも登壇する予定なので、そちらの会場の下見もしてきました。

さて「常盤館」さんは大正元年のご創業、往時の面影を残すお宿で、下仁田葱すき焼きを名物にしています。

創業当時、下仁田は木材や繭の取引で賑わっており、商人達の往来が盛んでした。その商人達のための宿として出発なさったと聞きます。

高崎から下仁田へ向かう上信電気鉄道は大正10年に全線電化。電化完成を街を挙げて祝った時の写真が宿の廊下に掛けられています。宿は多数の日章旗で飾られ、芸者衆も大勢、それは賑やかだったそうです。早くから産業化した土地だったことが分かります。

八王子のすき焼き屋「坂福」さんも、同じ頃やはり商人同士が会食する場としてスタートしていますから、事情が似ていますね。

下仁田は残念ながら花柳界は廃止になってしまいましたが、八王子は今も花柳界を残していますね。

「常盤館」さんはまた、竹久夢二の宿としても知られています。

夢二は晩年に「榛名山産業美術研究所建設についての趣意書」を発表したことから分かる通り、上毛の地を愛していて、下仁田へも足を延ばしたのだそうです。夢二の絵が館内のあちこちに架けられていて浪漫チックです。

絵を鑑賞した後は、勿論すき焼きです。「すきや連」群馬メンバーの皆さんも顔を出して下さり、小宴と言った感じ。

おや!と思いましたのは、すき焼きの手順です。「坂福」さんと同じではないですか!

葱を炒めて、その上に肉を載せ、その上から割り下を投入する方式です。

この方式は「ちんや」と同じでもあります。

旧くからの店や宿が商いを継承することで、土地の記憶や味の記憶も伝えられて行きますね。

「日本一揺れる」上信電鉄も愉快でした。

追伸、

誠に勝手ながら、「ちんや」は9/1(月)~9/4(木)まで4連休をさせていただきます。ご諒承下さいませ。

このブログは予約投稿により、休まず更新して参ります。

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飼料米

円安で困っているのが畜産業界です。

実は畜産業界はエサの相当部分を輸入飼料に頼っていて、円安に成れば、その飼料価格が高騰します。当然経営が苦しくなる、というわけです。

カロリーベースで見た日本の食料自給率が低い理由も、これです。

「畜産物については、国産であっても飼料を自給している部分しかカロリーベースの自給率には算入しないこと」がカロリーベースの考え方ですので、経済学者の野口悠紀雄先生のように、「カロリーベースの食料自給率向上」は政策目標として無意味であると主張している方もおいでですが、その話しはさて置きまして、今日は飼料が輸入ものばかりである件です。

輸入飼料のメインは、アメリカ産のトウモロコシです。はっきり申しまして日本の畜産農家はアメリカさんの上得意先に成っているのです。

この状況を直そうとすれば小浜さんの逆鱗に触れる可能性もあるわけで、政府中枢は自給率を上げたい!と言いつつ、実は内心本気ではないのだろうと思います。

政府がおよび腰でも地方では、輸入飼料を減らす試みが始動しています。

先日伊勢の帰りに松阪に寄り、三重県畜産研究所の所長さんにお目にかかりましたので、

最近はどういう研究をなさっておられますか?

とお尋ねしましたら、最近は飼料米ですね、というご返事でした。

松阪だけではないのですが、国内で唯一自給可能な作物である米を飼料にする動きが、このところ盛んです。

減反政策によって生産者が作りたくても自由に米を作れない状況にあり、耕作放棄農地が増えている位ですから、それを転用するのは勿論善いことです。

しかも米のような純度の高いデンプンを与えると、トウモロコシと比べて、肉に含まれる脂肪の融点が下がる、という研究結果があります。

脂肪の融点が下がる!⇒食後にモタレない!ですから、「ちんや」としては大歓迎ですね。

しかしです、やはりコストの問題は大きいようです。

アメリカの大平原で大量に育てられたトウモロコシよりは、どう考えても日本の米は高いです。それに牛さんは固い米を食べたがりませんから、粉砕したり蒸したりしてから与えるという手間がかかります。それも当然コストです。

結局薬局、高いコストを負担してもOKな産地=つまりブランド力のある産地で飼料米の研究が進んでいる、というのが、アバウトな現状でしょう。

飼料米導入は善いこととは思いますが、万々歳ではないですね。

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

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韓流スター

どうやら韓流スターの人って、日本に行ってインタビューされて、食べ物は何が好きか聞かれたら、

すき焼き!って答えるように訓練されているようです。

そう思わざるを得ないほど、

すき焼きが好き!っていう、韓流スターは多いです。

最近では、ドラマ「美男<イケメン>ですね」に出ている、イ・ホンギさん。

「最近友だちの紹介で、大阪ですき焼きを食べたんですね。でも、焼き方がちょっと違うお店だったんですよ。でも、聞いてみたら、それが本当のすき焼きだと言われて。しょう油を入れないすき焼きだったんですけど、本当にうまかったです。」

しょ、醤油を入れない、すき焼き???

これには日本の取材陣からの反応が薄かったため、

「分からないですか?俺、何食った?予約がハンパなくて、けっこう何日か待ちましたね。本当ですよ・・・」

大阪の、醤油を入れなくて、予約がとれない、すき焼き???

大阪に詳しい方、情報下さい。

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.630日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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木曽路はすべて

実に残念ですねえ、「木曽路」さん。

あの価格帯で118店もの店舗を展開している会社って、なかなかないです。牛丼とか、ファミレスとか、居酒屋で大規模な会社はたくさんありますが、まともな和牛を使うような店で118店って、私なんぞにはとても考えられないことです。

そもそも、そこに無理があったかもしれません。しかも松阪牛だなんて。

しかし、当の本人はそれが可能だと考えて取り組んだわけですから、やはり偽装はいかんですな。刑事処分もされることでしょう。残念です。

今回の事件で私が一番に残念だと思うのは、ブランドのことです。

やはり日本人って、ブランドがないとお金は出さないんだねえ、ということです。

「木曽路」さんの公式サイトを見ますると、ブランドのことはさほど強調されておらず、むしろ会社の経営理念とか、どういう店にしたいのかが分かるように出来ています。なかなか良いプレゼンに思えます。これを信じて食べに行った人は多数いると思います。

それだけに残念です。内心はやっぱりブランドで客を吊ろうと考えていたんですねえ。

せっかくの経営理念も、これでいっぺんに「絵空事」扱いとなりましょう。

極め付けだったのはテレビ報道です。とあるテレビのキャスターさんがこの事件について、捨て鉢にも、

日本人って、肉の違いは分かりませんからねえ!

とコメントしたのです。ご自分が焼肉屋を経営なさっているのに!!!

「木曽路」さんもキャスターさんも、結局、客の舌を信用していなかったのですね。

しかし私は信じますよ、「ちんや」のお客様の舌を。

信じるどころか、「ちんや」の肉の味を評価して下さる、お客様の舌こそが、弊社にとっての資産です。

本当の資産とは金でも土地でも建物でもなく、そうしたものだと私は考えています。関東大震災・太平洋戦争と二度丸焼けに成った、浅草の人間には自然とそういう思考が身についているのです。

だから私は、知名度のないブランドの肉でも、旨ければ高い値段を付けて売っています。おそらく、

高いなあ!

コスパが悪い店だなあ!

と思われていることでしょう。世間の大方はそうかもしれません。

逆に、ブランドなのに旨くない牛が、世の中にはたくさんいますが、その大方の方々は、そっちは納得して食べるようです。

しかししかし一方、大方でなくても、「ちんや」に通って下さる御客様はいます。はい、店が潰れない程度の数のお客様は。

だから「ちんや」の、旨いノンブランド肉を食べて「旨い!」と思ってくれない人=ブランド崇拝の人は、ウチに来てくれなくてOKなのです。

そういう人は、どんどん、「木曽路」さんにいらして下さい。

今後は多分キチンと表示なさるでしょうから、安心ですよ。

そう、今までが「夜明け前」だったのです。

追伸①

お盆ですが通常通り営業いたしております。どうぞお出かけ下さい。

今月の休業日は8/19(火)と8/26(火)です。連休は9/1-9/4にいただきます。よろしくお願い申し上げます。

追伸②

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.629日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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みすじブーム

みすじをご存知ですか?

みすじは、東京都台東区南部の地名。一丁目と二丁目が設置されている。

東辺は新堀通りに接し、これを境に蔵前に接する。南辺は鳥越に接する。西辺は左衛門橋通りに接しこれを境に小島に接する。北辺は、春日通りに接しこれを境に元浅草に接する。町域内は商店・オフィスビルと住居が混在している・・・の話しでは勿論ありません。

肉の「みすじ」のことです。

今日は、肉の部位の名前「ミスジ」の話しですが、さてそのミスジは肩甲骨の内側に在ります。肩肉の一部分です。

とある焼肉屋系のサイトによりますと・・・

「一般的にいうところの肩肉の端に位置しており、1頭から数百グラムしか獲れない。赤身なのに綺麗な細やかなサシがはいっています。ロースやモモとは画一した別世界の味わいで、あっさりとした食感、それでいて濃厚な味わい、後味もキリッとしたとろけるお肉です。幻といわれる。」

はあ?!

気にいりませんねえ。

ミスジは、たしかに美味しい部分ではありますが、他の部位と比べて突出して美味しいとまでは言えず、「別世界」「まぼろし」なわけはないですよ。

ですので「ちんや」では、周囲の肉からミスジだけを切り出すということはせず、大きな肉のまま、すき焼きに入れます。それで普通に旨いです。

なのに、「別世界」とか「まぼろし」とか言うのは、さも希少なように宣伝して単価を上げたい、という業者側の思惑がそうさせているのです。

では逆にお尋ねしますが、ミスジなら必ず旨いのでしょうか?

んなわけないです。

残念な牛のミスジなら当然残念です。冷静に考えれば、それが当然なのに、今日もテレビでは、

ミスジが食べたい!というCMが流れています。とある大手焼き肉チェーンのCMですね。

いったい、この会社さんは、ミスジだけを食べんがために、牛という牛の肩という肩からミスジだけを切り出そうと言うのでしょうか。ミスジが獲れれば、どんな牛でも良いのでしょうか。

冷静な皆さんなら、この馬鹿馬鹿しさがお分かりの筈です。

部位が美味しいのではないのです。

牛が美味しいのです。

部位をことさらに強調していると、牛を育てておいでの生産者の方の努力を忘れてしまいませんか。そういう心配があるので、私はやはり気にいりません。

だいたいですよ、CMのように「ミスジが食べたい!」なんて小さいお子さんが言うわけないです。まあ、天然のお子さんではなく、子役ですからね。ああ、気味悪い。

私は昔から子役って者が好きに成れませんが、セリフまで業者チックだとさらに気味悪いですねえ。

お子さんが言うとしたら「美味しい肉が食べたい!」に決まってるでしょう。

そういう自然な食べ方をしてみませんか?!

追伸①

お盆ですが通常通り営業いたしております。どうぞお出かけ下さい。

今月の休業日は8/19(火)と8/26(火)です。連休は9/1-9/4にいただきます。よろしくお願い申し上げます。

追伸②

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.628日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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開催しました!第18回すきや連②

第18回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治42年ご創業の、「伊勢肉」の老舗「豚捨」さん。今回も50人ほどの、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

<寄せ書きはたくさんありますので、昨日から二日に分けてUPしています>

・伊勢牛の重き包みや盆じたく(向笠千恵子)

・ようこそ、伊勢へ!!今日はお暑い中参拝からすき焼までありがとうございました。食って食って食いまくれ!!でよろしくお願いします。(「豚捨」森大亮)

・つたない話を聞いていただきありがとうございました(吉川松喜)

・伊勢神宮のご利益に感謝!豚捨さんの牛肉、味、酒の美味し。

(尾崎仁)

・お伊勢さん参りと豚捨さんのすき焼 ご利益あります。ありがとうございました。(西居基晴)

・豚捨さんのすき焼たのしみにうかがいました。ありがとうございます。

(高岡修一)

・神風の伊勢の宮居に詣で来て舌鼓打つ豚捨の味(青木太兵衛)

・炭火で食す伊勢肉は絶品。(黄木修太郎)

・お伊勢さん参りと豚捨さんのすきやき満喫しています。(藤井紀美江)

・豚捨さんのコロッケは2回食べさせていただきました。今日は網焼きを食べさせていただき、ありがとうございます。(星南子)

・豚捨てさん絶品すきやきと山形の冷酒ありがとう!(林邦宣)

・伊勢神宮参拝に始まり、夜は網焼、すき焼に舌鼓。豚捨さん、ありがとうございます。(荒井亮一)

・伊勢肉大変美味しかったです。歴史的なバックボーンのお話しも大変勉強になりました。(石川大介)

・豚捨さんの伊勢牛!!いつも美味しくいただいていますが、今日は特に美味しかったです。豚捨さんのおもてなしに感動しました。ありがとうございました。(鈴木拓将)

・伊勢神宮、網焼き、すき焼きおいしいな。豚捨さん、ありがとうございます!!(柴田伸太郎)

・豚捨さんの伊勢肉美味しかったです!黒毛和牛最高!(吉澤直樹)

・あみ焼きからのすき焼き、美味しい肉はどんどん進んでしまいます!!(吉澤裕介)

・伊勢神宮参拝させていただいく、豚捨さんの美味しい伊勢肉をよばれて、幸せな1日です。すきや連サイコー!!(中川晶成)

・今日は大好きなお肉たくさん食べれて、ちょー幸せ。すき焼きでこの厚み最高!!またお邪魔しますね、森さん。(清水祐子)

<寄せ書きは以上です。今回大変お世話になった「豚捨」の森社長、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。>

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Fi
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開催しました!第18回すきや連

第18回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治42年ご創業の、「伊勢肉」の老舗「豚捨」さん。今回も50人ほどの、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

・伊勢牛の重き包みや盆じたく(向笠千恵子)

・ようこそ、伊勢へ!!今日はお暑い中参拝からすき焼までありがとうございました。食って食って食いまくれ!!でよろしくお願いします。(「豚捨」森大亮)

・つたない話を聞いていただきありがとうございました(伊勢商工会議所副会頭・吉川松喜)

・昼は神宮で心清め夕から若柳でスキヤキ。食養生、感謝です。

(伊豆川嘉規)

・神宮にぬかずくあとぞ伊勢の牛(大竹道茂)

・いつもすばらしいすき焼きに感謝(福本吉宗)

・岩焼の肉おいしく昔を思い出したすき焼、ありがとう。(和田政司)

・すき焼きは素晴らしい脇役あっても主役はやはり肉(川井秀晃)

・伊勢の外宮・内宮と特別参拝させて頂いた上、豚捨さんの炭火のすき焼には美味が溢れてました。(藤森朗)

・御伊勢さま 豚捨さんにて美味しいすき焼感謝!(三嶌太郎)

・豚を捨てたくなる程のおいしい牛のすき焼。夏こそすき焼!!

(高岡慎一郎)

・25年ぶりの豚捨あみ焼きかわってなかったです。感動です。

(赤塚直子)

・神宮を参拝して心が洗われました。若柳さんのすき焼き、網焼きすばらしかった。ありがとう。(相沢二郎)

・お伊勢さんにお参りさせて頂き、特別に参拝することで、すきや連の皆様のご多幸、ご健康すべていいことありそうで、うれしかったです。

(相沢ヒロミ)

・伊勢の夏川風に思う、すき焼きへの思い(植村光一郎)

・第18回すきや連に参加でき、たいへん感謝致しております。お伊勢さんですき焼、趣きありますね~(西村委代)

・盛夏にも炭火囲んで美肉楽し(星野見左子)

・お伊勢めぐり後の豚捨の味、御利益あり(湯浅康毅・由香子)

・伊勢牛のあみ焼きとすき焼きのフルコース。満喫させていただきました。(鳥山渉)

・伊勢神宮にて衣食住食物の守護神の御前にてすきやきを食す、素晴らしいです。(島崎進)

<寄せ書きはまだまだありますので、二日に分けてUPします。今回大変お世話になった「豚捨」の森社長、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。>

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.625日連続更新を達成しました。

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