小ザシ

とあるご取材で、すき焼きに向いている肉とはどういう肉ですかと尋ねられました。

色んなことがありますが、今日は「小ザシ」についてお話ししてみたいと思います。

さて「小ザシ」とは赤身とサシが細かく入り組んでいる肉のことを言います。

対する言葉として「粗(あら)ザシ」がありますが、こちらは脂肪が塊になっている状態を言います。

で、すき焼きに向くのは「小ザシ」です。

なぜか?

すき焼きは、実は焼かないで煮る料理だからです。

和牛の大きな特徴である「和牛香」は温度が80℃位の時にたくさん出ることが知られているのですが、煮ると温度が100℃以上にならず、「和牛香」が出易い温度が保たれます。逆に肉を焼いたり、揚げたりすると100℃を超えてしまうので、香りの出方が今市と成るのです。

すき焼きは「和牛香」を最も楽しめる食べ方だと言い換えても同じことです。日頃食の細ったお爺ちゃんが香りに食欲をそそられて、「ウチのお爺ちゃんはすき焼きだとたくさん食べるのよねえ」ということになる理由はコレです。

で、次に肉のどこから香りが出るか、ですが、それは

赤身とサシの境目の部分です。タンパク質と脂肪を接合している物質が加熱された時に香りを出すようです。

結局ですが、赤身とサシが細かく入り組んでいる「小ザシ」の肉が、香りをたくさん出すので、すき焼きに向いているということになります。

皆さんも、一度「小ザシ」「粗ザシ」を比べてみると面白いかもしれません。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.151連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

トマトすき焼き

住吉さんは「トマトすき焼き」については、どう思われますか?

と聞かれることがあります。

日本料理「三田ばさら」の小山裕久さんが2011年頃に出されたメニューのことですね。

甘い・辛いのすき焼きに酸味を加え、「甘、辛、酸のトライアングルを作ることで、味に奥行きと深みが出る」ようにしたものですから、当初から美味しいとは私も思っていましたが、継続的に提供し続けるご意志がおありかどうかと思っておりました。

ところが、それから5年、今でもたまに話題になるということは、続けておられるのですねえ。それは立派なことだと思います。

で、どう思うか、ですが、私は鍋の中は旧来の甘い・辛いのすき焼きにしておいて、酸味はつけあわせとしてお出ししているピクルスか、あるには酒で補っていきたいと思っています。

もう一つ作戦として、卵を工夫して酸味を加えるという手は「あり」かもしれません。もちろんチョイスの一つとしてですが。

洋食では、オムライスにトマトケチャップをかけますね。中身は挽き肉。あれと同じ塩梅です。

そう、私は今私は洋食をイメージして、「卵を工夫」と言っています。

「トマトすき焼き」は「和食の基本を極めた小山さんにしか発明できなかった逸品」と評価されているそうですが、私は洋食方向への改良も面白いと思っています。

今年のテーマの一つにしたいです。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.150連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

優良施設

旧臘のことですが、弊店は台東保健所と台東区食品衛生協会より、

「食品衛生優良施設」として表彰されました。

食品衛生は料理屋にとって当然のことではありますが、あらためて表彰されると嬉しいものです。

日頃から衛生管理に取り組んでいる「衛生・社会貢献委員会」のメンバーをはじめ、全社員の努力の賜物と思います。

お疲れ様でした。引き続きよろしくお願いします。

追伸①

今年の三社祭の日程が発表されました。5月13日~15日です。

定例より1週早いですのでお気をつけ下さいまし。
理由は、警視庁の警備要員を伊勢志摩サミットに充てる為です。

追伸②

年始の営業案内です。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.143連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

オール群馬de上州牛すき焼きプラン

群馬県が「すき焼き応援県」を宣言したのは、一昨年のこと。

この件につき、地元での認知度が至って低いと報道されていますが、熱心に取り組んでおいでの旅館さんがありました。それは、

「四万温泉柏屋旅館」さん。

こちらの御宿では、群馬県が上州牛や下仁田ネギ、コンニャクなど、すき焼きの具材になる良質な食材の宝庫であることに着目し、冬の限定プランとして、主要素材に群馬県産食材をほぼ100%使用した【オール群馬de上州牛すき焼きプラン】を2012年から実施しておいでです。

主な県産食材は、上州牛、下仁田ネギ、しらたき、豆腐(中之条町産)、醤油(中之条町産)、たまご(中之条町産)、きのこ、など。

群馬の中でも特に中之条町産つまり地産地消を目指しておられます。

この情報を私はツイッターで発見したのですが、調べて行きましたら、合羽橋道具街のII田さんと、この御宿のご主人はお知り合いとか。世の中狭いですねえ。

オール群馬すき焼きプラン、売れると良いですね。

追伸

年始の営業案内です。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.140連続更新を達成しました。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

角さんとすき焼き

角さんの命日は12月16日。没後20年以上たつと言うのに、未だに話題になるというのはスゴいことです。

旧臘のことですが、「週刊新潮」に

【「田中角栄」追憶の証言者】大平と角栄が2人でつついたすき焼き鍋に秘密があった

という記事が出ていました。

大平正芳・元総理は田中政権で外相を務めて日中国交正常化を成し遂げ、その後も角さんと盟友関係にあったと言います。

で、その二人が会う時は、すき焼き。

大平の娘婿である森田一・元代議士(81)が語るところでは、

「特に印象的なのは築地にあった「栄家」というすき焼き屋を2人で訪れた時のエピソードですね。」

「角さんは折に触れて「歴代総理の中で百姓出身は俺と大平だけだ」というほど、大平に親近感を覚えていたんですが、味つけの好みだけは正反対。甘党の大平はすき焼き鍋にどんどん砂糖を入れる。一方の角さんは醤油が大好きなので、ドボドボと注ぎ込む。結局、鍋の中は滅茶苦茶な状態になって、味も何も分からなくなってしまった。当然、食べられたものじゃない。それからというもの、2人ですき焼き屋を訪れる時は大平の鍋と、角さんの鍋を別々に用意するようになったのです。」「お酒にしても、角さんはビールと日本酒をがんがん呷りましたが、大平はビールを一杯飲んだら、あとはお茶だけ。会話も角さんが7割方まくし立てていた。」

大平さんは香川県出身ですき焼きに大根を入れるのが好きだったとも聞きます。

国の特別会計の無駄のことを「母屋(一般会計)でおかゆを食って辛抱しているのに、離れ(特別会計)で子供がすき焼きを食っている」と言った塩川正十郎さんも昨年亡くなり、今時の政治家に、すき焼き話しがないのが私はチト寂しいです。

 

追伸

年始の営業案内です。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.139連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

北海道新幹線

今年「もめそう」なことシリーズは、もう止めにして、目出度い方の話題です。

3月26日に北海道新幹線が開業します。報道によりますと、

「JR北海道は、東京―新函館北斗間を最速4時間2分で1日10往復するダイヤを発表した。青函トンネルを貨物列車と共用するため速度を落とし、4時間を切れなかったが、沿線や観光業界の期待は高まっている。」

結構と思います。

ところで函館には、明治34年ご創業の「阿佐利」さんという老舗すき焼き店が在ります。

すき焼き専門店が在る土地は、牛の産地か、明治初期に既に都市化していた所のどちらかですが、函館はもちろん後者です。横浜や神戸と似た事情ですね。函館もすき焼きフルな土地柄なのです。

が、私は不勉強なことに未だ「阿佐利」さんに行ったことがありません。

ですので、是が非でも行かねばならないわけですが、悔しいことに先方にコネクションがないんですよね・・・

阿佐利さんというからには秋田県ご出身の人が始めたんでしょうか・・・

どなたかお知り合いの方がいたら是非ご紹介下さい。

4月か5月辺りに行ってみたいと思っています。

あ、これが今年の抱負ですね、一応。

追伸

年始の営業案内です。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.137連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク,憧れの明治時代 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

住吉史彦の十大ニュース2015

お待たせしました!

今年も「住吉史彦の十大ニュース」の時間がやってまいりました。

え? 誰も待っていないって?

そういう声は無視して、どんどん行きましょう。

今日はポイントだけを書きますので、詳しい内容を知りたい方は、アンダーラインのある所をクリックして下さいね。さて、

3月 第20回「すきや連」を開催しました。 会場は、珍しい肉屋発祥のホテルとして知られ、またプロ野球・巨人軍と甲子園球児の定宿としても知られる「ホテル竹園芦屋」さんでした。

3月 このブログが2/28で満5年になりましたので、主に食べ物関係の御職業で、世代が近い皆さんをお誘いしまして、「ちんや創業135年記念、住吉史彦のブログ5年間連続更新記念 俺のすき焼きの会!」を開催させていただきました。

5月 慶應義塾「料飲三田会」の総会が開催され、不肖・私が幹事長に選任されました。  全く以て役者不足と申す他ありませんが、在り難くお請けすることに致しました。

5月 家畜改良技術研究所が3年間かけて取り組む「牛肉のおいしさ総合評価指標開発事業」の「推進検討委員」に任命されました。

7月 第21回「すきや連」を開催しました。 会場は浅草新仲見世の「今半本店」さん。今回も50人以上の、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況。老舗の味と風情を堪能させていただきました。

7月 母・綾子が他界しました。

10月 慶應義塾の広報誌『三田評論』の10月号に出演させていただきました。 『三田評論』には毎月「三人閑談」といって、三人の卒業生が対談するコーナーがあるのですが、今月のテーマが「和牛を食す」で、そこに入れていただいた次第です。

10月 第22回「すきや連」を米沢市の「グルメプラザ金剛閣」さんで開催しました。

11月 「肉メディア」で、私の連載が始まりました。  「肉メディア」は、「今までありそうでなかった、肉好きの、肉好きによるお肉の情報ポータルサイト」です。そこで「大人のすき焼き教科書」と題して連載を致しました。

12月 「ちんや」創業百三十五年を記念して、『読み継ぎたい すき焼き思い出ストーリーの本』を刊行致しました。

 

いやあ、今年も忙しかったです。

これにて2015年の弊ブログも千秋楽となりました。まずは御礼だけを申し上げます。読者の皆様、ご愛読いただき誠にありがとうございました。

2016年もご愛顧を賜りたく、心よりお願い申し上げます。

東西、東〜西〜

 

追伸

年末年始の営業案内です。

年末=12月31日まで休まず営業致します。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.133日連続更新を達成しました。

 

恒例の忘年会

台東三田会の恒例の忘年会が今年も「ちんや」で開催されましたが、今年は恒例でなかったことが1点。

それは私自身が卓話の講師だったことです。

今年の10月、慶應義塾の広報誌『三田評論』に出演させていただきましたが、それを会の幹事さんが読んで下さっていて、今回卓話を!ということになった次第です。

で、私が講師だったのですが、その演題は「すき焼きはなぜ、焼かずに煮るのか?!」

内容をここでご紹介しますが、

なぜ煮るのか?を考えるには最初に日本人がどのように牛肉を食べて来たか考えないといけません。

日本人は「煮る」という調理方法を好んできました。水の豊富なこの国の人々は「煮る」という調理方法を発達させて来ましたが、フランスは「焼く」、中国は「炒める」ですね。で、日本は煮ます。

そもそも「煮る」という調理方法は、あらためて申せば水を媒介として食材を加熱する方法です。

「煮る」の決定的な特徴は、品温が100℃を超えないということです、当たり前ですが。

100℃を超えませんので牛肉を煮た場合も80℃から90℃で加熱されます。で、和牛肉はその温度帯で香り物質をたくさん揮発させるのです。

和牛肉は海外産の肉に比べて香り成分の総量が圧倒的に多く、特に「ラクトン類」という有機化合物がたくさん揮発します。桃やココナッツといった果物の好ましい香りを感じさせる匂いですね。

その「ラクトン類」こそが所謂「和牛香」つまり和牛の一大特長であるところの、独自の良い匂いの正体だと、近年の研究で明らかにされたのです。

このように牛肉を煮る、しかも客の目の前で煮るという調理方法が和牛の「香りが良い」という特長を最も楽しめる方法だと言えるのです。

どうも、焼き肉屋さんに行った時より、すき焼き屋さんに行った時の方が良い匂いがするような気がするんだよね・・・と感じるのは、不思議ではないのです。

そして、それ以前に、日本人はとにかく煮るのが好き。コンビニでおでんが売られているのは、おでんが煮ることを突き詰めた料理だからです。

すき「焼き」という料理名なのに煮ているのは、一体全体どういうことなんだ?!という超基本的な疑問の答えがここに在ります。

まずもって、日本人はとにかく煮るのが好き。

そして香りが豊富という和牛の特長を堪能するには、煮るのがベスト。

そういうわけです。

ああ、すき焼き屋で良かった!そう思いながら、皆さんにお話しさせていただきました。

追伸

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、私の連載が始まりました。

題して、「大人のすき焼き教科書」。

弊店でリアルなイベントも企画しています。

こちらから、どうぞ、ご覧下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.132連続更新を達成しました。

 

すき焼きでクリスマス

うーむ、このブログの12/24号の記事は撤回した方が良いのかもしれません。

「すき焼きでクリスマス」は今後普通のことになっていくのかもしれません。

そう思ったキッカケは、

【ジャンプ】葛西、Xマスは怜奈夫人の「すき焼き」で英気養う

という新聞記事でした。その記事によりますと、

「スキージャンプW杯個人第6戦(19日、スイス)で銅メダルを獲得し、最年長表彰台記録を更新した葛西紀明(43)=土屋ホーム=が22日、成田空港に帰国。欧州遠征へ再び出発する25日まで、つかの間のオフを過ごす。」

「楽しくパーティーしてリフレッシュしたい。(怜奈夫人が)すき焼きを作ると言っていました」と“和風クリスマス会”で英気を養う計画だ。」

「レジェンド葛西」と言えば、世界で戦う日本人の代表のような方ですが、世界で活動すると、どうしてもそのスケジュールはキリスト教徒の都合に合わせざるを得ません。だから休暇はどうしてもクリスマス。

で、「すき焼きでクリスマス」になってしまいます。

うーむ。

七面鳥のすき焼きを開発するかな(笑い)

追伸

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、私の連載が始まりました。

題して、「大人のすき焼き教科書」。

弊店でリアルなイベントも企画しています。

こちらから、どうぞ、ご覧下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.129連続更新を達成しました。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

刊行致しました~『読み継ぎたい すき焼き思い出ストーリーの本』

何度かこのブログに書いてまいりましたが、

「ちんや」創業百三十五年を記念して、『読み継ぎたい すき焼き思い出ストーリーの本』を刊行致しました。

実際の本が出来て、手にしますと嬉しいものです。是非多くの方にお読みいただきたいと思います。

 

<刊行に当たって御挨拶>

「ちんや」創業百三十五年を記念して、すき焼き思い出ストーリーの本を刊行することになりました。

ここに掲載されているストーリーは、一般の皆様から投稿していただいたものです。

思い起こしますと、すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。料理は他にいくつもありますが、人々の思い出と一番つながっている料理はすき焼きではないかと私は考えます。

でも残念ながら、そうした思い出話しを纏めて保存したことはなかったように思います。そこで私は皆様にストーリーを投稿していただき、それを本に纏めようと思い立った次第です。

ストーリーを読みますと、感動して落涙を禁じ得ないものから、クスっと笑ってしまうものまで、様々なものが集まりました。

時代背景も、激動の昭和を色濃く映したものから、現代の世相を映したものまで。

様々とり揃えることが出来まして、企画者としてこんなに嬉しいことはございません。今後この本を、店の歴史の資料として、すき焼き文化の資料として、末永く保存させていただきます。

今回は儲けることが目的の刊行ではありませんので、図書館や学校などの教育機関、食文化の発展に資する施設に収蔵して頂ける場合は喜んで寄贈させていただきます。一般の皆様には実費でおわけしたいと存じます。

編集作業は株式会社IMCさんにお世話になり、イラストは寺坂安里さんに描いていただき、楽しい本に成りました。

是非多くの方にお読みいただきたいと思います。

<内容は以下の通りです>

(1章)主の六代 客の六代

~お爺ちゃん・お婆ちゃんからお孫さんまで。絆をつないで来たものは?

すき焼きほどご家族で食べるのにふさわしい料理はないと思います。私・住吉史彦は店に出ていて、ご高齢のお客様から「自分も幼い頃爺さんに連れられて、ここへ来たもんだよ!」とたびたび聞かされました。そしてその方の傍らには可愛いお孫さんが。と、いうことは五代に渡ってご利用下さっているのです。味覚が家族の絆と成り、弊店にはとっては、その味覚こそが本当の財産です。

(2章)昭和に生きて

~生き抜いた先に、食べたくなった料理とは?

「激動の時代」というだけでは表現しきれないほど厳しい時代だった「昭和」。あの時代を経験した人達もだいぶ少なくなりました。戦争というとてつもない理不尽が在り、その分人々は成長というとてつもない渇望を抱いて生きていました。一代で何代分も生きた人達が沢山。そして、その人達が成長のシンボルであるかのように食した料理が、すき焼きでした。

(3章)オラがすき焼き

~家庭ごとに違うすき焼き、地方ごとに違うスキヤキ。なんて面白いのか!

すき焼きは「関東」VS「関西」だけではありません。ご家族の数だけ、街の数だけのすき焼きが在って、そのどれもが後世に伝えたいものばかりです。どれが一番美味しい?と問うのは止めて、全部面白い!と言っていただけたら嬉しいです。

(4章)おご馳走

~人は何故その大切な日にすき焼きを食べるのか?

「ご馳走」に「お」を付けてしまう人を咎めてはいけません。それほど嬉しいのですから。そして、その嬉しい日に食べたのは、すき焼き。嬉しい日だけではありません。悲しみを噛みしめて、「きっとまたいつか」と誓う日にも、やっぱりすき焼き。すき焼き鍋は人の人生を映す鍋です。

(5章)浅草じゃなくちゃ!

~出かけるだけで心騒ぐ街。さて腹ぺコになってきた。

浅草にすき焼き屋が多いのは偶然です。牛鍋が世に登場した時、繁華街としての浅草が全盛期だっただけです。しかし、いつの頃からか、すき焼き食うなら浅草じゃなくちゃ!浅草行くならすき焼き食わなきゃ!と成りました。ゆるゆるのように見えて実はキビシいこの街で、すき焼きが変わらず支持されていることが嬉しいです。

(特別対談「浅草小学校同級生が語る、愛すべき浅草とすき焼き」)

琵琶奏者・友吉鶴心

VS

ちんや六代目住吉史彦

 

追伸

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、私の連載が始まりました。

題して、「大人のすき焼き教科書」。

弊店でリアルなイベントも企画しています。

こちらから、どうぞ、ご覧下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.128連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)