車椅子

ある日お客様から問い合わせの電話が。

俺ね、交通事故に遭っちゃって、車椅子になっちゃったんだよ。

おたく、車椅子で行けたっけ?

はい、手前どもは伝統的日本家屋の形態をとっており、御客様には玄関で下足をお脱ぎいただいた上で、ご入店いただきます。つきましては恐縮ですが、店外から車椅子にお乗りになったままでご入店にはなれません。

店内用の車椅子を1台用意してございますので、玄関にて乗り換えていただきます。その際50cm程度の段差がございますが、下足係が乗り換えをお手伝い致します。

どうぞ、お出まし下さいまし。

その店内用車椅子のご用意は1台だけですので、利用をご希望の方は、お席のご予約と同時に店内用車椅子もご予約願います。(利用料は無料でございます)

 

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Filed under: すき焼きフル・トーク,今日のお客様 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

ヨーグルトすき焼き

未だ「思いつき段階」ですが、すき焼きの卵にヨーグルトを入れて食べています。

溶けにくいのが難点ですが、一生懸命掻き回せば、溶けます。

そして肝心のお味ですが、スプーン1杯入れた程度では、まったくヨーグルトを感じない位で、普通に旨いです。至ってマイルドで、違和感ゼロです。

これは「味の対比効果」の原理を利用したもので、ヨーグルトの酸味とすき焼きの甘辛旨味が抑制しあって、まろやかに感じられるのです。

ヨーグルトを3杯入れた位で、ようやっと酸味が勝ってきます。まあ、それだけ「ちんや」のすき焼きの甘辛旨が強烈だと言うことですね。密かに天下一と自負しています。

すき焼きに酸味とアミノ酸を加えるという点では、「トマトすき焼き」に似ているかもしれません。

いや、正直に申せば、「トマトすき焼き」をパクリました。

いやいや、「トマトすき焼き」にインスパイアされました。

一方「トマトすき焼き」と違う点は二つ。

玉丼の中だけを酸っぱくするのであって、鍋の中は酸っぱくなりません。私は「ばさら」さんと違って鍋の中を酸っぱくしたくはないんです。

次に、ヨーグルトにたくさん含まれている乳酸菌を摂り込むことが出来ます。

乳酸菌は腸内環境を整え便秘を解消しますから、肉は食べたいが美容が気になると言う淑女の皆さんにオススメです・・・なんてことは言わないでおきますね。だってスプーン1~2杯程度ですからね。でもまあ、言い訳には使っていただけるかと。

いずれ、この卵に名前を付けて商標登録しようと目論んでおります。請う御期待。

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納本

笑ってしまいました、国立国会図書館の「納本」に関するFAQに、

Q7:書庫はパンクしないのですか?

というQが載せてあったからです。

たしかに心配になってしまいます。

国立国会図書館法は、日本国内で頒布を目的として発行された出版物は、原則としてすべて納本の対象となると定めているのですから、書庫のパンクが心配です。

納本しますと、

「ホームページ上の『日本全国書誌』やNDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)にその書誌データが掲載されます。」

「また、図書館資料として広く利用されるとともに、国民共有の文化的資産として永く保存され、日本国民の知的活動の記録として後世に継承されます。」

だそうで、民間出版物であっても、頒布を目的として相当部数作成された資料なら収蔵する方針なのだとか。

ここでご紹介しました通り、弊社も『すき焼き思い出ストーリーの本』を刊行しましたので、是非お納めさせていただきたいと思いまして、送付させていただきました。FAQには代償金が出るように書いてありましたが、もちろん、そういったものは辞退して、寄贈させていただきました。

あ、Q7の回答を載せ忘れましたね。
A7:東京本館・関西館・国際子ども図書館の三つの施設の書庫がパンクしないよう、スペースを有効活用しています。また、書庫の増築についても長期的な計画をもっています。

だ、そうです。お疲れ様です。

 

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世襲(縁起でもない話しで恐縮ですが)

<ちんやメンバーズ・カードの会員様・そのご家族様にお知らせです。>

縁起でもない話しで恐縮ですが、会員様が不幸にして亡くなった場合に、カードの有効期限が残っておりましたら、ご遺族様が無料で相続できるように致します。名義変更をするのに更新料などは頂きませんので、どうぞ変更手続きをお申しつけ下さい。

実は、この手続きはこれまでもやってはいたのですが、徹底してはおりませんでした。

現場の係り員としましては、急にお客様から、

「実は主人が亡くなりまして・・・」

などと言われるとビックリしてしまいます。お悔やみを言葉を言わねば・・・と焦ってしまい、更新のことまで頭が回らないことがあったようです。

またお客様側が、こういう名義変更が出来るとご存知なく、「主人を削除して下さい」と言われるので、係りがその通りにしたケースがあったようです。

しかし、私としましては是非ご遺族様に会員を続けて欲しいと思います。

先日音楽学の岡田暁生先生の『楽都ウィーンの光と影』という御本を読みましたら、ウィーン・フィルの定期公演の座席は何代も世襲して持っている人が多いと書いてありました。客である権利を世襲しているのです。

「ちんや」がウィーン・フィルと張り合うのもおこがましいですが、弊店の客である権利も是非世襲していただけたら嬉しいです。

有効期限が切れました節には更新していただかねばなりませんが、していただければ普通会員から「ブロンズ会員」に昇格し、割引率が5%から6%に上がります。名義が変っていても、家族として同じですから、特に「ちんや」と御縁の深い方として優待させていただきます。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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市川崑映画祭

生誕100年になる故・市川崑監督は大の甘党で、すき焼きも思い切り甘くするのがお好きだったようです。

現在100年特別企画「市川崑映画祭 光と影の仕草」が開催されていますが、その舞台挨拶で岸惠子さんが、そう話したそうです。

岸惠子さんは「おとうと」「悪魔の手毬唄」「細雪」など多数の市川作品に出演していて、監督と大変親しく、今回調べましたら監督の「お別れ会」でもすき焼きのエピソードを語っていたようです。知りませんでした。

それは公開されていて、このよう(↓)だったようです。

「もし出来ることなら、私がそちら(=冥土のこと)に引っ越していきます時には、先生の大好きな牛肉と、ちょっと甘ったらしく食べられないほどお砂糖を入れたすき焼きを、ご一緒にいただきたいと思います。でもそれは、もうちょっと待ってください。先生、ありがとうございました。さようなら。」

ここにも「すき焼き思い出ストーリー」が1本在りました。

すき焼きは文明開化の昔から、日本人の思い出の中に生きてきた料理です。料理は他にいくつもありますが、人々の思い出と一番つながっている料理はすき焼きではないかと私は考えています。

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ジャイアンツ寮

お、巨人の寮もすき焼きが旨いんですか!

このブログの2015年1月22日号で、阪神の「虎風荘」のすき焼きのことを書きましたが、阪神だけじゃあ、なかったですね。安心しました。

「スポーツ報知」さんが、巨人の育成選手・川相拓也内野手(かつての名選手・川相昌弘さんのご子息)にインタビューしたところによりますと、

「本当においしいんですよ。夕食は肉と魚とかメインが2つ決まっていて、その他にサラダやスープなどのサイドメニューとご飯を自分でとって食べます。僕が一番好きなのはすき焼きです。あとはピーマンの肉詰め、トッポギもおいしくて絶品。あれは自分では絶対に作れないです」

し、しかし、すき焼きについて、それ以上の情報が無いです。

もう少し深く取材してもらえませんかねえ、放置さん、いや、報知さん。

追伸

歌舞伎の中村芝雀さんが五代目雀右衛門を襲名することになりました。

襲名披露の練り歩きが浅草・仲見世で行われますので、どうぞお出かけ下さい。

1月27日(水)

11:00~ 雷門より「お練り」出発

11:45~ 浅草寺本堂前にてご挨拶

詳しくは、こちら(↓)です。

http://www.kabuki-bito.jp/news/3081

なお掛け声は「京屋!」です。

 

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和牛相場

和牛相場が高騰して大変なことになっている件について、ようやくマスメデイアが報じてくれるようになりました。先日はフジテレビが、

「和牛価格高騰の背景に「牛の少子化」 現場を取材しました。」

という報告を流していました。

相場高騰の原因は、子牛の「繁殖農家」が激減しているからで、2005年と比べ、およそ4割減っているとかです。

「繁殖農家」というのは、牛を出産させて10ヵ月くらいまで育てる農家さんのことで、その数が口蹄疫問題や東日本大震災の影響で減っています。またそれ以前にTPP後を予想して、農家のお子さんが後を継がないという傾向が深刻なようです。

残った農家さんが1軒当たりの頭数を増やしてはいるものの、取引頭数はこの10年間で、1割以上減っています。

結果「肥育農家」さんが、子牛を買い入れようとすると、その相場は、2011年頃までは平均40万円前後だったのが、今では65万円を超えています。

とてもとても高いのです。

この報告で、フジテレビさんは黒毛和牛の故郷・但馬農業高校に取材に行っているのですが、取材したクラスでは卒業後畜産業に携わる人が、たぶん一人だと言います。

その一人・藤村君は、小学生のころ畜産農家を営んでいたお爺さんの手伝いをしたのがきっかけで牛が好きになったとか。そのお爺さんは10年ほど前に畜産をやめてしまい、今では継ぐべき農場もないが、畜産の道を志していると言います。

素晴らしいです。

しかし、一人では・・・

黒毛和牛の故郷・但馬でこの在り様では、他は推して知るべし、です。

実に深刻です。

はい、この件だけは洒落になりません。

各位のご支援を切に希望致します。

 

追伸、

歌舞伎の中村芝雀さんが五代目雀右衛門を襲名することになりました。

襲名披露の練り歩きが浅草・仲見世で行われますので、どうぞお出かけ下さい。

 

1月27日(水)

11:00~ 雷門より「お練り」出発

11:45~ 浅草寺本堂前にてご挨拶

詳しくは、こちら(↓)です。

http://www.kabuki-bito.jp/news/3081

なお掛け声は「京屋!」です。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.158連続更新を達成しました。

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好き嫌い

とある有名な料理人の方、これまで葱がお嫌いでほとんど食べなかったとかですが、ある日来店され、「ちんや」のすき焼きの葱を食べて「これは美味しいね!」と言って下さいました。

葱屋さんに言わなくちゃ!

そう言えば、実は「ちんや」の肉についても、肉が嫌いな方が食べられるという話しがありますが、原因は分かりません。

私の推測では、おそらくは、バランスだろうと思っています。

葱の硫化アリルや牛肉の獣臭さは、それが好きな人にとっては好ましいものですが、それが嫌だ!という人には嫌なものです。

その嫌な感じが、「ちんや」の強烈に甘辛い割り下とバランスしてしまうのだろうと推測します。

これは「味の対比効果」と同じような現象だと思います。苦いコーヒーに砂糖を入れると、苦味物質が減ったわけでもないのに苦く感じなくなりますが、あれと同じです。

「ちんや」のすき焼きは甘辛が強烈なだけでなく、さらに肉を熟成させたことで旨味が濃くなっており、それがまた葱の嫌味とバランスします。さらにさらにまた融点の低い脂が嫌味物資と溶け合ってコーテイングしますから、それによっても抑え込まれるのだろうと思います。

葱や肉が苦手だという方、「ちんや」のすき焼きに誘われた時、

仮病で欠席しよう!と思わずに、一度是非トライしてみて下さい。

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大食い世界一決定戦!

私はその番組を勿論視なかったのですが、

「2016年1月1日にテレビ東京にて放送された、「大食い世界一決定戦! Battle of Big Eaters! World Championships」に対し、一部の視聴者から内容を疑問視する声があがっている。」そうです。ネットで見つけたところによりますれば、

「日本、台湾、イギリス、アメリカの大食い選手が国別でチームを組み、最終決戦は勝ち残った日本とアメリカという組み合わせになった。その決勝戦に出された料理が、あまりにも日本が有利だというのだ。」

「勝負は、同じ料理をどれだけ食べられたか競うものとなっているのだが、最終決戦に出された料理は「すき焼き丼」だったのである。今まで勝負に使われてきた料理はピザ、ハンバーグ、海老のチリソース、サンドイッチなど、世界的にポピュラーなものばかり。」

「それなのに、最終決戦は日本人に有利な「すき焼き丼」。確かに「スキヤキ」という料理名は世界に広まっているが、実際に食べたことがある外国人は限りなく少ない。」

「海外でポピュラーではない料理を日本とアメリカの最終決戦に使用したことにより、「日本人に有利に働くのは当然だ」との声が出ているのだ。」

これを視た視聴者がTwitterにクレームをたくさん書き込んだそうです。

「大食い世界一決定戦、決勝戦でアメリカ人が普段食べない生卵使ったすき焼き丼は、ちょっとズルい気がするのは気のせい?」

「すき焼き丼はズルいわ」

「正直アメリカ人にすき焼き丼はずるくない?」

「すき焼き丼とか日本くっそ有利やんけ」

「ここですき焼き丼か。アメリカ人に玉子が受け入れられるのか?」などなど・・・

日本人に有利以前に、「大食い番組」に私は勿論反対ですよ。

それでも低レベルの視聴者はこの通り面白がっているらしく視聴率が見込めるから、BPOが一度正式にダメ出ししてくれないと、今後も放送され続けるような気がします。

実際、去年の1月にも視聴者からBPOに下(↓)のような意見が提出されています。

「正月に大食いスペシャル番組を見たが、あまりに馬鹿げていて怒りが込み上げてきた。世界には飢餓で苦しむ人や病気で食べられない人が何億人といる。大食いを競うことは「食」に対する冒涜であり、弱者への思いやりがない行為である。このような番組を企画立案するテレビ局の神経を疑ってしまう。」

これを機会に提訴しようかなあ。

・・・なんてことする程、当方ヒマでも野暮でもないんですよね。

誰か代わりに訴えてもらえませんか。すき焼き屋の代理として。

それにしても、どーでもいい話題でしたね、今日は。お忙しい中読みに来て下さった皆さん、ごめんなさいでした。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.154連続更新を達成しました。

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400字

料理業界の出版物の為に、文明開化の食について、400字に纏めて書いて欲しいと言われました。

よ、400字ですか、キビしいですねえ。

このブログの古くからの読者の方は、2010年7月4日号にそういうことを書いたのを覚えておいでかと思います。ですので、今回はそれを纏めに纏めて400字に致しました。

<以下お読み下さいまし>

アメリカの初代駐日総領事ハリスが駐在を始めたのは1856年のこと。領事館が置かれた伊豆下田・玉泉寺には、牛を屠殺した場所つまり日本初の屠殺場に供養塔が設置されている。そのハリスの努力で函館・新潟・神奈川・兵庫・長崎が開港、外国人居留地が設置され、その周囲の日本人に欧米の食文化が伝えられた。居留地近辺に開業した西洋料理屋の中には今日まで営業を続けている店もある。また各国使節や要人を饗応するために西洋人の料理人が来日するようにもなった。一方、外国人が肉を食べる様子を見て、従来隠れて肉を食べてきた日本人も次第に肉を大胆に食するようになる。江戸時代日本人が食べられた肉は、彦根藩の牛肉味噌漬や「ももんじや」の猪鍋などに限られていたが、幕末には牛鍋屋が次々と開業し始めた。明治維新後は政府は文明開化政策を採り、福澤諭吉が『肉食之説』を唱えたように知識人が肉食を啓蒙した。また軍隊が西洋料理を採用して兵に食べさせたことで、西洋料理・肉食が国民の隅々まで拡がって行った。

<終わり>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.152連続更新を達成しました。

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