開催しました、第31回「すきや連」②

「すきや連」の第31回例会を、昨年新装なったばかりの「東京会館」にて開催致しました。
皇居二重橋前の「東京会館」さんは大正11年(1922年)ご創業の、東京を代表する総合宴会場ですが、創業の翌年からすき焼きをメニューに加え、内外の有力者に提供してきました。
今回は「現代の名工」鈴木直登(なおと)和食総調理長が新たに工夫を加えた「令和の好き焼き」を頂戴いたしました。
普通の溶き卵に加えて、トマトおろし、昆布おろし、牛乳おろしが付いていたり、ザクに小松菜とクレソンが入っているなど、新時代のすき焼きと言えるものです。ご馳走様でした。
<当日参加者の方が書いてくれた寄せ書きを昨日から紹介しておりまして、今日は二日目です。ご覧ください>
・すきやきの虫の音にのる堀の風(植村光一郎)
・なにはなくとも「おいしい」です。おいしさの評価の研究を始めて8年、逆にわからなくなりました。(佐々木整輝)
・1年ぶりのすきや連、牛肉の話題で盛り上がり、未来の業界の美味しいもの、すき焼きの探求、楽しい会話、勉強になりました(荒井順子)
・東京会館の「和」すき焼きの味わい、美味しいです(黄木修太郎)
・鈴木料理長の食文化に触れ感動いたしました。和食とすき焼きと日本酒の「彦市」、最高の時間を過ごしました。(西居基晴)
・東京会館と言えばフランス料理と思っていましたが、鈴木料理長の料理と好き焼きと出会い感激いたしまして新しい発見がありました。ありがとうございました(高岡修一)
・料理の美しさとおいしさに感激です(田中庸浩)
・1年ぶりのすきや連、体調不良でもお酒が飲みたくなる直登料理長の御馳走、楽しみにしてきました。3品めで大満足です(清水祐子)
・今回1年ぶりとはびっくり、そして私はどんどん年をとってきたら、おいしいものを頂けるのが楽しみです。お酒にあうすてきな食事ありがとうございます。(星南子)
・鈴木料理長の作る料理の美しさに感動しました。(樋口潤)
・歴史ある東京会館で鈴木調理長の粋な令和のすき焼き最高です(上田健一郎)
・集いて仲間すきや連(三嶌太郎)
・鈴木調理長の心意気!セクシーな好き焼きに心ときめいて美しい調和。ウエルビーイングありがとうございました(高岡哲郎)
・鈴木調理長ご馳走様です。東京会館の伝統とセンスを楽しむことができました(土居秀夫)
・いつもありがとうございます。すきやきに最高の日本酒を造ります(坂本直彦)
・直登のすき焼きごちそうさまでした。ありがとうございました(森嶋利成)
・鈴木調理長の心粋を堪能させていただきました(藤森朗)
・鈴木調理長、本日は美味しいお料理ありがとうございました。令和の好き焼き堪能いたしました。
(荒井亮一)
・鈴木調理長美味しいお料理ごちそうさまでした(土橋孝多)
・すきや連一年ぶりに令和の好き焼き、とても美味しくいただきました(柴田伸太郎)<終わり>

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。
弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は3.506本目の投稿でした。

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開催しました、第31回「すきや連」

「すきや連」の第31回例会を、昨年新装なったばかりの「東京会館」にて開催致しました。
皇居二重橋前の「東京会館」さんは大正11年(1922年)ご創業の、東京を代表する総合宴会場ですが、創業の翌年からすき焼きをメニューに加え、内外の有力者に提供してきました。
今回は「現代の名工」鈴木直登(なおと)和食総調理長が新たに工夫を加えた「令和の好き焼き」を頂戴いたしました。
普通の溶き卵に加えて、トマトおろし、昆布おろし、牛乳おろしが付いていたり、ザクに小松菜とクレソンが入っているなど、新時代のすき焼きと言えるものです。ご馳走様でした。
<以下↓は当日参加者の方が書いてくれた寄せ書きです。ご覧ください>
・すき焼きの新しい息吹を感じることができた宴です。鈴木調理長ありがとうございます。(向笠千恵子)
・鈴木先生の東京会館の歴史のお話すばらしい。令和の好き焼き感動致しました(相澤二郎)
・素晴らしい令和の好き焼き有難う御座います(奥井隆)
・令和の好き焼き ナイス・ミート・ユーのすてきなひとときに感謝。祝意をこめて(佐藤洋詩恵)
・鈴木様、本日はありがとうございます。新しい年号に心をリセットして、これからもすき焼きを愛していきます。(加藤英子)
・鈴木料理長、お誕生日おめでとうございます(大竹道茂)
・東京会館鈴木様、料理は勿論の事、ネーミングも素晴らしい(加藤政義)
・令和の好き焼き楽しみ(和田政司)
・素晴らしいお料理ありがとうございます。すき焼きがセクシーな食事だとは(開発毅)
・ごちそうさま!おいしかったです(小林甲児)
・東京会館さん、ありがとうございました。建物もすばらしかったですし、すきやき美味でした。料理長ありがとうございます(小林由佳)
・お誕生日、おめでとうございます(伊豆川嘉規)
・令和の好き焼き、本能と理性でいただきました。とってもおいしかったです(小金沢章文)
・鈴木料理長の心配りと遊び心をいただきました。ごちそうさまです(森大亮)
・玄関を入ったとたん重みを感じました。すきやき美味しくいただきました(藤井紀美江)
・歴史ある東京会館のすきやきと料理素晴らしい会食でした。ごちそうさまです!(島崎進)
・すきや連のための好き焼きは細やかで温かい心配りに感動しています。すべてお心のこもった料理、とてもおいしかったです(羽鳥裕子)
・久しぶりのすきや連、笑顔でカキ美味しい!すき焼き美味しい!東京会館美味しい!(山下美希)
・ラグビーもすき焼きも世界一(楓千里)
・思い出の東京会館で最高の日本の黒毛和牛のすき焼きを食して大感激です(吉澤直樹)
・江戸の粋 和食が持つ五感を刺激する料理を堪能させていただきました!(吉澤裕介)

<寄せ書きは、まだまだありますので、残りは明日の弊ブログで>

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ゴミが心配

さて消費増税スタートしました。
そんな中、新聞の読者投稿欄に
そう、そう!
と思う投稿を見つけました。
39歳、町田市の公務員という方の投稿ですが、
「中食」拡大ゴミが心配
と題されています。
「中食」とは、総菜や弁当など完成形の料理をテイクアウトできるようにしたものですが、今回の消費増税では、「食品」に該当するものとみなされ、軽減税率の対象になります。で、その「中食」を、
「私も利用するが、手軽においしく食べられる一方、食後のごみの多さに驚くことがある。特に環境への悪影響が懸念されるプラスチックごみが多いのだ。」
「中食は軽減税率の対象になることから、利用者の増加が予想される。ごみ問題にもしっかりと目を向けて行く必要があると思う。」
全くもって、その通りと思います。
私もそう思ってきたのですが、それをここに書いたりしますと、外食が10%になるのが悔しくて言っているみたいですから、他の方が言って下さるのを期待していました。この投稿は、待ってました!という感じの投稿です。
外食という仕事は、実はエコな仕事です。食器を使いまわすからですね。一つの食器を、何千回、あるいは何万回と使うのですから、非常にエコです。
なのに、その産業は10%で、ゴミが出る方が8%とは。
話しは少しズレますが、民泊のゴミ問題というのも、実はこれです。
節約旅行をしている外国人は、コンビニ弁当とビールを買い、それを宿に持ち込んで宴会をしているのです。安いし、彼らには日本のコンビニ弁当が随分面白く見えるのだそうで、浅草のコンビニに夜行くと、外国人が弁当を買っているのを目撃します。日本では残念な食事の代表ですけどね。
そうした生ごみが出て、臭ったり、カラスが増えたりするから、民泊の近隣住民が怒るのです。
そして、エコじゃないです。
この公務員さんのご意見は財務省に響くでしょうか。

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看板猫②

昨日浅草演芸ホールの看板猫「ジロリ」のことを書いていて、「ちんや」の猫のことを思い出しました。
かつて「ちんや」にも猫がいました。
ただし接客ができる「看板猫」ではなく、本業のネズミ退治だけに従事していました。
メスで、名前は「マミ子」。
その名前は、当時のアメリカ大統領アイゼンハワー氏の夫人マミーさんに由来しています。つまり、この話しは結構古い話しでして、マミ子が「ちんや」に来たのは1950年代のことです。
ネズミ退治の実績は、かなりの数字だったとかで、家族や従業員に愛されたそうです。「・・・そうです」と書いたのは、私がマミ子を知らないからです。マミ子は1965年に私が生まれるのと入れ代わりに死んだのでした。
死んだマミ子は当時店の裏にあった、狭い庭に埋葬されましたが、1975年に現在のビルを建てる時に、裏庭は埋めることになりました。
マミ子が眠っている裏庭を潰すのが忍びなかったので、その場所つまり現在のビルの雷門横丁側(ビルの北側)に、マミ子のレリーフが設置されました。
猫専門雑誌の記者の方が浅草を歩いていて、このレリーフに気づき、「ちんや」の「ちん」は犬の狆なのに、何故猫レリーフがあるのかと取材に来て下さったこともありました。
このレリーフは雷門横丁を通れば、どなたでも見られますので、お時間がありましたら、見てあげて下さい。
雷おこしの「常盤堂」さんと「スタバ」の間を入って行けば気づくと思います。

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看板猫

新聞に「ジロリ」が大きく採り上げられていました。
紙面の四分の一位が、浅草演芸ホールの看板猫「ジロリ」に使われていました。2年前に『ジロリの落語入門』(河出書房新社)という本が出て以来、すっかりスターです。
本業はネズミ退治で、実績は6匹。
最近は本業より切符売り場での接客に力を入れています。と、言っても売り場のガラスの向こう側で寝ているだけですけど。「癒される」と会いに来る人が多いんだとか。
これからも、かげニャがら浅草支えてもらいたいものです。
が、この記事に付けられた写真で、私が気づいたことがあります。寝ている「ジロリ」の横に、
「木戸銭、売店等のお支払いは現金のみとなります / 浅草演芸ホール」
と注意書が掲出されています。
キャッシュレス社会なんか、軽く無視しています。
流石だね、ジロリ君。

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リクエスト食

淀川キリスト教病院の「リクエスト食」の件が文庫本になりました。
『人生最後のご馳走 淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院のリクエスト食 』(青山ゆみこ著、幻冬舎文庫)
この病院の緩和医療内科ホスピスつまりガンなどの終末期の患者のケアを担当する部門では、2012年の設立時から毎週土曜日の夕食に「リクエスト食」という取り組みを行っていて、素晴らしい医療だと評判になっています。
2013年5月放送のNHK『クローズアップ現代』でも採り上げられて評判でしたが、その時は最後の食事としてすき焼きを注文した、ガン患者の男性が登場しました。
その方は末期の食道ガンで、ほとんど食べることができない状態でした。腸から直接栄養をとる、腸ろうを付けていますが、口から食べることにこだわっていました。闘病生活を支えてくれる妻に、食べている姿を見せてあげたいと思ったからです。
そして、すき焼きをリクエストしました。
「嫁はんも一緒に私も一緒に、一緒にお鍋を突っつこうねって、2人で。2人だけにとって、いい思い出が出来れば、もうそれで」と。
その夫婦は鍋が大好きでした。しかし病に襲われ、ゆっくりと鍋を囲む時間を持つことができませんでした。それで、食べられなくても、鍋を囲んで久しぶりの夫婦の時間を持ちたいと、すき焼きを希望なさったのでした。
結局、この方が食べられたのは豆腐一口だけでした。
しかし「2人で温泉かどっかに来てるみたいだね」と喜んで、10日後に亡くなりました。
このように、できるだけ選べるようにしていくということが、その患者さんの、その人らしさを支えると、この病院では考えて、「リクエスト食」を実践しています。
そして、患者さん達が要望する食は一人一人の人生の思い出と結びついたものです。
食の力が人の心を向上させ、癒すことができるという実例ですね。素晴らしいことだと思います。

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アクションプログラム

「東商オリンピック・パラリンピック アクションプログラム」の一環だとかで、東京駐在の外国人記者の方々が東京の魅力に触れるツアーが開催されました。
在り難いことに、その一部に「ちんや」も選ばれまして、商工会議所本部の方が外人さん達を連れてみえました。
なんでも、この活動には「4つの柱」なるものがあるそうです。
・東京のホスピタリティを世界に発信する
・地域の魅力・文化を世界に発信する
・中小企業の底力を世界に発信する
・2020年大会に向けて、東京が抱える課題を解決する
それに「ちんや」が該当するかは分かりませんが、とりあえず、すき焼きだけは自信がありますから、食べていただきました。
加えて、ご主人も何か話してくれと申します。明治以来のすき焼きの歴史などを話させていただきました。
大勢様でご来店、ありがとうございました。

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13冠達成

やりました、なんとか13冠を達成しました。
肉の食べくらべキャンペーン「めざせ13冠 ちょい食べGO!」の13冠を、私自身が達成しました。
ちんやビル地下の直営レストラン「ちんや亭」のメニューを改訂して「肉の食べくらべレストラン」ということに致しましたのが昨年8月。それから1周年を記念して、ちょい食べGO!を先月から開催させていただいております。
これはいったい何かと申しますと、
「ちんや亭」の肉メニューを召し上がった方にスタンプカードをお渡しし、1種類食べるたびにスタンプを1個押して行くキャンペーンです。
5種類、7種類、13種類を召し上がった時点で、それぞれ称号と特典がもらえます。
《3冠(3種完食)》特典=「ちょい食べマグネット」進呈
《5冠(5種完食)》称号=牛五段、特典=ちんやお食事券1,000円進呈
《7冠(7種完食)》称号=牛聖、特典=ちんやお食事券2,000円進呈
《13冠(13種完全完食)》称号=永世牛王、特典=ちんやお食事券5,000円または肉1㎏進呈
で、私は週二回のペースで食して来て、8週で達成したという次第です。
私より先に13冠達成したお客様がおいでなのは、驚き、在り難いことだと思います。皆様もよろしかったら、ご参加を。
実施期間は2019年8年1日~2019年11月30日までです。
*ちょい食べサイズはもちろん、 レギュラーサイズを召し上がった場合でもOKです。
*「食べくらべ」が主眼ですので、同一料理を再度召し上がった場合は、スタンプの追加はありません。悪しからず。
<このキャンペーンを通じて、住吉史彦が皆様にお伝えしたいことは>
肉は「ガッツリ」ばかりが良いのではなく、「ちょい食べ」も楽しく、そして世の中の為(フードロス削減)にもなる、ということです。

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東京食材ビストロ

渋谷の「ミニヨンTOKYO」さんに行ってきました。
「ミニヨンTOKYO」さんは「東京食材ビストロ」です。
「東京野菜」を中心に東京産食材にこだわり、様々な創意工夫をこらしたビストロ料理を提供しています。味つけの基本はフレンチ。
「東京野菜」を普及させている青果店「大治」さんの紹介でお訪ねしました。
実は東京都内には結構、野菜の生産者さんがいます。生産規模が大きくないので、知名度のあるブランドには仕立てにくいものの、バラエティーは豊かで、その理由は、この辺りが南の野菜の北限で、北の果物の南限でもあるからです。
住宅地に隣接しているので、農薬の散布量も控えめだとか。
それを「大治」さんが流通させ、「ミニヨンTOKYO」で料理として食べられるという次第です。(野菜料理専門ではないです。東京の魚や豚もあります。)
気軽に行けて、隠れ家感もあり、しかし食材はちゃんとしている、こういうお店って、意外と少ないかもしれません。
御馳走様でした。

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ニッポンチ!③

小学館の文芸雑誌「qui-la-la」(きらら)で河治和香先生の新連載「ニッポンチ!」が始まりました。
和香先生が、「駒形どぜう」の三代目を主人公にした小説『どぜう屋助七』(2013年)にウチのご先祖を登場させて下さって以来、新しい連載が始まるのを楽しみにしておりますが、今回は明治の浮世絵師を主人公にした小説です。登場する絵師の作品がウチにあったりしますので、なおさら楽しみなことです。
登場するのは歌川国芳門下の絵師たち。国芳には歌川芳虎、芳艶、芳藤、落合芳幾、さらには月岡芳年、河鍋暁斎といった弟子がいましたが、国芳が幕府に逆らう位の人だったので、弟子達の性格も皆ユニークで。その人物描写もまた、この小説の面白いポイントだと思います。
連載3回目の10月号の中心になったのは、暁斎でした。暁斎が国芳の門下にいたのは短期間だったので「弟子」とは言い難いのですが、生き様が明治の絵師の中では国芳一門らしいと言われます。
さて、その暁斎のことで今回嬉しかったのは、暁斎が『安愚楽鍋』(あぐらなべ、1871年)の挿絵を描くことになるまでの経緯が書かれていたことです。
今では外国でも評価の高い暁斎ですが、この頃はまだそれほどでもありませんでした。
第2回内国勧業博覧会(1881年)に出品した作品が百円という破格の値段をつけたり、
浅草十二階を設計した、お雇い外国人ジョサイア・コンドルが暁斎に弟子入りし、コンドル経由で評価されたりして行きますが、明治初年はまだ。暁斎は滑稽本の人気作家・仮名垣魯文と組んで、挿絵を描きまくっていました。
国芳門下から出て武家出入りの絵師の家に婿入りし、しかし不品行で、その家を離縁されたので、描きまくるしかなかったのです。その内の一作が『安愚楽鍋』だったというわけです。
当時「牛屋」と呼ばれたすき焼き店に集う客を描きながら、当時の風物を巧みに描いた一作で、すき焼き屋のバイブルですね。
後半の暁斎だけを知っていると、この人がなんで滑稽本なんかに描いたのかなあ・・・と思ってしまいますが、経緯はそうしたことでした。面白い話しです。

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