ライスイ
ライスイなお酒をいただきました。
ライスイは綴ってみれば、
Ricey
今年創業150年を迎える磯蔵酒造さん(茨城県笠間市)の醸造方針です。
今どきは、やたらと精米歩合を上げる醸造方法、つまり米を削ってから醸す蔵元さんが多いですが、それはやらない!というのがライスイです。
米を削るのは雑味が米の表面にあるからです。表面を削って芯だけにすれば純度の高いお酒ができますので、飲み易くなります。従来はそれが高級とされてきました。
が、飲み易い酒が本当に良い酒なんでしょうか?
ここで「そもそも」ですが、そもそも日本酒は甘いお酒です。だって米は糖質(デンプン)ですから。その糖質に由来する、どっしりとした甘みのあるのが日本酒なのです。それが最大の特徴です。
が、甘味ばかりでは人は飽きてしまいます。
削って削って純度の高いものにすると最初は飲み易くて美味しいと思うのですが、飲んでいる内に飽きてくるのです。人間は複雑系なのです。
で、甘味を飽きさせないためには、複雑味、つまり米の表面のミネラルやタンパク質に由来する、苦み・渋み・酸味が必要になってくるわけです。
純度を上げると、一口めは良いが飲み続けにくくなるので、最終的には純度を上げ過ぎない=削り過ぎない方が良い、という話しです。だからライスイは純度を上げることではなくて、複雑味を残すことだ、となる次第です。
人は複雑ですねえ。この話しは、肉のサシの話しと似ています。サシは、ある程度入っていた方が良いのですが、入れ過ぎは良くありません。サシも精米歩合も「良い塩梅」が良いと私は思います。
話しを戻しますが、そんなライスイなお酒を、磯蔵酒造さんは浅草に売店を出されていますので、浅草で買うことができます。
蔵元さん本人に連絡して、ご本人が一番ライスイと思うのは、どれですか?と尋ねたら、お答えは、
稲里純米しぼったまんまの出荷
稲里純米熟成出荷
でしたので、
もちろん、それをたらふく頂きました。
うーい、ひっく。
あ、忘れた。創業150年誠にお芽出とうございました。
追伸
先日「東都のれん会」さんのご依頼により、日本橋三越本店でトークショーをさせていただきました。催事『江戸東京味・技めぐり』を盛り上げるためでした。
演題は【意外と知らないお肉の話しー肉選びの目線が変わります】
動画が撮ってありますので、こちらからご覧ください。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.960連続更新を達成しました。すき焼き「ちんや」六代目の住吉史彦でした。
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