B級グルメ
グルメは「B級」と、それ以外の2種類に分かれています。「A級」という表現はあまりしないようですから、「B級」と「非B級」ですね。
では、すき焼きはどっちですか?
Bの典型は、ラーメン・蕎麦・カレー・とんかつ・焼鳥・居酒屋。
すき焼きをBに入れることは少ないようですが、では非Bなのでしょうか?
それ以前に、Bと非Bの2種だけって、単純過ぎませんか?
歴史を振り返りますると、明治時代の牛鍋は完全にBでした。「鳥鍋は旦那の食い物、牛鍋は書生の食い物」と言われていて、高いものではありませんでした。
その状況を変えたのはトラクターです。
田圃の作業をトラクターがやるようになりましたから、それまで作業に使っていた牛が要らなくなりました。で、トラクターの登場以降、牛は最初から食べるためだけに飼うことになったのです。
トラクター以前には、牛を飼うための経費は、全て米作の原価となり、米を売った時点で回収されていたのですが、その後は違います。牛の経費は、牛肉の売価に反映させて回収する他なく、また牛が順調に育たなかった場合のリスクも算段しなければならず、結局薬局、牛肉の値段は騰がりました。
この変化は、実はわりと最近起きたことです。
トラクターの数は1961年(昭和36年)の7000台から、10年後の1971年(昭和46年)には26万7200台、1977年(昭和52年)には83万2200台と増えていますから、牛が田圃で要らなくなったのは、この時期だと分かります。40年前=わりと最近です。
牛肉の値段が騰がったので、すき焼き屋も高級化する他なく、Bだったものが、Bとは言いがたく成って行きました。
そういう経緯の食べ物も在るわけですから、
Bと非Bの2種だけって、どうも単純過ぎると私は思います。
すき焼きは「Ⅴ(ヴィー)級グルメ」。
そう私は命名したいと思います。
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978-4-7949-6920-0 C0095
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株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.628日連続更新を達成しました。
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