3か月

このブログを開設してから7年強、私は、経営者たるものデフレと戦うべきだと言い続けてきました。商品価格の値下がりが、経済の諸悪の根源だと思ったからです。

しかし残念なことに、そう言う本人が、その戦いに勝って来たとは断言できませんでした。弊社に関する限り状況は一進一退という感じでした。

が、この3か月に限っては、自分からは言いにくいですが「大勝利」と言っても言い過ぎではないと思います。

「適サシ肉宣言」を敢行しましたのが115日、ブレークしたのが28日ですから、今日でちょうど3か月ですが、お客様からのご注文は、「適サシ」つまりメニュー表の一番上に集中しています。安いメニューより多く出る位です。大勝利です。

以前メニューの一番上には「霜降肉」が在りました。

下は「赤身肉」。真ん中は、霜降と赤身の「盛り合わせ」。

その一番上の「霜降肉」について、店側としては、

当店の霜降肉の脂は、融け方の良い肉ですから、モタレません。他の霜降と違うんです!

と言い続けて来ましたが、ご理解をいただけませんでした。ご理解いただくどころか、世間はアンチ霜降へ一直線。

一番高いメニューが拒否られているのだから、由々しきことでした。それで「霜降」という言葉を止めるしかないと思って→今回造語したのが「適サシ肉」でした。

それが、こんなにもウケたのは、世間が本当は美味しい肉を食べたいと思っていたからでしょう。売り手側・メデイア側の押しつけのブランドではなくて、本当に自分が美味しいと思える肉を、実は世間はものすごく欲していたのだと思います。

不覚ながら、私はそこに気づけておらず、世間の無理解を嘆く日々を過ごしていました。

しかし実はこちらに落ち度があったのです。価値の伝え方を工夫すれば、伝えることも出来たはずなのに工夫していなかったのです。思い返しますと、本当に残念な日々でした。

でも今の状況は違います。ご注文は「適サシ」に集中していて、さらに肉のお替わりをなさる方が多数。

実に在り難いことだと思っています。観音様・三社様に感謝あるのみです。

そして思いまするに、どの業界にも、こういう事例はあるのではないでしょうか。

ウチの業界はねえ、前からこうなのよー、仕方ないのよーと言わずに、一度原点に戻ってみませんか、社長の皆さん。

追伸

拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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978-4-7949-6920-0 C0095

2016年2月25日発売

株式会社晶文社 刊行

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.627日連続更新を達成しました。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM
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