イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方
国民投票の余波なのか、建築家でイギリス在住経験のある山嵜一也さんの本『イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方』が紹介されていました。それによりますと、
イギリス人は「肩の力を抜いて働く」人たちで、
サービス業におけるお客様との関係を見ていても「上手な割り切り」を感じると言います。客の理不尽な要求を呑んでストレスを抱えこんだりしないと言うのです。
例えば公営バスでも、バスの運転手が行儀の悪い客に反撃するためにバスが止められることがあると言います。
おめえが降りない限り、このバスは動かねえぞ、てやんでい(意訳)
ということです。G.J.
実は、私も、これに似たことをやります。だって、私の気にいらない客に料理を出す義務はないですからね。当然で普通なことだと思いますし、日本でも、こうした風潮が拡まることを支持します。
しかしですね、それに続く以下↓の解説は正しくないです。引用しますと、
「日本には、無理を承知でもお客様のために尽くす「お客様は神様」という考え方があります。とくに、サービス業の場合、そんな考え方を強く持っているばかりに、余計な負担を感じたり、ストレスを大きくしている人が多いでしょう。」
以前弊ブログの2014年5月3日号に書きましたが、三波春夫さんの「お客様は神様です」という、あのフレーズは、そういうことを意味していません。「三波春夫公式サイト」が明確に否定しているのです。
「お客様は神様です」の真意は、
「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです」
つまり、芸事というものは、絶対者の存在をハッキリとイメージして、その神前に恥ずかしくない芸を披露しよう!という強い決意がなければ、決して上達しないものだ、ということを言っているわけで、断じて、どんな理不尽な要求も呑むべきだという意味ではないのです。
三波春夫さんの真意を曲解してしまう、日本のサービス業界の側に問題があるのであって、三波春夫さんに罪はないのです。
そろそろ、三波さんの真意が知られる社会にしたいものですね。
ところで「E.U.」って、何?
話題になってるから、ググって調べなきゃ。
追伸、
拙著は好評(?)販売中です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
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浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
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四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.322連続更新を達成しました。
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