マナー
毎年この時季に話題になるのは「花見のマナー」ですね。今年もやっていました。
近年批判されるのは中国人のマナーです。
枝を折る。
枝を揺すって花びらを散らし、花吹雪の下で写真を撮る。
といった行為が批判の的になっています。
一方、日本人も人様のことは言えず、宴会のゴミをその場に放置したまま帰ってしまう輩がいるのだとか。今年は、上野公園のそういうゴミを、ホームレスが整理する動画がネットにUPされていました。
私はいつも疑問に思うんですけど、この問題について「マナー」という言葉を使うのは適当なことなんでしょうか?
上のような行為をする人は、要するに、人間としてマトモに育っていない人ですよね。
「マナー」と言う言葉は、マトモに育ってはいるのだけれど、特殊な場での決まりごとを知らない~例えば近所にフランス料理の店が無くて→「フィンガー・ボールの水は飲んではいけない」ということを知る機会がなかった、というような場合に使う言葉だと私は思っています。
枝を折る人→木という生き物に対する優しさが無い人。
ゴミを放置する人→公園を管理する人に対する優しさが無い人。
・・・ですから、「マナーが悪い人」ではなくて「人道から外れている人」と表現するのが適当と考えます。
似たような事例を挙げますと、浅草で花火やサンバが開催される日、爾後のゴミの量は本当に酷いものです。ですので、浅草の人達は、マトモな人ばかりでなくて、「人道から外れている人」も、この街に遊びに来ていることを直感的に知っています。観光地とはそうしたものだ、繁華街とはそうしたものだということを理解した上で、この土地に生きています。
「マナー」を言論で批判してみても、おそらく状況は好転しないだろうというのが私の診立てです。
追伸、
拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
お求めはこちらから。
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて2.238連続更新を達成しました。
No comments yet.