肉食わないじゃん
群馬県庁の「すき焼き応援県」政策が、2/25放送のTV番組『秘密のケンミンSHOW』で思い切りコケにされてしまったようです。
「群馬の人って、すき焼き県とか言いつつ肉食わないじゃん」
・・・と群馬県民の肉類支出金額が全国最下位であることについて、コメンテーターから容赦ないツッコミが入ってしまいました。
私は、この政策に関わっている人を存じ上げていたりするので、少しだけ弁護させていただきますが、群馬の方も肉類支出金額が少ないことは気になさっていて、それで「すき焼き県」ではなくて「すき焼き応援県」と称したのですが、そこはテレビ的に抜け落ちて、すき焼き県とか言いつつ肉食わないじゃん!と言われてしまったのです。
しかしですね、見渡しますと、地元で消費されない食材をたくさん生産しているケースは無くはありません。
例えば、三陸の「干しアワビ」。
江戸時代から今日まで日本で生産され中国に輸出されています。中国ではこれが「最高級」との評価を得ており、現地では「キッピン」というブランド名になっているとかですが、これは「吉浜」という岩手県の地名です。
このように「日本人の口に入らない貴重な高級食材」である、三陸の干しアワビを、なんとか日本国内で売って行こう!と私の知人の「南国酒家」MYT社長が奮闘する様子は、先日テレビ東京『ガイアの夜明け』で採り上げられました。
このように地元で消費されない食材をたくさん生産している産地はあります。
群馬の方々は、他県から来客があった時に地元で食材を揃えられるすき焼きを出せば良いのじゃないか、海の無い群馬で刺身を客に出すとか馬鹿げている、つまり観光業活性化の一環で「すき焼き応援県」を始めた次第で、方向性が違うのです。
もちろん、「すき焼き応援県」政策に関わる官民の関係者の方は、腹が痛く成るまで、日本中のすき焼きを食い倒して学ぶべきに決まっていますが、県民一人当たり消費額ばかりを気にするのは、やや気の毒と思います。
追伸、
拙著が発売になりました。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
題名:『浅草はなぜ日本一の繁華街なのか』
浅草の九人の旦那衆と私が、九軒のバーで語り合った対談集でして、「浅草ならではの商人論」を目指しています。
第八話は「ごはんにも日本酒にも合うのが洋食」(「ヨシカミ」二代目 熊澤永行さん)。対談場所は観音裏の「フォス」さんです。
四六判240頁
価格:本体1600円+税
978-4-7949-6920-0 C0095
2016年2月25日発売
株式会社晶文社 刊行
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