Road Runner

去年のことだったと思いますが、学校の同期の男が食べに来てくれまして、

おお、住吉、久しぶり!でも、オレは住吉のブログを毎日読んでるから、久しぶりって感じがしないんだよね。

あ、そうなんだ。それは恐縮。

オレが毎日読んでるブログは、住吉のと、「なでしこジャパン」の川澄さんのだけだよ。

???

当時私は川澄奈穂美選手のことは「なでしこ」の可愛い選手ということ位しか知らずに、意味がすぐには分かりませんでした。

で、ブログを拝見しました。タイトルは、

Road Runner

なるほど熱心に毎日更新なさっていて、文体もテンポが良く名調子です。そして何より、書き方以前に、自分について・女子サッカー界についてハッキリした意志を感じさせるブログでした。

その同期生が川澄選手を応援していることにいたく納得し、私もブログを頑張って行こう、と思った次第です。

さて、その川澄選手が今回アメリカへの移籍を発表しました。

「レンタル移籍」により、3~8月の6ヶ月間アメリカのシアトル・レインFCに行くそうです。

そのことを告げるブログでも、いつもながらテンポよく展望と心境を語っておられます。

そして何よりインタビューがサイコ―でした。

「学ぶだけの姿勢で行こうとは思っていない。日本人の評価を上げ、こんなこともできるんだと見せつけるために行く」

英語は勉強中で得意の料理をコミュニケーションツールにする意向だとかで、

「外国人に受けがいいのはすき焼き。簡単だしいいかな」

アメリカでの御活躍を心より祈念申し上げます。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.442日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

テーマはラブラブ

小売業の現場で良く行われていることに、客の属性=性別とか年齢あるいは所得のデータを把握して、購買履歴との関連性を分析しようとすることがあります。

関連性を調べるためにはデータを集めないといけません。「ちんや」も肉の小売りをしている以上、レジ入金の際に性別とか年齢とかも入力したりした方が良いのでしょうか。

現在はそういうことをしていませんが、それって、怠慢なのでしょうか。

申し上げにくいんですけど、私はですね、そういうデータ収集って、大して効果が無いと思うんですよね。手間がかかるわりには、意義が薄いと思います。

「ちんや」の肉を食べたいと思うかどうかって、性別とか年齢とか、そういう客観的に計測できるデータと本当に関係があるのか、疑問だと思うんです。

「40歳代の女性のお買い上げ額が多い」って分かったところで、なんか意味があるんでしょうか。

むしろ「ちんや」の肉を食べたいと思うかどうかは、計測できない味覚や価値観と関係があると思います。

たとえば夫婦仲が良いかどうか、の方が「ちんや」の肉を食べたいと思うかどうかに、数字より余程関係があると思います。

夫婦仲が良くて、家族揃っての行事を頻繁に行っている御家庭なら、「お父さんの誕生日にすき焼きをしたい」とか「お子さんが運動会で1等に成ったから、お祝いにすき焼きをしたい」とか考える筈です。

愛情が深ければ深いほど、家族の笑顔が見たくて美味しいものを買う傾向がありましょうが、愛情も計測できません。

逆に、夫婦仲が悪い場合、家族ですき焼き、は避けたいところでしょう。

そう、だから、計測できるデータなどよりも、心の在り様が余程関係あると信じます。

で、3月からの「春の御縁キャンペーン」のテーマを「夫婦ラブラブ」に決定しました。

キャンペーン期間中、「夫婦ラブラブ」な方に限って「ちんやメンバーズカード」の新規入会金を5円(=御縁)にします。通常は500円ですから、なんと、99%引きですね!

では、どうやってラブラブ度を確認するか、ですが、記念日の種類で判定させていただきます。

「ちんやメンバーズカード」に入会していただきます際に、お客様それぞれの「記念日」を自由に登録することができまして、その日は割引率が普段の倍になるという制度があるのですが、その「記念日」として二人の結婚記念日を登録なさった場合だけ、500円を5円にさせていただきます。

そういうことを思いついたキッカケは、去年の暮れに新聞の読者投稿欄で見つけた「すき焼き 新婚の思い出」という、65歳の女性からの投稿でした。引用しますと、

「きょう、12月1日は私たち夫婦の結婚記念日だ。ちゃんとした式も挙げられず、婚姻届を提出しただけのスタートだったが、初めての夕食は鍋料理、すき焼きで祝った。」

「買ってきたのは安い牛肉だった。おまけに料理が得意ではなかったので、味付けが濃すぎる失敗作となったたが、夫が「大丈夫おいしいよ」と言ってくれたことは忘れられない」

「以来、結婚記念日には「初心を忘れないように」と、鍋料理を作って来た」・・・

昭和な美談ですよね。

こういう方にこそ、「ちんや」の肉ですき焼きをしていただきたい、そう思います。

販促の基本になるのは、心の在り様なのであって、データではない。それが「ちんや」の販促です。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.441日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

壱岐の「島幸」

向笠千恵子先生の「郷土料理伝承学校」を受講しました。

この「学校」は、日本各地の農村漁村で地域の歴史や先人の知恵とともに受け継がれてきた郷土料理を学ぶ講座です。

日本の食文化に関心の高い人(=料理人、料理研究家、料理店経営者、食に関わる職業の方)を対象に実施されていて、今年が2年目です。

で、今回のテーマは、

「壱岐の「島幸」は、海のおいしさ・里のおいしさの二重奏」。

離島でありながら交通の要所であった壱岐には各地の料理の影響が見られます。様々な要素を巧みに取入れながら独自の食文化が形成されてきました。

その壱岐から見えた講師は「平山旅館」の女将・平山宏美さん。

テレビ番組の取材で、かの松岡修造氏に「オレより元気」と言わしめた名物女将です。

旅館を経営するかたわら、無農薬野菜を栽培し、蜂を飼い、それらを活かした創作料理を研究している方で、地産地消の実践者です。

女将さんの圧倒的なしゃべくりに気圧されていると、鍋とカセットコンロが運ばれてきました。

え? ここで鍋をやるの?

果たして、そうでした。

この日のために女将さんが壱岐から、地鶏・地の野菜・島豆腐を空輸して来て、それで鍋をしようと言うのです。スープは、やや甘目の「しょっつる」みたい。

まったく存じ上げない方と同席だったので、はじめの内はなかなか盛り上がれませんでしたが、そこは鍋の楽しさで少しずつ座が和みます。

なんでも、お隣さんは某公共放送局の、野菜の番組の御担当とか。

うん、この島の野菜、みんなサイズが小さめだけだけど、いちいち味が濃いですね。東京者にはうらやましいことです。

島焼酎も配られて実に結構。そう、壱岐は焼酎文化圏でして、小さい島なのに蔵が数軒在ります。

もはや学校というより、ほとんど宴会です。先生、宴会するって事前に言って下されば良かったのに・・・

やがて〆の蕎麦や御飯を投入して、うーん、おなかいっぱいの「学校」でした。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.440日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すきや連,色んな食べ物,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

二人とも初めてだった本当のすき焼

すき焼き思い出ストーリー投稿サイトに新しい御投稿がありましたので早速UPしました。

題して『二人とも初めてだった本当のすき焼』。

素敵なラブストーリーです。是非お読みください。

<以下は本文です>

今から10年前、彼とおつきあいをはじめて間もない頃、浅草デートへ。

雷門に浅草寺、人力車。気分はすっかり観光客。彼はデートではいつも楽しいスポットや素敵なお店を紹介してくれました。そして浅草でのお食事はすき焼。心躍ったのと同時に、不安と気まずさが心をよぎりました。

母のすき焼はお鍋のように煮込まれたものだったので、本当のすき焼はテレビでしか見たことがなかったのです。すき焼きのマナーを知らない私、恥をかいたらどうしよう。ばかにされたらどうしよう。と心配になったのです。

でも、ひとたびお店に入るとそのような不安は一瞬で消えました。お店の方の対応に感激。彼に「本当のすき焼、初めてなの」と打ちあけたら、

「ボクもだよ。うちのすき焼は焼かないタイプなんだ」と何の気なしに返答してきました。

それを聞いた私は「いつもすごくいいお店を紹介してくれるから、本当のすき焼を食べたことがない私、これからここでお食事をするのが恥ずかしいなって思ったんだよ、別のお店にしてくれたらよかったのにって。食べ方も分からないし。」私の心配をよそに大笑い。

「そんなこと気にしてたの?ボクはお店の方が教えてくれるって知ってたから。一緒に本当のすき焼の食べ方を教わって美味しくいただこう。」

私よりずっといい生活をしているのかな、と少し引け目に感じていた彼。本当のすき焼きが初めてということで一気に距離が縮まったと感じた一瞬でした。彼と私にとって人生初の「本当のすき焼」、お味はもちろん最高でした。

彼は、今は我が家の大黒柱。私は2児の母。

家族で本当のすき焼屋さんに伺うのはまだまだ難しいですが、親子で、できれば3世代で思い出の「本当のすき焼」を食べに出かけたいです。すき焼貯金、がんばるぞ!

<外食ですき焼きを食べることに全く慣れていない方の気持ちも、分かって仕事をしないといけないのだなあ、と改めて気づかされます。>

<その他のストーリーをお読みになりたい方、こちらです>

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.439日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

ホスピタリテイーの宿

久しぶりに澤功さんの講演を聞きました。

澤さんは観光庁の「観光カリスマ」に選ばれていて有名な方ですが、念のための「カリスマ」のサイトのコピペーにより、ご紹介しますと・・・

谷中(東京都台東区)「澤の屋旅館」館主。

ジャパニーズ・イン・グループ会長(93~98年)。

「東京の下町、谷中の根津神社の近所に、客室数12室の日本旅館「澤の屋」がある。一見何の変哲もない小旅館であるが、実は宿泊客の9割が外国人客で、毎日平均7か国の客が訪れ、年間客室稼働率が90%を越え、これまでに80か国、延べ10万人の外国人客を受け入れるなど、国際交流に貢献しているのである。この旅館の経営者が、澤功氏である。」

「これまで延べ10万人もの外国人旅行者を受け入れ、さらに外国人客の下町での触れ合いに尽力している。」

「倒れかかった下町の小さな旅館を、積極的に外国人旅行者を受け入れることによって再生するとともに、全国各地で外国人旅行者の待遇方法などを説明して、宿泊施設が外国人旅行者を受け入れる際に抱く危惧を払拭することに努め、外国人旅行者の受入促進の啓蒙を図っている。」

・・・という方ですが、文中の「倒れかかった」という表現はちょっと違うと思います。

澤さん自身が館主を引き継いでから、旅行マーケットの変化に対応できず、また仕事を楽しむことも出来ず、17年間低空飛行を続けたのが実態ですから、「倒れかかった」では経営も心も苦しんでおられた頃の様子が伝わらないと、私は思います。

この間澤さんは「御客様は神様」という先代の教えに違和感を感じ続けておられたそうです。

その澤さんが今言っておいでなのは、

サービスはやると疲れて仕方ないが、ホスピタリテイーは、いくらやっても疲れない。

低迷17年の後、ついに客数ゼロの日が3日続き、苦し紛れで外国人客を受け入れ始めた澤さんは、当然必死に「サービス」をしようとして、客の荷物を奪うように運んだりしたものの、ほとんど喜ばれず、やがて「お好きなように」と放置するようになり、ようやく客の要望が見え始めたそうです。

外国人客は日本人の、本当の普通の生活に潜り込むことを希望していたのです。

「サ―ビス」を止めた澤さんが、そうした外人さんの希望に対して骨身を惜しまず対応し始めたところ、今度は不思議なことに次々とサンキュー・レターが届くようになったそうです。

悪名高い日本の満員電車に乗ってみたい、という人のために、どの路線の乗車率が一番高いか調べたこともあるそうです。

この辺りから「稼働率90%」への浮上が始まります。

夕食の提供を止めたのも成功でした。旅館に夕食が無いのは、一見サービスの低下ですが、谷中の地元の食堂や居酒屋を澤さんに紹介してもらった客は、楽しかった!と本当に喜ぶのだそうです。

アメックスのプラチナ・カードを持っているような大金持なのに、焼き鳥屋で地元の人達と飲めて最高だった!と笑顔で澤さんに報告するのだとか。

勿論、これは偶然ではありません。自分の宿の客を受け入れて欲しい、と地元の人々に澤さんが日頃から頼んで回っているからです。

そして、外人さんからのサンキュー・レターを読んで判明したことが、もう一つ。

外国人向けに日本をアレンジして欲しい、と書いてきた人は一人もいない(!)のだそうです。逆に、今の谷中をいつまでも遺して欲しい、と書いてきた人は多数。

私は、こういう澤さんのお話しを聞くのが好きでして、今回が多分五回目です。内容は基本的には同じですが、聞くと気分がスッキリします。

今、世間は外客インバウンド誘致イケイケドンドンですが、ニセモノを外人さんに見せたくはないですよね。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.438日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

Filed under: 飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

ニオサク

「浅草うまいもの会」の新年会が「ちんや」でありました。

こういう場合はいつものことながら実験台に成って貰います。

今回は秋田のニオサクという山菜が「変わりザク」として使えるか、浅草の人々を使って人体実験しました。

ニオサクあるいはニョウサクは、北海道、本州北部・中部に分布する、セリ科の植物で、「エゾニュウ」が正式な学名のようです。

クマがこの草を好んで食べるそうです。

秋田の人は、そのニオサクの、株の真ん中の若い茎を切り取り、皮をむいて塩蔵します。塩蔵するのは非常にアクが強いからで、いったん塩をしてから、食べる前に塩抜きします。夏場に塩蔵して、冬の食べ物が乏しい時期に食べる習慣になっているようです。

何故か秋田県人が特に好んで食べるようで、水煮にされたものが通販アイテムに成っていたりします。他の県でもけっこう生えているのに、秋田ほど利用はされていないようです。

煮物、油炒め、煮付け、天ぷら、汁の実などに良い、とされていて、秋田ではおでん種にもするとか。煮込んでも煮崩れないので、鍋ものに向くと思えます。

これまでウドやフキは「変わりザク」として使って来ましたから、おそらく美味しく食べられましょう。

で、使ってみた次第です。

ほろ苦さと適度な食感が良く上々と思います。調理によってはウドやフキよりもおいしいと、年々、人気が高まっているとも聞きます。

今年の冬は、もうすぐ終わってしまいますから、今年に関してはチト時期を逸しましたが、結構、行けそうと思った次第です。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.437日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク,色んな食べ物 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

ラッキーフード

Dr.コパさんって、すき焼きがお好きなんでしょうか。

そう、あの「風水といえばぼくでしょ。日本一陽気な幸運オヤジ、歩く縁起者」という、あの方です。

別に直に存じ上げているわけではなく、ツイッターを視ているだけなのですが、コパさんは毎日ツイートなさっていて、その中に頻繁にすき焼きが出てくるのです。2月のある日のツイートは、

「ピリッとしよう」

11日は建国記念の日。

今年の夢や希望を神様にお願いする

最後の日。

ピリッとして、今年の事を考えてみよう。

ランチはすき焼きにするぞ!

すき焼き、白、キャメル色、

貯金箱で開運の水曜日。」でした。

あまりに頻繁にすき焼きが出て来るので、気になって調べてみましたら、

「東京都出身。日本大学第三高等学校を経て日本大学理工学部建築学科卒業。祥設計株式会社社長。三宅の宮(観相・家相)を主宰。茶懐石料理教室校長。中央競馬の馬主としても活動している。」

「祖父の代より三代続けて日本の伝統建築・風習・伝統行事・縁起・由来の開運法を研究しており、温泉を使った伝統的な開運法など、中国、アジア、西洋諸国の伝統開運法を吸収しつつオリジナルの開運術を考案。」

「Dr.コパの風水とは、周囲の環境によって運を開花させようという環境開運学のこと。身のまわりのすべての環境、つまり住まいはもちろん、洋服や食べ物、遊びやギャンブル、また人間関係や考え方を 整え、運気をより良く変えていこうというものです。」

うーん、特にすき焼きに結びつく話しは無いですねえ。

でも、自然の気のエネルギーを獲り入れるのに、すき焼きを食べる、というのは、なんとなくですが、分からないでもないです。

そう言えば、先日の台東区若手経営者サポートセミナーで二条彪先生が、自分の「パワーフード」は鰻で、鰻を食べるとやる気がパワーUPする、と言っておいででした。「パワー」が出れば運気が上昇して「ラッキー」にもなりましょう。

「美味しい」「楽しい」ばかりではなく、「パワー」や「ラッキー」も食べ物の効能と言えるのかもしれません。

コパさんに戻りますが、

「自然から受ける幸運を、自分の知っている範囲の理屈に合わないからといって受け入れないのでは幸運はやってきません。楽しんで実行して、みなさん幸せになりましょう。」

はい、幸せになりましょう。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.436日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

もやしすき焼き

最近「温泉もやし」が注目を集めています。

「ちんや」では「大鰐温泉もやし」を毎年11月から12月にかけて「変わりザク」としてお出ししていて、弊ブログでも何度かご紹介してきましたから、ご記憶の方も多いと思います。

その「大鰐温泉もやし」が先日読売新聞の「辛味主義」という連載に登場していて嬉しくなりました。

読売には、お菓子の世界を伝える「甘味主義」と、酒肴の名品を紹介する「辛味主義」が交互に掲載されていますが、その「辛味主義」の方で、著者は萬眞智子さんです。

「すきや連」で私たちがお世話になっている、向笠千恵子先生も雑誌『味覚春秋』の「おいしい色々」という連載の第23回で「大鰐温泉もやし」のことと、やはり温泉を使ってもやしを育てている、米沢市の「小野川豆もやし」のことを書かれていました。

もやし栽培はテレビCMでお馴染の通り、現代では工場での大量水耕栽培が主流で、人間がつきっきりにならないといけない、温泉もやしは絶滅寸前でしたが、この二箇所の有志がブランド化を図ることで、なんとか存続。だんだんに注目を集めるようになって来ました。目出度いことです。

大鰐は土室方式で、小野川は、流れる温泉の上に砂を敷きつめる方式と違いはあるものの、土耕栽培で温泉のミネラルを利用する点は同じです。工場ものとは比較にならない位立派な姿に成長します。

さて、そのもやしの食べ方ですが、向笠先生は、まずもやしの味噌汁の採り上げた後、

「極めつきはすき焼きの具にすること。牛肉のうま味と合わさって、もやしとは思えないほどの存在感を発揮する。」

と書いて下さっています。

温泉もやしは、食べごたえ・食感が素晴らしいですが、うまみに乏しいという限界があるので、そこを補う必要がありましょう。

もやしが注目され、ついでに、その食べ方としてすき焼きも注目されたら、在り難いことです。

追伸、2月の「変わりザク」は「下仁田葱」をお出ししています。こちらも素晴らしいですから、是非お召し上がり下さい。

 

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.435日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

イグノーベル賞

我が義塾の雑誌『三田評論』を読んでいて、快哉を叫びたくなる文章に遭遇することは、正直申しますと、頻繁にはありません。でも12月号にはありました。

筆者の方を個人的に存じ上げている、というわけではないのですが、読んで愉快だったので、ここにご紹介します。

さて、その文は「イグノーベル賞、縁と運の賜」という題で、2013年のイグノーベル賞「医学賞」を受賞した新見正則先生の一文です。

「心臓移植をしたマウスにオペラの『椿姫』を聴かせたところ、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも拒絶反応が抑えられ生存期間が延びた」という研究で、メデイアでもだいぶ紹介されていましたから、ご存知の方も多いと思います。

この研究をした新見先生はレッキとした、義塾医学部卒の外科医で、心臓移植後の拒絶反応を研究する内「環境因子がなにか免疫に影響を与えている」さらには「病は気から」と信じるに至った、というのです。

そもそも、違う環境に置かれたマウスを比較することができたのは偶然だったそうです。研究室が狭かったから、同一条件のマウスのケージを別の場所に置くしかなかったという偶然が第一。

次なる偶然は、最初の実験用の音楽として最高の演奏の『椿姫』を選んでしまった、という偶然です。

先生が使った『椿姫』は、巨匠ショルティ指揮のロイヤル・コヴェントガーデン・オペラ、ヴィオレッタ役はゲオルギューという伝説の名演です。この最初に使ったCDが結局一番心臓に効いたのだそうです。

そうそう、だから私は肥育中の牛さんにも音楽とか潮騒の音とかを聴かせるべきだと、以前から言っているんです。

『椿姫』を聴かせた牛とモーツァルトを聴かせた牛の肉質を比較したら、それこそイグノーベル畜産学賞ものだと思うんですけど、それはまあ、さて置きまして、

何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能が先生にはおありだったわけで、それを先生は、

「まあ、運と縁を自分にいかす能力ということだ」と言い換えています。

「確かに僕は今まで運と縁に恵まれて生きてきている。いつも誰かが助けてくれる。いつも誰かにお世話になっている。悪いことがあっても、それがいつの間にか良いことになっている。本当に人の縁に恵まれた人生だ。」

「本当に素晴らしい章をいただいた。皆さんに感謝だ。この栄光は僕だけのものではなく、僕と関わってき皆さんのものだ。」

他人の受賞などというものは、たいていは妬ましいだけのものですが、この受賞は、人事ながら愉快でした。

ユーモアがあって、運と縁を大事にする方が表彰されるのは嬉しいものです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.434日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

沖縄のスキヤキ

その情報もツイッターで見つけました。@yuka_mildさんの、

「沖縄で「スキヤキ」というとこれです、食堂で皿にもられて出てくる一品料理」という画像がツイッターに出ていました。

へえ、知りませんでした!

で、これを機会に色々調べておりましたら、実に面白いです、沖縄のすき焼き。

順をおって御説明申しますが、

第一に、沖縄の「スキヤキ」は鍋料理ではないらしいのです。

調理されて皿に盛られて出て来るそうで、卵は、その皿の中心に半熟の状態で乗って来るようです。

次に提供される場所ですが、すき焼き屋ではなく食堂です。その食堂の名物メニューに成っているケースも多いとか。

ただし表記は「すき焼き」でなく「スキヤキ」もしくは「すきやき」

具材の特徴は、シラタキでなく春雨が入っていることと、キャベツやレタスが入る場合もあるとか。なんとも緩い感じですねえ。

沖縄では味噌汁定食にもレタスが入りますから、すき焼きに入るのも平気なのでしょう。

さらに面白いことに、この「スキヤキ」がよく売れるのは、夏なのだそうです。むしろ、沖縄の人は暑くなると「スキヤキ」を食べたくなる、と申します。

へええ!

これは、すき焼きの一大特徴である「融通性」が顕れた見本と申せましょう。

まだまだ、全国に面白いすき焼きが在るんですねえ。

ちなみに、「スキヤキ」が有名な食堂は、那覇市の「お食事処三笠」さん。

なんでも沖縄の一般的な家庭料理を味わえる食堂で、創業30年以上なのだとか。

み、三笠ですって?

戦艦「三笠」と言えば東郷平八郎提督の旗艦じゃないですか。

随分と内地っぽい名前ですねえ・・

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.433日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Twitterもやっています。アカウントは、こちらです。

 

 

 

Filed under: すき焼きフル・トーク — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)