かぶちゃんグルメ対談

 月刊「百味」9月号が届きました。

 今月号には、「かぶちゃん」こと鏑木武弥さんと、私の対談記事が載っているので、落ち着かない気分で、ページをめくりました。

 「かぶちゃん」については、新聞の広告で見かけたことのある方も多いと思います。青年海外協力隊員として、パラグアイで農業指導をした後、帰国して「かぶちゃん農園」を長野県飯田市に設立、「市田柿」の通信販売が大評判で、ご盛業です。

  「すきや連」とご縁の深い「百味」の同じ誌面で、「かぶちゃん」も対談コーナーを連載し始めたのをキッカケに繋がりができ、今回「対談を」という話しになりました。

 今回対談している内、鏑木さんに共感していただいたのは、「食育」の話し、特に私が日頃思っている「親子孫三世代で、すき焼きを食べていただきたい」という辺りでした。

 私と鏑木さんは、ほぼ同世代ですが、この世代の人間が、都会に生まれた場合、その後田舎や農業を知らずに育ってしまったケースが多いと思います。

 私は浅草に居たまま「食の仕事」を、鏑木さんはと言うと信州へ入っていかれて「食」に関係する仕事をしていますが、そうでもない同世代人は、ネギの旬がいつかとか、なんでネギが白いのか、とかを知る機会のないまま、オトナになっています。

 そういう次第ですので「三世代で、すき焼きを!」と申し上げたいわけです。今からでも遅くはありません、小さい子達に「食育」するフリをして、お父さん方も、「食」の知識を補填していただきたいと思っています。

 鏑木さんは、以前出版社にいたことがあって、お子さん向けの食べ物の本を作ったそうですが、その本もオトナが読んでくれたそうです。

 それにしても、こういう対談記事というのは、文章にまとめるのが大変ですよね。対談している当の本人は、調子に乗ってペラペラ話してしまい、たぶん私の話しも脈絡のついていない部分があったハズなのですが、修整されていて感心しました。

 なにやら、自分の言ったことが、キレいに整えられているのを読むと、他人みたいで微妙な気分ですよね。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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 (今月の「百味」には、向笠千恵子先生の連載「続すきやきものがたり」や、7/12の「すきや連」(@ちんや)のレポートも載っています。)

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おいしい夏休みー親子体験食味学習会④

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 今回は、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんをお招きして、「強い体づくりと食事」について、お話しいただきました。

 なにしろ、あのアンデイ・サワーを倒した男です。子供たちもチャンピオンの話しを興味津々で聞いていました。

 大変良い御話しでしたので、このブログでも公開しようと思います。ご覧下さい。

<以下、お話しの録音>

 ただ今ご紹介頂いた、シュートボクシング協会の緒形健一です。

 シュートボクシングは、パンチ、キックに加えて、投げ技や立っている状態での関節技が認められた立ち技何でも有りの格闘技です。

 シュートボクシングには日本をはじめ世界各国に色々な選手がいますが、シュートボクシングのS-cupという世界トーナメントで3回、そしてK-1MAXでも2回チャンピオンになっているオランダ支部のアンディ・サワーが、皆さんが一番知っている有名な選手だと思います。

 僕は2006年のS-cupで、そのアンディ・サワーを決勝戦で倒してチャンピオンになりました。

 今後、皆さんにシュートボクシングをより深く知っていただいて、若い頑張っている選手たちを応援していただければと思います。

  今日は「食育」ということですが、あまり長く話しても、今から折角すき焼きが出てきますし、小一時間位ゆっくりと話をさせていただければと(笑)―それは冗談ですが、大体10分くらい、いやいや、それも冗談で5分くらい、5分だけ話しますから集中して聞いて下さい。

 僕たちは格闘技という身体を使うスポーツをやっているので、その必要性から栄養については色々と勉強をしています。まず食べ物には「三大栄養素」というものがあります。

 「三大栄養素」には、まず炭水化物=ご飯や蕎麦、饂飩などのいわゆる主食。2つ目に脂肪=油、マーガリンとかバターなどの脂分があります。そしてタンパク質=お肉やお魚、豆などがあります。

  まず炭水化物というのは、簡単に例えると、車で言うところのガソリンの役目です。そのガソリンを入れなければ車が動かないように、人間も炭水化物を摂取しないと活発に動けません。

 そして脂肪は、そのガソリン=炭水化物が無くなった時に使われるエネルギーで、必要のない時は摂取し過ぎるとお腹の肥満などにつながってしまうのですが、必ずしも悪いものでは無くて、人間が生きていく上では実は重要な成分なのです。でもあくまでも摂り過ぎは禁物です。

 最後にタンパク質は、身体、車でいったらボディーを作る成分で、筋肉になります。より強くたくましい身体を作るためには、効率よくたくさん摂取しなければなりません。

  僕たちは試合前には減量というのがあって体重を10キロぐらい落とすのですが、その時に脂肪をとると太ってしまうとか痩せないんじゃないかと思ってしまわれるお母さん方もいらっしゃると思うんですが、そうじゃなくて、ある程度減量していくと、今度は少し脂肪分を身体に入れてあげないと逆に脂肪が燃焼しないんです。

 炭水化物もタンパク質も脂肪も完全に摂らないようにするのではなく、上手にバランス良く摂取しないと身体の動きが悪くなって代謝が落ちて元気も出なくなってしまいます。

 その中でも減量中に僕たちが一番大切だなあ、と思ったのは肉です。お肉って食べると太ったりするイメージがあると思うんですけど、それは逆で、食べないと脂肪は燃焼しないんです。脂肪燃焼にはお肉に含まれるカルニチンという成分が非常に重要なんです。

  僕たちの練習サイクルは、昼に3時間、夜に3時間の一日約6時間程度で、試合前の減量中などは水も控えた状態で凄くキツい練習をやります。一回の練習で3キロぐらい落ちるので、2回やれば約6キロぐらいの水分が身体から汗となって出て行くんですが、試合前は肉体だけではなく精神的なプレッシャーや不安との闘いで気が滅入りそうになったりすることもあります。

 その時に多少でもお肉を食べると、やっぱりタンパク質は勿論、色々なビタミンも含まれているので凄く元気になれるんです。

 皆さんは、恐らく一日に2回から3回食べたい時に食べる普通の生活をされてるので分かりにくいかもしれないですが、僕たちは約一カ月の減量期間中に10キロぐらい体重を落としていく中で、食べたり飲んだりする口に入れる物に対して「あ!これってこんな効果があるんだ」とか「これはこのタイミングで食べると太るんだ」ということを実体験として体感できるんです。

 感覚が研ぎ澄まされていくので、極端な話、ただの水でも美味しかったり不味かったりを凄く敏感に感じとれるようになります。

  ご飯も美味しいし油を使った料理も美味しい。それぞれ全て身体に必要な栄養分なのですが、その中でもやっぱりテキメンに効果を感じるのはお肉です。さっきも言いましたが、お肉というのはビタミンやミネラル、アミノ酸の成分などが凄くやる気を出させてくれますし、スポーツマンにとって必要不可欠な筋肉も作ってくれるのでとても重要です。

 今日は、小さいお子さんもたくさん来てますけど、皆さん成長期で一番重要な時期ですから、とにかく偏らずにバランス良く栄養を摂ることを心がけてください。例えば、いい大工さんがいてもいい材料がないと家を作れないのと同じで、とにかく成長期にお肉を食べて栄養を摂取してたくさん練習しないと強い体を作れませんからね。

 最期になりますが、僕は山口県というところの出身で、8歳までは下関市という、山口県でも都会に住んでいたのですが、9歳からは海と山しかない、長門市の油谷町というところに引っ越しました。

 それまでは、お父さんお母さんに「食べ物を残しちゃダメ。食べられない人もいるんだから、感謝して食べないとダメだよ」と言われて、「うん、分かった」とは返事しながらも、自分が毎日何不自由なく食べることが出来ていたからそのありがたみを良く理解してなかったんです。

 食べものは、なんでもスーパーで出来て売ってる物だと思っていたし、袋や箱に詰めてあるのが当たり前だと思ってました。

 だけど田舎に越した時に、お父さんお母さんが農業をやり始めたんです。種植えをして、稲穂を育てて稲刈りをして米を作る。みんなで汗かいて、僕も頑張ってお手伝いをしました。最初は疲れるし嫌で嫌でしょうがなかったんですけど、そのうち、自分で植えた種から芽が出てきて、それを育てて獲って精米して苦労して作った米を口にした時に、すごく美味しくて感動したんです。

 その時に「食べ物って本当にありがたいなあ」って心から思ったんです。食べ物って始めから袋やパックに詰められて売ってる物なわけじゃなくて、こうやって色んな人が苦労して育てて作るものなんだな〜って理解して感謝する心が生まれたんです。

  今、シーザージムのキッズ練習生たちにも農業体験を希望する子たちには参加してもらってますけど、年に数回ですが、そういうことを是非学んでほしいなと思ってます。それで食べ物に対して感謝する心を養ってもらえたら最高です。だからみんなも、ご飯を食べる時はいつも感謝の気持ちを持つようにしてください。

 そして好き嫌いなく、色んな食べ物をバランスよく食べて、ジムでたくさん練習して強い身体を作ってほしいと思います。ちょっと短いですけど、以上、終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

 <緒形さんのお話し終わり>

 なお8/21当日は、緒形さんに続いて、私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その内容は、このブログの8/22〜8/24号で公開済みです。あわせてご笑覧下さい。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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おいしい夏休みー親子体験食味学習会③

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開しています。今日は、その第三回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

 <以下、講演台本>

 さて、おじさんのやっている、「ちんや」っていう、この店も、そのころにできたお店です。江戸時代には、ペットショップをやっていて、狆(チン)ていう種類の犬を売るお店だったので、それで「ちんや」って言うんですが、明治時代になって、商売の種類を変えました。すき焼きが発明されて、皆が喜んで食べている姿を見て、狆を売るのをやめて、すき焼きを売ることにしたんですね。

 それはなんででしょう?その理由の一つは、関所がなくなったことです。明治時代の前の、江戸時代には、日本人は自由に旅行をできませんでした。関所があって、こわいお侍さんが番をしていて、行き先とか、なんで旅行をしているのか、とかを、そのお侍さんに説明しないと、通れなかったですが、明治時代になって、やっと自由に旅行をできるようになったんですね。

 それで浅草の観音様をお参りするために、日本中からたくさんの人がやってくるようになりました。さらに、そのうちに蒸気で動く船や鉄道もできて、旅行がすごく便利になりました。だから、お参りの人がどんどん増えたんですね。

 旅行してきた人には、泊まるところと、それから食べ物を食べさせてくれるところが必要ですね。そして、どうせ、食べるなら、流行ってる料理、つまり、すき焼を食べてみたい、ってことになったわけです。

 そこで、おじさんのご先祖様は、すき焼屋をはじめたらたぶん、うまくいくだろう、って考えたわけです。そういう考え方を「創業家精神」って言います。つまり世の中の流れを見て、見通しを立てて、この商売はうまくいくだろう、って信じたら、チャレンジしてみる、という考え方の人を「創業家精神のある人」って言います。

 逆に、うまくいくかどうかわからないから、失敗して損するかもしれないし、やめとこう!っていう考え方の人を「創業家精神のない人」って言います。

 おじさんのご先祖が「創業家精神のある人」だったので、ここにこうして、すき焼屋があって、皆さんは、すき焼を食べられるんだって思っていただきたいと思います。はい、これで、皆さんは、いつからこの場所に、すき焼屋があるのか、どうしてあるのか、っていう、そのわけがわかりましたね。

 そういうことを、考えながら、すき焼きを食べると楽しいですよね。

 それでは、最後にポイントをまとめてみしょう!

① 明治時代になって、法律が変わって牛肉を食べて良い、ということになりました。

② 法律が変わった理由は、お肉を食べて、日本人の体が大きくなるように、っていう理由でした。

③ その時、お肉を食べる、っていう西洋の習慣を採り入れたわけですけど、でも食べ方は、頭の良い人が、日本の昔からの料理の方法を応用して、すき焼きを発明しました。それから、

④ その発明された料理(=すき焼き)を使って商売をしてみよう、っていうおじさんのご先祖様のような、「創業家精神のある人」がでてきました。

  この4つがそろって初めて、皆さんが今いる、すき焼屋さんができた、っていうのがポイントです。

  どうです? 勉強になったでしょう! オトナの諸君。

(私の話しは、これで終わりです。明日は王者・緒形健一さんの話しをUPします。)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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おいしい夏休みー親子体験食味学習会②

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開しています。今日は、その第二回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

 <以下、講演台本>

 それで、なんで西洋の人は体が大きいんだろう、不思議だな、って思って調べてみたら、牛肉を食べているからだ、っていうことがわかったんです。緒形先生も言ってますけど、お肉を食べないと、人間の体が成長しませんね。そういうわけで、明治時代に法律が変わって、日本人も牛肉を食べていいですよ、っていうことになりました。

 そうすると、お坊さん達と仲良くできなくなりますけど、日本が征服されると、そっちの方が困りますから、しょうがなかったんですね。

 さて、そういうわけで、牛肉を食べていいですよ、っていうことになったわけですが、ここで日本人が困ったのは、お肉をどういう味つけで食べるか、ということです。今までお肉を食べてなかったので、食べ方を発明しないといけなかったんです。

 この時はちょっと困ったんですけど、うまいことに、この時代の人で、すごく発明の上手な人がいて、牛肉のおいしい食べ方、それも日本人がスゴクおいしい!って感じる食べ方を発明したんですね。誰が発明したか、というのは、実はよくわからないんですが、それがすごく良いやり方でした。

 さて、ここで次のクイズですが、明治時代に発明された、お肉のおいしい食べ方っていうのは、次の内のどれでしょう? ステーキですか、しゃぶしゃぶですか、すき焼きですか?

 はい、その食べ方がすき焼きなんです。どういう風に作るかって言うと、お肉と、醤油と砂糖を一緒にして、火にかけるっていうやり方です。そうするととてもおいしい料理になります。例えば、親子丼を好きな人はいますか!はい、親子丼も、鶏という動物の肉と味付けは醤油と砂糖ですね。だから、この味付けとすき焼はだいたい同じ食べ方です。

 江戸時代に、牛肉は食べちゃダメ、っていうことになっていたんですが、鶏肉は食べても良かったんですね。だから日本人は鶏肉のおいしい食べ方を知っていて、その食べ方を大好きだったんですね。だから、明治時代になって、牛肉を食べてよい、どんどん食べましょう、っていうことになった時に、日本人は、日本人が昔から好きだった料理の仕方を応用して、牛肉を食べるようになったわけです。

 食べ物以外のことでも、日本人は江戸時代から勉強家で、いろんな基礎の勉強ができていましたから、明治時代になって、西洋の人から新しく、知らなかったことを教えてもらった時に、それと組み合わせることができたんですね。つまり、応用問題もできたんです。スゴいでしょう?これが日本人の偉いところです。

 ステーキは西洋人と同じ食べ方ですが、最初日本人はあまり好きでなくて、すき焼きの方が好きだったようです。しゃぶしゃぶは、ずっと後になって始まった食べ方です。その前に日本人は、昔からやっていた、料理方法の応用問題で、すき焼っていう食べ方を発明したんですね。ここが、今日のポイントですから、覚えて帰りましょう。 

 日本人は、明治時代になって、昔から知っていたことや知っていたことやり方と、新しく西洋人から習ったこととを結びつけました。これがスゴクうまくいったんです。いろいろな分野でそういうことがありましたが、一つの見本がすき焼き、っていう料理の発明でした。覚えましたか、ここが日本人の偉かったところです。

(小さいお子さんの集中力は、この辺りが限度でしょう。だから、8/21の私の授業はこれで終わりにしました。でも、もう少しお話ししたいことがあって原稿を作りましたので、このブログでは、その、当日はお話ししなかった部分も続けてUPします。明日は、その原稿です。まだ続きますが、今日はここまで。)

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。「ちんや」だけでなく、他の加盟店でも「親子体験」が開催されます。「ちんや」の回(8/21)は終了しましたが、まだ他の御店には空きがございます。お申し込みは、こちらへどうぞ。

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おいしい夏休みー親子体験食味学習会 開催しました

 8/21に、「ちんや」で「おいしい夏休みー親子体験食味学習会」を開催しました。

 昨年に続いて2回目の、食育企画ですが、29人の親子にご参加いただき、また地元のヒノデ新聞さんの取材も入って、盛況でした。

 まず最初に「強い体づくりと食事」について、シュートボクサーでSカップ2006世界チャンピオンの緒形健一さんにお話しいただきました。

 続いて私が「すき焼きを、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか」を、お子様向けにお話ししました。その後で、すき焼きを食べていただきました。

  私の話しをこのブログでも公開しようと思います。長いので、3回(=3日間)に分けて公開します。今日は、その第一回です。緒形健一さんのお話しも録音してありますので、後日公開します。

<以下、講演台本です>

 はい、それではおじさんが、すき焼きっていう料理を、何でみんなが食べるようになったか、いつから食べているか、お話ししますね。

 おじさんの話しは、それほど長くなくて、時間は10分くらいですから、学校の1時限よりずっと短いです。クイズをやりながら進めていきますから、そのクイズの問題と答えだけ覚えれば、後でお友達に自慢できるようにしてあげます。ちょっと我慢して聞いてて下さいね。

 いきなりクイズです。日本人は何時代から、お肉を食べるようになったか、知っている人は手を挙げて下さい!お父さん、お母さんは知っていても手を挙げちゃだめですよ!(笑い)すごいね。たくさん手が挙がりましたね。たくさん、手を挙げてくれて、ありがとう。じゃあね、そこの元気のいい僕、大きい声で、皆さんに教えてあげようか。

 「明治時代です!」はい、ありがとう。大正解ですね。皆さんわかりましたね。日本人が、牛肉を食べるようになったか、明治時代っていう時代からです。今日はまず、明治時代っていう、言葉を覚えて下さい。

 はい、次のクイズです。その明治時代っていうのは、今から何年くらい前に始まった時代ですか? 正解は142年前に始まったんです。今、一番長生きしている、おばあちゃんが113歳だそうですから、そのおばあちゃんのお父さん・お母さんが生まれた頃に始まったのが、明治時代です。はい、どのくらい昔の話しか、わかりましたね。

 では、なんでそれより前は、日本人がお肉を食べなかったか、わかりますか?

 それは、明治時代より前の時代に、政治家の人と、ある人達の仲が良かったからです。ここが3番目のクイズですが、その、政治家の人と仲が良かった人達っていうのは、誰ですか?はい、正解はお寺のお坊さんです。

 明治時代の前は、江戸時代っていう時代でしたが、江戸時代には、政治家の人は、お坊さんの言うことを政治に採り入れていたんですね。

 お坊さんは、生き物を殺して食べることを、「殺生」って言いますが、そういうことをしたら「ダメ」って、お坊さんはいつも教えていますから、それがそのまま日本の法律になって、全部の国民が牛肉を食べちゃダメっていうふうに決められていました。そういう風に決まっていたのが江戸時代っていう時代です。

 さて、政治家の人とお寺のお坊さんの仲が良くて、政治家がお坊さんの言うことを良く聞くと、世の中が平和になりますよね。だから江戸時代はとっても平和な時代でした。ところが、時代が変わって、明治時代になると、今度は政治家の人は、江戸時代の政治家と違って、たとえ、お坊さんの言うことを聞かずに、仲良くできなくなっても、日本人はお肉を食べた方が良い、って考えるようになったんですね。

 そう考えたのは、なんででしょう?それは、その頃の日本人の体がとても小さかったからなんです。誰と比べて小さかったのか、はい、ここがクイズです。考えてみて下さい。

 それは、西洋の人達です。江戸時代の最後の頃に、アメリカとかイギリスとかロシアとか、西洋の人達が、日本にやって来るようになったんですが、その人達とおつきあいするようになって、日本人は、西洋の人達はみんな体が大きい、っていうことに気がついたんですね。

 そして、これはどうもマズいって思ったんです。体が小さいとケンカをした時負けてしまいますね。この頃、西洋の国は軍隊が凄く強くて、中国とか、ベトナムとか、シベリアとか、日本の隣の国を、どんどん征服してたんですね。だから、政治家の人は、日本も軍隊を強くしないといけない、そのために日本人の体を大きくしないといけないって思ったんです。

 それで、なんで西洋の人は体が大きいんだろう、不思議だな、って思って調べてみたら・・・・

*まだ続きますが、今日はここまで。続きは明日UPします。

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夏休み親子体験食味学習会 勝手が違います!

 8/21に「ちんや」で「夏休み親子体験食味学習会」を開催します。昨年に続いて2回目の、食育企画です。

 名前の通り、親子ですき焼きを体験していただくのですが、その前に、勉強もしてもらいます。

 まず「からだ作り」について、シュートボクシングのチャンピオン・緒形健一さんに語っていただきます。格闘家としてのキャリアの中で学んだ、強い体づくりと「食」の関係について、子供たちに話していただく予定です。

 緒形さんは、選手生活のかたわら、「おがけんファーム」という、子供たちのための、体験農場を持っておられて、「食」への関心が、もともと高い方でして、期待されます。

 その後で、私がすき焼きの歴史について、話します。

 子供相手ですので、なんとか飽きさせないようにしないといけません。時間も短く10分くらいにして、クイズを採り入れたり、パネルをつくったりしています。

 昨年は参加してもらう、お子さんの学年をしぼりませんでしたが、今回は、小学校高学年以上にしぼったので、話しが少ししやすくなりました。歴史の話しは、低学年のお子さんには、どうしても難しいからです。

 食育は大事に決まっていますが、いざやるとなると勝手が違います。

 それでも既に29人の方にお申し込みいただいて、受付を終了しました。有り難いです。

 小さい頃の体験は、以外と覚えているものですよね。この会が、お子さん方の記憶の片隅にでも、残れば成功でしょう。

 講演台本はだいたい出来ていますが、今週いっぱい、推敲をするつもりです。いずれこのブログにも、台本をUPしたいと思います。

 それにつけても、子供たちから見たら、こちらはオジサンだろうなあ。

 お兄さん、って呼んでくれる子がいたら、おかわりおごっても良いけど・・・

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。「ちんや」だけでなく、他の加盟店でも「親子体験」が開催されます。「ちんや」の回(8/21)は満員となりましたが、まだ、他の御店には空きがございます。お申し込みは、こちらへどうぞ。

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肉食女子、草食男子

 関西の大学にお勤めの、S先生がゼミの学生20人を引き連れて来店されました。ゼミの東京旅行の、打ち上げ宴会だそうです。

 S先生の、ゼミの学生さんには、ここ数年、毎年この時期にお越しいただいています。

 S先生は、東京のご出身で、実は私の先輩です。

 私が現役の学生の時、S先生はまだ大学院生で、同じ指導教授に師事していたので、私達・現役のゼミにも毎回出席されていました。だから、先生と言っても、年の近い先輩です。

 その後私は卒業し、S先生は関西へ移られて、お会いする機会は、一時減ったのですが、そんなある日、店の玄関に立っていると、先生が歩いて近づいて来られました。

 あ、Sさんじゃないですか、お久しぶりです。浅草に何か御用でも?

 「ああ、住吉君、なんて丁度良いんだ、電話しようと思ってたんだよ。実は、ゼミの学生の東京旅行でね、浅草で何か食べさせよう、と考えてたんだ!」

 学生の時は知らなかったのですが、S先生は、本業の御研究とは別に、「食」に興味を持たれて、随分たくさんの本を読まれているらしいのです。専門家でもないのに、食品添加物のことなど、やたらとお詳しいのでビックリしたことがあります。

 「なにしろ、学生がヘンな物ばっかり食べるんだ。それに、味覚もゼッタイ変だよ。たまには、ちゃんとした物を食べさせないと、ヤバいと思うよ、ホントに。是非、オタクに頼むから、よろしくお願いします。」

 思いまするに、「食」の領域には、その人の価値観が表れます。

 安くて便利に腹を満たせれば、それでOKという人=経済性至上主義の方が多数いる一方で、S先生のように、市場競争社会の中でも、多様な価値観が表現された商品が生き残るべきだ、と考えておいでの方もいます。

 そういう意味で、「食」は研究領域として一番面白いかもしれません。S先生が興味を持たれたのは、そういう辺りだろう、と私は思っています。学生さんにも、おわかりいただければ深甚です。

 そんな次第で、ここ数年、学生さんたちをお引き受けしていますが、そんな中で、気づいたことが・・・

 ゼミの中で、女子学生の割合が多い年は、宴会が賑やかで(=騒々しくて)、男子の割合が多い年は、大人しい(!)ような気が・・・

 大人しい年は、学生の宴会というより、お食事会のような風情です。

 酒を飲まない男子も、最近少なくないんだとか。 

   アリ得んテイー!

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ヤングシーザー杯TOKYO 2010、シュートボクシングの王者・緒形健一さん

 8/7、シュートボクシングの王者・緒形健一さんのお誘いで、「ヤングシーザー杯TOKYO 2010」と銘打った試合を観戦してきました。「ミッション」社のM社長が同行でした。

 リングから2列目で見る、生の格闘技は迫力ありました。そして、それだけでなく選手と師匠との絆や、対戦相手への敬意といった、心の動きも間近に見物。チョッと感動ものでした。

 シュートボクシングは、決して野蛮なものではなく、総帥のシーザー武志さんが掲げる「シュートボクシングでは、何よりもまず心を育てていきたいと思っています。」という方針の下、台東区内の、多数の子供達を鍛えてきました。スピンアウト寸前の子も救ってきたとか。

 その社会貢献が評価されて、今回の試合には台東区教育委員会が後援につき、会場には台東区長も来場されていました。

 そのシュート界の王者である、緒形健一さんには、8/21に「ちんや」で開催される、「夏休み親子体験食味学習会」で講師を務めていただきます。格闘家としてのキャリアの中で学んだ、強い体造りと「食」の関係について、子供たちに語っていただく予定です。

 緒形さんは、選手生活のかたわら、「おがけんファーム」という、子供たちのための、体験農場を持っておられて、「食」への関心が、もともと高い方でして、8/21が期待されます。

 その、ご出講のお礼の意味も込めて、「ちんや」は、今回の「ヤングシーザー杯」に協賛をいたしました。お招きいただいたのは、そういう次第です。

  ところで、緒形さんと並ぶ、もう一人の講師は、何を隠そう、私・住吉史彦で、すき焼きの歴史を子供達に話さないといけません。

 去年の「親子体験」の時は、知人のF社長が区内の小学校の、PTA会長をしていたので、そのコネクションで、そこ学校の校長先生にアドバイスをいただきました。ところが、そのFさんは、その後若くして急逝。校長先生も転勤されたので、今年は一人で、去年のアドバイスを思い出しつつ、準備をしたいと思います。

 でも、不安だなあ。

 子供は、ジョークを外すと冷たいしなあ。それに最初の「つかみ方」が、まずわからないなあ。

 おじさんは、すき焼き屋さんの社長さんだよお! じゃあ、どうもなあ。

 シーザージムみたいに厳しくいくか。

 ウッス、俺の話しは大事だから、しっかり聞いておけよ! てな、感じかなあ、と思案していると、

 「無理よ、ゼンゼン、アナタには」とヨメの声

 げげっ、読んでいたのか、後ろから。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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*なお、「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。会場は「ちんや」ですが、お申し込みは「ちんや」ではなく、こちらへどうぞ。

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シュートボクシングの王者・緒形健一さん

 7/21、シュートボクサーの緒形健一さんが見えました。

 緒方さんは、日本スーパーウェルター級初代チャンピオンで、Sカップ2006世界チャンピオン、61戦44勝という、輝かしい戦歴の持ち主です。

 近年では、所属する「シーザージム」会長のシーザー武志さんを助けて、ジム運営や興業、日本シュートボクシング協会活動の中心を担っておられます。台東区内の花川戸にジムがあります。

 緒形さんは、それだけでなく、台東区教育委員会の依頼を受けて、区内の小中学校で、子供を対象とした、「シュートボクシング体験セミナー」をボランテイアで開催されています。

 「鍛えよう心と体」少年少女、集まれ!!無料!! と題したセミナーで、内容は、

「強くなる」「格闘技を通じて青少年に礼節を重んじる心や心身を鍛えようとする意識を醸成する」というキビシイものです。

 こうしたセミナーには、たまに不良学生が参加(=邪魔)したりするそうですが、緒形さんの迫力の前には、すぐに猫のように大人しくなるので、教育委員会からも信頼されています。

 そんな緒形さんが、なんで「ちんや」に見えたか、ですが、それは8/21に開催予定の「夏休み親子体験食味学習会」に講師としてご出講いただき、栄養の話しをしていだだくためです。

 もちろん、緒形さんは栄養学の先生ではありませんが、現役のアスリートですから、必要充分な、栄養の知識をお持ちです。

 筋肉を造るには何を食べたら良いのか、試合前に減量しながらパワーを付けるには何を食べたら良いのか。お子さんならずとも、スポーツ好きなら興味を持っていただけるでしょう。

 しかも、サンプルとして不良学生を黙らせる、強靭な肉体を間近に見ることができます。我ながら、良い企画と思っています。

 ただ一つだけ問題が。もう一人の講師がイマイチなのです。

 そう、すき焼きの歴史を語る予定の、住吉史彦先生がもう一人の講師です。オトナのジョークなら結構得意な?先生なんですけどねえ。

 ガキはジョークがスベッた時に、露骨にバカにするから、心配だなあ。オトナの対応っていうのが期待できないからなあ。

 あ、そうか、子供だから、オトナの対応は無くても仕方ないか。

*なお、「夏休み親子体験食味学習会」は国際観光日本レストラン協会の主催です。会場は「ちんや」ですが、お申し込みは「ちんや」ではなく、こちらへどうぞ。

*シュートボクシング協会については、こちらです。

Filed under: 今日のお客様,食育ナウ,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:02 AM  Comments (0)

お盆、食育、記念日割引

 7/13〜7/17まで、「ちんや」では、「メンバーズ・カード会員様獲得キャンペーン」をやっていました。

 キャンペーンと言っても、社内向けのものです。お客様が「ちんや」メンバーズ・カードに入会される時には、入会金を500円納めていただくのですが、その500円の内の100円を、担当した係員本人に「奨励金」として渡すのが、このキャンペーンです。

 この時期に、そうした営業活動をする理由は、7/13〜7/17が「お盆」だからです。

 このブログの、3/21号にも書きましたが、浅草の北部や西部には、お寺が多く、お盆の時期、墓参りに来られるご家族連れが多いです。

 墓参りはご家族の重要な行事ですから、小さいお孫さんも引率していかないといけません。そして、小さいお孫さんがお墓にお参りしたら、ご褒美として、やはり、何か美味しい物を食べさせないといけません。

 その御仏縁で、お盆の間、浅草の街や「ちんや」が賑わう、という寸法です。

 墓参りは、毎年毎年の行事ですから、ご入会をお勧めすれば、

 「ウチの家族は、毎年墓参りの後に、「ちんや」に食べに来ているのだから、会員になっておいても、良いかもしれないな」と思っていただけるかもしれません。

 実は、この7月から、会員様限定で「記念日割引」という制度を作りまして、ご自分が登録した「記念日」には、ご飲食代金の割引率が10%になるようにしました。通常の会員さんの割引は5%ですから、倍です。

 記念日として、不祝儀の日を登録することも可能なわけで、お盆の、例えば7/15を記念日として登録すれば、毎年お盆は、割引が10%になります。

 御得でしょう?

 御得なだけでなく、親子孫3世代・ご家族揃ってのお食事は、そのまま「食育」の場にもなります。こういう機会に、

 「いいかい、良い肉というのは、こういう味がするんだよ」とか、

 「シラタキはどうやって作るか、知ってるかい?」という具合に、おじいちゃん・おばあちゃんが、日本の伝統料理の良さを、お孫さんに「食育」してだければ、と思います。

 7/11に「かぶちゃん」こと鏑木武弥さんと対談した時にも、この話しをしましたら、

 「そういう食育が一番大事ですよね!」と意見が一致しました。

 そのような流れで、お盆には、是非とも毎年毎年お越しいただきたい、と思っています。

 凡俗なる住吉史彦も、こういう時だけは、御仏縁に感謝申しております。

 アラー・アクバル! じゃなかった、間違えた、なむかんぜおんぼさつ。

  本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

*「ちんやメンバーズカード」については、いったんこちらを開けていただき >各種サービスのご案内>メンバーズカードと開けて下さい。

*記念日割引については、このブログの7/1号をご覧下さい。