豪雨

今回の東北・北陸の豪雨では、いくつも橋、磐越西線や米坂線の鉄道の橋まで流出してしまい、本当にすごい雨だったのだなと感じます。

被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

東京にいると橋が落ちるということは想像もできませんが、明治時代までは東京の橋もたまに落ちていまして、浅草の吾妻橋も明治18年(1885年)7月に流出しています。

その橋は、明治新政府が明治9年(1876年)に架けた洋式木橋で新しいものだったのですが、上流の千住大橋が落ちて流れてきて衝突、吾妻橋も倒壊してしまいました。

この後に建て替えられた橋は、初の鉄橋でした。

明治20年(1887)に完成しましたが、立派な橋であったため市中で話題になり、錦絵にもたくさん描かれました。

「ちんや」の客室にも、そうした錦絵の一枚を架けてあります。

その橋も、残念ながら関東大震災で破壊されてしまいました。橋の歴史とは災害との闘いの歴史ですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.541本目の投稿でした。

Filed under: 憧れの明治時代,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 3:52 PM  Comments (0)

若い人の街

浅草は今や、

若い人の街

になっています。

自然にそうなったのでは勿論なく、高齢者の方々が外出自粛をしているからだと思います。

自治体が「高齢者の外出自粛」を要請しているのは、大阪だけで東京はそうなってはいませんが、実際には外出自粛の状態に近いと思います。

コロナになった高齢者の方々が、どこで感染したか調べると、

病院内、高齢者施設内、家庭内

が多いことから、たぶん外出自粛は既に行われているだろうと思います。そういう場所へ若い人がウイルスを持ち込んでいるのが感染の実態だと思われます。

今の浅草の状態を観て、

浅草に若い人が増えて、良い傾向だね!!

などと仰る方がおいでです。

若い人が日本の伝統に興味を持つ=実に良いこと

というご高説だと思いますが、それは平時に語っていただければと思います。

浅草で若い方が「歩き食い」の店に群がっていることがありますが、私自身はそういう場所は迂回して歩いています。

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Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 2:42 PM  Comments (0)

さびれる観光地

第7波が拡大していることから、

「夏休みなのに」と肩を落とす観光地

というニュース記事に、浅草の画像が付けられていました。

コロナが来てから何度となく、繰り返されている行事です。

浅草に人出がなければ「観光地がさびれている」

浅草に人出があれば「観光地がゆるんでいる」

浅草には、観光以外の商いもあるんですけど、ね。

むしろ、あからさまに観光客相手の店の方が少ないと思います。

例えば、和傘の専門店や下駄の専門店がありますが、東京の和装関連のお客様がメインです。

そこで買い物しても勿論感染しませんから、必要のある方は買いに見えています。

「肩を落とす観光地」と断定するのは、一面的な見方だと申しておきたいと思います。

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Filed under: ぼやき部屋,浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 3:34 PM  Comments (0)

約126年間

本日と明日は浅草寺境内で「ほおずき市」が開かれる日です。

本日参詣すれば四万六千日(約126年間)日参したことと同様の功徳を得られると言われています。

一方、毎年7月6日~8日に入谷で開催される「あさがお市」は、今年もコロナで中止となり、判断がわかれました。

感染再拡大が心配されていますが、屋外でほおずきの鉢を売買するだけで感染するとは思えず、是非お出かけいただければと存じます。

ところで明日は第26回参議院議員通常選挙の投票日です。投票することが、わが国の民主主義制度への支持表明につながります。是非投票にまいりましょう。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.515本目の投稿でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

お一人様

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

週に一人のペースでお目にかかり、毎回2時間ほどの聞き取りをさせていただいています。

基本的には、衛生面や資金繰りなどの苦労話なのですが、2時間も話していると、不思議なもので、いつの間にか「良い話し」「勉強になる話し」に変わっていることが多いです。

そんなある日の聞き取りを終えて雑談していると、

最近お一人様が増えたね、

しかも、多めにお金を使って下さるね

という話しが出て、その場にいた全員が賛同しました。

「最近」とは第6波が下降局面にある、ここ二か月ほどのことですが、私もそう感じていました。

コロナ前は外食と言えば、誰かと誘い合せて出動するものでしたが、今はそれが難しいです。

それで、一人で外食してみたら、これがナカナカ快適だったと見えます。

連れの人に気兼ねせず、好きなものを食べ、好きな酒を自分のペースで飲めます。店の人からも、一人だからと邪険にされることはないです。

実は今は「お一人様天国」なのかもしれません。

大いに楽しんでいただくのが良いと思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.514本目の投稿でした。

釣り

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

週に一人のペースでお目にかかり、毎回2時間ほどの聞き取りをさせていただいています。

基本的には、衛生面や資金繰りなどの苦労話なのですが、2時間も話していると、不思議なもので、いつの間にか「良い話し」「勉強になる話し」に変わっていることが多いです。

中には、面白い家訓の話しがありました。それは、

釣り、すべからず。

店の経営者が釣りをすることを禁ずる規定です。

解説しますると、これは店の仕入れの為に釣りをすることを禁じているわけではなく、レジャーで釣ることを言っています。

そのお店さんは、魚を主に扱う店なのですが、魚の命とは真剣に向き合うべきで、遊びで殺めるべきではないと言うのです。

御意。

私も仕事がら、牛さんの命を頂戴しておりますので、生き物の命をレジャーで扱う人に好感はもてません。アフリカに象さんを打ちに行き、戦果をネットに上げて喜ぶとか、止めてもらいたいものです。

命を頂戴したら、在り難く食べさせていただくべきですよね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.493本目の投稿でした。

家訓

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

週に一人のペースでお目にかかり、毎回2時間ほどの聞き取りをさせていただいています。

基本的には、衛生面や資金繰りなどの苦労話なのですが、2時間も話していると、不思議なもので、いつの間にか「良い話し」「勉強になる話し」に変わっていることが多いです。

中には、新たな経営理念を創りつつある若旦那がいました。

その方曰く、コロナで出来た時間(店がヒマな時間)に、店の昔の資料を調べたのだけど、家訓のようなものは発見できず、むしろ、自分の頭でどういう店にしたいかを考えるようになったとか。

そして、

店のスタッフが、自ら「お客様のために」行動するような店にしたい

そういうスタッフが大勢いる店にしたい

と考えるに至ったとか。

素晴らしい。

「お客様のために」とガミガミ説教する経営者は世に多いですけどね。

日本の経営史を振り返ると、家訓や経営理念は、必ずしも創業者が作ったものばかりではありません。

例えば宝永年間は家訓が多く作られた時代ですが、その時代は南海トラフが巨大地震を起こし、富士山爆発もあった時(1707年)で、経営環境が大変悪い時代だったので、その時代を生きた経営者が家訓を遺したのです。

宝永の家訓も、今回のコロナの教訓も、禍の中に次世代への芽が生える例かと思います。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.493本目の投稿でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

継ぎたい店

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

週に一人のペースでお目にかかり、毎回2時間ほどの聞き取りをさせていただいています。

基本的には、衛生面や資金繰りなどの苦労話なのですが、2時間も話していると、不思議なもので、いつの間にか「良い話し」「勉強になる話し」に変わっていることが多いです。

先日うかがったのは、若旦那(後継者の方)にとって、

「継ぎたい店」

を造ろうと努力していたことが、結果的にコロナ対策になった、という話ししでした。

後継者が「継ぎたい店」とは、

・常連さんが大勢いる店

・従業員さんが長く働いてくれる店

・金融機関と信頼関係がある店

ですが、いずれも信頼がベースになっていますね。

そういう努力を日頃からしていると、今回のコロナのようなショックに遭って、心揺らぐ場面があっても、地に足をつけて凌いでこれた、ということでした。

また、そういう先代のご努力の様子が、若旦那にも伝わって、親子仲がとても良くなったとか。

「雨降って・・」とは、このことですね。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.485本目の投稿でした。

Filed under: 浅草インサイダー情報 — F.Sumiyoshi 5:06 PM  Comments (0)

アーカイブ

本日は浅草料理飲食業組合の総会の日です。

過去2年は書面総会でしたが、今年は久しぶりの対面総会。ただし総会につきものの懇親会は無しという形になりました。懇親会無しは勿論寂しいですが、それでも多数の組合員の方が参加して下さるということで、心強いことです。

今回の総会では私は「浅草料飲組合コロナ禍アーカイブ」についてご報告(中間報告)をします。

「浅草料飲組合コロナ禍アーカイブ」とは、今回のコロナ禍の間に、浅草の飲食店の店主の方々が、どう考え、どう行動したかをアンケートとインタビューで記録しようというものです、当然後世の参考に供することを想定しています。

ある時、東北の博物館の学芸員の方が、1918年のインフルエンザのパンデミックの資料を見ようとしたら、大変少なくて、震災の資料は豊富にあるのに疫病の資料は集めてないんだ!と嘆いておられたのを、たまたま私が知り、組合の会議で、浅草でそういうことが出来たら良いね!と申しましたら、染谷組合長から

是非やりましょう!

と指示が飛び、私と「ときわ食堂」さん、「どぜう飯田屋」さんで担当しております。

アンケートは昨年11月に実施済みです。かなり項目の多いものでしたが、お忙しい中ご回答いただいた皆様、ありがとうございました。

ご回答は整理してございますので、ご興味のある方は既にご覧頂けます。

アンケートだけですと、リアリティーが今一つなので、続いてインタビューも実施する予定でしたが、第六波が来てしまい延期、先月からスタートさせ、既に数人のご協力をいただいております。大変勉強になるお話しが聞けていると感じております。

アンケートにお答えいただけた方にお声かけしておりますが、「自分も」という方は、お申し出いただければと思います。

今後につきましては、月4人ペースでインタビューを継続して、11月までに終わらせたいと思っております。終わったところで、経営学がご専門の落合康裕先生の監修をいただくことになっております。

また平行して、公表する際の体裁を検討して行きます。立派な本にすれば当然お金がかかるので、ここは予算との相談になりまして、スポンサーになって下さる会社さんなどあれば、是非ご紹介いただければと存じます。

以上、「浅草料飲組合コロナ禍アーカイブ」の中間報告でした。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.482本目の投稿でした。

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常連さん

浅草の飲食店主の人達が、コロナ中にどう考え、行動したかを聞き取る事業をしています。

その中で、コロナで良かったこともある、という方もいます。例えば、

常連さんとゆっくり話せた。

その話しの中で、自分の店の出汁の良さが体感できた。

という話しがありました。

コロナ中でも来店してくれる方は、本当の常連さんです。そういう方以外は、あまり来てくれない状況がありました。

そういう状況で常連さんと話す内、

「何度も食べに行きたくなる味」が大事だ、自分の店の出汁は、まさにそれなんだ、と体感したと言います。

逆に言うと「インパクト狙い」の味はダメということです。

コロナで良かったこともあるようです。

聞き取りは続きます。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.473本目の投稿でした。

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