オレンテ君

ある日道行く人々が皆オレンジ色の風船を持っているので、

なんだろう?

と思って調べましたら、オレンジ通り商店街進行組合が制定した、ゆるキャラ「オレンテ君」の宣伝でした。

この通りは、私が子供の頃「区役所通り」と言われていました。

戦前は浅草区役所が、戦後も台東区役所浅草分庁舎が在ったからです。しかし、その場所に昭和52年(1977年)浅草公会堂が落成。区役所が無くなってしまったので「区役所通り」ではおかしなことになってしまいました。

そこで商店街の人達は、新しい名称を外部のプランニング会社に依頼。100を超える案の中から審議のうえで10ほどに絞って最終選考、「覚えやすく」「親しみやすい」「フレッシュな」印象だということで「オレンジ通り商店街」に決定となったのだそうです。

私は当時小学生でしたが、かなり驚いたことを記憶しております。しかし、その名前は意外に早く浸透しました。

で、さらに地名度を上げるべく、制定された通りのゆるキャラが「オレンテ君」なのです。その特徴は、

・オレンジ色

・手の形をしている

・横に広がる「キュッ」とした口

手の形は、浅草公会堂の正面に並ぶ「スターの手形」の手と、伝統技術や丁寧な手仕事のお店の「職人の手」をイメージ。

キュッとした口は、「ますかけ線」という強運の手相なのだとか。

て、手相ねえ・・・

追伸①

今年の三社祭の日程が発表されました。5月13日~15日です。
定例より1週早いですのでお気をつけ下さいまし。
理由は、警視庁の警備要員を伊勢志摩サミットに充てる為です。

追伸②

年始の営業案内です。

年始=1月1日のみ休業し、2日から11日まで休まず営業致します。

どうぞ御利用下さい。

 

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恒例の忘年会

台東三田会の恒例の忘年会が今年も「ちんや」で開催されましたが、今年は恒例でなかったことが1点。

それは私自身が卓話の講師だったことです。

今年の10月、慶應義塾の広報誌『三田評論』に出演させていただきましたが、それを会の幹事さんが読んで下さっていて、今回卓話を!ということになった次第です。

で、私が講師だったのですが、その演題は「すき焼きはなぜ、焼かずに煮るのか?!」

内容をここでご紹介しますが、

なぜ煮るのか?を考えるには最初に日本人がどのように牛肉を食べて来たか考えないといけません。

日本人は「煮る」という調理方法を好んできました。水の豊富なこの国の人々は「煮る」という調理方法を発達させて来ましたが、フランスは「焼く」、中国は「炒める」ですね。で、日本は煮ます。

そもそも「煮る」という調理方法は、あらためて申せば水を媒介として食材を加熱する方法です。

「煮る」の決定的な特徴は、品温が100℃を超えないということです、当たり前ですが。

100℃を超えませんので牛肉を煮た場合も80℃から90℃で加熱されます。で、和牛肉はその温度帯で香り物質をたくさん揮発させるのです。

和牛肉は海外産の肉に比べて香り成分の総量が圧倒的に多く、特に「ラクトン類」という有機化合物がたくさん揮発します。桃やココナッツといった果物の好ましい香りを感じさせる匂いですね。

その「ラクトン類」こそが所謂「和牛香」つまり和牛の一大特長であるところの、独自の良い匂いの正体だと、近年の研究で明らかにされたのです。

このように牛肉を煮る、しかも客の目の前で煮るという調理方法が和牛の「香りが良い」という特長を最も楽しめる方法だと言えるのです。

どうも、焼き肉屋さんに行った時より、すき焼き屋さんに行った時の方が良い匂いがするような気がするんだよね・・・と感じるのは、不思議ではないのです。

そして、それ以前に、日本人はとにかく煮るのが好き。コンビニでおでんが売られているのは、おでんが煮ることを突き詰めた料理だからです。

すき「焼き」という料理名なのに煮ているのは、一体全体どういうことなんだ?!という超基本的な疑問の答えがここに在ります。

まずもって、日本人はとにかく煮るのが好き。

そして香りが豊富という和牛の特長を堪能するには、煮るのがベスト。

そういうわけです。

ああ、すき焼き屋で良かった!そう思いながら、皆さんにお話しさせていただきました。

追伸

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、私の連載が始まりました。

題して、「大人のすき焼き教科書」。

弊店でリアルなイベントも企画しています。

こちらから、どうぞ、ご覧下さい。

 

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「歳の市羽子板商組合」の皆さんがお越しになりました。毎年12月17日から19日まで浅草寺の境内で「羽子板市」を開催している皆さんです。

市に合せて行われる抽選会に「浅草うまいもの会」が食事券を協賛・提供していて、その担当が私なので見えた次第です。

で、今年の羽子板は福がテーマ。

歌舞伎役者の肖像の周りに、福々しいもの=鯛や大福帳やサイコロが散りばめられています。

その中に、一つ私がなんだか分からないアイテムがありました。

これは何ですか?

とお尋ねしますと、それは、

鼓。

なるほど、たしかに良く見れば、鼓です。

実は「ちんや」にも鼓の箸置きがあって、目出度い感じの演出なのですが、能も歌舞伎も観たことのないお客様はそれが何だか分からず、

これって、骨ですか?

と聞かれたりします。今回お恥ずかしいことに、私も鼓が分かりませんでした。

トホホ。

出直さないといけませんね。

 

追伸

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フランスの常識クイズ

「浅草うまいもの会」の忘年会がありましたので、出席しました。

会場は神楽坂のフランス料理店「ラリアンス/L’Alliance 」。

私は「余興のクイズ」担当ですので、時節柄今年は「フランスの常識クイズ」(↓)を造りました。3択の「勝ち抜け」方式で、一問でも間違えたら、その人はそこで脱落です。制限時間は3秒です。

さて、皆さんは脱落せず最後まで行けますか?

<浅草うまいもの会 フランスの常識クイズ>

・フランス革命を引き起こした言葉として「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」が有名ですが、この言葉を言ったとされるフランス王妃の名前は次の3つの内のどれでしょう?

①   マリー・ルイーズ、②マリー・アントワネット、③マリア・テレジア

・フランス国王ルイ16世はフランス革命で処刑されてしまいましたが、その処刑方法は次の3つの内のどれでしょう?

①   銃殺、②ギロチン、③飢え死に

・フランス国歌の題名と言えば『ラ・マルセイエーズ』ですが、この題名は元々通称で、正式な題名は違いました。さて正式な題名は次の3つの内のどれだったでしょう?

①地中海を讃える歌、②ライン軍のための軍歌、③謝肉祭の歌

・パリと言えば「芸術の都」、パリと言えばルーブル美術館ですが、次の3点の絵画の内ルーブルにない絵はどれでしょう?

①   ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』、②ダヴィドの『ナポレオンの戴冠』、③モネの『睡蓮』

・ナポレオンはいったんエルバ島に幽閉された後、パリに攻め戻り再度皇帝に成りますが、その百日後にイギリス・プロイセン連合軍との戦いに敗れ、またまた退位させられます。さて、そのきっかけになった戦いの名前は次の3つの内のどれでしょう?

①   ワーテルローの戦い、②ヴェルダンの戦い、③トラファルガーの戦い

・19世紀フランスは世界中に植民地を作りましたが、次の3か国の内フランス領でなかった国はどこでしょう?

①アルジェリア、②スリランカ、③マダガスカル

・音楽における印象派と言えばクロード・ドビュッシーが有名ですが、次の3曲の内ドビュッシーが書いた曲はどれでしょう?

①   アルプス交響曲、②春の祭典、③交響詩「海」

・第二次大戦中、フランスはナチス・ドイツに占領されてしまいますが、この時抵抗運動を指揮した将軍の名前は次の3人の内のどれでしょう?

①   ラファイエット将軍、 ②ド・ゴール将軍、③ド・グルーシー将軍

<終わりです。回答は明日のこの時間に>

追伸

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新春浅草歌舞伎2016

「松竹」の方が店にやって来て「新春浅草歌舞伎」のチラシを置いていかれました。

もう1年たったのですね。早いものです。

さて2016年の浅草歌舞伎は、今年に引き続き、ワイドショーでおなじみの尾上松也さんが主役です。

それにスーパー歌舞伎『ワンピース』で出食の演技を見せた坂東巳之助さん、若手イケメンの中村隼人さんなどが加わります。上置きは中村錦之助さん。

浅草歌舞伎は若手俳優を中心に短時間公演で価格が安め。その分夜早めに終わるので、浅草の飲食店にとっては在り難い公演です。

盛業を祈念いたします。

なお昼の部のメイン演目は『与話情浮名横櫛』の「源氏店」の場

夜の部のメイン演目は『義経千本桜』の「川連法眼館」の場

会期は2016年1月2日(土)~26日(火)まで、場所は浅草公会堂です。

 

追伸

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二の酉

「二の酉」の日、鷲神社に出かけて、例年通り「松下」さんの作った熊手を手に入れて来ました。「松下」さんの熊手は「檜扇型」という独特の形をしています。

御利益があることを願って、毎年店の玄関に並べます。

あ、いやいや、まず感謝が先でした。

一年間お世話になった旧い熊手に感謝しつつお返しして、御利益はそれからというものです。

それにしても、です、「酉の市」の季節だというのに暖かいですねえ。

暖かいと感じが出ないんですよね。

すき焼き屋もこれでは盛り上がれません。

お願いごとですが、なんとか一つ、気温を下げて下さい、お酉さま。

なお今年は「酉の市」が3回ある年でして、「三の酉」は29日(日曜)です。どうぞ、お出かけを。

 

追伸

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薩摩琵琶

気鋭の琵琶奏者・友吉鶴心さんの「第二十三回 花一期 友吉鶴心琵琶楽の會」を聞いてきました。

会場は国立能楽堂、毎年の「花一期」がもう二十三回目とは、素晴らしい継続性です。

さて、鶴心さんの琵琶は薩摩琵琶です。

それも、明治時代に、すき焼きと同じ頃に東京に広まった、「近代薩摩琵琶」でして伝統薩摩琵琶とは少し違います。明治政府の成立と共に大勢の薩摩の人達が東京に入って来て、琵琶も入って来て、それを東京人が聞いて、それがなかなか面白いね!と広まったわけです。それが「近代薩摩琵琶」です。

当時は、軍人さんなんかが宴会芸で琵琶を披露していたそうです。

軍人さんが琵琶を習っていたのは、日本は明治から大正にかけて海軍が強うございました。で、海軍の大将になる方は、だいたい薩摩の出身です。東郷平八郎元帥とか。だからみんな薩摩琵琶を習い、そこから民間へも広まったそうです。

今では考えられませんが、歌舞伎座で薩摩琵琶の演奏会が昼夜3日も4日も連続で開かれたことがあるそうです。そのくらい、元は海軍ですが、民間にも広まったんです。

それが太平洋戦争で一度、衰退してしまいます。

そこで友吉さんの師匠の鶴田錦史さんが、『ノヴェンバー・ステップス』(1967年)の武満徹さんとペアを組んで、琵琶を世界に広めていった。琵琶再興に努めた方が鶴田錦史さんでした。

入門したのは、友吉さんのお爺さんと親しかったからとか。

で、毎年の公演が23回目に。

今回の演目は「那須与市語」「嶋の為朝」「壇の浦」でした。

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オリオンの星座

宮本孝太郎さんの遺詠集『オリオンの星座』を読んでいます。

宮本孝太郎さんは昭和8年から平成元年まで、神輿と太鼓の「宮本卯之助商店」に在職し、副社長として六代卯之助さん(先代)を助けた方です。

本は、当代(七代目)卯之助さんからお借りしました。

戦災で東京の神輿がほとんど焼けてしまい、それを再建するのに大忙しだった戦後、

やがてモータリゼーションで世の中の雰囲気が一変して、神輿なんか要らない!と言われてしまった高度成長時代、

そして平成まで。

孝太郎さんは、戦後の、日本の祭礼を支えた重要なお一人だと思います。

それにしても、この本の最後についている、この方の戦歴がスゴいです。

ノモンハン事件に参加して生き残り、

それだけでも大変なことなのに、いったん帰国して再度千島に出征し、敗戦後はソ連によって抑留されていたというから驚きます。

ノモンハン事件(1939年)は「事件」と言われているので、過少評価されがちですが、「事件」と言われるのは宣戦布告をしていないというのが理由で、実質は日ソ間の本格的な戦争です。

政治と謀略が大好きだった日本の関東軍は、当時ソ連軍の実力をなめてかかっていました。それで開戦。非道なことに、途中で相手が重火力を持っていると気づいた後でも、参謀たちは兵に無理な突撃を命じ続け、結局惨憺たる敗北を喫します。

この敗北を教訓にすれば、その後の日本の在り方も変わったと思われるのですが、最悪なことに軍はこの件を秘匿し、さらに愚かな戦争へと進んで行きます。

孝太郎さんは、その戦いの生き残りなのです。題の『オリオンの星座』の「オリオン」は、夜間ソ連軍の目を盗んで撤退する時に夜空のオリオン座を目印にしたことに因んでいるそうです。

戦地で鍛えられたからか、孝太郎さんは会社で問題が起きてもまったく揺るがない、「信念の人」だったと七代目は語っておられました。

 

追伸

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浅草バー巡り

「浅草バーマップ」を頼りに浅草バー巡りを楽しんでいます。

このマップを開けていただくと分かる通り、浅草には結構な数のバーがありまして、それぞれ酒の品揃えも充実しています。

日曜日に営業している店が何軒もありますから、そういう意味でも、地元以外の皆さんにもお勧めしたいと思います。

その場合に問題なのは、やはり、敷居。

私自身もまったく行ったことのない店に入るのは気がひけるものですが、このバーマップがあれば、

マップを店の人に見せて、「これを見て来ました!」と言えば話しがはやいので、大変便利です。

次は、地元民ばかりが集う場に他の土地のお客様が馴染めるか、という件です。

マスターと話しに来ている地元民も多いですから、そうなると、地元以外の人がそこに割り込むのは難しいかもしれません。

ここは浅草の酔客も、よく考えて自分ばかりが楽しむのは遠慮した方がよいのだろうと思います。

以前会津若松の「末廣酒造」のご主人が地元の酒場で飲んでいる所がテレビで流されていましたが、県外からの客に話しかけ、お勧めの料理を教えたりなさっているのに感心しました。

地元の雰囲気はもちろん残しつつ、部外者の皆さんにも楽しんでいただきたいですね。

浅草バーマップはこちらです。

バーのリストはこちらです。

追伸、

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雷門以北

『大東京繁昌記』を読んでいます。

『大東京繁昌記』は、1927年(昭和2年)の東京日日新聞社の連載企画でした。

芥川龍之介が本所両国を、泉鏡花が深川を、という具合に、当時随一の文士が東京を歩きまわってルポ。さらには鏑木清方・木村荘八といった有名画家が挿画を付けています。豪華なものです。

この年は1923年の関東大震災から4年後、復興につれ、帝都・東京が変わりゆく頃でした。また前年には大正天皇が亡くなって、世相も変わりつつありました。そんな時代を切り取ったのが、この連載です。

私が、中でも注目して読んだのは、もちろん久保田万太郎の『雷門以北』の部分です。

読みますと、浅草の店の固有名詞が14軒ほど列挙されていて、その中には現在「老舗」と言われている店も入っているのですが、「それらはただ手軽に、安く、手っとり早く、そうして器用に見恰好よく、一人でもよけいに客を引く・・・出来るだけ短い時間に出来るだけ多くの客をむかえようとする店々である。それ以外の何ものも希望しない店々である。無駄と、手数と、落ちつきと、親しさと、信仰とをもたない店々である。」と猛批判されています。

浅草生まれの万太郎は震災後も残った「古い浅草」を懐かしみ、「新しい浅草」には手厳しいコメントを送っています。

うーん。

老舗も最初から老舗だったわけではなく、その頃はそういう様子だったのですね。

だいたい「ちんや」も狆の商いが儲からなくなったので料理屋に衣替えしたのでした。最初は「なんちゃって」な料理屋だったに違いありません。

そういう次第ですので、昨今浅草では2020オリンピックが観光客を呼び込むと見込んで「雨後の筍」のような店・「なんちゃって」な店が次々と開業していますが、私はあまり笑わないようにしています。

 

追伸、

肉の情報ポータルサイト「肉メディア」で、11/11から私の連載が始まります。

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