すき焼きの歴史と現在~若き料理屋さん達のために①

全国料理業組合「芽生会」関東甲信ブロック会議で、すき焼きについて講演することになりました。

「芽生会」と申しますのは、各料理屋さんの若手後継者の集まりです。講演場所が同業の名店「太田なわのれん」さんなので、正直かなり話しづらいですが、若い料理屋さん達の参考になりますよう、頑張って原稿を準備しました。

ここでも公開してまいりますので、ご覧下さい。長いので5/12から5/21まで10回に分けて公開いたしますね。

本日は概要のレジュメで、明日からが本文です。

全国料理業組合「芽生会」 

住吉史彦講演 『すき焼きの歴史と現在』

<すき焼きのルーツから今日まで>

・杉焼き 鋤焼き 剝き焼き 「ももんじ屋」

・畜産業の勃興以前~「今」が付くと高級店

・ザクの変遷と『高等すき焼き』

・牛鍋とすき焼き、関東風と関西風

・畜産業の発達と「霜降り礼賛」

<食べ物としてのすき焼き~「未来のすき焼き」はすき焼きの原点から>

・動物性のタンパク質、旨み、脂肪

・甘い味付け、アミノカルボニル反応

・熱源が客席に⇒今後は、この特徴を活かせないか?

・硬くて臭い肉⇒香辛料=葱+味噌⇒カレー粉もなかなか美味い(=小津監督流)

・食文化史上の特殊性=明治時代という特定の時代との結びつき

<商品としてのすき焼き~「ちんや」の方向性>

・「生活不要品」。しかし人生の必需品にしていただくことも可能! 

*弊社の経営理念=「心に残る思い出を!」 弊社は平凡な家族の幸せと共に在りたい。

*ご家族での利用に特化して販促を⇒記念日割引、登録商標『牛っとハート』

*すき焼きという商品は売り易くない、しかしすき焼きの思い出という商品は売り易い。

・「老舗」の存在意義とは? 10年に30回、30年に90回のリピートを!(家族単位で)

・家族を統一するのは味覚

<現代社会におけるすき焼き~結構、面白い時代になった!>

・ネットの普及・SNSの普及=ネットは短文と画像が好き

⇒『すき焼き思い出ストーリー』『すき焼き川柳on Twitter』、検索され易いブログ

・小企業でも社会貢献を!小企業こそ社会貢献を!

⇒『今こそ宮崎牛を食べる会』(黄蹄疫問題)(Twitterユーザー向けチャリテイー宴会)

⇒東日本の畜産支援『1千人の笑顔計画』⇒出されて嬉しいクーポン

・健康志向「デトックス」重視⇒すき焼きは、実は野菜を食べる料理⇒「変わりザク」

・知るほど楽しい、色んなすき焼き

⇒向笠千恵子先生『すき焼きものがたり』の、雑誌紙上での連載を支援

⇒『すきや連』を結成。すき焼き屋同士を仲良くさせたBSE問題。

⇒『すき焼き通の日』を制定(=『すき焼き通』の刊行日だった毎年10月15日)

⇒『すき焼き通検定』試験 ~一般の、大人の食育

*すき焼き業界を多様化させたいと思ったら、実は既に結構多様だった!

以上がレジュメで明日からは本文です。

この話しは長いので5/12から5/21まで10回に分けて公開いたします。明日もよろしくお願い申し上げます。

追伸①

TV東京『和風総本家』に「ちんや」が登場します。

「ちんや」に豆腐を納めて下さっている「市川食品」さんを密着取材する特集の中で登場します。5月16日(木)21時~放送です。ご覧ください。

http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.165日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

Filed under: すき焼きフル・トーク,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:01 AM  Comments (0)

日本のおいしい

知人の蕎麦屋さんがロシアに渡りました。

アベ総理の訪露にあわせて駐ロシア日本大使館で、食のプロモーション・イベント「春の宴 日本のおいしい」が開かれ、ロシア財界人らが招かれたのですが、そのイベントにお蕎麦を出品なさったのです。

その蕎麦屋さん=「更科堀井」の御主人と私とはFB友達でもあるので、日本を発つところから、クレムリンをバックに撮った姿まで、連日画像を見ることが出来ました。見続けていて、なんだか我が事のように興奮してしまいました。

お蕎麦はロシアのお客さんにも好評だったとかで、素晴らしいことです。

だいだい総理のトップ・セールスは、何も工業製品や原子炉に限ることはなく、今後は、世界一の日本の「食」にも注目していただきたいものですが、なんでも政府ではそれを「攻めの農業」と言うそうです。

報道によれば、

「日本の農家に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加への反対が強い中、安倍政権は農業を成長分野と位置づけ、農産品輸出を現状の2倍近い1兆円規模に引き上げる方針だ。」そうです。

日本国内の事例を見てもハッキリ分かる通り、一次農産物だけを高く売るのは、かなり難しいです。

料理というノウハウ、料理人という人が付いていないと、なかなか高く売れません。その意味で、今回のように料理人を動員してトップ・セールスすることは、勿論私も大賛成です。大変結構なことと思います。

ただ、ですねえ、世界に売れるような優れた農産物は、既に日本人がそれなりに高く買っていますから、輸出を増やすためには、現状で値の安い作物を作っておいでの方に、高級品へ転向してもらわないといけない、ということになります。そうしないと輸出のオファーが来ても品不足になるだけです。

このハードルは結構高いハードルと思います。トップ・セールスは結構ですが、それだけでTPP対策に成ると思っていただくと、「それは困ります」と申し上げておきたいです。

まあ、でもそれはさて置きまして、今日はSo-ba日本代表「更科堀井」さんの健闘を讃えたいと思います。

HRIさん、お疲れ様でした!

追伸①

TV東京『和風総本家』に「ちんや」が登場します。

「ちんや」に豆腐を納めて下さっている「市川食品」さんを密着取材する特集の中で登場します。5月16日(木)21時~放送です。ご覧ください。

http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.160日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

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大江戸職人気質診断

FBの「アプリ」なるものに、私は興味を持って来ませんでした。

むしろ正直申して、怪しんで来ました。「アプリ」にログインする時に個人情報が吸われるという話しを良く聞きます。個人の嗜好を商業的に利用されるのは面白くないですよね。

でも、自分が登場しているアプリとなると、話しは変わります。

「自分が登場しているアプリ」とは、

「大江戸職人気質診断」というアプリで、くず餅の「船橋屋」さんが作ったものです。

このアプリには「くず餅師」の他に、「蕎麦屋」「鰻屋」「鰹節屋」「鍋物屋」といった昔の職業が並んでいて、参加者はいくつかの質問に答えると、自分が江戸時代ならどの職人だったか、診断されるのです。

それぞれの職業には絵が付けられていて、現代の実在の人物の似顔絵が描かれています。

「実在の人物」すなわち私の似顔絵も「鍋物屋」として登場します。で、回答の仕方によっては、私と判定される人が出て来るのです。

微妙ですよね、これは。

ちなみに私自身を診断にかけてみましたら、

鍋物屋ではなく、学者と判定されました。

うーん。さらに微妙です。

微妙ではあるものの、こういう楽しいアプリならウエルカムと思います。

ちなみに私が見るところ、似顔絵の「似てる度」の、

第一位は蕎麦屋のHRIさん、

第二位は鰻屋のWKIさんでした。

皆さんも、ヒマ潰しにご活用下さい。

追伸①

TV東京『和風総本家』に「ちんや」が登場します。

「ちんや」に豆腐を納めて下さっている「市川食品」さんを密着取材する特集の中で登場します。5月16日(木)21時~放送です。ご覧ください。

http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/wafu/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は351人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.159日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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JPタワー

肉に詳しい方なら、「松阪牛」というブランド名が使われだしたのが戦後のことであるとご存知かもしれません。

それ以前=戦前には、松阪を中心とする三重県で肥育された牛は皆「伊勢牛(いせうし)」と呼ばれていました。

この内、松阪の牛が1935年(昭和10年)に東京で行なわれた『全国肉用牛畜産博覧会』で名誉賞を受賞したことから全国的に知られるようにり、やがて独立・ブランド化の方向へ進みますが、おり悪しく日本は戦争に入ってしまい、松阪が独自のコンクール=第一回「松阪肉牛共進会」を開催し始めたのは、戦後の1949年(昭和24年)のことでした。

さらに「松阪肉牛協会」が設立されたのは、1958年(昭和33年)のことです。この協会は、松阪の出荷業者と、東京の「販売指定店」(=一流の肉店や問屋のこと)で構成されており、「ちんや」も参加しています。この体制で今日に至っています。

さて、ここまで松阪牛の説明をした後でナンですが、今日の話しは松阪牛の話しではありません。

「松阪牛」が独立した後の、「伊勢牛」の話しです。

「松阪牛」が日本の高級肉のトップブランドとして成功した後は、「伊勢牛」という言い方は、影に隠れてしまった感がありますが、無くなったわけではありません。

伊勢市のすき焼き店「豚捨」さんは、今でも「伊勢牛」の看板を掲げて奮闘しておいでです。

「豚捨」の当代の御主人は私と同年。「すきや連」で良く御一緒します。

で、その「豚捨」さんがこの春、東京進出を果たしました。場所は丸の内JPタワーの中です。JPとはJapan Postのことで、旧東京中央郵便局跡地の再開発ビルの中です。

そう、アソウ内閣の頃ハトヤマ・クニオ大臣が、

こんな貴重な歴史的建物を壊すのか!

と怒っておいでだった、あの建物が結局壊されて、超現代的ビルに成りました。

そういうビルで食事するのは、だいだい私は基本的に嫌いですが、その現代的ビルの中にあって、「豚捨」JPタワー店は、意外に落ち着ける空間でした。神棚も伊勢から持ってきてあります。

「あのビルの中では・・・」という感覚は、向笠千恵子先生と「すきや連」の用談でメールをしていた時に、この新店の話しになり、意見が同じで嬉しくなりました。

江戸東京の原住民はハッキリ申して、ああいうビルを好みません。しかし、ビル全体はそうでも、「豚捨」さんの御店は居心地悪くありません。内装が工夫されていますし、御主人のお嬢さんが作務衣を着て、行列成す客をさばいておいででした。

肉は、勿論結構。なんせ元々は「松阪牛」ですから。

開業一か月で、まだまだ混んでいますが、人出が落ち着いて来たら、皆さんも、お出かけ下さい。

 追伸①

雑誌『東京ウォーカー』2013年第8号の、新連載コラム「スギちゃんの愛される理由」の初回に、私が登場させていただきました。「長く愛されたいスギちゃんが、東京の老舗を訪れて愛される秘訣を探ります!」というコーナーです。是非ご購読を。

http://www.kadokawa.co.jp/mag/tw/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は348人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.151日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

ダブル・ブッキング

料理屋にとっての悪夢と言えば、ダブル・ブッキングです。

ある日、ある料理業界の会合に集まっていたAさんの携帯電話に、自分の店から着信がありました。すると電話を受けたAさんの声が、すぐに上ずり始め、しきりと

申し訳ない!申し訳ない!と繰り返しておいでです。

その会合が行われている、当にその時間に30人の予約が入っていたのに、そのメモを御主人のAさんが、何かの加減で、なくしてしまったらしいのです。

結果、何も用意していない店へイキナリ30人が到着したのです。あらら~

実は弊店でも、かつて忘年会シーズンにダブル・ブッキングをやってしまったことがあります。当日ではなく事前に発覚したので、なんとかならないものか、と思案したのですが、あいにく満室の日で、どうしても席が空けられず、私が謝りに行きました。

そうしたら、その話しを聞いていたBさんが、

住吉さん、私は300人でやったことありますよ!

さ、さんびゃく人ですかあ。

そうなんですよ、私の時も事前に発覚したんですけどね、さすがに300人だと席を空けられないので、謝りに行きましたよ。あの時は参りましたね。

肝を潰す心境で行きましたらね、意外にあっさり、

そうなの!じゃあ、1週間延ばすよ!と御客様が言って下さって、本当に助かりましたけど、いやあ、あの時は本当に参りました。

そう、そう、最近は携帯電話とか携帯メールとか、FBメッセージとか、色んな入り口から予約が入ってくるから、よっぽど気をつけないといけないですね。

そんな話しをしていたら、

もう一人現れました、ダブル・ブッキング経験者が。

私はね、15人でやったわよ。

あら~やっちゃったあ! でも15人なら自宅のリビングに入れる!と思って、急遽リビングから家財道具を全部運び出して、料理屋用の椅子とテーブルを運び込んだのよ。自宅が店の上の階に在ったから、なんとか出来たのね。

え、ええー! なんていうことを!

だって、必死だったんだもの。厨房から席が遠いから、料理が冷めないようにダッシュしたわよ。

っていう感じで、この話しはヒジョーに盛り上がりました。Aさんも、皆さんの経験談を聞いて、少し気が楽になったように見えました。

やがて役員会も終わり、帰路を急ぐAさんを、皆が冷やかします。

あれ、まだ帰んない方が良いんじゃないですか。どうせなら、飲んで帰れば?!

さ、さすがにそれはマズいかと・・・

追伸①

雑誌『東京ウォーカー』2013年第8号の、新連載コラム「スギちゃんの愛される理由」の初回に、私が登場させていただきました。「長く愛されたいスギちゃんが、東京の老舗を訪れて愛される秘訣を探ります!」というコーナーです。是非ご購読を。

http://www.kadokawa.co.jp/mag/tw/

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.141日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

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料亭の味

「料亭の味」が追及されているのを視て笑ってしまいました。

それは、朝のニュース番組での出来事だったのですが、リポーターが食品産業の展示会に出かけ⇒面白そうな品物を見つけたら⇒メーカーの人にインタビューしていく、という内容でした。

さて会場に「料亭の味」という一品があったので、早速リポーターが突っ込みました。

「どこが、どういう風に「料亭の味」なんですか?」

「美味しいから、「料亭の味」なんです!」と、うら若き女広報さん。

「どういう風に美味しいと「料亭」なんですか?」

「すごく美味しいので「料亭の味」なんです!」

「では貴女は料亭に行ったことがあるんですか?」

「無いです・・・」

では、ここで試しにグーグルに「料亭の味」と入れて検索してみましょう。約 865,000 件がヒットしていて、意外なビッグワードですね。でも、最上位に本物の料亭さんが提供している品物は無く、ようやく8位に登場します。

1位の、大手メーカーが作っている商品のサイトを詳しく読んでみましたが、「料亭」である根拠は???でした。

近い内に突っ込まれる可能性大と申せましょう。

「料亭の味」というからには、

・間違いなく料亭が、自分の店の厨房で作っている

のであれば問題無いです。

ただし、ですが、自称「料亭」もあります。

料亭の定義が現在未整備なので、「名乗った者勝ち」です。私が見て「オタクは違うだろう!」という店が「料亭」を名乗っている場合もありますが、今のところ咎める術はありません。次に、

・料亭がレシピを提供して、あるいは技術指導をして他社に委託生産させている

のケースですが、これは実は多いと思います。

まあ、OKに入れて良いとは思いますが、本物の店と工場が何百キロも離れている場合は・・・な感じがします、私には。さて、

・料亭にはなんの関係も無いのに、「美味しい」ということを言うために、「料亭」と名乗っている場合、はどうなりましょうか。

既に「出来立て」「自家製」などは規制されていますから、やがて、この表現も規制の対象となりましょう。今が「穴場表現」というだけのことだと思います。

そう、既にデパート業界の自主規制では、

「出来立て」と表現する場合は、調理後提供までの時間についてのガイドラインがあり、

「自家製」と表現する場合は、どこに厨房が在るのか調べられます。当然ですね。

だいたい、新手の広告表現と規制とは所謂「イタチごっこ」を繰り返していて、「料亭」を規制しても、何かもっと新奇な言い方が登場するとは思いますが、今現在「料亭」が「穴場」であるのは事実のようです。

ルールが出来るまで、皆さんお気をつけ下さい、「料亭」に。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.137日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

Filed under: ぼやき部屋,飲食業界交遊録 — F.Sumiyoshi 12:00 AM  Comments (0)

身体障害者補助犬法

浅草料理飲食業組合の役員会に出席しましたら、組合長から、

盲導犬の入店を断らないで欲しい、

という要請がありました。

今年の正月に浅草で、盲導犬を連れた人の入店を断った事例があったらしく、なんでも続けて断られたそうで、問題になっているのだそうです。

以前は衛生上の理由で「ペットお断り」が飲食店の大原則でしたから、店の側も意識を簡単には変えられないかもしれません。

あるいは「断ってはいけない」と知りつつも「正月だけは勘弁して欲しい」という思いだったかもしれません。店の中が大混雑ですから、不安に感じたかもしれませんね。

その「断ってはいけない」は、モラル上そうであるだけでなく、実は法律上の義務です。

「身体障害者補助犬法」第9条は、

「不特定かつ多数の者が利用する施設【例・スーパーマーケット、デパート、ホテル、レストランなど】を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない」と定めています。

既に2003年10月1日に施行されていますから、立派な義務なのですが、座敷形式・和室形式のお店の場合は、どうしても犬への抵抗が在ると思います。

犬のオーナーさんは、犬の足を拭く布を用意なさっているそうでが、畳の上に寝そべるとなると、大きいタオルを店側が用意する必要がありましょう。

タオルを使えば洗濯せねばならず、やはり衛生上、白衣とは一緒に洗えないですね。

でも、それはやって差し上げましょう。

何しろ、「ちんや」は狆屋の子孫ですので、ここは率先して受け入れるべきところです。

歓迎いたします。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.134日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

ゆるキャラ

滋賀県食肉事業協同組合さんが、「近江牛キャラクター」のデザインを募集しています。

関係者の方が弊店へも訪ねてきて、募集チラシを置いていきました。

なんでも、

毎年3月29日を「0329(オーミニク)の日」として、近江牛のPRを行う日にする、のだそうです。

チラシを見ますると、そのキャラクターの名前が書いてありません。デザインが決まってから名前を募集するのでしょうか。

これまでの「ゆるキャラ」は、デザインが決まってから、名前を募集するケースがほとんどでしたから、逆を狙った展開ですね。

応募の志がおありの方は、私までお申しつけ下さい・・・

え? もう「ゆるキャラ」はウンザリだ って?

あ~ねえ~そうでしょうねえ。

「彦にゃん」が出て来た辺りまでは「ゆるキャラ」も新鮮でしたけどね、今は陳腐化しつつある状況ですから、組合もデザイン募集という作戦を採ったんだと思いますよ。

それにですよ、こういった組合の宣伝活動って、なかなかやりにくいんですよ。

だいたい、日本の農産物のブランドって、地域でブランドを作ろうするケースがほとんどですが、その地域の中の産物が一定の品質とは限らないですよね。

近江国と言っても、関ヶ原に近い東部と、比良山系の麓の西部、日本海に近い長浜ではだいぶ地理が異なります。言葉も少し違いますね。

その全体が均質な牛を育てるなんてことはあり得ず、となると全体でまとまってブランド化することなど、そもそも難しいと思わざるを得ません。

ついでに申せば、ブランド化には産物の流通経路を支配することが不可欠ですが、県全体でそういうことをするのも、非常に難しいと思わざるを得ません。

地域ブランドで成功しているように見えるのは、牛の場合「松阪牛」と「米沢牛」の二つで、二つとも市単位です。県単位ではありません。

ですので、私は以前から県ブランドはナンセンスなのであって、そういうブランドではなくて、同じような牛の育て方を志向している人が集まって、つまり派閥を作って、その派閥をブランド化しようよ!と言っています。

ジミン党のことは存じませんが、こと農産物に関しては、派閥有用論です、私は。

でも勿論、現実の地方の社会で、そういう行為が摩擦無く出来るか、分かりません。

実際の問題として、派閥作りなどという突っ込んだことは避けて、なんとなく近江牛全体の認知度が少しでも上がればそれで「儲けもの」という位の、低ハードルな目標を追って行くことしかできないでしょう。

であれば、「ゆるキャラ」作戦も悪くはないのだろう、と思っています。

なお牛の先行「ゆるキャラ」としては既に、阿蘇市の「あか牛くん」、能登牛の「べこりん」、吉野家さんの「よっぴー」があるようです。

さて、近江牛はどんなことになりますやら。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.131日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

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毒見

浅草にある佐渡料理店「だっちゃ」さんで、フグの卵巣の粕漬けを食べました。

フグの卵巣は、あの猛毒「テトロドトキシン」のある所ですから、非常にデンジャラスな珍味です。

その卵巣を醗酵によって可食化した、石川県の「ふぐの卵巣の糠漬け」については、以前弊ブログで一度書きました。

おさらいしますが、この漬物を造るには、フグの卵巣を2年以上にもわたって塩漬け⇒さらに糠漬けにする事で、毒素を消失させるのです。

日本の「食品衛生法」は、フグの卵巣を食用することを禁止していますが、石川県予防医学協会による毒性検査を受けることで、この漬物だけは許可されているのです。

この漬物の変形版の、酒粕に漬けるタイプのものを、佐渡の須田嘉助商店さんが作っていて、それを浅草の「だっちゃ」さんで食べられるのです。

この漬物を造っているのは、須田嘉助商店さん一軒だけだそうで、こちらは新潟県による試験を経て出荷されるとか。

これは大変な食文化です。

だいたい、こういうデンジャラスなものを食べられるようにすることこそ、人間の究極の知恵です。

そもそも人間は野生動物に比べて身体能力が劣ります。例えば素手で熊には勝てませんし、鳥のように飛べません。

だから、他の野生動物が食べないようなもの=フグの卵巣を、調理して可食化して食べているのです。

これは実に大変なことで、人間の食の本質に触れる瞬間、と書いても大げさではないと思います。

ところで「食の本質」は良いけれど、結構勇気のある男だったんだねえ って?

あ、それはですね、私はそんなに食べたくなかったんですけど、同席した浅草のふぐ屋のWTNBさんが、

これは珍しい! 食べてみたい!

とおっしゃるので、どうぞ、お先に召し上がって下さい!

と毒見をしてもらってから、私が食べたのです。ははは。

<春の臨時営業(火曜営業)のお知らせ>

春の観光シーズンをむかえ、下記の日は火曜日ですが、営業いたします。

どうぞ御利用下さいませ。

平成25年4月 2日(火)隅田公園桜まつり

平成25年4月30日(火)GW連休

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.123日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

江戸甘味噌

TV朝日『食彩の王国』を視ていたら、1回の番組に旧知の料理屋さん二人が登場し、嬉しくなりました。

浅草の「駒形どぜう」の渡辺さんと、横浜の「太田なわのれん」の青井さんです。

この2軒の共通項は、老舗だというだけでなく、「江戸甘味噌」を使っている、という点があり、「江戸甘」がテーマの回に揃って登場されたわけです。

「江戸尼」イヤ「江戸甘」は、一説によると徳川家康が「三河の豆味噌のように赤く、京の白味噌のように甘い味噌を江戸で作れぬか」と命じたことが始まりだとかで、その真偽はさておき、なにしろ300年の歴史がある味噌です。

贅沢にも大豆の1.5倍もの米麹を使うので、甘味が濃いです。ツヤのある赤褐色が目立ちます。

その「江戸甘」を「駒形どぜう」さんは「どぜう汁」に使います。

「どぜう汁」はどぜうが丸のまま入っている味噌汁で、この汁が駒形さんのコースの〆の「御約束」です。

一方、「太田なわのれん」さんでは、「牛鍋」の鍋の中に入れます。

今ではすき焼きに味噌を入れる店は少なくなりましたが、明治時代には結構多かったようです。明治元年創業の「なわのれん」さんは、この方法を今も護っておられます。

「ちんや」はご存知の通り、割り下だけですき焼きをしますので、味噌は投入しませんが、精肉売店で、この「江戸甘」を販売しています。

この番組で初めて知りましたが、この「江戸甘」は製法が贅沢なため、戦中・戦後の物資統制の対象になってしまい、一時生産を禁止されていたそうです。その後、関係者のご努力で復活しましたが、生産量は以前ほどでないようです。業界で「幻の味噌」と言われている理由が今回わかりました。

この味噌を売らせていただく者は、貴重な歴史を売らせていただいているのだなあ、と改めて感じました。

販売努力を続けたいものです。

追伸①

藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に登場させていただきました。
不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は345人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

皆様も、是非御参加下さい!

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.122日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。