肉と日本酒

とある市が地元の牛肉を売り出そうとなさっているようです。

牛肉の産地としては全く無名すなわち最後発ですので、広報の仕方は余程ひねらないといけません。

で、地元の方々が考えたのは、地元産日本酒とのマリアージュ

・牛肉と日本酒は意外と相性が良い。

・地元産の牛は、地元の米の稲わらを食べているので、地元の酒なら絶対に合うはずだ。

というご主張のようです。

はい、まあ、間違いではないと思います。

ただ、肉の料理法・味つけと、酒の製法を考えた上で合わせないと、完璧に必ず合うとは言えないと思います。

一つの例がすき焼きです。

すき焼きは、大変味が濃くて、匂いを強く出す食べ物です。

特にすき焼きは甘味が濃いので、酒がソフトな甘口の場合、酒の甘味を上回ってしまいます。その場合、酒は妙にサラサラ=水のように感じられてしまい、面白くありません。

また、すき焼きは匂いが出るので、吟醸酒の微妙な吟醸香を吹き飛ばしてしまうことがあります。

要するに、地元の米に由来する肉と酒であっても、それぞれすき焼き+吟醸造り、とした場合は、あまりハッピーでない結果になるかもね、と私は指摘しておきたいと思います。

あ、それ以前に、和牛と日本酒なのに、なにゆえ、「マリアージュ」なんだろうか?

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季節のワイン

ボジョレ・ヌーボ―を頂きました。

ヌーボ―は季節感が感じられるので、フランス本国の他は日本で好まれます。

が、すき焼きに合わせられません。

そもそも、すき焼きにワインを合わせる方法には、以下のやり方があります。

・ワインをやめて日本酒にする(笑)日本酒は糖が多くて酸が少ないですから、何も努力しなくても普通に合うと思います。

・卵に漬けるのをやめる。ワインは卵に合いませんからねえ。ただし、この場合熱くて食べづらいという問題が起こります。

・割り下にワインを混ぜる。これは有効です。ただし一緒に鍋を囲む人が、その味を好まない場合にトラブルになると思います(笑)

・卵にヨーグルトを混ぜる。これは私の推奨している方法です。食材の温度を下げることが出来て、その味の好まない人とトラブルになることはないです。味の変化も、皆さんが想像しているほど酸っぱくはないですよ。「味の対比効果」により、すき焼きの甘辛旨がヨーグルトの酸味を相殺するからです。

ヨーグルトに入っている乳酸を好まない人は世間に一定数おいでですが、ワインにも乳酸は入っていますから、この際問題になりません。ワイン好きが乳酸を嫌いなはずがないからです。お勧めしておきます。

ただしマロラクティック発酵していないワインには、この効果はないですので、ご注意下さい。マロラクティック発酵でワインの中にできた乳酸とヨーグルトの乳酸がつながるから合うというのが、この話しの理屈です。

赤ワインの多くはマロラクティック発酵させてありますが、ボジョレ・ヌーボーはさせてないので合いません。

このように、ヌーボーは、どうしても、すき焼きに合いません。

ただ今はヌーボーの時季ですが、ヌーボーは他の料理とお楽しみください。

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かりんとう

うーむ、すき焼きに関わって56年になりますが、それは初耳でした。

かりんとうを、すき焼きに入れるとおいしい。お麩の代わりになり、黒糖の甘みと良質な米油が溶け出してコク深い味を楽しめる」

という件です。

「東京カリント」さんの創立70周年公式ツイッターで公開されています。

たしかに、かりんとうも麩も、グルテンを熱で固めたものであり、大きな違いは味付けです。

すき焼きに通常入れる麩は、原料を焼いた「焼き麩」ですが、「仙台麩」などの「揚げ麩」も存在していて、「揚げ麩」なら、かりんとうにかなり近い物ではあります。

ただし「揚げ麩」を使うのは、どちらかと言うと、中華料理ですけどね。

その他にも、かりんとうをハンバーグ作りのつなぎに使うことも推奨されています。

うーむ。

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さかなの日

FBを見ていたら、魚業界の知人が「さかなの日」トライアル・サイトを推していました。

「さかなの日」はもちろん魚食応援ムーブメントの一環で、来年度からの「さかなの日」本始動に向けて、今年は「トライアル」として、いくつかのイベントが、11月8日から企画されているそうです。

・日本と台湾、日本とイタリアをそれぞれオンラインでつないで魚料理を一緒に作る料理教室とか、

・家庭で作れるスペシャルな干物づくりなど。

日本の、国民一人当たりの魚消費量は、かつて世界一でしたが、平成23(2011)年には6位にまで後退したそうで、それで、こういう企画がなされているとか。

うーん、そんなに肉を食べているかなあ。

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すき焼き風二題

モスバーガーさんが、

「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」

を発売しました。「期間限定販売」だそうな。

すき焼きの代表的具材である牛肉・玉ねぎ・長ねぎを入れ、味付けは割下風。半熟たまごをトッピングしています。

と、聞いて食して、

ん?

普通のハンバーグも入っているのね。そして、そちらの方が量が多いような・・・

すき焼きがブームとは思いませんが、「すき焼き風」がブームだなあとは思います。様々なファーストフード店が昨今すき焼きを取り入れています。

「モス」だけでなく「スシロー」もすき焼きを。

テイクアウト専用発売だという「すき焼き海鮮しゃり弁」は、

「SIO」の鳥羽シェフ監修。

すき焼き味の肉の他に、ほたて・サーモン・いくら・かずのこ・エビ・卵も入っていますね。

すき焼き弁当には、普通の白いごはんではなく、すし飯があう、という理論に基づいているそうです。(今月15日予約開始で提供は12月15日から)

甘辛いすき焼きの酸味を合わせることは、私もヨーグルト卵で実行済みですが、酢飯に合わせるとは勉強になりました。

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銀杏

さて「立冬」ですが、

浅草の人達は「立冬」より、鷲神社(おとりさま)の「酉の市」で季節を感じる習慣になっているので、「立冬」は特に何もせずスルーしてしまうことが多いように思います。

「立冬」には、これを食べる!というものが決まっていれば、皆それを食べるかもしれませんが、特に決まっていません。

今年は愛知県稲沢市の名産の銀杏をいただきまして、レンジでチンしたらすぐ食べられるとのことでしたので、挑戦しましたら、なるほど美味しかったです。

銀杏と言えば秋。「冬」とは言いつつ、本格的な冬は、もう少し先ですね。

なお、今年の「酉の市」は11月9日(火)と11月21日(日)の二回です。

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新漬け

小豆島の「東洋オリーブ」さんの、新漬けを頂戴しました。

オリーブの漬物というと、クラッシクなバーでカクテルに付いてくるものというイメージですが、あれは相当しっかり漬けたものです。

一方、「東洋オリーブ」さんの新漬けは、日本人好みの「浅漬け風」です。

そのまま食べても良いが、炊き込みご飯に入れても良いとかで、かなり感覚の違うものです。

炊き込みは、たしかにオツな味でした。

海外の作物なのに和風にしてしまう日本人の才能は、あらためてスゴいと思います。(そのかわり、適切な時期に食べないといけませんが)

海外食材を、和風に食べる方法が、どんどん開発されたら良いなと思います。

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松茸の季節

今年は選挙の騒音で、なんとなく秋らしい風情が薄かったような気がしますが、いつの間にか、もう11月。

キノコの季節です。

そして、毎年この時期報じられるのは、各地の松茸の産地で、松茸すき焼きを食べているニュース。

東京では松茸というと、高級和食店の食材というイメージですが、産地ではすき焼きが多いのです。

先日話題になった松茸の産地は、瀬戸から山を越えて、岐阜県側に降りる所でした。

岐阜県土岐市鶴里町柿野の「つる里園」さん。

なんと、園内のレストランで『松茸入りすき焼き食べ放題』。「高級食材の松茸と国産牛が、なんと食べ放題! 松茸ご飯や野菜などもおかわり自由!」だとか。

土岐市鶴里町柿野には、私が美術部時代にお世話になった陶芸家の先生が住んでおられて、お訪ねしたことがありますが、松茸の産地とは知らなかったなあ・・・

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DEATH丼

JA全農さんが、

死ぬほどうまい「DEATH丼」

を開発したそうです。

日本農業新聞によりますと、

JA全農は27日、和牛や海鮮などの食材をぜいたくに使った新たな丼料理を発表した。その名も「死ぬほどうまいぜ。DEATH(デス)丼」。全農の通販サイト「JAタウン」で8種類のレシピを公開し、必要な食材を販売する」

「ダイエットや健康への配慮を忘れて、食欲のままに楽しむ丼文化として提案する」

「最狂・卵かけのデス丼」は、炊き立てご飯の上に、イクラ、筋子、タラコ、めんたいこ、卵黄をのせて食べる。「和牛すき焼きのデス丼」はローストビーフの上にすき焼きを重ねる・・・」

ローストビーフの上にすき焼きねえ・・・

JA全農・桑田専務は

「農家の人にも試してみてほしい。こうしたイベントや商品開発を通じて、米の消費拡大に取り組む」

あ、米の拡販が目的だったのですね。

すき焼きは、なくても別に困らないような・・・

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フォアグラ肉巻

ネットで発見したばかりで、まだ食べに行けていませんが、

大阪市福島区ですき焼きに「フォアグラ肉巻」を入れているそうです。

画像を見ますと、細長くカットしたフォアグラを、薄切りの肉で巻き、串で止めてあります。そのまま鍋に投入するようです。

肉はサシの少ない肉に見えます。フォアグラに油分が多いから、肉の方は赤いのが良いということでしょうか。

フランス料理では、フォアグラと牛フィレ肉のステーキを一緒に食べることがありますから、この組み合わせ自体は既存です。

でも、フランス料理ではバルサミコ酢などで酸味を付けることが多い(「ロッシーニ風」)と思います。甘辛いだけのすき焼きに、果たして合うのか?!

ネットでは、

「ウルトラメチャ旨い!フォアグラに甘辛い醤油がこんなにあうなんて思ってなかったのでちょっとビックリ!これは是非食べてもらいたい1品です」

と称賛されていました。へえ、そうでしたか。

もしかすると、これを私が推奨しているヨーグルト卵に付けると、酸味が入って、フランス料理に近づき、より美味しいかもしれません。その方がワインにも合いますしね。

近々試してみようと思います。

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