柱焼酎仕込み、再び
今年も「柱焼酎仕込み」の御酒をご用意しております。燗で飲んでいただきます。
「柱焼酎仕込み」を造っているのは、新潟県新発田市の「金升酒造」さん。私は新発田市のすき焼き店「八木」さんを訪ねたおりに、「金升」さんもお訪ねしたことがあります。
さて、「柱焼酎仕込み」とは、自社製の焼酎を醸造アルコールとして添加した御酒です。
アル添の度数が低く、本物の焼酎を使っている分、燗をつけた時のアロマが素晴らしく、所謂「酒臭さ」がありません。燗酒に最適と思います。
アル添は現代では悪者扱いされていますが、江戸時代から、日本酒メーカーが米焼酎を自社で作って、混ぜることは普通に行われていました。それが「柱焼酎仕込み」です。
ですから、そのこと自体は全くおかしなことではないのですが、現在「柱焼酎仕込み」をしている蔵元さんはあまり多くなく、工業的に生産された純度の高いアルコールが添加されるケースが多いようです。この場合原料は海外の砂糖キビなどです。
そういう場合は、原料の素性が知れないので、どうしても世間では、純米=善玉VSアル添=悪玉という構図に成ってしまいます。
自社で米焼酎を作って、堂々と添加して、純粋に味で評価するような風潮になれば良いのですが、工業用アルコールを使っている業者さんが、アル添の詳細を隠そうとする風潮があり、それがアル添=悪玉論の前提となっています。残念なことと思います。
「金升」さんのは、そういうことがないどころか、大変結構なお酒ですので、是非お召し上がりください。(日曜、水曜、金曜に提供しています)