ラムネの日

5月4日は「みどりの日」ですが、「ラムネの日」でもあるそうです。全国清涼飲料工業会が認めているそうな。ご存じでしたか?

東京の千葉勝五郎という人が、1872年(明治5年)の5月4日にラムネの販売を始めたことが、根拠になっています。

ところで皆さん、ラムネって何語か、ご存じでしたか。

英語です。レモネードという英語が訛ったものです。

ですので、当然ラムネは英国生まれです。1843年に英国人のハイラム・コッドという人が「玉栓瓶」を開発し、その瓶にレモネードつまり炭酸水にレモン味を付けたものを詰めたのが起源だそうです。

この「玉栓瓶」に詰められていることが、ラムネの大きな特徴です。

ラムネ瓶には、上から5分の2ほどの位置にくびれが設けられており、口とくびれの間に「ラムネ玉」と呼ばれるガラス球が入れてあります。

この瓶にラムネ液を詰めて、すぐさま瓶をひっくり返すと、内部の炭酸ガスの圧力で「ラムネ玉」が口まわりのゴムパッキンに押し付けられ、瓶が密閉されます。つまり炭酸飲料の中の圧力だけを利用して密封する仕組みなのです。

ラムネ瓶が、あのようにユニークな形をしているのは、この瓶詰め方法を採用しているからだったのです。

でも英国人は、このユニークな形の瓶を見捨ててしまい、今は日本人だけが使っています。

この点=日本だけに遺されている~がラムネの第二の特徴です。

英国で見捨てられた理由は、その後に、王冠で炭酸水に栓をする方法が開発されたからです。そちらの方は瓶の形がシンプルです。一方のラムネは、瓶の形がユニークですから、当然造るのにコストがかかりますし、また洗浄も面倒です。

しかし、なぜか、下町の日本人はラムネを造り続けています。しかも、瓶をリサイクルさせて造り続けています。ちょっと感動します。

ラムネ瓶は、王冠を使う普通の瓶と異なり、栓(=玉)まで含めてリサイクルが可能です。カンペキな「リターナブル容器」と言えます。リサイクルできるのが第三の特徴。

「ちんや」では墨田区・「興水舎」さんのラムネをご用意しております。酒を飲めない折柄、ラムネをご賞味下さいませ。

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八十八夜

今日は「八十八夜」です。新茶の季節ですね。

私は「日本茶アドバイザー」でもあるので、お茶のこともたまには書こうと思いますが、最近の話題は、

鹿児島県の、2019年の茶の産出額が、50年以上トップであり続けた静岡県を抜き、初めて全国1位になった件でしょう。

静岡の自治体の市長さんがテレビで、

由々しき事態だ。なんとしても首位を奪還せねば。

と語っていました。

が、元々鹿児島は茶摘みする回数が静岡より多いです。

静岡では、今の時期(「一番茶」)を含めて、年に三回摘むのが普通ですが、鹿児島は温暖なので年に四~五回摘めるのです。

秋以降に摘んだ茶は品質がイマイチで好まれないのですが、昨今お茶はペットボトルで飲むものになりましたので、ペット用なら、四番・五番でも、まあ、いいやということで、鹿児島が一年中フル稼働するようになったのです。

対する静岡はフル稼働しないので、鹿児島に抜かれたというワケ。

つまりこれは、美味しいお茶を愛する私としては少しブルーになるような話しです。

産出額を競う方向に行けば、ますますペット茶に傾斜する(=お味が疎かにされる)でしょうから、そっちの方が私としては、由々しき事態と思います。

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納豆

納豆を紹介するテレビ番組を視ていたら、水戸市で売られている「納豆スイーツ」が多数紹介されていました。

水戸商工会議所が「納豆食べ方コンテスト」を実施した際には、全国から153点もの応募があり、上位をスイーツ系が占めたとか。

さらに視ていると、割烹料理屋さんが納豆を摺ってタレに混ぜ込み、薄切りステーキにかけていました。タレのお替りを所望されるほど評判が良いとか。

つまり、

納豆+甘味→あり

納豆+牛肉→あり

と、いうことは、

納豆+甘味+牛肉→あり

納豆+すき焼き→あり

となります。

早速、すき焼きの卵に納豆を入れてみました。

私自身は納豆を甘く食べるのが大好きというわけではないですが、人生にトライは必要ですからね。食して、

うん、まあ、まあと思います。

が、1+1が3に成るというほどではないです。

納豆の旨味はアミノ酸の一つのグルタミン酸ですが、肉の熟成によって得られるのも主にグルタミン酸ですから、

1+1=2の状況と申せましょう。

酔狂な方がトライなさるのであれば、止めさせることはないのかなという感想です。

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赤シャリ

料理屋が他の料理屋を紹介し、それが連鎖して行くという趣向の番組がありましたので、

築地場外にある「つきぢ神楽寿司」さんをご紹介しました。

「神楽寿司」さんは珍しい「赤シャリ」を使っている店として知られています。

「赤シャリ」とは赤酢を使った酢飯のことで、鮮明な赤というよりは褐色に近い渋い色です。江戸時代から昭和戦後すぐまで使われていましたが、現代ではあまり使われない伝統的技法です。「神楽寿司」さん自体は老舗というわけではないのですが、伝統的技法の旨味を体験することができます。

で、なぜ、赤酢が赤いのかですが、それが酢の原料が酒粕だからです。

普通の酢は日本酒が原料で、そこに酢酸菌を入れます。酢酸菌がアルコールを食べて酢酸を作るので酢になります。元が日本酒ですから色は透明です。

一方赤酢は原料が酒粕なので、色が付きます。そして色だけでなく、酒粕に含まれていたアミノ酸などの成分も継承するので旨味があります。

普通の酢を使って酢飯を造る場合、味のバランスをとるために砂糖を入れますが、赤酢の場合は旨味が備わっているので、砂糖を入れずに塩のみ。それでネタとバランスすることができます。

肉の旨味の重要視している店の者としては、シャリの旨さを大切にしているお店を紹介しようと思った次第です。

ついでに申しますと、赤酢が19世紀前半に登場したことが、寿司の普及に大いに貢献しました。

いったん日本酒を造り、そこから酢を造るという工程は人手も時間もかかったので、酢は当時安いものではありませんでした。その酢を酒粕から造ってしまうことができて、しかも味の面でも美味しいとなったわけですから、一石二鳥です。寿司が手軽になって普及した理由の一つがここにあります。

その赤酢が昭和戦後に何故廃れたかですが、見た目がショボかったからです。

戦中・戦後にひもじい想いをした日本人は白飯を渇望していて、その反動で褐色の赤シャリは品質の悪い物のように見えたようです。

そこからだいぶ時間も経ちましたし、赤シャリが見直されて良い時期かと思います。

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差別用語

人にあだ名を付ける時、その民族が食べる料理の名を付けると「差別だ!」と言われかねませんので、気をつけたいものです。
ハリウッドでテレビの仕事をしていた、あるイギリス出身の方が、最近その職を失いましたが、その原因は、中国系アメリカ人の出演者を「ワンタン」と呼んだからでした。
ワンタンは美味しいですけどねえ、これはNGだそうです。
他民族や他地方の料理は口に合わない場合がありますから、罵りたい場合もあるでしょう。
また今日では忘れられている歴史的経緯がある場合もあります。
例えば「芋侍」は薩摩藩士に対する差別用語でした。
薩摩は火山灰が多い土地なので、芋以外の作物が育ちづらく、また他藩と比べて武士の人口比率が高い藩だったので、侍の身分でも芋を食べている人がいました。それで薩摩藩士の貧しさを揶揄する意味を込めて「芋」と呼んでいたわけです。
現代人は芋について美味しい食べ物としか思っていませんから、この話しにリアリティーを感じにくいですが、知っておいて損することはありません。
私自身は「スキヤキ野郎」と言われても、その通りですから問題ないですけどね。

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栄養たっぷり

テレビを点けたら通販番組でウォーターサーバーを宣伝していました。

水道水は飲みたくないが、コロナの最中に水を買いに出かけたくない

という人が多いらしく、通販で水が売れるのだそうです。

私はコロナで儲けている人を見るとイラついてしまうので、チャンネルを変えようと思ったのですが、その瞬間驚きました。プレゼンターが

「栄養たっぷりのお水です!!」

と言い始めたのです。

え、「栄養たっぷり」って出汁のこと?

でも出汁はすぐに傷むからウォーターサーバーで保管できるわけないよなあ・・・と思いながら視ていると、

「栄養」とはミネラルのことでした。

その水は有名な山の麓で取っているそうで、水が山の岩盤を通る間に「ミネラルたっぷり」になるのだとか。

ミネラルを「栄養」と言うのは間違いではないです。

日常的に「栄養」と言えば、三大栄養素(タンパク質、脂肪、炭水化物)だと思いますが、栄養学で「栄養素」とは「三大」の他にビタミン、ミネラルも含みます。

ミネラルも、微量ながらも健康維持に欠かせない栄養素で、骨・歯を構成するカルシウムもここに入ります。ナトリウム=塩もそうですね。

ここでポイントなのは「微量」という点です。ミネラルは「微量栄養素」とも言われます。

逆に摂り取り過ぎた場合には「過剰症」を引き起こすことがあるのです。

鉄や亜鉛を摂り過ぎると中毒を起こしたり、ナトリウムを摂り過ぎると高血圧症に繋がりかねません。

よって、

ミネラルを「栄養」と言うのは×ではないものの、

「たっぷり」が良いとは限らない点にお気をつけいただきたいと思います。

あ、これって、ひがみ根性か、な。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.049本目の投稿でした。

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チーズ天カレー南蛮

なんの気なしに視たテレビの散歩番組で面白いメニューを発見しました。それは、

「チーズ天カレー南蛮」

桜新町の「田中庵」さんという蕎麦屋さんのメニューですが、近隣の美術館の人が、番組内でその店にそういうメニューがあると推薦していたので、地元では知られたメニューのようです。

チーズはカマンベール。揚げてあります。

レポーターさんは、チーズを食べると全体的に甘く感じると評していました。

カレーにチーズは合います。

私は以前から、カレーとすき焼きは合う!と思っておりまして、またヨーグルトとすき焼きは会う!とも思っておりまして、2016年の秋からすき焼きの溶き卵にカレーオイルとヨーグルトを入れています。

また自分で「合う!」と主張するだけでなく、2018年には「味博士」こと鈴木隆一博士に味覚センサーで分析もしてもらいました。

で、その18年の分析で分かったことは、

カレーを入れたすき焼きよりも、ヨーグルトを入れたすき焼きよりも、カレーとヨーグルトの両方を入れたすき焼きが、味覚分析上最強だったのです。(結果はこちら

「田中庵」さんのチーズ天カレー南蛮は同じ理論ですから美味しいはずですね。

チーズを揚げてあるのは蕎麦屋的感覚かと思います。

食べに行かねば。

本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.037本目の投稿でした。

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卵かけご飯

最近香港で日本の卵かけご飯がウケているそうです。

日本旅行ですき焼きの卵に接してまず初体験。自分で卵を買って卵かけご飯する人が増えているそうです。

香港市民は元々親日的で日本旅行経験のある人が多いですが、ダイヤモンド・オンライン『香港で日本の「卵かけご飯」にハマる人急増の理由、鶏卵輸出の9割は香港向け』によりますと、

「数年前、日本ですき焼きを食べたときに、初めて生卵の美味しさを知り、それからはすっかり抵抗がなくなりました」

「この夫婦は日本各地の温泉旅館にも行ったことがあり、「温泉旅館の朝食には、生卵がついてきますよね。朝食のお膳で、初めて卵がついてきたのを見たときには、ゆで卵だと思って割ろうとしてしまったのですが、生だったのでびっくりしました。最初のうちは食べられなかったのですが、すき焼きで生卵に慣れてからは、旅館の朝食でも食べられるようになりました。納豆も同じく、日本の旅館の朝食で初めて食べて、以来ハマり、今ではスーパーでよく買っています」

コロナで外食しづらくなっていることも卵の消費拡大に貢献している模様です。

衛生的な生食は、日本の食文化の特徴の一つです。さらに拡がれば嬉しいことだと思います。

最後になりますが、中国当局による香港市民への人権弾圧に反対致します。香港から日本へ脱出する香港市民に対して日本政府が便宜をはかるよう希望致します。

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魚すき文化

「寒鯖」の脂が最ものっていて美味しい時期は晩秋から2月頃までです。釣り専門雑誌『ルアーマガジン』が、鯖のすき焼きの記事を載せていました。

もちろん紙の雑誌を買って読んだわけではないですが、今時はこういう専門雑誌も自社サイトを持っていて、その記事に検索で行き着くことがあります。料理記事も充実していて勉強になりますね。

さて、その鯖のすき焼きですが、魚以外は肉のすき焼きと同じ材量だとか。

長時間煮ないので魚の臭みも出にくく、鯖のように臭いの気になる魚には好都合のようです。煮えたところから、冷めないうちに速攻で食べることが推奨されています。

日本全国を見渡しますと、魚のすき焼きを食べる地域は意外とあるようです。

新潟、石川、和歌山、三重、島根、鹿児島、そして鯖すきが盛んな高知県の室戸。

そういえば、向笠千恵子先生の『すき焼き通』(2008年)では、島根県波根(はね)の「へか焼き」が紹介されていました。

魚の種類も、サバだけでなく、タイ、ハモ、サワラ、カンパチ、ブリ、サンマ、キビナゴなどなど地域によって様々です。和歌山や高知では、なんとウツボのすき焼きもあるとか。流石釣り雑誌。

「沖すき」「魚すき」「へか焼き」「いり焼き」「じふ」「とことこ」「煮食い」と呼び名が色々あるというが、魚すき焼き文化が多岐に渡ることの証明でしょう。

名前の中では「煮食い」という言葉が、すぐに食べるイメージで面白いですね。肉のすき焼きも最初は「煮食い」感覚であったのに、だんだん高級化したのだと思います。

現存のすき焼き専門店のほとんどは肉関連業者が経営しているので、こういう視点を忘れがちですが、偶然面白い記事を読みました。

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家飲みにぴったり

人の指は、大胸筋・広背筋まで連動しています。

アルコール噴霧器のレバー連射を続けていたら、脇腹の、筋のつけねが痛くなってきました。炎症を起こしかかっている模様。

この生活も、もう1年オーバーか・・・

さて、

ワインの雑誌を読んでいたら、

「家飲みにぴったりなお手頃ワイン」

の企画が載っていました。

数ある酒の中でワインは、外食外飲の割合が高い酒だったと思いますが、コロナで変わっているのでしょうね。

ワイン=外食外飲

という形態が主流だった理由として、ワインのマッチングの問題がありました。ワインは日本酒に比べて何倍も酸が多く、したがって合わない酒肴があります。だから正しい手引きにしたがって飲むという形態が主流でしたが、コロナには勝てません。

また世間にマッチングの知識のある人が増えてきたので、自分の知識で「家飲み」も可能になって来ているのだと思います。

消費者にとっては家で飲めば値段が下げられますからね。そこは飲食店の側から見るとトホホですけど、仕方ないなあ。

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