ヒール役

このブログで年回か採り上げております、下仁田での「すき焼きシンポジウム」ですが、結局私も登壇することになりました。

群馬県庁が正式にリリースしたところによれば、

<趣旨は>

「富岡製糸場と絹産業遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録され、国内外から本県に注目が集まるなか、本県を訪れる人への「おもてなし料理」の創出が急務となっています。そこで、本県が、質とともに知名度の高い「下仁田ネギ」を筆頭に、牛肉、こんにゃく、しいたけなど、すき焼きの具材をすべて県内産で揃えることができることに着目し、「群馬のすき焼き」について考えるためのシンポジウムを開催します。

<シンポジウム名>

「群馬県すき焼きシンポジウム」~地域の特産品から、群馬のおもてなし料理を考える~

<日時>

平成26年11月23日(日) 午後1時30分~3時30分

<会場>

下仁田町文化ホール(甘楽郡下仁田町大字下仁田682)

<内容>

【基調講演】

「“食財”の王国・群馬県の食文化」

講師 向笠千恵子 氏(フードジャーナリスト、食文化研究家)

【パネルディスカッション】

「ぐんまのすき焼きとは」

・コーディネーター

藤井浩 氏(上毛新聞社論説委員長)

・パネリスト

向笠千恵子 氏

鳥山 真 氏(鳥山畜産食品(株)代表取締役社長)

田中芳重 氏(下仁田ねぎの会 会長)

小金澤 定夫 氏(群馬県蒟蒻協同組合 副理事長)

住吉史彦 氏(浅草 すき焼き店「ちんや」 社長)

<定員等>

300名(先着順)・参加費無料

以上の通りです。

参加費が「定員等」に入っているところが県庁文学ですが、まあ、そういう細かいことはさておきまして、

要するに、私が県外から群馬の牛について、あーだ・こーだ言う立場のようです。

弱りましたね。

勿論、基本的に私は今回群馬県が「すき焼き応援県」宣言したことに賛成です。

従来私は、食のブランド作り・産地作りをする場合、どんな食べ方で食べて欲しいのか、ハッキリさせるべきだ、と言って来ました。

だから、「すき焼き応援県」宣言は基本的には結構なことと思いますが、とにかく、宣言が唐突に出たので、畜産の現場ですき焼き向きの牛の育て方が出来ているかを申しますと、「まだ、これから」でしょう。

念のため、私の好みを申しておきますと、

・熟成させ易い牛

・脂肪の融点が低い牛

です。細かいことはシンポジウム当日に話したいと思います。

それから、もう1点。

群馬の皆さんが、まず肉を食べることが大事だと思いますよ。

牛肉消費量ランキングで47都道府県中45位(2013年)というのは、なんとしてもいただけません。

食べないと旨いも旨くないも分かんないですからね!

そこは、何卒よろしくお願い申し上げます。

ん?

これって、所謂「ヒール役」?

参加ご希望の方は、私まで連絡下さい。

 

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

家畜改良技術研究所

家畜改良事業団の家畜改良技術研究所を訪問しました。

以前に山形県畜産試験場を訪問した時のことは、弊ブログの4/14号に書きましたが、今回お目にかかった家畜改良技術研究所の研究員さんは、山形でお目にかかった研究員さんの前任の方です。

山形県を退任された後、改良技研に移られたというわけです。いずれお目にかかりたい、と思っていましたら、「すきや連」群馬メンバーの「鳥山畜産食品」さんがかねて懇意だと言います。改良技研は群馬県前橋市に在るのです。

早速鳥山さんのお世話で訪問することになりました。前橋市と言っても、山の上の方で涼しいですねえ。眺めも良いです。

さて、その改良技研さんですが、

スゴいです、科捜研みたいです。

と、申しましても、ホンモノの科捜研には行ったことはないんですけどね。とにかく、

DNA鑑定で、融点の低い脂を付ける牛が事前に分かるのです。

クールです。Cool Wagyuです。

脂肪を構成する脂肪酸の内、オレイン酸を中心とする不飽和脂肪酸の割合が多いと、その脂肪の融点が下がるのですが、どんな脂肪酸を体内で造るか、決めているのは遺伝子でして、その遺伝子の型を既に改良技研さんは特定しているのです。だからDNA鑑定で、融点の低い脂を付ける牛が、交配する前に分かるのです。

融点の低い脂であれば、食べた後に胃モタレしませんし、それに調味料や旨み成分が融けた脂肪と混ざって味がマイルドになります。

脂肪自体に味や旨味はありませんが、味がマイルドに成りますので、それを甘いと感じる人もいるようです。

Cool Wagyuです。世界に売り出す価値があります。

「ちんや」で「脂が甘い!」と言う方がいるのは、これです。常温で脂が融けるからですね。

一方、肉の見栄えばかりが良くなる遺伝子型も分かっています。

飽和脂肪酸が多ければ脂の融点が高く、肉がカチっと立って見栄えが良いのです。写真で良く見かけますが、人間の体温で融けないとモタレますね。

また畜産経営のコスパが良くなる遺伝子型も分かっています。短時間で霜降りが付く遺伝子も特定しているのです。

願わくば、Cool Wagyuを世界に売り出す時、見栄え重視やコスパ重視を止めていただきたいと思います。

日本でも外国でも、お肉は最終的にお客様を幸せにするものでなければならず、その為には、どのような牛なのか、極力分かった上で取引きしなければなりません。

日本国内はまだまだ、

肉の見栄えばかりを追う時代、

畜産経営のコスパばかりを追う時代、

ですが、それをそのまま輸出して欲しくはないですね。

・・・この日勉強してきたことがまだまだ在りますので、このブログにも書いて行きます。ご期待下さい。

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大正浪漫の宿

下仁田町の「常盤館」さんをお訪ねしました。

今年秋に「すきや連」を開催する準備のためです。

下仁田は下仁田葱の産地として、あまりにも有名ですが、その下仁田で「全国ねぎサミット2014in ぐんま下仁田」というイベントが開催されるそうです。動員3万人の予定という大イベントなのだとか。

そして、その会期にあわせて「すきや連」と「すき焼きシンポジウム」も下仁田の地で開催されます。

「すきや連」は、これが第19回。「常盤館」さんで開催します。

さらに同じ日に「すき焼きシンポジウム」が群馬県庁の主催で開催されます。

このシンポジウムは、群馬県が県内ですき焼きの食材を全て揃えられる「すき焼き県」であることをPRするため公開イベントです。「すきや連」のメンバーも登壇する予定なので、そちらの会場の下見もしてきました。

さて「常盤館」さんは大正元年のご創業、往時の面影を残すお宿で、下仁田葱すき焼きを名物にしています。

創業当時、下仁田は木材や繭の取引で賑わっており、商人達の往来が盛んでした。その商人達のための宿として出発なさったと聞きます。

高崎から下仁田へ向かう上信電気鉄道は大正10年に全線電化。電化完成を街を挙げて祝った時の写真が宿の廊下に掛けられています。宿は多数の日章旗で飾られ、芸者衆も大勢、それは賑やかだったそうです。早くから産業化した土地だったことが分かります。

八王子のすき焼き屋「坂福」さんも、同じ頃やはり商人同士が会食する場としてスタートしていますから、事情が似ていますね。

下仁田は残念ながら花柳界は廃止になってしまいましたが、八王子は今も花柳界を残していますね。

「常盤館」さんはまた、竹久夢二の宿としても知られています。

夢二は晩年に「榛名山産業美術研究所建設についての趣意書」を発表したことから分かる通り、上毛の地を愛していて、下仁田へも足を延ばしたのだそうです。夢二の絵が館内のあちこちに架けられていて浪漫チックです。

絵を鑑賞した後は、勿論すき焼きです。「すきや連」群馬メンバーの皆さんも顔を出して下さり、小宴と言った感じ。

おや!と思いましたのは、すき焼きの手順です。「坂福」さんと同じではないですか!

葱を炒めて、その上に肉を載せ、その上から割り下を投入する方式です。

この方式は「ちんや」と同じでもあります。

旧くからの店や宿が商いを継承することで、土地の記憶や味の記憶も伝えられて行きますね。

「日本一揺れる」上信電鉄も愉快でした。

追伸、

誠に勝手ながら、「ちんや」は9/1(月)~9/4(木)まで4連休をさせていただきます。ご諒承下さいませ。

このブログは予約投稿により、休まず更新して参ります。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.642日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

開催しました!第18回すきや連②

第18回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治42年ご創業の、「伊勢肉」の老舗「豚捨」さん。今回も50人ほどの、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

<寄せ書きはたくさんありますので、昨日から二日に分けてUPしています>

・伊勢牛の重き包みや盆じたく(向笠千恵子)

・ようこそ、伊勢へ!!今日はお暑い中参拝からすき焼までありがとうございました。食って食って食いまくれ!!でよろしくお願いします。(「豚捨」森大亮)

・つたない話を聞いていただきありがとうございました(吉川松喜)

・伊勢神宮のご利益に感謝!豚捨さんの牛肉、味、酒の美味し。

(尾崎仁)

・お伊勢さん参りと豚捨さんのすき焼 ご利益あります。ありがとうございました。(西居基晴)

・豚捨さんのすき焼たのしみにうかがいました。ありがとうございます。

(高岡修一)

・神風の伊勢の宮居に詣で来て舌鼓打つ豚捨の味(青木太兵衛)

・炭火で食す伊勢肉は絶品。(黄木修太郎)

・お伊勢さん参りと豚捨さんのすきやき満喫しています。(藤井紀美江)

・豚捨さんのコロッケは2回食べさせていただきました。今日は網焼きを食べさせていただき、ありがとうございます。(星南子)

・豚捨てさん絶品すきやきと山形の冷酒ありがとう!(林邦宣)

・伊勢神宮参拝に始まり、夜は網焼、すき焼に舌鼓。豚捨さん、ありがとうございます。(荒井亮一)

・伊勢肉大変美味しかったです。歴史的なバックボーンのお話しも大変勉強になりました。(石川大介)

・豚捨さんの伊勢牛!!いつも美味しくいただいていますが、今日は特に美味しかったです。豚捨さんのおもてなしに感動しました。ありがとうございました。(鈴木拓将)

・伊勢神宮、網焼き、すき焼きおいしいな。豚捨さん、ありがとうございます!!(柴田伸太郎)

・豚捨さんの伊勢肉美味しかったです!黒毛和牛最高!(吉澤直樹)

・あみ焼きからのすき焼き、美味しい肉はどんどん進んでしまいます!!(吉澤裕介)

・伊勢神宮参拝させていただいく、豚捨さんの美味しい伊勢肉をよばれて、幸せな1日です。すきや連サイコー!!(中川晶成)

・今日は大好きなお肉たくさん食べれて、ちょー幸せ。すき焼きでこの厚み最高!!またお邪魔しますね、森さん。(清水祐子)

<寄せ書きは以上です。今回大変お世話になった「豚捨」の森社長、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。>

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

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毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

Fi
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開催しました!第18回すきや連

第18回「すきや連」を開催しました。

今回の会場は明治42年ご創業の、「伊勢肉」の老舗「豚捨」さん。今回も50人ほどの、全国のすき焼き関係者が集結して大盛況でした。

まずは、参加者の皆さんが書いて下さった寄せ書きをご覧ください。

・伊勢牛の重き包みや盆じたく(向笠千恵子)

・ようこそ、伊勢へ!!今日はお暑い中参拝からすき焼までありがとうございました。食って食って食いまくれ!!でよろしくお願いします。(「豚捨」森大亮)

・つたない話を聞いていただきありがとうございました(伊勢商工会議所副会頭・吉川松喜)

・昼は神宮で心清め夕から若柳でスキヤキ。食養生、感謝です。

(伊豆川嘉規)

・神宮にぬかずくあとぞ伊勢の牛(大竹道茂)

・いつもすばらしいすき焼きに感謝(福本吉宗)

・岩焼の肉おいしく昔を思い出したすき焼、ありがとう。(和田政司)

・すき焼きは素晴らしい脇役あっても主役はやはり肉(川井秀晃)

・伊勢の外宮・内宮と特別参拝させて頂いた上、豚捨さんの炭火のすき焼には美味が溢れてました。(藤森朗)

・御伊勢さま 豚捨さんにて美味しいすき焼感謝!(三嶌太郎)

・豚を捨てたくなる程のおいしい牛のすき焼。夏こそすき焼!!

(高岡慎一郎)

・25年ぶりの豚捨あみ焼きかわってなかったです。感動です。

(赤塚直子)

・神宮を参拝して心が洗われました。若柳さんのすき焼き、網焼きすばらしかった。ありがとう。(相沢二郎)

・お伊勢さんにお参りさせて頂き、特別に参拝することで、すきや連の皆様のご多幸、ご健康すべていいことありそうで、うれしかったです。

(相沢ヒロミ)

・伊勢の夏川風に思う、すき焼きへの思い(植村光一郎)

・第18回すきや連に参加でき、たいへん感謝致しております。お伊勢さんですき焼、趣きありますね~(西村委代)

・盛夏にも炭火囲んで美肉楽し(星野見左子)

・お伊勢めぐり後の豚捨の味、御利益あり(湯浅康毅・由香子)

・伊勢牛のあみ焼きとすき焼きのフルコース。満喫させていただきました。(鳥山渉)

・伊勢神宮にて衣食住食物の守護神の御前にてすきやきを食す、素晴らしいです。(島崎進)

<寄せ書きはまだまだありますので、二日に分けてUPします。今回大変お世話になった「豚捨」の森社長、本当にありがとうございました。御礼申し上げます。>

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.625日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

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伊勢の肉

この原稿がUPされる頃、私は伊勢市「豚捨」さんでの、第18回「すきや連」を終えていると思います。

もう18回目となる「すきや連」ですが、8/5久しぶりに三重県へやって参りました。松阪の「和田金」さんで開催して以来ですね。

え? すき焼きの会なのに、豚の店で開催するのか、って?!

それがですね、「豚捨」という屋号の、牛の店なのです。

御店の公式サイトによりますと、

「明治42年、業豚を飼っていた捨吉という男が食肉店をはじめた。

人呼んで「豚捨…ぶたすて」。それがいつの間にか屋号になった。

ところがおかしな伝説も生まれた。

この店の牛肉があまりにもうまいから「豚なんか捨てちまえ!」と客が豚肉を投げ捨てた。

というのが豚捨のはじまりだという。」

まあ、牛が旨ければ、良いじゃないですか!

ところで、「豚捨」さんは「伊勢肉」の御店です。

もともと三重県には「伊勢牛」と「伊賀牛」しかなく、「松阪肉」は「伊勢肉」に入っていました。

明治10年頃、伊勢市田丸町(現在の玉城町)に居た牛追い達が牛を商いながら遠征し、それが勇壮な様子であったことから「伊勢肉」の名は全国に知れ渡りました。

しかし、その後昭和10年頃から「松阪牛」の呼称が登場して、コンクールで優勝するなどして有名になりました。

戦後昭和35年頃から「松阪牛」は、独自のブランド管理を推進し、各地の食肉店で「松阪肉」の看板をあげる店が増えてきました。

伊勢市は、この局外にあったので、どうもブランドとしては、影が薄れてしまいましたが、美味しくないわけではありません。

「豚捨」さんは、創業以来この「伊勢肉」を守り続けておられます。

帰京しましたら、今回の「すきや連」の様子もご報告しますね。御期待下さい。

追伸

8/23に、食育企画『親子体験食味学習会』を開催します。まずすき焼きの歴史を学習、その後肉のカット体験。その次には本格的にすき焼き。チャンとした参加証も貰えますから、自由研究にピッタリ。是非親子でご参加を!

詳しくは、こちらです。

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耐震補強工事

新橋の、すき焼き店「今朝」さんが耐震補強工事のため、二カ月ほど休業なさることになりました。

休業中社員さんを解雇するわけにいかず、かと言って遊ばせておくのも良くない、ということで、「すきや連」の各すき焼き店が、分担して研修を受け入れることになりました。

挨拶程度の面談をした後、

そう言えば「今朝」さんのすき焼きのやり方って、どういうやり方だったっけ?

と思い出すため、休業前の最終日にお訪ねしました。

参りますと、もう工事は始まっていて、窓面の内側にもう1枚壁が設置されていました。その壁と窓の間に鉄板を入れるのだそうです。

内壁を設置するため、広かった宴会場は少し狭くなっていました。営業的には痛いですね。大変なことです。

さて、「今朝」さんの方式は、関東風すき焼きのベーシックなやり方で、浅めの鍋にまず割り下をはり、適当な温度に上がったら肉を入れ、次にザクを入れ、また肉を入れてと交互にやって行く方式です。

「ちんや」に研修に入る予定のお姐さんが作ってくれます。

あれ? 麩は入れないんでしたっけ?!

ふーん、その代わりにシメジが入るんですね!

え? ウチのやり方ですか?

まず牛脂を敷いて、そこへ葱を入れてしばらく炒めて、その上に今度は肉を載せ、それから割り下を注ぐんですよ。

変ってるでしょう!

葱になかなか火が通らなくて往生しますよ。

肉に割り下を注ぐ時も、ジュ―っと一気に沸騰しますから、慣れないとチト怖いんですよね。

鬼門なのはやはり葱ですね。葱を炒めている間に、お客様から難しい御質問が来ると、返答と葱焼きの両方だから大変なんです。

頑張って浅草のことを勉強します!!だって?

せっかくですけど、それはそんなに頑張らなくてOKですよ。だって本やネットに載っていることなんか聞かれませんから。

「お姐さん、教えてよ、店の名前は分からないんだけど、ほらほら、先週朝のワイドショーに出てた浅草の、なんとかメンチって旨いの?」

とか、そういう質問が多いんですよ。

その番組視てないし、テレビは地元で評判の良い店より新奇な店を出したがるから、ボクだって、知りませんもん、そんな店。

え? 対策ねえ?

自分の方から得意な話題でしゃべり倒すことかなあ・・・

ともあれ、まあ、ヨロシクです。

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すき焼きシンポジウム

『週刊新潮』6月26日号をご覧になった方は、「掲示板」のコーナーに向笠千恵子先生が「すきや連」のことを書いておられるのに、気付かれたと思います。

コピペしますと、

「6年前に『すき焼き通』(平凡社新書)を出版しました。その出版記念会のとき、みんなですき焼きを食べて和気藹々。それがきっかけとなり「すきや連」が発足し、年に3回、全国の店を回って、すき焼きを堪能しています。」

「今年の11月23日には、ネギの産地、群馬の下仁田ですき焼きシンポジウムを開催します。その頃には新著『すき焼き大全』(仮題)を出す予定。すき焼きは文明開化の象徴ともいうべき食べ物です。煮方、割り下、特産の野菜など、その地ならではの特徴のあるすき焼きを教えて下さい。」

「すき焼きシンポジウム」は、「全国ねぎサミット2014」という各地の有名葱産地が集まるイベントに合わせて、関連行事として開催されるもので、当然すき焼きについて語るシンポジウムです。

群馬県は、すき焼きの食材が県内で全て調達できる稀有な県でして、そうした食材の関係者や「すきや連」のすき焼き屋の御主人などが参加する予定と聞いています。

群馬の「すきや連」の方々が、県庁と協力しつつ大車輪で準備を進めて下さっています。楽しみです。

ところで、これを機会に「すき焼き」「シンポジウム」とグーグルに入れて検索してみたのですが、すき焼きについて語り合ったシンポジウムは1件も発見できませんでした。

出て来るのは、シンポジウムの休憩時間の弁当が、すき焼き弁当だったとか、そういう話しばかり。

うーん。

ひょっとして、今回が日本初の「すき焼きシンポジウム」なんでしょうか?!

ますます楽しみです。

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はまれぽ

「はまれぽ.com」というサイトで、「すきや連」で旧知の女将さんを発見しました。

「はまれぽ.com」とは、

「横浜のキニナル情報が見つかるwebマガジン。毎日更新の新着記事でユーザーさんから投稿されたキニナル疑問を解決。」という方針だそうで、今回の「キニナル」御題は、

「横浜が発祥と言われる牛鍋って、すき焼きとどう違うの?」でした。

良く聞かれるんですよね~コレ。そして私はとても苦手な質問です。

私の答えは、弊ブログの2012年11月27日号に書きましたので、そちらをご覧いただきたいのですが、結論から申しますと、現時点ではハッキリしません。店ごとに地方ごとにお考えが違います。

そんな中、唯一ハッキリなさっているのが、横浜曙町の「荒井屋牛鍋店」さんです。それで「荒井屋」の女将さんが「はまれぽ.com」に出ておいでだったのです。あいかわらず美人さんですね♡

さて話しを戻しますが、「すき焼き」と「牛鍋」の違いが「荒井屋」さんではハッキリしています。

と、申しますか、「すき焼き」と「牛鍋」の両方のメニューを出しておられるのが「荒井屋」さんです。

普通は店全体として、「牛鍋」「すき焼き」と称しますが、「荒井屋」さんは違いまして、一軒の店に両方在るのです。店名は「荒井屋牛鍋店」なのですが、「すき焼き」というメニューも在ります。面白いでしょう?!

で、実際どう違うのか、ですが、

「牛鍋」の場合は、火をつける前に、肉や野菜、豆腐などの材料が全部鍋に入っているのです。これを火にかけて煮て行きます。

一方「すき焼き」の場合、肉は鍋とは別の皿で運ばれて来て、熱した鍋へ一枚ずつ肉を入れて焼いて行きます。で、肉に火が通ってきたら、割り下を注ぎます。じゅー。

これは良く見かける「すき焼き」の方法ですね。「ちんや」の場合は、肉の前に葱が入ります。

注文数は、「牛鍋」「すき焼き」半々くらいとのことでした。

で、このレポートの<まとめ>は、

「牛鍋」・・牛肉と野菜を一緒に鉄鍋に入れ、そこに割り下を流し入れた後、火をつけて『グツグツ』煮るもの。

「すき焼き」・・はじめに肉を鉄鍋で一枚ずつ『ジュージュー』焼き、その後に野菜を加えていくというもの。

・・・ということでしたが、これは勿論「荒井屋」さんに限定した話しです。同じ横浜の「太田なわのれん」さんは「牛鍋元祖」と称していますが、全く違うやり方です。

結局のところ、言い方が店によりけり・地方によりけりなんです。誰かが統一してくれる日まで、

どっちだって、旨けりゃ良いじゃないの!ということでお願い申し上げます。是非。

追伸、

フジTV【バイキング】に出演いたします。明日6月5日(木)11:55~13:00です。

【バイキング】中で毎週木曜日に放送されている「和の心を学ぶ旅―竹田式さんぽ道」のコーナーです。

明治天皇の玄孫・竹田恒泰先生が、フットボールアワー岩尾さんとAmi(E-girls)さんを、日本の魅力を再発見できる場所へ案内する、という企画です。

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.557日連続更新を達成しました。

毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

居眠り

いやはや黒海艦隊とか、セバストーポリとか、クリミア戦争とか、ほとんど気分は19世紀ですねえ。

第17回「すきや連」を開催するため、京都の「モリタ屋」さんへ向かう車中で、ずうーとウクライナのニュースが流れていました。

新幹線の、自動ドアの上の部分に文字を流している、あのニュース・コーナーのことです。私は7号車の3C=つまり3人がけ席の一番通路寄りに座っていたので、ニュースを延々と見続けることになり、チト食傷気味になりましたが、

でも、まあ、これから19世紀発祥の料理を食べるわけだから、あながち外れてもいないかなあ、と思いながら私は西へ向かいました。

この日の「すきや連」に参加した皆さんの、喜びのコメントは、このブログの3/8号に載せましたので、是非ご覧いただきたいと思いますが、さて、

今まさに名古屋を出発しようかという頃、私はクリミア以上の衝撃的な場面を目撃しました。

まず3Cの私の席の後ろの方から、ダダーと人がダッシュしてくる音がしました。

しかし自動ドアは、ゆっくりと開くため、その人のスピードに追いつかず、結果なんと、その人は自動ドアに激突!

反動で、その人はいったん右方向に飛び出し、そこで態勢を建て直して、左へ向きなおり、出口ドアに向かったものの、

哀れ、

出口ドアは閉まってしまい、列車はゆっくりと京都へ向けて動き出しました。「降り遅れ」です。

サラリーマン風の方でした。居眠りをしてしまったのでしょうか。

会議なのか商談なのか、いずれにせよ、予定がおありなのでしょう。まずもって一応「お気の毒」と書いておきますが、やはり人の不幸というものは、見ていて可笑しいものです。

ひひひひ。

皆様、居眠りに御用心を。

本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて1.471日連続更新を達成しました。

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