6月15日は「上を向いて歩こう」(Sukiyaki)の日です。
1963年の、この日に発表された「ビルボード週間ホット100」の1位を、坂本九の「上を向いて」が獲得したからです。
そして、今年のその日にテレビを点けたら、NHKの「知恵泉」で「上を向いて」の作曲家である中村八大を採り上げていました。曰く、
「“オリジナリティー”って何だ!? 中村八大」
「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」などのヒット曲を作った作曲家・中村八大。その陰には、“自分だけの音楽”を求め続けた格闘の日々があった。バラエティー番組「夢であいましょう」では、永六輔・坂本九といった個性との出会いのなかで、作り出す曲に磨きをかけていった。テレビ草創期を共に支えた黒柳徹子さんが、知られざるエピソードを交え、中村が追い求め続けた“オリジナリティー”を発揮する知恵に迫る」
番組では、坂本九が「上を向いて」を歌うのを初めて聞いた永六輔が、歌い方に難色を示したエピソードが紹介されていました。
実は「上を向いて」は悲しい曲=エレジーです。歌詞だけを読めば、悲しみを堪える人の心情が綴られているのですが、それを坂本九は、独特の節回しで悲しい歌ではないかのように歌いました。
「上を向いて」が「ウフエヘヲホムフイテ」のように聞こえます。
「歩こう」は「アールコウオウオウオウ」
永六輔は悲しい歌詞を書いたのですから、そこが気にいらなかったのですが、それを中村八大がおさえました。
悲しい歌詞を普通に悲しく歌うより、坂本九の個性と融合して他にはない歌になることをは望んだのでした。
で、アメリカでのヒット。さらには世界中でカバーされることに。
エレジーでありながら、ひたすら悲しいわけではないことが大ヒットにつながりました。
そこに気づいて永六輔の抗議を退けた中村八大は、やはり天才と申せましょう。
本日もご愛読賜り、誠に在り難うございました。 弊ブログは2010年3月1日に連載スタートし、本日は4.138本目の投稿でした。