浅漬け

 伝統的で本格的な醗酵食品を、日本人があまり食べなくなっているようです。

 例えば日本酒ですが、アルコール度数がビールやワインより少し高いため「二日酔いする」と言われて⇒嫌われることが多いようです。で、低アル酒すなわち「なんちゃって酒」がもて囃されていますね。

 でも、アルコールがあることによって、安全に飲めるんです。雑菌はアルコールの中で生きられませんから。

 最近、酒の原料の「仕込み水」に塩素を入れて殺菌するよう、保健所が指導を始めているらしく、各地の蔵元さんと紛議になっているようですが、まともな酒では食中毒なんて起きないんです。

 心配なのは「なんちゃって酒」だけなのに、酒全体を指導して、大切な「仕込み水」に塩素を入れさせるとは!実に嘆かわしい話しです。

 もう一つの醗酵食品・漬物も醗酵させることで安全性を保っています。乳酸菌によってpH値が酸性方向に偏り、それで、腐敗や食中毒の原因になる他の微生物の繁殖を抑えることができ⇒結果、漬物の長期保存を可能にしているのです。

 その漬物も受難の時代を迎えています。

 漬物は、発酵により当然強い香りを発するものが多いですが、それを嫌う日本人が増えてきたようですね。「ちんや」の現場でも食べずに残す方がおいでです。

 で、好まれるようになったのが「浅漬け」ですが、私は「浅漬け」は衛生上の問題が多いと思っています。だって、ほとんど醗酵してないんですから。

 食品関係者の間では、浅漬けによる食中毒が多いことは知られていました。でも消費者が浅漬けを好む傾向の中で、その事実は、あまり報道されてこなかったような気がします。

 そして、また起きてしまいました。浅漬けによるO157食中毒が。

 今回の「岩井食品事件」では7人の方が亡くなった、と言いますから、亡くなった人数としては、去年のユッケ事件より多いですね。

 原因として報じられているのは、

・従業員が保菌していた。

・原料の白菜の殺菌が不十分だった。

の2点のようです。

 信じがたいかもしれませんが、O157を保菌していながら、発症しない人がいるのです。劇症の腹痛を起こす人がいるのに、なんともない人がいるらしいのです。その人物が汚染源でしょう。

 それから殺菌ですが、次亜塩素酸の濃度が低かった模様です。

 特売の注文に応えるため、いつもより多くの原料を仕込み、それが充分な濃度の次亜塩素酸に浸からなかった模様です。「特売で儲からないから、手間を省いて一度に漬けてしまえ!」と思ったんでしょうか。

 ところで、皆さん、そうなんです、ここでお気づきになったかもしれませんが、「浅漬け」とは「次亜塩素酸漬け」なんです。

 だって、醗酵させないんだし、火を通したら漬物でなくなってしまいますから、殺菌方法としては、次亜塩素酸漬けにするしかないんです。

 伝統食品をイヤがればイヤがるほど、身のまわりには、そういう感じの食品が増えてきます。

 皆ノ衆、御承知アッテ然ルベシ。

追伸①

 藤井恵子さん著の単行本『浅草 老舗旦那のランチ』に載せていただきました。
 不肖・住吉史彦が、「浅草演芸ホール」の席亭さんや、「音のヨーロー堂」の四代目とランチをしながら、浅草について対談する、という趣向です。

 他にも20人ほどの、浅草の旦那さんたちがリレー対談で形式で登場します。

 是非ご購読を! 平成24年6月3日、小学館発行。
 ご購入はこちらです。 (できればレビューも書いて下さいね!)

追伸②

 「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。

 この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。

 その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。

 現在の笑顔数は288人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。

 参加者の方には、特典も! 

 皆様も、是非御参加下さい!

 本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて911日連続更新を達成しました。毎度のご愛読に感謝いたします。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。

 

 

 

 

Filed under: ぼやき部屋 — F.Sumiyoshi 12:01 AM
トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

コメントする





(一部のHTMLタグを使うことができます。)
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">