新式披露宴
知人の結婚披露宴に出席しました。
と申しましても、「知人」というのは完全には正確でありません。親しいのは、親御さんの方でして、新郎とは式の前には2度しかお目にかかったことがなく、その2回の内の1回は、今回の式に出席して欲しい、という用件を言いに見えた時ですから、実質は1回でして、つまりは「親の知り合い」という立場です。
実は、昭和40年生まれの私にとって、「親の知り合い」という立場での出席は、今回が初めてです。これまでは、皆、新郎か神父イヤ新婦の知り合い、という立場でした。
さらにもう一つ「初めて」がありました。
それは、ウエデイング・プランナーなる人が仕切る、新手ウエデイング産業の会場での、初めての式でした、私にとりましては。
浅草人は慶弔ごとに関しては、基本的に保守的でして、会場は浅草ビューホテルか、帝国ホテルか、ニュー・オータニですることが多いんです。それで私は新しい会場では初めてでした。
さて、そういうわけで、ウエデイング・プランナーによる披露宴が始まりました。
最初の挨拶は御本人。
仲人は無し。御両人の経歴説明は司会者がします。
両家のゲスト代表が話して、その後乾杯、という辺りは普通ですが、乾杯した後も、次々にゲストが話します。中には歌を歌う人もいます。
先生や友達は勿論ですが、ご親戚の方もどんどん登場しました。旧式の披露宴だと、親戚はまず出てきませんね。表には出ずにゲストに酌して回るのが御約束ですが、この披露宴は違いまして、どんどん登場します。
へええ、披露宴も変わって来たんですね。
まあ、でも良いことと思います。新郎・新婦を長年見守ってきたのは御親戚ですから、その方々が嬉しい気持ちを表現するのは、正しいことで、旧式の御義理スピーチ主体の披露宴より共感できます。実際、新郎・新婦がスピーチに感激して涙ぐむ場面が続きました。
で、やがて途中で気づきましたが、「ご歓談」がないのです、この宴会には。
「ご歓談」が無いとどうなるか、と申しますと、メインテーブルの人間は忙しいのです。
この日私はメインテーブルに座らされてしまったのですが、その真横で、色々な催しが行われるので、無視して飲み食いするわけに行かず、出番の人に注目していないといけません。食べられません。
催しが終わったら即食べます、当然。しかし、すぐに司会者が、
次のステキなゲストにご登壇いただきたいと思います!!
ええ、もう?!
私は料理屋で、どうしても料理中心に考えてしまうので、・・・と思いましたが、やはり新式披露宴が初体験だった、私の隣の「お偉いさん」は、この方式に感激したらしく、
いいねえ、このやり方! 葬式もさあ、こういう風に改革すれば良いんだよ!
いやあ、先輩、婚礼も葬式も両方フレンドリーにしたら、義理の世界がなくなっちゃいますよ!
追伸①
『料理通信』6月号に「ちんや」が紹介されています。
この雑誌に服部幸應先生が連載なさっている、「世界に伝えたい日本の老舗」というコーナーの第37回に、お採り上げいただきました。
有り難いことです。ご購読はこちらです。
追伸②
「日本国復興元年~1千人の笑顔計画」を実行中です。
この「計画」では、まず「ちんや」で東北・北関東の牛を食べていただきます。そして食後の飛びっきりの笑顔を撮影させていただきます。
その笑顔画像をこちらのサイトにUPして、北の産地の方に見ていただきます。
現在の笑顔数は142人です。笑顔数が1千人に達するまで継続してまいります。
参加者の方には、特典も!
皆様も、是非御参加下さい!
本日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。御蔭様にて835日連続更新を達成しました。浅草「ちんや」六代目の、住吉史彦でした。
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